作家、小説家。
1984年(昭和59年)2月1日生まれ。京都出身。本名山田梨沙。*1 2001年、堀田あけみ以来20年ぶりに最年少の17歳で『インストール』により第38回、文藝賞受賞。『蹴りたい背中』により史上最年少(19歳)で第130回芥川賞受賞。後に早稲田大学教育学部国語国文学科を卒業。『文藝』2006年冬号に「夢を与える」執筆。
*1:ペンネームの“綿矢”というのは、中学校の同級生の演劇部仲間の苗字から拝借したそうな
*2:文庫版にのみ書下ろし短編「you can keep it.」が収録されている
「自由」や「やりたいこと」を楽しむ、というのは、とても素敵な響きだ。 でも、それで人生を謳歌できるのは、若い頃から「自分のやりたいことを楽しむ」「自分の本心(=何がやりたいのか)と向き合う」、というトレーニングを積んできた人間だけだと思う。 「やりたいこと」を楽しんで幸せになる、というのは、習慣と努力で獲得した「技術」「能力」だ。誰でも、生まれながらに持ち合わせている本能ではない。 悲しいかな、私はこれまで、その「技術」「能力」を獲得しないまま、この歳になってしまった。 子育てが一段落してきたこの数年、「やりたいことを楽しもう!」といろいろチャレンジしてきたが、私の中で、単純な「楽しい」は刹那…
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、綿矢りさの『蹴りたい背中』について語りたいと思います。この作品は、芥川賞を受賞した衝撃作であり、思春期の孤独と苛立ちを繊細かつ鋭く描いた青春小説です。 『蹴りたい背中』の魅力 『蹴りたい背中』は、主人公・ハツとクラスの「いじめられっ子」になっている男・にな川の奇妙な関係を描いた物語です。友達が一人もいない二人が、ぎこちなくも少しずつ距離を縮めていく過程が、どこか不器用でリアルに感じられます。 キャラクターのリアリティ ハツは、周囲に馴染めない自分自身に苛立ちを感じながらも、それをどうすることもできない少女。そんな彼女が、にな川というさらに異質な…
以前amazonのレビューで書いた文章を転載しておきます。けっこう力を入れて書いたものです。―――――――――――――――――――――――――――――――― この本は、後々必ず参照されることになるであろう、日本の日記文学の新しい金字塔です。いきなり褒めすぎだとお思いでしょうが、決してそんなことはありません。将来の国語の教科書に名前が出てもおかしくありません。それくらいすばらしい本です。読んでください。 本の話題の中心は2020年ですから当然コロナウイルスなんですが、コロナウイルスが蔓延して今までできていた生活がどう変わってしまったのか、実際にどんなことを意識して生活していたのか、実に細々とした…
先日、数年ぶりに小説というものを読んだ。僕はそもそも小説、ドラマ、映画の類をほとんど見ない。なんかフィクションというものが時間の無駄に感じられて、子供の頃から今までほとんど見てこなかった。 で、フィクションを見る代わりにテレビのバラエティ番組とかYouTubeとかXなんかを見て暇をつぶしてきたんだけど、ある日会社の部署内で綿矢りささんの『パッキパキ北京』という本が回ってきたのだ。なんでも同僚の一人が綿矢さんのファンで、出版イベントに行ってサインまでもらってきたとのこと。 僕は現在、北京在住なんだけれど、この『パッキパキ北京』という小説の舞台はまさに僕が住んでいるところやオフィスのあるところ。バ…
こんにちは!今回は、松岡茉優さん初主演作品である映画『勝手にふるえてろ』についてお話しします。この作品は、綿矢りささんの小説を原作とした青春ラブコメディです。24歳のOLである主人公ヨシカの恋愛模様を描いた物語で、多くの人の心を掴んだ作品です。 映画『勝手にふるえてろ』 あらすじ youtu.be 主人公の江藤良香、通称ヨシカは24歳のOLです。彼女には大きな特徴があります。それは、恋愛経験がゼロだということです。中学時代の初恋相手である一宮、通称イチに10年間も片思いを続けているのです。 ヨシカは日常的に、脳内でイチの姿を「召喚」して妄想恋愛を楽しんでいます。そんな彼女に、会社の同期である霧…
