1961年生まれのミステリ作家。東京都出身。元アニメーションディレクター。
1991年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。 1996年『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞(織田裕二主演で映画化) 1997年『奪取』で日本推理作家協会賞と山本周五郎賞を受賞。 2007年「ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い」の脚本を担当。
ホワイトアウト(2000 映画)/繋がれた明日(2006 NHK)
本記事では真保裕一さんの小説『ホワイトアウト』を紹介します。 ホワイトアウト あらすじ 登場人物 ネタバレなしの感想 ネタバレありの感想 ホワイトアウト 著者:真保裕一 出版社:新潮社 ページ数:637ページ 読了日:2024年10月31日 満足度:★★★★☆ 真保裕一さんの『ホワイトアウト』。 「このミステリーがすごい!1996年版」1位。 第十七回吉川英治文学新人賞受賞作品。 あらすじ 十一月のある日、奥遠和発電所の運転員・富樫輝男は、 同僚であり親友の吉岡和志と共に、猛吹雪のなかを遭難者を救助することになった。 しかし、ホワイトアウトに見舞われて救助要請が大幅に遅れてしまったことから、 …
中島健人さんと堤真一さんで昨年10月に実写化された本作品。 役者のファンで映画だけ観たという人も多いのではないでしょうか。 公開前後にはたくさんの番宣で、池田エライザさんなど多くの役者さんがテレビに出ていましたね。 さて、「おまえの罪を自白しろ」は、大臣の孫娘が誘拐されてしまったことで、物語は始まります。 大臣が自白すべき「罪」とは何なのか―—― 幼い女の子の命がかかる中、犯人が罪を自白させたい目的とは何なのかを探りつつ政治家として、誘拐された少女のおじいちゃんとしての苦悩を次男である私設秘書や誘拐事件にかかわる刑事の視点から描かれています。 政治って身近なようでいて見えない部分が多くあるので…
本記事では真保裕一さんの小説『奪取』を紹介します。 奪取 あらすじ ネタバレなしの感想 登場人物(ネタバレあり) ネタバレありの感想 奪取 著者:真保裕一 出版社:講談社 ページ数:上巻:496ページ 下巻:480ページ 読了日:上巻:2024年5月8日 下巻:2024年5月11日 満足度:★★★★★ 真保裕一さんの『奪取』。 第10回山本周五郎賞。 第50回日本推理作家協会賞長編。 「このミステリーがすごい!1997年版」2位。 あらすじ 一年前に会社を放り出されてからはバイトの日々の手塚道郎は、 友人の西嶋雅人がヤクザの街金にはめられて作った1260万円の借金の 保証人にされてしまっていた…
封切り三日目。 席数226の【SCREEN5】の入りは四割ほど。 「おまえの罪を自白しろ」と言われたとき、自分ならどう答えるだろう。 極めて難しい問題なのは、罪の意識は人それぞれで濃淡あり。例えば「いじめ」の常習者が、そのことを罪に感じているかは問題の一つ。自覚がなければ、告白もないわけで。 懺悔や告解を日常的に行うキリスト教圏では異なるかもだが、そうした風習があまりない本邦では極めて難しいかも。 ところが本作の主要な登場人物たちは、同じように迫られた時に身に覚えが。 政治家としての権勢を利用し知己への利益供与のために立ち回った過去、またはこれからしようと企んでいることに思い至る。 自分への利…
こんにちは、本好きの皆さん!今日は、真保裕一さんの最新作「おまえの罪を自白しろ」についてレビューしたいと思います。 この小説は、ある殺人事件をめぐって、犯人と被害者の家族が対峙するという衝撃的なストーリーです。犯人はなぜ殺したのか?被害者の家族はどうやって許すことができるのか?そして、真相は一体何なのか?読者は、登場人物たちの心理描写や会話のやりとりに引き込まれていきます。 この小説の特徴は、犯人と被害者の家族が直接対話するという点です。通常ならば、警察や裁判所を通して話すことになるでしょうが、この小説では、犯人が自分から被害者の家族に連絡を取り、自分の罪を自白しようとします。しかし、それは本…
オリンピックへ行こう! (講談社文庫) 作者:真保 裕一 講談社 Amazon この著者で遊園地にローカル線でデパートへ「行こう!」シリーズというのがあるのだそうだ。 オリンピックは行こうと思っていけるものじゃない。でも絶対行くぞと思わなくては到底行けない。 ここに出てくる人たちはちょっと届かないんじゃないかと思われる中あがいている人。 3話目に至ってはそのとば口にすら立っていない。
