第90代内閣総理大臣となった安倍晋三により「脱却すべき体制」*1としてネガティブに提示されているもの。第二次世界大戦後の「民主化」改革によって作られた諸制度、日本国憲法およびその理念の下に制度化された諸制度・体制を指す。
その中には現代日本において完全に定着し経済発展に寄与してきたものも多いが、いわゆる「逆コース」「反動」によってすでに破壊され消滅した戦後民主化制度*2もあり、どこまでが否定されるべきものか具体的議論はあまりなされていない。
安倍晋三は戦後レジームは「おしつけ」られたものであるとして否定しているが、河野洋平衆議院議長は、日本人は「日本国憲法」に象徴される新しいレジームを選択して戦後を歩んだと主張*3するなど、保守層の間でも意見は分かれている。
*1:平成18年12月19日第165回通常国会終了後の安倍内閣総理大臣記者会見 http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2006/12/19kaiken.html 「この臨時国会におきましては、その改正教育基本法とともに、地方分権改革推進法等、政府が提出をいたしましたすべての法律が成立をいたしました。そしてまた、防衛庁の省昇格等、重要な法案もすべて成立をいたしたわけであります。こうした法律は、私が所信表明で述べたように、戦後レジームから脱却をして、新たな国づくりを行っていくための基礎となる、礎となるものであります。その意味で、この国会においてこうした成立をみたことは、私は大きな第一歩を記すことになった、このように考えております。」
*2:たとえば財閥の解体、海外派兵禁止原則、教育委員公選制度など。
*3:全国戦没者追悼式河野洋平衆議院議長式辞(2007年)「私たち日本国民が、62年前のあまりに大きな犠牲を前にして誓ったのは「決して過ちを繰り返さない」ということでありました。そのために、私たちは一人一人が自らの生き方を自由に決められるような社会を目ざし、また、海外での武力行使を自ら禁じた、「日本国憲法」に象徴される新しいレジームを選択して今日まで歩んでまいりました。」