あのころなにしてた? (新潮文庫 わ 13-4)作者:綿矢 りさ新潮社Amazon Kindle版もあります。あのころなにしてた?(新潮文庫)作者:綿矢りさ新潮社Amazon 直筆カラー挿絵&写真を収録! 著者初の絵日記エッセイ! すべての予定が消えた今、今日は何をしよう――。深刻さと楽観視がくるくる入れ替わったあのころ。おうち時間に作った「嚙むとゴリゴリ鳴るほど固いパン」を家族で食べ、リモートでラジオに生出演し、カフェでマスクをつけて談笑する女子高生を見て「好きな人のマスク姿」にときめく様を想像する。2020年、めまぐるしい日々のなか綴られた著者初の日記エッセイ。直筆のカラー挿絵や写真、計3…
★★★★☆ あらすじ コロナ禍で心細くなった単身赴任中の夫から北京に呼び寄せられた20歳年下の若い妻。 感想 主人公は元ホステスで夫は20歳年上、ブランド好きで今を楽しんで生きようとする女だ。勉強は出来なさそうだが頭はきっと悪くなく、動物としての直感が優れていて、上手く生きて行けるようにみえる。感覚的で、いかにも「パッキパキ北京」とか言いそうなキャラクターだ。きっと短文系のSNSをやらせたら上手い。 そんな今いる環境で最高を目指す、いわばマイルドヤンキーのような主人公が、夫の単身赴任先の北京で暮らすことになる。彼女は、旅行はしても北京に住もうとは絶対に思わないだろうタイプだ。本当だったら住むこ…
こんにちは、めめです。 10/11(金) 今日は午後休をとってパン教室に行って、念願のベーグル作りをやった。今までのパン作りと全く違うし、こんなの作ってみたいなという案が沢山出てきてわくわくした。帰宅したら歯医者行って、買い物に行って、外食に誘われたので出かけた。久しぶりのケーキバイキングは値段の割に美味しかった。午後休はゆっくり休むために取ったはずのに、結局働いている時以上に忙しかった。のんびり過ごすのと予定を詰め込むのはどちらが自分にあっているのか年々分からなくなっている。社交的ではないので、自分だけの予定と家庭内での予定でいっぱいにしているだけである。今日はゆっくり眠りたい。 10/12…
こんにちは、めめです!!!一週間を総括して書き記したいところですが、なんか凄く嫌なことがあってそれに心が引きずられている感じです。自分も含めてですが人間という存在がどんどん鬱陶しくなるというか、一定の距離をきちんと保ちたい存在だなと感じています。本当に。さて、読書記録になります! 久しぶりにビジネス本と呼ばれるやつを読んだり(ここには感想を記していません)、積読している本を途中まで読んで、もう一度本棚にしまったり、図書館で本を借りて読んだり。とりあえず読了した本の感想を記したいと思います。では、いってみましょう!!! 1.透明な夜の香り 著者:千早茜匂いが鍵となる物語。主人公とキーパーソンの調…
まずはこの映画を見ることになった経緯から お話ししたいと思います(かたい)(笑)。 今年の7月期 、私が楽しみにしていたドラマは ・火曜日の「かぞかぞ」 (『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』) ・木曜日の「ギークス」 (『ギークス~警察署の変人たち~』) ・日曜日の「ブラックペアン シーズン2」 でした。 どのドラマも大変面白く、 堪能させていただきました。 あるとき「かぞかぞ」の脚本・演出が 大九明子さんだということを知り、ググってみたら、 作品に『勝手にふるえてろ』がありました。 なおかつ主演が松岡茉優さんだということで これはもう見るしかないだろ、と思って見始めた次第…