1931年9月18日の柳条湖事件から始まる、関東軍による中国東北地方への攻撃。いわゆる十五年戦争の第一ステージ。
石原莞爾らを首謀者とし、短期間で東北地方を制圧*1、満州国を樹立した。
現地軍部による独断専行(下克上)とその追認という形で帝国陸軍の統帥が失われていく契機ともなった*2。
*1:結果、石原は作戦の神様と呼ばれるようになる
*2:石原自身がそれによって日中戦争の拡大抑止に失敗することになる
ロシアがウクライナに侵攻し、第3次世界大戦勃発の危機とさえ、言われています。 クリミア併合から、傀儡国家を作って占領する手法が、かつての大日本帝国によく似ているなと思っていたら、かつて父親が、「日本の場合は、経済制裁(ABCD包囲網)を受けたから、参戦したのだ」と言っていたのを思い出しました。 昭和1桁で、徴兵に取られて、もう少しで戦場に行くところだった世代ですから、そういうふうに考えるのは、無理もないかもしれません。 ですが、それは順序というか、原因と結果が違うだろう(経済制裁されたから戦争を起こしたのではなく、中国に侵攻したから経済制裁された)と思ったのですが、自分も詳しいところは知らなか…
ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説されるというニュースを聞き、生中継の映像を見ていました。淡々と窮状を訴えつつ日本に期待する部分を話されましたが、予想以上に日本の立場を理解し、イギリスやアメリカ、フランスの議会で話された内容とは違う印象でした。在日大使館が原案を作ったのかもしれませんが、将に、今侵略(ロシア側の説明は違いますが)されている国の大統領が、メディアを使って他国に訴えるという情報戦はビックリしますね。我々(平和ボケの)日本人には実感がありませんが、世界各地では、常に、民族、宗教、領土をめぐる紛争が起こっています。ドローンで空爆とか情報戦等々新しい戦争スタイル(紛争)を実…
※政府が事後的に満州事変を認めた背景、第一次上海事件、満州事変の国内の評価の項目を追加しました。 シリーズ(10)(11)(12)では国際グローバルスタンダードであった金本位制が崩壊し、グローバル経済が維持できなくなりブロック経済化していった状況を説明した。当時の常識であった金本位制を維持するの政策によって各国はデフレと金利上昇に見舞われ、経済が悪化し社会不安が広がった。これが当時の大恐慌の概要である。そのような状況のなかで陸軍が動きはじめます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 今回も松元崇先生の本の12章をまとめていきます。 中国大陸の情勢と満州事件 昭和6(1931)…
1983初版発行。1998改訂・増補版発行。 内容 満州事変から終戦までが描かれています。 中国大陸での戦争と太平洋・東南アジアでの戦争が同時進行していく様は、無茶であったとしか言いようがありません。 南京事件、従軍慰安婦など、議論が分かれる描写もあります。アメリカ国内で日本人が強制収容所に入れられたことも描かれています。 小さなエピソードの意味が連続しています。 この手の本としてはその辺の感覚のバランスが取れていると思います。 巻頭口絵ページでは国会議事堂や戦前のオリンピックが紹介されています。 電子書籍版は、巻頭口絵ページ・巻末資料編が削除されているので、できれば紙書籍を入手したほうが良い…
過去記事二つ。 kirishimaloda6915.hatenablog.com kirishimaloda6915.hatenablog.com 『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)のコンセプトには「元気が出るようなゲームを作る」といったものもあったらしい、という話。これをさらに続けてみよう。 はっきり言うが、『超力兵団』の未来は暗いものでしかない(いずれは満州事変が起き、日本は戦争を起こすし、東京大空襲も起こるし、沖縄戦や原爆投下もある)。そしてライドウの未来も、暗いものでしかないだろう(いずれは戦争に行かなければならないのだし…)。それなのに…
