西南戦争についての小説集。もう、この本ほど、当時の薩摩の実情、人々の気持ちを表現しえた本があるだろうか!?いや、ない!と、私は思います。もう、涙なしには読めませんよ、この本は。西南戦争に関する時代小説の中ではナンバー1!だと思います。 この本の中には辺見十郎太は出てくるけれど、ほとんどは西郷軍の幹部以外の普通の薩摩隼人たちを主人公にしています。 ふっと笑ってしまう話もあるし、切なくてたまらない話もあるし、号泣の話もあります。鹿児島出身、薩摩をこよなく愛した海音寺先生でなくては書けないような、西南戦争当時の薩摩のリアルなお話。読んでいて、西南戦争当時の薩摩にいるような臨場感を感じさせます。西南戦…