綿矢りさ著 小説 『インストール』で文藝賞を受賞した綿矢りさの受賞後第1作。2004年1月第130回芥川賞(2003年下半期)を受賞した。
高校に入ったばかりのニナガワとハツはクラスの余り者同士。やがてハツは、あるアイドルに夢中の蜷川の存在が気になってゆく…いびつな友情? それとも臆病な恋!? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く、待望の文藝賞受賞第一作。
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、綿矢りさの『蹴りたい背中』について語りたいと思います。この作品は、芥川賞を受賞した衝撃作であり、思春期の孤独と苛立ちを繊細かつ鋭く描いた青春小説です。 『蹴りたい背中』の魅力 『蹴りたい背中』は、主人公・ハツとクラスの「いじめられっ子」になっている男・にな川の奇妙な関係を描いた物語です。友達が一人もいない二人が、ぎこちなくも少しずつ距離を縮めていく過程が、どこか不器用でリアルに感じられます。 キャラクターのリアリティ ハツは、周囲に馴染めない自分自身に苛立ちを感じながらも、それをどうすることもできない少女。そんな彼女が、にな川というさらに異質な…
新学期が始まる季節はドキドキですよね。 ワクワクもあるけれど、心配の方がずっと大きい。 担任の先生がどんな先生に当たるとか、仲良しの子と同じクラスになれるかとか。 特に修学旅行がある学年は、男女問わずとても大切なクラス替えでもあります。 今回読んだ【蹴りたい背中】の主人公は、高校に入学してから2か月経っても新しいクラスになじめません。 理科室で独りつまらなさそうに、覚めた目でクラス全体を見ている主人公の心の内を描いている所から物語は始まります。 あらすじ 作者 【蹴りたい背中】の感想 あらすじ 高校に入ったばかりの“にな川”と“ハツ”はクラスの余り者同士。臆病ゆえに孤独な2人の関係のゆくえは……
🐾個人的な読み&解釈です🐾 内容はもちろんのこと、タイトルが素晴らしいと思う小説1冊目は綿矢りささんの「蹴りたい背中」です。 🐾個人的な読み&解釈です🐾 はじめに 綿矢りさ「蹴りたい背中」の魅力 書き出し おまけ 「勝手にふるえてろ」 はじめに 好きな小説の中でも、タイトルが素晴らしいなあと思う小説があります。タイトルが刺さる小説。そしてそういう小説って、書き出しの文章も好みだったりします。 本を選ぶ時、表紙や帯、あらすじも見ますが、タイトルが気になって手に取った小説の最初の数ページの文体、文章が醸し出す空気、リズムが好きかどうかも重要だったりします。 いいタイトルとは、中身を知らなくても見た…
蹴りたい背中 (河出文庫) 作者:綿矢りさ 河出書房新社 Amazon 「蹴りたい背中」 綿矢りさ 河出書房新社 あらすじ 本当に19歳が書いた作品!? まとめ こんな人にオススメ こんばんは、ちわぷ〜です! 本日は非常に懐かしい作品ですが、私がまだ中学生の頃に刊行された作品で、 当時現役大学生ながら、史上最年少の19歳で芥川賞を受賞して話題となった作品をご紹介いたします! 当時は非常に話題になり、学校の授業か何かでも取り上げたりされた記憶があるのですが、よくよく考えてみたら未読でしたので、この機会に読んでみました☆ 「蹴りたい背中」 綿矢りさ 河出書房新社 あらすじ 陸上部のハツと帰宅部のに…
↓あらすじの朗読&簡単な一言感想を音声配信しています♪ radiotalk.jp 私の「根暗っぽくてクラスで目立たない、いっそ見下されているような男子とのラブっぽいストーリーが好き」という性癖を作り出してくれた作品です。 初めて買ったハードカバー、初めての結末。スッキリと終わる物語を多く読んできたので、こういう終わり方があることに最初は少し戸惑いました。しかし結論をつけないことで、作品全体の透明感が増しているようにも感じます。 蹴りたい背中 (河出文庫) [ 綿矢 りさ ]価格: 495 円楽天で詳細を見る
前回のその11から間が開いた。努めて読書はしていたが、感想を書き留めるほどの書物はなかったように思う。 読書の秋でもあり、気合を入れて熟読し、ネタ切れの時に感想を述べることとしよう。 綿矢りさ「蹴りたい背中」 (文藝春秋2004年3月号所収) 芥川賞受賞作である。 高校時代が懐かしくなった。「思い出は美しすぎて」という歌謡曲があった。そのとおりだ。 美しい思い出があるというより、思い出だから美しいのだろう。 主人公のハツには、似た者同士のような共感を覚える。こんな女の子だったらいい友達関係が築けたかもしれない、などと勝手に空想する。 同級生の男の子の背中を蹴るという行動だけは、不可解だった。こ…
クラスで浮いた存在にはなりたくないけれど、くだらない慣れ合いはしたくない。侮られたくない。見下したい。わかった気でいたい。わかられたくない。 学生のころ感じていたことを驚くほどの高解像度で思い出してしまうのが綿矢りささんの「蹴りたい背中」です。もはや説明不要の名作で、「い、いまさら感想を!?」という感じもありますが、いつ読んでも何度読んでもいいものはいい。 www.kawade.co.jp さびしさは鳴る。 読んでいなくてもこの一文は知っている、という人も多いでしょう、あまりに有名な冒頭ですが、この「さびしさ」は余りものにされたさびしさ。 さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り…
今回はネタバレをしない予定なので、いつもの注意書きはナシの方向で。思春期についての話である。 原田宗典さんにハマっていたあの頃 10代の鬼才が書いた名作『インストール』『蹴りたい背中』 お馬鹿で愛おしい思春期 原田宗典さんにハマっていたあの頃 久しぶりに原田宗典著『十七歳だった!』を読んだ。著者の17歳のころを綴ったエッセイである。 著者・原田宗典については、今だと原田マハの兄というとわかりやすいだろうか?宗典さんの著作にはちょくちょく妹さんの描写があったので、マハさんのことを知ったときは「エッセイの中に出てきたゆきこちゃん!?」と非情に馴れ馴れしく無礼な反応をしてしまった。ついでに「幼い頃、…
「私にとって恋愛とは、最近になってから発見した、自分の心に建つ家の隠し部屋みたいなものだった。その部屋は二階の奥にあり、壁だと思っていた部分が実は戸で、押すと開く。中には入れたけど、暗くて見えないから、手探りで照明のスイッチを押す。壁に手をすべらせて、探して、探して、見つからなくて。」 『オーラの発表会 (集英社文芸単行本)より抜粋』 小説『オーラの発表会 (集英社文芸単行本)』の主人公が恋愛を説明するセリフです。 主人公は大学一年生の海松子(ミルコ) 。 海松子はいわゆる「不思議ちゃん」ですね。しゃべり方からして普通じゃない。 これ、映像で見たいですね。誰が海松子を演じるのか想像すると楽しい…
教室の10分休みの空気は、 寝たふりをして机に臥せって、 ただ過ぎるのを待つしかない。 さびしさは鳴る。p.7 綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出書房新社 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ”この、もの悲しく丸まった無防備な背中を蹴りたい” 長谷川初実は、陸上部の高校1年生。 ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、 彼の部屋に招待されるが・・・ クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、 文学史上の事件となった127万部ベストセラー。 史上最年少19歳での芥川賞受賞作。 カバー裏より 【読むべき人】 ・教室の、あの、外れ者の、孤独な重い時間を、経験、けい、けんした…