🌺古事記の成立🌺 ——はじめに元明天皇の徳をたたえ、 その命令によつて稗田の阿禮の誦み習つたものを記したことを述べる。 特に文章を書くにあたつての苦心が述べられている。 そうして記事の範圍、およびこれを三卷に分けたことを述べて終る。—— 謹んで思いまするに、今上天皇陛下(元明天皇)は、 帝位におつきになつて堂々とましまし、 天地人の萬物に通じて人民を正しくお育てになります。 皇居にいまして道徳をみちびくことは、陸地水上のはてにも及んでいます。 太陽は中天に昇つて光を増し、雲は散つて晴れわたります。 二つの枝が一つになり、一本の莖から二本の穗が出るようなめでたいしるしは、 書記が書く手を休めませ…