2026年1月20日(火・晴) これまでの挿絵研究史において、しばしば挿絵と大衆文学との関係が議論されてきた。師岡知徳「研究動向 挿絵と文学」(『昭和文学研究』2018)にも、主に1920年代である大正中期の文学作品と挿絵との関係が取り上げられ、大衆文学と挿絵との間にあるリンクが強調されてゐる。しかし、本研究では、挿絵が大衆文学作品に多く挿入されてゐることを鵜呑みのやうな現象として受け入れるのを避けたいため、その理由・原因・要因・思想について考察してきたことがある。特に、本研究の主な対象となつてゐる太宰治が作家として稼働していた1930年代〜1940年代の出版文化、つまり雑誌や書物のやうな媒体…