日本近代文学の一派。雑誌「白樺」によった文学者・美術家の集団をいう。人道主義・理想主義・個性尊重などを唱えて自然主義に抗し、大正期の文壇の中心的な存在となった。また、西洋美術に関心を示し、ロダン等を紹介。 武者小路実篤・志賀直哉・有島武郎・里見●*1、倉田百三、柳宗悦、岸田劉生、園池公致等
*1:弓享
前回のエントリ⇩ tsubana.hatenablog.com 柳の宗教論 美の法門 おわりに オススメ書籍 おすすめスポット 柳の宗教論 柳は早い時期から宗教や心、精神の問題に興味を持ち、「白樺」でも当初は宗教哲学を中心に執筆していた。宗教哲学は美術論より先に柳の研究テーマであったし、また美術論とあわせて彼の終生のテーマでもあった。 柳自身は、特定の宗教を信じたことは一度もない。しかし、信仰というものを信じていた。何かを一心に、ひたむきに信じる心を美しいものだと思っていた。それは無心に作られた名もなき職人たちの手仕事を愛した、民藝への道と通じるところがあるだろう。 柳の宗教への興味も、西洋文…
はじめに 「白樺」時代 「民藝」の発見 帝国主義への反論 宣伝 はじめに 私は結構熱心な柳宗悦の支持者である。でも、友人や知人にはあまり柳宗悦好きの同志はおらず、一人で推し活をしてきた。 しかし、最近ちょっと柳宗悦ブームが来ているんじゃないかと思う。友人にも柳について質問されたりすることがごくまれにだがあるし、国立近代美術館では民藝100年展が催される。チャンスなんじゃないか。今、柳宗悦について書くことは需要があるはずだ。 そこで、ここに柳宗悦とその思想について、出来るかぎり簡潔に書こうと思う。みなさん柳宗悦と出会ってください。そしてもし、ご興味をお持ちになられたら、是非とも柳の著作を読んでい…
豹は軽躁、獅子は泰然、虎は両者の中間あたり。 上野動物園の常連客、長與善郎が多年に亘る観察の末、ついに会得した智識であった。 古今を通じて動物園の花形たるを失わぬ猛獣三者。同じネコ科に属していながら、しかし性格の面に於いてはずいぶんな差異があるようで。それがいちばん顕著にあらわれるのは、「やはりめし時こそである」と、この白樺派の著作家は言う。 試みに、彼らの檻にウサギ肉を投げ込んでみよ。 豹は途端に騒ぎだす。それも当のウサギ肉はそっちのけにして、まずは檻の周囲に群がる人間どもへ威嚇を行う。 なんだてめえら、俺の肉を横取りする気か、上等じゃねえかやれるもんならやってみやがれ、伸ばしたその腕、すか…
I💛我孫子 我孫子の歴史 我孫子に住んで11年になりました。 我孫子は手賀沼に面していて自然や野鳥なども多くとても気に入っている地です。 春から夏にかけてはウグイスの鳴き声で目覚めることもあり、避暑地にでも来ているような清々しい気分になります。 今朝も鳴いていました。(^.^)♡ 今まで埼玉県久喜市・蕨市、富山県富山市、福今朝も双葉郡富岡町に住んだことがあります。 どこも素敵でしたが、我孫子には生涯住みたいと考えています。 ほとんどの買い物は隣の柏まで行けば済んでしまう程生活に便利な場所でもあります。 大好きな我孫子ですが、まだまだ知らない所がたくさんあります。 先日、自宅近くを散策したときに…
ぼくのブログは2月14日に160アクセスあった他は、1日 4~24の間でアクセス数が推移している。一人の方が複数ページにアクセスする場合もあるし、アクセスしても記事を読んでくれているかどうかもわからないので、多分10人ほどは読んでくれていると思われる。無限大に拡張しているネット世界の中で、わずか10人くらいが訪れる部屋がぼくの発語している空間になるわけだ。そこでどんなことを発信してもいいとなると、わずか10人に聞いてもらえている環境であっても、何かワクワクするものを感じる。こんなことはサラリーマンの時や学生時代ではなかったことだ。高校1年の時、クラス日誌があり担任教師管理のもとで、生徒が順番に…