1931年というと、史実では「満州事変」(「柳条湖事件」がきっかけとなる)が起こった年であるが、同じ年を舞台とした『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2)の世界ではまだ起こっていないと考えられる…(このゲームでは「大正20年」という架空の元号になっているが)。ってことは、このゲームの時代は「1931年の9月よりも前」なのは確実だろう。 だが、いずれはこのゲームの世界でも、満州事変は起こるであろう。 それにしても、わざわざ「満州事変が起こる直前の時代」を選んだのは何か意味があるのか? もう一つ気になるのは、満州事変の発端である「柳条湖事件」がいずれ起こるとして、このゲーム…
1904年(明治37年)日露戦争が起こり、日本は苦戦しながらも勝利し、1905年ポーツマス条約で朝鮮半島における自国の優位の確保、遼東半島の租借権、東清鉄道南部(長春・旅順間)の経営権、樺太の南半分の譲渡を獲得しました。1906年日本政府は半官半民の国策会社「南満州鉄道株式会社」通称、満鉄を設立しました。満洲の資源開発を急ぐため、1907年満鉄調査部を設置、鉱業部を作り、地質調査機構を大連に集中、また中央試験所を設立しました。その後、数年かけ、東亜経済調査局、撫順露天掘り事業がはじまり、油母頁岩採油試験そして満鉄統計資料、経済調査資料、満洲地質資料などが定期発行されるようになりました。1940…
こんばんは、やすかわばいべいです。 5月がそろそろ終わりますね。今月は、全然ブログの投稿をしていなくてまさに「あーあ」って気持ちなのですが笑 まあ、きままに、であります。 私は(完成したものを他人が見るとそんなことはないのですが…)結構完璧主義なところがありまして、ある程度納得しないと、行動に移せないんですね。8割…いや7割くらいの納得でやっていかないと、そもそも「形にもならないぞ」というのは、分かっているのですが、その力の抜き方が如何せんよくわかりません。頭が先行で考えている事が、やはり行動を制限しているのかもしれません。きままに、行動したいであります。 今日は石原莞爾の書簡集*1からnot…
小説家・門井慶喜が宮沢賢治の父である政次郎を主人公に究極の家族愛をつづった直木賞受賞作「銀河鉄道の父」を、「八日目の蝉」「いのちの停車場」の成島出監督のメガホンで映画化。岩手県で質屋を営む宮沢政次郎の長男・賢治は家業を継ぐ立場でありながら、適当な理由をつけてはそれを拒んでいた。学校卒業後は農業大学への進学や人工宝石の製造、宗教への傾倒と我が道を突き進む賢治に対し、政次郎は厳格な父親であろうと努めるもつい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気をきっかけに筆を執る賢治だったが……。役所広司が政次郎役で主演を務め、長男・賢治を菅田将暉、賢治の妹・トシを森七菜、母・イチを坂井真紀、祖父・喜助を田中泯…
図書館で借りた本だがなかなか面白い。印象に残った部分だけって思ってたらめちゃくちゃ長くなったので前半でいったん締める。 本書はインタビュー形式なので時系列は前後したりする。 1昭和陸軍と素顔 将校たちと社会 P11 西田税評 頭のいいことはやっぱり優秀だったわけですね。だけれどもやっぱり優等生タイプじゃないですね。やっぱり子供のころからああいうことが好きなんですよ。しかし人には、親切です。友達には非常に親切ですね。それから、やっぱりああいう風な一派の首領になる素質があるんじゃないですか。 P27 幼年学校出身者と中学出身者による士官学校の確執はどうだったか?という質問に対して 自分たちが入る数…
2007年6月18日第1版第1刷発行 帯封「これまで誰もがとりあげようとしなかった主題である。正面から論ずることを回避してきたテーマである。それを広い視点から、柔軟な筆遣いで明らかにしようとしてる。山折哲雄氏絶賛 『あの戦争』が何であったかを斬新な切り口で検証する画期的論考」「賢治と莞爾。イーハトーブと満洲国。いったい、この二人は何者なのか。共通点はある。それは、二人がともに法華経の熱心な信者であり、当時、一世を風靡した在家の法華経教団である国柱会の会員だったことである。しかも、この二人は、入会時期もほぼ同時期なのである。宗教的理想を根底にして、社会変革を夢見たユートピア思想家。このような観点…
