「ちゃんとした選択をすること」は、社会人のたしなみだと思っている。働く人として、消費者として、誰かと関わりながら生きていくなら、なるべく環境に配慮して、できるだけ倫理的に、誰かのためになるお金の使い方をしたほうがいい。そんな空気は、いまや当たり前のようにわたしたちのまわりにある。そしてそれは、たしかに人類の進歩だ。 企業の理念に心を動かされることもあるし、商品に込められた想いに共感する瞬間もある。「少しは世の中の役に立てたかもしれない」と思える選択は、わたしにほんの小さな救いを与えてくれる。でも、ただ、それを“いつも”“どこまでも”求められると、だんだんと、呼吸が浅くなる。 仕事でもプライベー…