ボクサーの文化人類学者と、身体論に造詣の深い禅僧が語り合うという催しに参加してきた。紹介文の一部の文だけ抜粋すると、人類学者の先生は、「~拳で殴るのは、直立二足歩行で手が自由になったその身体的特性ゆえに、きわめて人間的な暴力である。~」との前口上、禅僧の人は「~禅の歴史にも師が弟子を殴るという物騒な指導方法が時折見られる。~」と案内に書かれていた。どんな話し合いになるのかと、ものすごく興味が湧き、大きなお寺の書院まで足を運んだ。結果的には、“身体”の観点から、ボクシングと仏教の共通点や相違点が明確になったというものではなく、それぞれのお立場で経験を語られる、という印象だったので、対談の内容では…