(1979年 - )日本の歴史学者。専門は日本近代史、現代史、東アジア地域研究。 2002年東京大学教養学部超域文化学科卒業後、2007年同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程満期退学。 『翻訳の政治学 近代日本成立期における人種・血統・民族の言説分析』で、博士 (学術)。同年10月、愛知県立大学文学部准教授に就任し、2009年、同大学日本文化学部准教授に就任。
新型コロナウイルスが流行した時、毎日、感染者数がテレビや新聞で報じられていました。昨日は何人、今日は何人、累計で何人などといったように。そのたびにコロナウイルスに恐怖する人もいたでしょう。でも、現在もコロナウイルスは存在し、感染する人もいますが、メディアで報じられなくなったため、当該ウイルスに恐れながら日々生活している人はほとんどいなくなっています。結局、新型コロナウイルスに対する恐怖の感情は、感染者数が過剰に可視化されたから湧き出したものだったのだと、今では多くの人が思っていることでしょう。
・亀田俊和氏の勤務先への抗議などは、絶対にやめて下さい。宜しくお願い致します。 ・初めて当エントリーを読まれる方は、亀田俊和 - Wikipediaの他、以下の「呉座勇一事件(呉座騒動)」に関する記事などの、ご一読をお勧め致します。 kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com ・当ブログへのご意見、ご感想及び情報提供などにつきましては、下記のメールアドレスまでご連絡下さい。場合によっては、謝礼等も前向きに検討致します…
読んだ本: 與那覇潤『歴史がおわるまえに』亜紀書房 (2019) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 仲正氏との対話、斎藤環氏との対話を読んだ。 日本のネオリベラリズム化について語られた。 斎藤氏は精神分析(ラカン)と自身の「ヤンキー論」と絡めながら、日本の「厳しい母性」的な面を語る。 ざっくり言えば、地頭のいい人間が好まれる。 本に読みふけっていたり、頭で物事を考えてから発言をする理屈屋さんは好まれない。 厳しくありつつもコミュニケーションを切断しない。 「ダ…
父親が亡くなってから、暇な時間に荷物の片付けや書類の処分を励行してきたが、年内にはとても終わりそうにない。古い箪笥の抽斗をあけると、昔の領収書や会計簿の類いに加え、写真などが出てくる。これは父親というよりも母親が大事に収集していたようにも思うが、小生らの幼少の頃や近所の人などがたくさん写っているので、懐かしくなってついつい手を休めて見入ってしまう。これではますます終わらない。 理由はよくわからないが、昭和の時代の新聞や広告がそのままごっそりと入っていることもある。NHKの番組欄などを眺めると、昔懐かしい「NHK特集」(NHKスペシャルの前身 1989年3月まで)の文字もみかけて、ああ、シルクロ…
購入して通読二度目。相変わらず面白い。 lifewithbooks.hateblo.jp 本作は歴史書の顔と日本論の二つの顔を持つと言えますが、そのどちらの切り口も非常に興味深いものだと思います。 中国化とは自由主義のこと!? 歴史書としては「中国化」の概念の導入。 宋代以降の中国にこそ自由主義の形が形成され、皇帝による支配と理念の体現(中華思想・朱子学)および活動の自由というセットを提示。自由主義はこの時すでに完成していると言えます。アメリカで言えば、理念としては「自由」、そしてあとは個人の競争(自由主義)でどうぞと。現代中国は政治としては共産党一党独裁も、経済活動は自由主義。とこのような感…
熊本日日新聞で歴史学者の與那覇潤さんの文章が掲載されていました。 ネット上からはなかなか見づらいので、ここに引用させてもらいます。 (熊本日日新聞 7月3日付け朝刊より) 問題とされているのは、今回のコロナ禍での専門家と称する人々の提言の内容です。 「人流を減らせ」などと言われているものの、その根拠となる科学的エビデンスはそれほど明確ではありません。 しかし、それについてさほどこの「専門家」たちを非難する言説は無いようです。 実は、このような「専門家の言うことは黙って聞く」という風潮は、特に平成時代後半から強まってきたのではないかというのが與那覇さんの見方です。 そして、こういった見方というの…