その人の存在を初めて知ったのは いつのことだっただろうか。 一目みた瞬間に思ったのは リアル仙人 ▶︎ 熊谷守一(1976年/96歳のころ) 出 典;『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』(求龍堂刊) しかしその見た目以上に その人の描く独特なタッチの絵 かわいいモチーフの数々に 不思議と心強く惹かれ たちまちのうちにファンになった。 その人の名は「熊谷守一」 丸善創業者・早矢仕有的先生と同じ 岐阜県中津川市出身の画家だった。 ▶︎ 熊谷守一(1880〜1977) 出 典;東京国立近代美術館公式ホームページ 明治13年(1880年) 4月2日 岐阜県恵那郡付地村(現;岐阜県中津川市付地村)の 裕福…
狭い日常生活の範囲内で幸福でいられる心の状態には、愛に包まれている感覚がある。ぼくがトルストイを読んでいた間はたしかにそんな感じがしていた。仏教を唯識から学んでいた時には、無限の広がりのなかで落ち着いていられたが愛の感覚はなかった。仏教では孤独でありながら心は充実していた。トルストイや白樺派の文学には、キリスト教の影響なのかは確信はないが、自分が包まれているような感覚があって一人なのに孤独ではなかった。自分が内面で充実しているというより、やはり周りが充実しているのだ。共同体の中にいる安心感に近いのかもしれないが、もっと甘味なものが漂っている。 もし本当に白樺派の文学がぼくにそういうチカラを与え…
『白樺』同人だった小泉鉄の書簡を70通ほど持っている。3年前に文庫櫂から購入。貧乏なわしには、やや高額であった。すべて中央公論社の編集者だった三沢澄子宛である。昭和20年8月(推定)から亡くなる年の29年3月までで、晩年の様子がある程度うかがえるものである。兄の小泉丹はWikipediaに立項されているが、弟の鉄は立項されていないので『日本近代文学大事典』から要約しておこう。 小泉鉄 こいずみまがね 明治19年12月1日~昭和29年12月28日 小説家、翻訳家。福島県出身。一高卒業、東大哲学科中退。白樺同人に加わり、翻訳、感想、小説、戯曲、詩、美術紹介、評論を精力的に発表し、大正中期より編集を…
サミットストア「プチロースかつカレー」530キロカロリー、321円(税込) およそ月一の、ユーチューブ収録日。夕刻、ディレクターさんが機材トランクを提げて来訪くださる日だ。今の私には、大切な仕事のひとつである。 いつもの月並ゲン担ぎ。仕事に出る日の第一食は「カツ」と名の付くものを食う。ほかに買物もあったのでサミットへ。弁当コーナーで、半量かつカレーを選択。 豪華ロースかつ弁当や大盛かつカレーも並ぶ。それだけじゃ足りぬなどと、感じた時代もあったが、今の私の手には(口には)余る。「プチ」で十分だ。 帰宅して、カレーを温めるあいだに、冷蔵庫から常備菜を出して、「いかにも定番」のわが食事を簡単に済ませ…
日時 2022年7月9日(土)13:10開会(ミーティング入室は13:00より) 開催方法および参加方法について Zoomによるオンライン開催となります(一般聴講歓迎) 参加を希望される方は、7月3日(日)24時までに北海道支部事務局までその旨ご連絡ください。参加者として事前登録したうえで、資料や接続方法についてご連絡します。 可能な方はカメラをオンにしてご参加くださいますようお願いします。 PDF版ポスターダウンロード 〈開会の辞〉 種田 和加子(藤女子大学)■研究発表 13:15-14:45 有島武郎「死と其前後」論―大正期のメーテルリンク受容との関連から― 中村 建(北海道大学大学院文学…
先日、あるところで、ある人が、鹿児島のお土産が入った紙袋を持っていました。 それには何かの家紋のようなものがついていました。 その人は「これ、何だか知ってる?」と私に言いました。 私は「知りません」と答えました(本当に知らなかった)。 その人は 「ええええ~っ?島津家の丸に十文字を知らないの」と私に言いました。 「・・・・・知らない」 ヘンな話ですが、私の前世の一つは、会津の坊さんだったようなんです。それも、会津戦争(戊辰戦争)で死んでるようなんですね(信じない人はすっ飛ばしてくださいね)。 それを知る前までは、日本史は大好きなのに、明治維新前後のことが全く頭に入らないのと、維新には全く興味が…
