本の紹介文、ブック・レビュー。 通常はいわゆる新刊本について行われることが多く、読者の書籍選びにあたって参考に供する意味を持つ。
ニッポンの書評 (光文社新書)
関連リンク 書評 - Wikipedia 好書好日|Good Life With Books http://www.yomiuri.co.jp/book/review/ 書評サイト-本スキ。 ビジネス書の書評・要約まとめサイト bookvinegar-ブックビネガー HONZ - 読みたい本が、きっと見つかる!
《内容》 ハイソサエティの退廃的な生活。それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。この青年こそ著者自身の分身である。また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作! これは大人の小説だわ。 カポーティの最後の作品である本作の後に初期短編集を読んだんだけど、この読み順最高にエモいです。最高傑作かもしれない。でも、夢も希望もない。小説的な文体とか技術とかそういうのはカポーティにとって最高なのかもしれない…
マッキンゼーのシニアパートナー3名による共著。優れたCEOを200名抽出し、そのうちの数十名に直接インタビューして、優れたCEOの取り組んでいる仕事は何か、そしてそれらの仕事にどんな考えを持って取り組んでいるのかを明らかにした本。 既にCEOとして日々奮闘している人にとっては当然大きな示唆をもたらす本だと思うが、それ以外にも、将来的には企業経営を自分でしてみたいと考えている人や、普段CEOと関わりのある仕事をしている人にも、読む価値がある本だ。僕が考える、本書の素晴らしい点は大別して3つある。 1つ目は、CEOの役割を過不足なく、かつ明確に示している点である。本書では、大きく分けて6つの役割、…
定着と離職のマネジメント「自ら変わり続ける組織」を実現する「計画的人材流動性」とは作者:曽和 利光ソシムAmazon 読んだきっかけ 会社を運営している人にとって、社員の離職というのは常に頭痛のタネになっていると思います。私はなっています。 なので、こういう系の本はイヤでも目にとまるのですが、この本は社員に留まってもらう方法だけでなく、適切な離職についても論じている本ということで、Twitterで流れてきたのを目にして気になってAmazonで購入しました。 感想・レビュー まず、元リク本(元リクルートの人が書いた本)なのでリクルートの話です。 本の要旨は、変化の多い時代なので必要な人材はその時…
こんにちはしろはです。今回は『ぼくのメジャースプーン』(辻村深月/著)を紹介します。※本文にはネタバレを含む場合がありますので、ご注意ください。 ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) 作者:辻村深月 講談社 Amazon あらすじ 人物紹介 感想 ネタバレありのコメント 全体を読み終えての感想(ただの独り言) 何を伝えたかったのか(これもただの独り言) あらすじ 忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ…
永井荷風や織田作之助が好きな僕が面白いと思える一冊。明治期の東京に住む筆者を通して江戸期の風俗が垣間見ることができる。「逝きし世の面影 渡辺京二」の世界のようでもあり、現代に生きる僕の日常におきる付き合いの世界のようでもある。 文豪夏目漱石のイメージとはまた違う、近所のおじさんとして身近にいれば普通におつきあいできるのにと思わせる。「こころ」「草枕」なんかの女々しいばかりの重畳的な文章に読みにくさを感じていたが、こんな人がかいているのか、と思うと”女々しい文学作品”であっても再読したくなる。筆者と読者の間を隔てる霧が少しばかり晴れるような思いがする。 しかし江戸の地名って、それだけで物語を感じ…