※最終更新 2021/02/06 19:57 (当初の記事よりは、多少まとまったかたちになったかと思います。) ◆2021年1月の「論壇時評」で、津田大介は次のように述べていました。 與那覇潤は歴史学の立場から中井久夫の議論を参照し、各国で反知性主義が広がっていった経緯を具体的に示しつつ、この流れがルネサンス期の西洋社会と似ていたと指摘する。当時は長きにわたって陰謀論に基づく「魔女狩り」が横行したが、この背景にグーテンベルクが開発した活版印刷の普及があったという。ありもしない敵を脳内で作り上げ、誤情報に基づき同じ考えを持つ者がつながり、集団で排除する行為はまさしく「魔女狩り」に他ならない。「グ…
2014年12月17日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。 http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol347.mp3 ーナレーションー 今週は、10月3日に鈴木さんの出身地、愛知県の愛知県立大学で行われた学術講演会「スタジオジブリの30年〜歴史と継承」の模様をお送りします。 インタビュアーは『帝国の残影 兵士・小津安二郎の昭和史』『中国化する日本 日中「文明の衝突」ー千年史』などの著作者、若き歴史学者であり、現在愛知県立大学日本文化学部准教授の與那覇潤さんです。
2012年9月19日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。 http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol231.mp3 鈴木敏夫(以下鈴木):ジブリの作品ってね、DVDとビデオをディズニーさんにやっていただいてるんですよ。それを推し進めたのは僕なんですけど、実は社内から大反対運動があったんですよ。 與那覇潤(以下與那覇):あ、そうでらっしゃるんですか。 鈴木:なんでかっていうと、ジブリのトトロのマークの前にディズニーのマークが出るのかと(笑) 與那覇:あーー。 鈴木:僕びっくりしちゃってね!それ何がいけないのって(笑)例えば、僕…
2012年8月2日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。 http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol230.mp3 鈴木敏夫(以下鈴木):まぁ元はね川上さんが「中国化する日本」って読んでいて。なんとなく気になって買おうと思ったら、Amazonだったから「帝国の残影」が出てきて。 與那覇潤(以下與那覇):同じ著者のものが出るわけですね。 鈴木:それで2冊買ったんですけど。 與那覇:いや、恐縮です! 鈴木:どっちから読もうかなーと思って。やっぱり僕は映画が好きだから小津安二郎に惹かれたんですよね(笑) 與那覇:いやいや! 鈴木:そ…
與那覇潤さんとの対談を基に再構成した共著新刊『教養としての文明論』を発表します。詳細は下記サイトをご覧ください。 agora-web.jp 5月27日をめどに、與那覇潤さんとの対談を基に再構成した共著新刊『教養としての文明論』が書店に並びます。Amazonでも予約の受付が始まりました! 與那覇さんが本書にかける意気込みをネット上に発表されていますが、私の方でも自分なりの問題意識を述べた箇所を、本文から抜粋して以下に紹介いたします。 歴史学の世界でもポリティカル・コレクトネスを掲げる学者たちが、史実かどうか以上に「政治的に正しい歴史像か」を優先するようになっています。極端になると、「人類の半分は…
歴史学者である與那覇潤さんと、お寺の住職であり世界のボードゲーム情報サイト「Table Games in the World」を運営するボードゲームジャーナリストでもある小野卓也さんの共著『ボードゲームで社会が変わる 遊戯(ゆげ)するケアへ』を読みました。学校で一人1台の端末が使われるようになって、ゲーム感覚で学習をするツールやコンテンツを使う授業をよく見るようになりました。一方で、「子どもたちがゲームをしちゃうので困る」という声を先生方から聞くこともあります。僕は、デジタルゲームに限らず、ボードゲームをはじめとするアナログゲームにも教育的に良いものもたくさんあると思っているので、こうしたタイ…
