慶応二年五月十二日(1866年6月24日)「Oui, je pense que c'est une bonne idée.(はい、これでいいと思います)」 駐日フランス帝国全権公使ミシェル・ジュール・マリー・レオン・ロッシュは、幕府からの出品目録を見て言った。 なんだこれは? 円盤式? また新しくなったのか? 持ち運びカメラは輸出されていないから、ヨーロッパの人々が驚くのは間違いない。 ガソリンとは何か? 原油を精製して作るのか? 照明用の油を動力に? 訳が分からない。 それにこの銃は一体何なんだ? 陸軍の視察は何度も行ったが、初めて見るぞ。 機関銃? ディーゼル潜水艦? グライダー? 電磁波…