「唐突」という言葉が似合う人である。昨年、定額減税を決めたときもそうだった。この夏には、電気・ガス料金の補助をいきなり打ち出して物議をかもした。先日は、憲法9条改正の議論を加速するよう自民党側に指示を出した。支持率ずっと低迷の岸田首相である。 ▼そのたびに、人気取りのバラマキとか保守派へのアピールとか言われても意に介するふうはなし。着々と布石を打っているように見えた岸田さんだった。それがどういう心境の変化か。きのう、やはり唐突ぶりを発揮して、総裁選不出馬を表明した。お盆休みで都心に人影も少なく、終戦記念日を前にした空白の夏の日だ。 ▼「自民党が変わったことを示す第一歩は私自身が身を引くことだ」…