認知症になってしまった母親、百合子(ゆりこ)とその息子、泉(いずみ)の人生を描いた物語です。 記憶がなくなっていく母親との会話の中で、泉は逆に自分の記憶を取り戻していきます。その記憶の中には、親子2人でないものとした1年間の記憶も含まれています。認知症で違う姿になっていく母親、そして過去の記憶とも向き合っていく中で、親子の愛や絆を感じさせてくれる本です。 この本を読んで、家族についてものすごく考えさせられました。本の中に、「将来高齢者の5人に1人は認知症になる。」と書かれています。私の親が認知症になってしまう可能性は十分にありえますし、私自身が将来認知症になってしまう可能性もあり、他人事ではな…