www.seidosha.co.jp 食品ロスの問題は日本でも度々話題となっている。北欧のスウェーデン、デンマーク、オランダの食品ロスへの取り組みが、筆者の取材を基に具体的に紹介されている。 筆者は「食品ロス」をテーマにYahoo! ニュース個人に記事を掲載している。2018年、それが評価されYahoo! ニュース個人オーサーアワードを受賞。受賞によって、2019年北欧に行き取材できることとなり、Yahoo! ニュース個人に取材記事を書いている。この本は、それら取材記事と、取材の振り返りがまとめられている。 ざっくりというと・3R(スリーアール)を守りましょう。・賞味期限を過ぎても、おいしく食…
インフレが進行しています。 今月の電気代が7万を超えひっくり返りそうになりました。 オール電化なので被害は甚大です。 ウイルスやインフレも平等に人々を襲いますが 被害は弱者に集中します。 いよいよ、末端の物価(購入価格)が上昇してきました。 ここ、20年で初めての現象が起き始めました。 「価格据え置き作戦」はもう限界に来たようです。 輸入→メーカー→小売り の流れでやっと末端価格が上がり始めました。 日本国内だけであれば、物価が上がらない事は特に問題とはならないですが 海外と貿易をしているので、国内外の価格差が開く事はよくありません。 つくづく鎖国が好きな国だと感じます。 それに外圧(ウイルス…
おはようございます。 読書がライフワークになっている 医療業界のコンサルタント ジーネット株式会社の小野勝広です。 人間ってのは 年を取ると偉そうになり、 お偉くなると傲慢になり、 いつの間にか学ぶことを忘れてしまい 自分勝手な振る舞いが増えてきますね。 クレーマーは60代男性がダントツに多いと言われますけど、 ま、そういうことなんだと思います。 もちろん当てはまらない人も多いですし、 おそらくそういう人は 年を取るほどに謙虚になり、 お偉くなるほど自分を律し、 常に学びを大切にして いつの間にか人格者になっているのでしょう。 私自身も50代になり、 一応、経営者でもありますから 意識して学ば…
大阪、猪飼野を舞台に、在日コリアンの不良少年たちの来し方を回想する昭和30年代グラフィティである。 現在こそコリアンタウンとして賑わう鶴橋界隈だが、当時は貧民窟のような場所だったらしい。在日コリアンが多く住み、暮らしは豊かではなく、粗暴少年が多かったようだがその行動は生き生きとしている。 当初は喧嘩三昧ぐらいだったのが、やがて愚連隊の子分となり、いろいろな悪事に手を染め、最後は本職のヤクザとの抗争で潰されるまでを、当時の社会状況、警察の資料などを引用しながら活写する。そしてこの時期を境に街は清潔に無臭となってきており、当時を懐かしむ筆致である。 自分が生まれたのが昭和30年代だから、この時期の…
非常に楽しい本でした。著者たちのYouTube動画も参考になりました。 一方で、外観の紹介はお腹いっぱいになり始めているので、「何故それが維持できるのか」「何故それが引き継がれているのか」の法律・税制・政治制度・経済制度・都市計画・価値観なども知りたくなってきました。 ・それぞれの物件の土地は所有権 or erbbaurecht? 建物や各部屋は所有権 or 賃借権?・湿気はどの程度あるか。結露対策はどうしているか。どのような災害があり、被災後の建て替え/復旧の判断基準は?・古い物件の住宅性能はどのようなものか?古い物件にセントラルヒーティングなどの最新設備をどのように導入されているのか? ・…
「おもしろい本を読みたい!」 この記事では読書熱が高まっている人のために「読みたい本の探し方」をまとめました。 「似たような本ばかりで、ちょっとマンネリ…」 「新しい刺激が欲しい!」 そんな人にもおすすめのアイディアです。 情報収集は「サブスク」が便利 趣味を掘り下げるなら「レコメンド」を利用する 本の「引用・出典・参考文献」からたどる 「本屋」のメリットを利用する プロが選ぶ「選書サービス」を使う 読書家のおすすめがわかる「書評サイト」を読む 「無料」で読めるサイトを使う 本のイベント「ブックフェスティバル」に行く 個性的な「小さな出版社」から探す 情報収集は「サブスク」が便利 とにかく大量…
