人類は長いあいだ、木の実を食べて生きてきた。 ドングリ、クルミ、クリ。そして現代の私たちが食べているアーモンドもまた、その仲間である。 考えてみれば、人類が農耕を始めたのは約1万年前にすぎない。それ以前の数百万年、人類は狩猟と採集によって生活し、森の木の実は重要な食料だった。 日本列島でも事情は同じである。縄文時代 の遺跡からは、大量のドングリやクリが見つかり、さらにドングリのアク抜きを行う加工施設まで発見されている。縄文社会は、言ってみれば「木の実文明」だった。 ところが現代人の食卓から、ドングリはすっかり姿を消してしまった。代わりに主役になったのは、米や小麦などの穀物である。 人類は300…