豆まきで思い出したこと そもそも節分は立春、立夏、立秋、立冬の「四立」の日を節分と言っていたものが、いつの頃からか立春の前日を指すようになったもの。いわば季節の変わり目を翌日に控えた「季節の晦日」であり、邪気を払う日だった。つまり、古の人たちは1年に4回、大々的に邪気払いをしていたわけだ。 年一回になったり、行事として知っているだけになったりしてはいるものの、節分といえば「鬼は外、福は内」と言いながら煎り豆を撒く豆まきが欠かせない。 まだ小学生だった頃、母が節分用に用意した大豆を焙烙で煎るのは私の役目だった。炒り豆に仕上げたものを妹と二人で家中に撒き、撒き終わったあとはそれを拾い集めて「年の数…