政治ランキング 教育・学校ランキング 歴史ランキング 【今日でちょうど60年、独占告白】被差別部落出身の青年が「殺人犯」として不当逮捕された…「命の恩人」は三鷹事件で逮捕された男だった 汚染水の海洋放出に対するG7の「歓迎声明」発表されず…日本「世論作り」失敗=韓国 韓国福島視察団の初日…「多核種除去設備の原資料など要請」 核なき世界へ 上田紘治さん 2015年に遺族が第20次再審請求をしている!! 平沢貞通画伯が米寿を迎える頃に獄中で描いたとみられるテンペラ画 5月13日東京新聞 帝銀事件 帝銀事件① 戦後最大のミステリー「帝銀事件」犯人は何故被害者と同じ毒物を飲んで死平気だったのか?冤罪?…
《 陸軍中野学校の果たした役割を追う 5 》 大東亜交流圏その5 前回の本シリーズの中で、陸軍中野学校での教えの特徴として、 「個人の地位や名誉、そして命もいらない、国のためであれば『埋め草』になれる」 というものがありました。 陸軍中野学校で唄われていた愛唱歌に 「いらぬは手柄 浮雲のごとき意気に感ぜし人生こそは 神よ与えよ万難我に」 とあります。 そこから、西郷隆盛の「遺訓集」が思い起こされて――― 「命もいらず、名もいらず官位も金もいらぬ人は 仕末に困るものなり。 この仕末に困る人ならでは艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」 という有名な言葉に行き当たりました。 まさに、国のため…
chatGPTとBingで遊ぶ。橘川幸夫さんにならって、擬人化して「chat野郎」とよぶことにしよう。 プラグインのいくつかを試す。プロンプトで、要約、翻訳、イラスト作成などを指示。 以下を遊ぶ:ユーチュブ番組「遅咲き偉人伝」の解説。新型コロナ。ブログ「今日も生涯の一日なり」の解説。大谷翔平の最新情報。「大いなる晩年」という本を書くという前提でキーワードのブレスト。「はじめに」はAIが書いた文章を土台に、和田秀樹風、樋口裕一風、夏目漱石風に変換。目次の作成。「サピエンス全史」の要約。新幹線で大阪へ向かうビジネスマンのイラスト。大いなる晩年の本の表紙デザイン。マルチモーダルの説明。教師の役割。松…
はじめに 租借地とは、外国が中国から借りた地域のことを指します。中国が自ら望んで貸したというよりかは、外国が軍隊などを用いて脅して借りた形です。租借地は中国国内にありながら、外国が行政権を持っていました。 各地の租借地 膠州湾租借地 1897年11月にドイツの宣教師2名が山東省内で殺害され、ドイツが軍隊を山東省に派遣しました。翌年の1898年にドイツは山東省の膠州を99年間租借することとなりました。こうしてドイツは膠州を租借、運営していくこととなります。現在でも青島がビールで有名なのはこうした歴史的な背景があります。1914年に第一次世界大戦が勃発すると、日本は日英同盟を理由に山東省に軍隊を派…
二次大戦のとき、植民地の所有と戦争の行方との関係で、植民地で何が採れるかとか、本国との貿易とか、植民地からの資金繰りなどがどう戦局に影響したか疑問に思った。例えばアジアでは満州事変以降交易の大半は日本になる。これで経済が成功したので関東軍を抑えられなくなり、当時のシンクタンク、満鉄調査部は左右仲良くやっていたのに、左翼がつかまってしまう。ソ連の資料のオゾ文庫は大量の蔵書で、ソ連の研究も大変進んでいたのだが。この蔵書は戦後どこに行ったのだろうか。しかも関東軍はソ連と満州引き上げの交渉もできず代わりに満鉄がやっていた。左翼が生きていれば交渉は違っただろう。満鉄は張作霖を評価していた。彼は人物で丁々…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 日本は、古代から現代にいたるまで日本を侵略する意図を持った敵国に包囲されていた。 ・ ・ ・ 歴史的事実として、日本は被害者で、中国と朝鮮そしてロシアは加害者であった。 ・ ・ ・ アジアにおいて、軍拡で問題なのは軍事力による力の論理を信じ話し合いによる平和の理論を信じない中国共産党・ロシア・北朝鮮で、深刻な問題は軍事大国である中国共産党・ロシアが侵略戦争を起こす危険性がある事である。 それが、歴史の教訓である。 ・ ・ ・ 2023年5月20日18:54 YAHOO!JAPANニ…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 2023年5月13日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「意外と知らない日本人の大誤解…じつは「日本人は集団主義ではなかった」という衝撃事実 いま日本はどんな国なのか? 私たちはどんな時代を生きているのか? 日本という国や日本人の謎や難題に迫る新書『日本の死角』が刊行される。 意外と知らなかった論点・視点の数々とは――。 日本人は「日本のこと」について深く知らないという「意外すぎる現実」 日本はどんな国か、いまはどんな時代か © 現代ビジネス 「日本人=集団主義」な…
松居直:児童文学者 松居:言葉って目に見えないものです。活字になってるから見えるように錯覚するだけなんですが、言葉は目に見えない。 ところが 言葉を聞いていると、目に見える世界ができるわけです。昔話はそうです、昔話は冊子はなかったんです、語られただけです、でも聞いてると、桃太郎の世界が見えてくるわけですね。言葉ってのは目に見えないのに、ちゃんと見える世界を作っていくわけです。 そして、言葉が見える世界を作らなければ、子どもたちは入っていけないんです。だから、目に見えるように書くっていうのは、これは児童文学の鉄則なんですよ。しかも、人間にとって大切なものってのは大体目に見えないんですよね。幸せも…
現在行われている先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の会場となっている「グランドプリンスホテル広島」は、広島湾に浮かぶ宇品島にある。 この宇品島は日本における戦争の歴史に深く関わった島である。 明治27(1894)年の日清戦争から昭和20(1945)年の太平洋戦争終結までの約50年間、旧宇品港は日本陸軍の重要拠点となった港で、ここから中国大陸や南太平洋に兵士を送り出したり、物資を供給したりする基地であったのだ。 そんな歴史を持つ宇品島を僕が知ったのは、一昨年末に大佛次郎賞を受賞した堀川惠子著『暁の宇品』である。 ぜひ、この機会に、日本の近代歴史に興味のある方は、この著書を読まれることをお薦め…
奥谷城跡のある城山から下りて、車を西に走らせた。 鳥取市立川町にあるLIMNO(旧三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社)の敷地は、終戦まで鳥取歩兵第40連隊の兵営のあった場所である。 私がそこを訪れたのは日曜日だったため、門衛はいなかった。だが民間会社の敷地であるため、勝手に入って見学することは出来ない。外観を確認するだけで終わった。 旧鳥取歩兵第40連隊兵営の正門 LIMNOの正門は、ネット上で確認できる歩兵第40連隊正門の絵葉書の写真と比べると、門柱の形が違っている。 だが、絵葉書の門柱の後に、軍が建て替えた可能性もあるだろう。 正門脇の塀 門柱とその脇の湾曲した塀は白ペンキで塗られてい…
☆◆ 今日のつぶやき・覚え書き・ ☆◆ 今日は(2023年・令和5年)(皐月・さつき)5月20日(土曜日)仏滅です。・・・・ 奈良(北部)の天気予報・ ・ 晴 時々 曇 ・・ 26℃・17℃・・・・・ (^^)今日も お立ち寄り 下さいまして 感謝します(^^) 今日は何の日。 お話しのネタ があれば幸いです。 (^^) ☆◆ ~今日は何の日~ ☆◆ ☆◆ 5月20日は 世界ミツバチの日 ( 記念日) スロベニア政府の提案に基づき、2017年(平成29年)12月の国連総会で制定。国際デーの一つ。英語表記は「World Bee Day」。 日付は養蜂が盛んなスロベニアにおいて近代養蜂の先駆者であ…