おはようございます。 こんにちわ。 お疲れ様です。 アオシュウです(@aoshudesu) 「こちら横浜市港湾局みなと振興課です」を読み終えたのでレビューブログ書いていきます。 本屋でタイトルに惹かれて購入しました。 ふざけた名前(ディスではない)と中身のミステリーのギャップが非常に良かったです。 読んで字のごとく、やはり神奈川県民にはぜひ読んで頂きたい一冊です。 以下内容詳細です ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 目次 あらすじ レビュー 最後に ☆こちら横浜市港湾局みなと振興課です 著者:真保裕一 こちら横浜市港湾局みなと振興課です (文春文庫 し 35-9) Amazon こちら横浜市港湾局…
一人のカメラマンが主人公の小説です。5つの短編から構成されていますが、変わっているのが、5章からはじまり1章で終わることです。そして5章が50歳、4章が42歳、3章が37歳、2章が31歳、1章が22歳と、年齢がさかのぼっていくところが面白いところです。読者は、5章で、この主人公の男性が、ある程度のステータスを得て、アート性のある写真よりも、商業的なことを考えて写真を撮っていることを知ります。ある日、若い頃に写真を撮って貰ったという女性から、もう一度写真を撮って貰いたいという依頼を受け、それがきっかけで、若い頃の情熱がよみがえってきます。そして、4章、3章とさかのぼっていくと、いつ頃から、商業的…
読書の秋におすすめの推理小説・ミステリ小説 2020年の「読書の秋におすすめの本特集」は、読書量アンケートの結果を元に第6回と第7回で小説を紹介させていただきます。第6回は、ステイホーム期間に謎解きにハマる方が多かった「推理小説・ミステリ小説」を紹介させていただきますね。 読書の秋におすすめの推理小説・ミステリ小説 おすすめの推理小説・ミステリ小説4冊 『逆ソクラテス』伊坂幸太郎 『青空の卵』坂木司 『犯人のいない殺人の夜』東野圭吾 『ダーク・ブルー』真保裕一 この秋は「伊坂ワールド」に触れてみては? 読書の秋におすすめの本2020 季節の本のまとめはこちら おすすめの推理小説・ミステリ小説4…
★★★★☆ あらすじ イタリアに派遣された外交官が、日本人少女誘拐事件の解決に挑む。125分。 www.youtube.com 感想 織田裕二の役柄がパーフェクト過ぎて、どうにも親しみがもてない。ジェームス・ボンドだってもうちょっと愛嬌がある。天海祐希演じる女性に手を出そうとしたりするぐらいじゃないと。 佐藤浩市の役柄は枯れすぎだ。敢えてそういう風にして観客を欺こうとしたのかもしれないが、映画後半の展開が苦しい感じになってしまった。そんなことをするようには見えなさ過ぎで、リアリティがない。伏線の演技も少しは盛り込んでおいてほしかった。 // 細かいところを言えば他にもたくさん疑問は出てくるが、…
・読んだ本 東野圭吾「クスノキの女神」(80)わたしにはもう東野圭吾の東野圭吾らしさというものがわからないんだけど、そういうんじゃないんだよっておもいながらおんおん泣かされました。人を生かす物語が書きたいと言われてた前作からのこれはちょっと反則ではないですか????泣きました。完敗です。 真保裕一「共犯の畔」(81)政治の世界にもうんざりしてるけどマスコミのひとたちはもうちょっとちゃんと仕事してほしい。だから私刑みたいな週刊誌のすっぱ抜きがちやほやされちゃうんだよ。同時多発した証言たちが信用に値するかどうかはこないだ読んだ下村敦史「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」にあったように、複数の悪意…
大手プロダクションの若手A&Rが主人公。自ら発掘した新人バンドのデビューに奔走する。圧倒的な実力を持ちながら、なぜか氏名公表を拒むメンバーたち。隠された過去の傷害事件とその裏にある複雑な事情がミステリー仕立てで明かされる。プロットとストーリー展開は作者の真骨頂。音楽業界は読む側にとっても新たな世界だが十分楽しめるエンタメ。 魂の歌が聞こえるか 作者:真保 裕一 講談社 Amazon
交通事故で記憶を失った主人公が過去を探すストーリー。 Amazon.co.jp: 奇跡の人 (文春文庫 し 35-11) : 真保 裕一: 本 -------------------------- 相馬克己は、交通事故で脳死判定をされながらも命をとりとめた。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていて……。感動のミステリー。 -------------------------- 事故の前の記憶については、”何となく”想像というか想定される範囲であった。 主人公が中学生程度の知識ということで致し方ないが、若干周囲を顧みずに突き進むところが第三者目線では何とも言えず。記憶を辿る過程が少し長いかな、とも…