子どもの頃からSFが好きなんです。 学生時代に読んだ「究極の音楽」っていう小説が けっこう印象に残ってます。 この世には究極の音楽があって、 バッハもモーツァルトもベートーベンも、 みんな究極の音楽を探すために作曲していた。 そう考える主人公が最後に究極の音楽を見出して…… という話でした。 あれから何十年。 ぼくは毎日トイレで3か月くらい前の古新聞を読んでまして、 書評に取り上げられた面白そうな本を図書館で借りてます。 その1冊がこれ。 小川哲ってだれ? 全然知らなかった小川哲(さとし)という作家。 ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞した というので興味がわいたんです。 中短編集でした。 …
(今回は岩波新書ではない、ロビンス「組織行動のマネジメント」についての書評を「岩波新書の書評」ブログではあるが、例外的に載せます。念のため、ロビンス「組織行動のマネジメント」は岩波新書ではありません。) 昨今では行動経済学や管理経営学、組織行動学、行動心理学、組織心理学…らの研究書籍が流行して、例えばドラッカー「マネジメント」(日本語版、1974年)が、間歇(かんけつ)的に繰り返し時折ブームで世間の話題になったりしているけれども、この手の経営管理学の書籍は昔からあった。 そもそもの企業組織に属する個々人の適正能力・労働意欲(モチベーション)や組織への忠誠を高めたり、個人の反組織的行動を諌(いさ…
命に対して学べる絵本です。 全体的に説教臭いので子供が読んでも面白くなさそう… かいつまんでまとめると自分の命は他の命を奪って保たれているので自分の命は大事にしましょう、という事が書かれています。 そんなこと絵本を読む年齢の子供に話してもトラウマになりかねない内容なのではないでしょうか? 可愛い牛の絵の後に牛が電気ショック(銃?)のようなもので殺され、首辺りを大きく切られ血を抜かれ、皮をはがれてぶら下げられる絵が続きます。 こんな絵を見せられた後にお肉を食べたい、おいしそう、とは思いませんよ。 優しい子供なら「私はなんてひどい事をしていたんだ」と食欲がなくなるでしょうね… そして唐突のメンタル…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 2/3 号 6 冊ワンダーランド急行 荻原浩 日本経済新聞出版 2,090 ④虹の涯 戸田義長 東京創元社 1,870 ②諦念後 男の老後の大問題 小田嶋隆 亜紀書房 1,760 ②この世界の問い方 普遍的な正義と資本主義の行方 大澤真幸 朝日新書 1,001 ②ウクライナ戦争 小泉悠 ちくま新書 946三千円の…
日本人を考えるのストックも尽きたし、やっぱり毎日書評は無理だろと思いつつもう28日目なので、何とかあと4日頑張れないか模索中です。今日は「非進学校の東大生による、孤独に東大を目指す受験生のための合格体験記Ⅶ」から紹介します。 いきなりですが、東大生合格体験記あるあるの一つが「考える」です。 大体のわからないことは自分で解決しようとしていました。そのおかげで、かなり思考力が身についていたと思います。 (p.18) ドラゴン桜(原作)でも確か国語の先生が「常に考えろ」的なことを言っています。考える力は考えることでしか強化できないのです。しかしそれでは解決できないこともあるわけで、 ただ、英語は考え…
【書評】AIビジネス大全 (プレジデント社) AIビジネス大全 執筆チーム(著)秋元一郎(編著) AIについての知識が乏しいため、まず手に取ったのが本書。 AIは手段であること。AIを活用して業務や生活をより良くしていけることが理解できた。進める上での注意点についても記載されており、特にミドル層に必須の内容であると感じた。 星4つ★★★★ ぜひ読むべし 第5章にある、3つの「未来ストーリー」は必ず読むべき。数年後の働き方や生活が、具体的な物語として描かれており、未来がありありと見えてきました。時間がない方でも、少なくともここだけは必ず読んでほしいです。
先般、ボーク重子氏の非認知能力の育て方という本を読んで、書評を書きました。 子育てにおいて非認知能力を育てるって考え方、やっぱりいいな。素晴らしいな。と改めて思いました。 ただ少し残念だったことは、色んな本を読めば読むほど、非認知能力って幼少期から育むものなんだ。もう少し早く知っていたらな~と思う事が多いですね。 子どもが思春期になれば、親がいくら非認知能力を育てたいと思っても、子どもに響く事は少ないです。やっぱり非認知能力は育むのに一番効果があるのは幼少期だと痛感します。 しかし、 「うちの子はもう、思春期だから。。。」 と嘆くよりも、まだ家庭でもできることがあるのではないか?そう思って僕は…
