口唇にできた扁平上皮癌の症例です。 最近皮膚をよく掻く、唇から軽度の出血があるとの主訴で来院。 病変は口唇部に限局していますが、自壊していました。 病理検査の結果、扁平上皮癌と診断されました。 扁平上皮癌とは、犬の口腔内に発生する悪性腫瘍のうち、悪性黒色腫についで2番目に発生頻度が高い腫瘍です。 上顎、下顎、舌、歯肉、扁桃など様々な部位に発生します。一般的に局所浸潤率が強く、遠隔転移はしにくい傾向にあります。 しかし、扁桃に発生した扁平上皮癌の転移率は7割程度と高い傾向にあります。 治療の第一選択は外科的切除であり、完全切除ができれば予後は数年単位が期待できます。また、完全切除が困難な場合には…