ゆる息子漫画に戻る ゲーム中毒は怖い!と夜はゲームをリビングに置いておくと言い出してから、ゆる息子は片づけてあった私の漫画をひっぱりだして読むようになりました。受験の頃よく読んでいたものもあります。 tekutekukotukotu.com 本当はあまり貸したくないんですよね。片づけないから。 自分の部屋に持ち込んだ『SLAMDUNK』がいつのまにか廊下に山積みに放置されています。完全版なんだよ~。大切にしてよ~。 中学受験勉強中 よく読んでいた漫画 息子が中学受験のころ、私の漫画を見つけて、そのまま息抜きに読んでたんですよね。どうせならちょっとでも受験に役立たないかな・・・と渡したものの中か…
第一次世界大戦 欧米諸国は植民地を広げていくにつれヨーロッパの中で対立が生まれた。 十九世紀末にドイツが強国として台頭すると、イギリス、ロシア、フランスは三国協商を結び、ドイツ、オーストラリア、イタリアは三国同盟を結んだ。 このような二十世紀初めの国際関係は、「武装した平和」と呼ばれた。 当時スラブ民族の独立運動が盛んになり「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたバルカン半島にオーストリア、ロシアが進出しようとしていた。 1914年、オーストリアの皇太子夫妻がセルビア人に暗殺された(サラエボ事件)。 これをきっかけに、同盟国と連合国による第一次世界大戦がはじまった。 これは各国が戦力を使い果たす総力戦…
すこしあちこち寄り道しながら西へ進み市ヶ谷駅へ。 この辺りは以前来たことがある。 2018/01/07 四ツ谷散歩 02 泉鏡花旧居跡/有島武郎・有島生馬・里美紝旧居跡/番町文人通り/藤田嗣治旧居跡/麹町六丁目 - ovanの社会科見学 ◆有島武郎、生馬、里見弴旧居跡 白樺派の作家・有島武郎(1878〜1923)をはじめ、有島生馬(1882〜1974)、里見紝(1888〜1983)ら作家兄弟がここで育った。彼らの父が明治29年にここを購入し、自邸とした。 六番町は、江戸時代から明治・大正・昭和にかけて、 約400年間住宅地であり続けました。 町内には、 番町小学校と雙葉学園があり、 文教地区と…
久しぶりにログイン。パスワード何だったっけ?ってアワアワ。2020年に止まったブログを再開してみようかなと。2020年の観劇記録(感想は過去のつぶやきから…)『文豪とアルケミスト 異端者ノ円舞』1/8(初)・1/13(楽) 白樺派の2人の友情の物語。最後まで出てこないけど、確実にそこにいる太宰。 芥川なくぼひでさんの安定のかっこよさにニヤニヤ。あとやっぱステ●ボール嫌い。『ウエアハウス-double-』1/25(初)・1/26・1/27・1/31・2/1(楽) 詩の暗唱を練習する男と謎の男。2人が出会い不穏な空気が漂う中での会話が始まる… 平野さん演じるヒガシヤマの暗唱のシーンが鳥肌もの。 且…
『文豪東京文学案内』(笠間書院) 田村景子・編、田村景子、小堀洋平、田部知季、吉野泰平・著 書店発売日:2022/4/27 書店で現物を確認。「『小説の神様』は、東京を疾駆した 志賀直哉の東京」という章があり、「自転車」「小僧の神様」「正義派」「城の崎にて」「灰色の月」がとりあげられていた。「自転車」がいちばん分量が多く、作品に登場する坂を地図で示している。 志賀以外の白樺派は目次に無し。 文豪東京文学案内作者:田村 景子,小堀 洋平,田部 知季,吉野 泰平笠間書院Amazon
我が家の庭の目立たない場所に、咲いています。 いつ、植えたか、記憶にないのですが。 公園までの道の花々 この我孫子市は、 志賀直哉 武者の小路実篤 バーナード、リーチ など、白樺派の 人たちが、住んでいた地で 「北の鎌倉」と呼ばれていたそうです。 遊歩道に、このような碑があります。 道中の 家の庭にも、色々な花が咲いていて。 年齢の違った子供達が、ラジオ体操から始まって 「達磨さんが転んだ」などして、遊んでいました。 町内会で、きているそう。 いい企画です‼️
