「消費」という行為には、どこか「ババ抜き」のような構造があると筆者は思っている。景気が良いときは「どんどん使って経済を回そう」といった空気が強まり、消費する人が称賛される。けれど、不況になると一転して「そんなものに金を使うなんてバカだ」と冷ややかな目が向けられる。まるで、音楽が止まった瞬間に椅子を奪い合う、椅子取りゲームのようだ。 厄介なのは、そうした空気を作っているのが政治や企業ではなく、もっと曖昧な「世間」や「SNSの声」、つまり「ババ抜き」の参加者たち自身だという点だ。煽っておいて、いざとなれば切り捨てる。ババを持たせた側が、今度は「自業自得だ」と言い出す。2025年時点で言うと「変動金…