「書店を扱った作品」の第二弾は、早見和真『店長がバカすぎて』(ハルキ文庫、2021年)です。書店を舞台に、「店長・小説家・社長・版元の営業・客」といった、周りの人たちを、皆バカ呼ばわりしながらも、なぜか辞めようともしない女性書店員・谷原京子の奮闘記。書店員の日常のみならず、楽しみや心の内までが赤裸々に綴られています。本の魅力もよく伝わってきます。 [おもしろさ] 人が皆「バカ」に見えるとき どんな職場でも、同じことの繰り返しばかりとなると、やる気を持続させることはけっして容易ではありません。ましてや、店長をはじめ、周りの人間が「バカ」としか思われないような人物ばかりだとすると、テンションはさら…