この文を構想したのは、金台俊『朝鮮小説史』を読み直して「なんかショボいな」と感じたのがきっかけだった。日本や中国と比べてどうショボいのか考えてみるために、中国文学史の入門書も読んでみた。以下でまともに読んだのは引用文献にあげた本だけで、言及した文学作品は読んでないものだらけである。 金台俊(安宇植訳注)『朝鮮小説史』平凡社東洋文庫, 1975. 古代の詩文 インドの『リグ・ヴェーダ』、中国の『詩経』、日本の『万葉集』は、各国(言語圏)最古の文献が詩集である点で共通している。詩集ではないが、メソポタミアの『ギルガメッシュ叙事詩』、エジプトの『シヌヘの物語』、ギリシアの『イーリアス』等も、各言語最…