いったい、『東京暮色』に何が起こっているのか。このとき頭をよぎるのが、またしても『暗夜行路』である。 小津作品の中でも最も暗く救いのない印象を与える作品。『東京暮色』というよりは、これでは『東京暗夜』と称したいぐらいである。過去の不倫が物語の伏線となっている点で、この作品は『暗夜行路』の記憶から出発したと考えられなくもない。実際、志賀直哉を崇拝し、私的な交際もあった小津に、『暗夜行路』映画化の勧めはあったらしい。「『早春』快談」で、岸松雄が〈ちょっと聞いたのだけど、小津さん『暗夜行路』をやるのですか〉と質問したのに、小津と野田はこう答える。 小津 まだやるともやらないともきまらない。 野田 小…
『有島武郎研究』第25号が発刊されました。 購入ご希望の方は、◇機関誌『有島武郎研究』購入方法をごらんください。 『有島武郎研究』第25号目次 特集 白樺派と〈翻訳〉 [論文]『青鞜』発刊の辞における「自然」と「潜める天才」/山田(野呂)順子 [論文]デモクラシーと性=政治―ホイットマンの翻訳を中心に/坪井秀人 [論文]「大正文学研究会」と「ジッテ(Sitte)―学問史/〈翻訳〉の視点から―」/中山弘明 [論文]『或る女』におけるコケットとしての葉子像/盧昱安 [論文]有島武郎『星座』研究史―晩年像を再考する視座として/石井花奈 [資料紹介]『有島武郎全集』未収録・有島武郎の大森時吉宛はがきに…
【きょうの人】 0512 ■ 武者小路 実篤 小説家・詩人・劇作家であり、独特な画風の画家 独善的な判断で、気になる人を選んでご紹介しています。 そこに歴史や思想、人物、生き方などを感じ取って、日々の生活やビジネスに活かしてくださると幸いです。 ■ 武者小路 実篤 小説家・詩人・劇作家であり、独特な画風の画家 むしゃのこうじ さねあつ 1885年(明治18年)5月12日 - 1976年(昭和51年)4月9日 日本の小説家・詩人・劇作家であり、独特な画風の画家でもあります。貴族院勅選議員も務めました。文化勲章受章者、日本芸術院会員、贈従三位受勲者(没時叙位)などでもあります。 姓の武者小路は、本…
2013年2月初版第1刷発行 表紙裏には「かつて、自分の描いた絵を見てほしいと言って、ぼくを訪ねてきた若者がいた。やがて彼は北海道で漁師になる。画家の志と、現実の暮らしの間に生じる青年の深い悩みを、ぼくは想像する」とある。 訳者の解説には、本書のテーマは「何不自由のない立場にある有産階級の芸術家が、生活と芸術のはざまで悩み苦しむ芸術家志望者の生き様と作品に刺激を受け、そこから芸術全般が生まれてくる産みの苦しみと歓びを賛美する」とある。 著者は最終章で「『すべてをなげうって芸術家になったらいいだろう』とは、君に勧めなかった。それを君に勧めるものは、君自身しかいない。君が、ただひとりで耐えなければ…
ウルトラシリーズなどのテレビドラマの演出で有名な山際永三監督のトークショーに顔を出してきた(映画のフィルム発見の経緯、商業化の過程も興味深い) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)コメント欄にもコメントしましたがこちらにも記事を書いておきます。 山際永三 - Wikipedia ◆狭山事件などの冤罪支援運動や死刑制度廃止運動、被逮捕者の人権擁護運動などでも知られる。 ◆著書『「悪魔のお前たちに人権はない!」:学校に行けなかった「麻原彰晃の子」たち』(共著、2001年、社会評論社) ということで小生的にはウルトラシリーズよりむしろ「人権活動家」の印象が強いですね。彼の名前を最初に知ったのも…
昭和帝からの親授だったら、これ以上の誉はなかったのだろうが。 入国禁止の基準、その除外の基準が知りたいやね。 ムネオ・ムネコはどこだ? 1981年~1984年、在ソ連邦日本大使館公使→ 小和田 恆 1981年~ 1984年 、在ソ連邦日本大使館一等書記官→ 東郷和彦 (例によって、わたしゃみてませんでしたが) 報道協定干犯への言及。wiki、皇太子徳仁親王と小和田雅子の結婚の儀より (2代続けて同じ手口なんですわ) 東郷和彦のwikiより 東郷茂彦のwikiより 補足として、白樺が僭称ショーダミチコのお印なのは有名な話だが、 白樺派ってのがありましたが、なんぞ関係あんのかね。 (別のお印が予定…