台湾統治を成功させるためにあらゆる方面で力を発揮する後藤新平。児玉源太郎台湾総督と後藤新平民政長官がそれまでの台湾を大きく変革し、近代化へと導いた。それを陰で支え続けた人物の一人が、実業家の賀田金三郎。後藤からの信頼を勝ち取り、後藤の勧める台湾近代化計画実現のために奮闘した。 その賀田金三郎が経営する賀田組の台北事務所には今日も、若手従業員達が賀田の話を聞きたく集まっていた。 「君たちがもしも後藤長官の立場で、この台湾を統治していくとしたら、今まで話した内容以外に、何に手を付けるかね。」と賀田が集まった従業員達に問いかけた。各人が自分の考えを述べていく中で菊地が「教育です。」と答えた。賀田は「…