遊廓島心中譚 作者:霜月流 講談社 Amazon 幕末日本。幼いころから綺麗な石にしか興味のない町娘・伊佐のもとへ、父・繁蔵の訃報が伝えられた。さらに真面目一筋だった木挽(こび)き職人の父の遺骸には、横浜・港崎(みよざき)遊郭(通称:遊郭島)の遊女屋・岩亀楼と、そこの遊女と思しき「潮騒」という名の書かれた鑑札が添えられ、挙げ句、父には攘夷派の強盗に与した上に町娘を殺した容疑がかけられていた。伊佐は父の無実と死の真相を確かめるべく、かつての父の弟子・幸正の斡旋で、外国人の妾となって遊郭島に乗り込む。そこで出会ったのは、「遊女殺し」の異名を持つ英国海軍の将校・メイソン。初めはメイソンを恐れていた伊…
Book Review 36-9 テロリスト #テロリストのパラソル 『#テロリストのパラソル』(藤原伊織著)を読んでみた。著者は『ダックスフントのワープ』ですばる文学賞を受賞。その後の1995年、ギャンブルでかさんだ借金の返済のため、賞金1000万円を目当てに本書で江戸川乱歩賞に応募して受賞。翌年、同作で直木賞も受賞した。それまでに同一の作品で二賞を受賞したのは史上初であった。 先日、衆議院議員選挙が行われ、自由民主党の大敗に終わった。国民のことよりも金を重視する姿勢に選挙民から怒りを買った当然の結果であろう。 本書には1970年前後の学生運動(東大紛争)が背景にある。アルコール依存症のバー…
なかなか面白かったです。 なぜ、バンドのメンバー達は出自を明かさなかったか? ・・・そう来るか、って感じでした!! 「魂の歌が聞こえるか」真保裕一
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 (9/16~9/22 全88冊) *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日(今週号はお休み) ◆女性自身「今週のあなたを開く本」: 10/1・10/8 号 4 冊わたしの知る花 町田そのこ 中央公論新社 1,870 ②現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた 大滝ジュンコ 山と渓谷社 1,760 ②「精神医療」崩壊 メンタルの不…
こちらが原作で、非常に重厚感ある物語っす。
]集英社の夏の文庫フェアの小冊子「ナツイチ 2020」で紹介されていた本の一覧。 冊子自体はすでに処分してしまっていて、自分の覚書メモの写しなので誤字や抜けなどのミスがあるかもしれません。
2024年1月から8月までに発表された主な文学賞の受賞者・受賞作品を順不同で以下に示しました。今秋以降に発表される文学賞も多くありますが、2024年前半の受賞作のラインナップとなります。受賞作のみならず候補作となった作品も何冊か読みましたが、すべて粒よりの作品群だと思います、読書の参考になりましたら幸いです。 ▼2024年(1月~8月発表分)文学賞一覧 ▲ ◆新人賞◆ ◆芥川賞 主催 文藝春秋 第170回(2023年下半期) 九段理江 「東京都同情塔」 候補作 安堂ホセ「迷彩色の男」、川野芽生「Blue」 、小砂川チト「猿の戴冠式」、三木三奈「アイスネルワイゼン」 〇選考委員: 小川洋子、奥泉…
フェイク・マッスル 作者:日野瑛太郎 講談社 Amazon たった3ヵ月のトレーニング期間で、人気アイドル大峰颯太がボディービル大会の上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」と、ドーピングを指摘する声が持ち上がり、炎上状態となってしまう。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴(けいめい)』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰…
急にネットに繋がらなくなり、1週間強、大人しくしていました。<新刊> 88.岩井志麻子『おんびんたれの禍夢』(角川ホラー文庫) 89.真保裕一『シークレット・エクスプレス』(朝日文庫) →解説は新保博久。 90.ロス・トーマス『狂った宴』(新潮文庫) →第2長編。解説は関口苑生。<古本> 91.小杉健治『陰の判決』(新潮文庫) →第1長編。解説は松村喜雄。 92.島田荘司『改訂完全版 死者が飲む水』(南雲堂) 93.峰隆一郎『山形新幹線「つばさ」の女』(青樹社文庫) →〈警備保障調査員・五貫吾郎〉シリーズ第7作。解説は澤村健。<同人誌> 94.探偵小説研究会『CRITICA』第19号(探偵小説…