——暴風の神であり出雲系の英雄でもあるスサノヲの命が、高天の原に進出し、 その主神である天照らす大神との間に、誓約の行われることを語る。 誓約の方法は、神祕に書かれているが、これは心を清めるための行事である。 結末においてさまざまの異系統の祖先神が出現するのは、 それらの諸民族が同系統であることを語るものである。—— そこでスサノヲの命が仰せになるには、 「それなら天照らす大神《おおみかみ》に申しあげて黄泉《よみ》の國に行きましよう」 と仰せられて天にお上りになる時に、山や川が悉く鳴り騷ぎ國土が皆振動しました。 それですから天照らす大神が驚かれて、 「わたしの弟が天に上つて來られるわけは立派な…