Myriams-FotosによるPixabayからの画像 LGBTQへのバッシング トランスジェンダーとは? 性同一性障害(GID)とは? 性自認、性的指向、性表現とは? LGBTQ とLGBTPZNとは? アンブレラタームとは? LGBTQと犯罪者とカルト LGBTQへのバッシング 今回の「キリスト教とLGBT(3)」では、現在も当事者や関係者に対して激しいバッシングが続いているトランスジェンダーについて、中心的に触れていこうと思います。 少し前に、カトリック社会問題研究所が発行する雑誌『福音と社会』で、2022年8月から12月にわたって3回掲載された『LGBTとキリスト教 20人のストーリ…
昨日は、夕方に用事があったので、お仕事はお休みしました。 18時に出かけるまで、午後はずっとこの本を読んでいました。 そして、今日の午前中、何とか読み切りました。 たぶん書店で書評などを見て読んでみようと思ったのだと思います。 NYタイムズなど世界が絶賛とか、男性必読の書とか書かれていたと思います。 本文は単行本で約540ページ、びっしり文字の詰まったものでした。 読み切るのに優に8時間以上かかったでしょう。 感想を3言で言えば、「すごい、しんどい、読んでよかった」です。 主人公、夏目夏子の物語です。 夏子に強い影響を与える一人の男性以外は、夏子の姉・姪と、 夏子に関わる何人かの女性たち、ほほ…
・「イマドキ」という言葉 " data-en-clipboard="true">どうも管理人のポポリッチです。 現代はコンプライアンスが厳しい時代。 昔は良かったじゃ済まされない時代になりました。 例えば、会社終わりに部下に1杯どう? イマドキ部下からのひと言です。 それって給料でるんですか? そういう価値観もあるわけです。 それにお酒を一緒に飲みに行くのを上司から誘う。 モラハラや下手したらパワハラとも感じられてしまう。 これは少し大げさもあるかもしれません。 しかし、数十年前と時代が変化していること。 みんな意識的になりたいところだと思います。 本書は「イマドキ」に焦点を当てている内容です…
寒夜 上限の月が沈む *月は合成です。 友人セルジオのブログ「風屋敷日録」で北上次郎氏の逝去を知る。 「本の雑誌」の創刊当時の発行人であり編集長であり、書評家、読書案内人。 椎名誠の「もだえ苦しむ地獄の味噌蔵」に登場するシーナと戦う相手 目黒考二が彼で、 僕は目黒名義の書評集「中年授業」や「活字学級」を何度も読み返し、 Kindleで購入して、折に触れ、ライブラリーから呼び出しては読んでいた。 目黒氏には申し訳ないが、奨めている本はそれほど読んではいない。 この2冊の書評は、老いることの寂しさや悲しみが漂っていて、好きでした。 76歳、肺がんだったそうだ。 活字学級 (角川文庫) 作者:目黒 …
本日、紹介するのは本要約チャンネルさんの「「読む」だけで終わりにしない読書術」という本です。 【こんな人におすすめ】 【結論】 1.読むだけで終わりにしない3つの読書術 2.1万冊を読んでわかった本当に人生が変わる2つの最強習慣 【こんな人におすすめ】 ・人生を変える方法を知りたい人 ・読書を人生に活かす方法を知りたい人
ジェヨン[牧野美加訳] (2022年12月25日刊行,原書房,東京, 48 color plates +232 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-562-07243-9 → 目次|版元ページ) 【書評】※Copyright 2023 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved書籍修繕は “本生” を進化させる神田神保町すずらん通りの〈東京堂書店〉で袖をぐっと引かれた本.韓国ソウルで書籍修繕工房を営む著者が “本生” を語る.書籍修繕という仕事が「この1冊」というトークン(token)を相手にしていることを知る. 前世紀末のことだったか,…