新宿・思い出横丁、もつ焼き「きくや」は1956年(昭和31年)創業。継ぎ足しのタレと特製塩が効いた串焼き、そして独自ブレンドの酎ハイで知られる。酔いどれたちの聖地に、20年ぶりに足を踏み入れた。 初めて訪れたのは大学時代。松田優作が常連だったと聞き、弟とプロレスを観た帰りに立ち寄った。味はうまかった記憶がある。ただ、周囲は労働を終えたサラリーマンたち。親の金で酒を飲む身分では、場の空気に馴染めず、どこか居心地が悪かった。 2025年4月7日、月曜日の午後3時。令和の思い出横丁に向かう。松田優作の時代は「しょんべん横丁」という食欲を失くす名前だった。 今では観光スポット化し、お客さんの9割が外国…