つね日ごろからなにくれとなくお気遣いくださるご近所の奥さまから、野菜をいろいろ頂戴した。山梨のご親戚から豊富な到来ものがあって、お裾分けとのことだ。ありがたい。 川口青果店の店頭では、観て想像して愉しむに留まっている場合が多い。つい独り言を漏らす。 「たまにはこういうもんも、使ってみたいがねえ」 「今が、美味しいときですよ」 おかみさんの耳に聞えてしまい、奨められてしまうことがある。食指は動くが、独居の消費量に自信がもてない。尻込みして、定番の品だけを買うこととなる。 ところが、どんなもんだい。今日は長者気分だ。 生野菜をバリバリ食う習慣はない。歯を喪ってからは、なおさらだ。むろん嫌いなわけで…