教友(とも)千歩吾れ六〇〇歩のポストあり便り交はすと老いの足ゆく 菅野和子『信徒の友』2024年5月号「読者文芸短歌」 今年の4月に主の御許に旅立った方は、私の所属する組の教会員だった。数年前の組会に私が参加した頃にはその方はもう組会に出られない状態だったが、他の参加者で組のメンバーのことをよく気にかけていただいていた方が「◯◯さん(今年逝去された教会員)がこの間『郵便局まで行くのに一時間かかった』と言っていた」と仰ったのに、私は驚愕した。何回か伺ったことがあるその方のお宅は、私の感覚からすれば我が家より郵便局に近いところにある印象を抱いていたためである。多少足腰の痛みがあるにせよ、それなりの…