1. はじめに:不動産ならではの視点「1物4価」とは?! たとえば、現金で1億円持っていたとします。一方で、同じ1億円で都内の築古アパートを購入したとします。 どちらも「1億円の資産」なのに、相続税の世界では、課税される金額に大きな差が出る──。 これは何かの裏技ではなく、「1物4価」と呼ばれる不動産特有の価格の仕組みによる、制度上のルールなのです。今回は少しお勉強チックではありますが、このカラクリを押さえておくことで、今後の相続対策の理解がグッと深まります。 2. 不動産には「4つの顔」がある──1物4価という考え方 現金や株式は、基本的に「その時の価格=時価=評価額」として扱われます。しか…