この頃、満洲という言葉が自分の中で暴れている。自分の父親の若かりし時代を追っているうちに、自分の両親と、60年以上前の幼なじみの両親と同じ時間、同じ満洲国で暮らしていたことがわかった。そして敗戦で同じように乳飲み子を抱えて、違う民族の人々に時には襲われ、時には助けられたりしながら、博多まで一年以上かけて逃げてきた。 同じ様な体験をしてきた人とその子どもがすぐ近くに住み、何も知らずに友人となっていた。 60年以上経ってそのことを知った。そのきっかけは55年ぶりの小学校の同窓会だった。この友人は5年生で転校していた。普通なら出会うはずのないのを、結びつけたのはM君だ。捜し出し連絡をとっていたので再…