・現代語訳「大平年代記」(慶応4年条・明治4年条) ・「100年前」の日本列島社会をみる視座
4/20の土曜日は梅田にいました。 大型書店で本を見ているのが、読書好きとしては無類の幸せ。 というわけで、丸善ジュンク堂へ。 「現代思想入門」千葉雅也、「過剰視覚化社会」與那覇潤、「モナドの領域」筒井康隆、「苦しくて切ないすべての人たちへ」南直哉と4冊購入。 以前はよく掲載していた、阪急グランドビルのショーウインドウを撮影。 この日、梅田にいてよかったと思ったのは、紀伊國屋書店前のスペース。 アサヒのノンアルコールビールを無料配布していました。 アサヒゼロの350ml缶。 もちろんいただきました。 後は、ジュンク堂本店を見て回り、なんばへ。 なんばに行ったら行ったで、ジュンク堂を見て日本橋へ…
表現者クライテリオン 2024年5月号ビジネス社Amazon まず、『表現者クライテリオン』の最新号発売のお知らせです。 今回の特集は「不信の構造、腐敗の正体――政治・エンタメ・財務省」。他者に対する「不信」が増せば増すほど、その信頼の穴をシステムで埋め合わせねばならず、社会がシステム化すればシステム化するほど、そのシステムに依存した、あるいは、そのシステムに甘えた「腐敗」が蔓延する……その状況を正確に認識し、それを克服する「思想」を描き出すこと、それが今号の主題です。 実際、「コンプラ」や「ポリコレ」といった矮小な観念(システム)がこれほど持て囃されている時代もないにもかかわらず、いや、持て…
ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ (河出新書)作者:與那覇 潤,小野 卓也河出書房新社Amazon Kindle版もあります。ボードゲームで社会が変わる 遊戯するケアへ (河出新書)作者:與那覇潤,小野卓也河出書房新社Amazon 今流行するボードゲームこそが、属性や能力主義による社会の分断を乗り越える「共存の哲学」である? 気鋭の評論家が各分野の専門家を招き対戦しつつ、普及活動のパイオニアと共に考える。三宅香帆、辻田真佐憲、安田洋祐、小川さやか、安田峰俊、三牧聖子、豪華6名の各分野の第一人者による、ボードゲーム体験記も収録!「そういえば、小さい頃『人生ゲーム』をやったっけ」 「最…
フランシス・フクヤマ,1992,『歴史の終わり(上・下)』渡部昇一訳,三笠書房. ろくに読んでもいないであろう人々からも批判されているあたり、この本も名著なのかもしれない。一般には「自由民主制や資本主義の勝利宣言の本」として知られているのかもしれないし、それもあながち間違いではないのだけど、あれこれ誤解を受けている本だというのも事実だ。 前提として、フクヤマがいう歴史というのは、戦争だとか革命だとかいった重要な出来事の積み重ねのことではない。彼は専らヘーゲル的あるいはマルクス的な意味で「歴史」という言葉を用いていて、この場合は諸社会の一方向的な進歩の過程を意味している。マルクスの場合、歴史とい…
知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版 (文春文庫 よ 35-2) 作者:與那覇 潤 文藝春秋 Amazon 今回の課題図書はこちら。 文藝春秋から出版された単行本に関連テキストを増補したものです。 前回の「天才と発達障害」に続いて心の病気に関する書籍・・・と思いきや、本書はちょっと様子が違います。 ”元”歴史学者(この”元”を著者はあえてつけて自称しています)の著者が、比較的若くして大学で教鞭を取る職につき、メディアにもでることが多い論客の1人として活躍していましたが、体調が悪化して大学の職を辞することになってしまいました。 その体調悪化は「うつ病」によるという診断。 会話することはおろか…
ISBN:4003423119 オルテガ『大衆の反逆』書評(『文藝春秋』2024年4月号) まず、與那覇潤さんとのリレー書評連載「『保守』と『リベラル』の教科書」の原稿―オルテガ『大衆の反逆』(岩波文庫)の書評です。これは『文藝春秋』の最新号(2024年4月号)に寄稿した書評ですが、書いていた時期が丁度「喪われた『批判の作法』」(『正論』2024年4月号)を書いていた時期と重なっていたこともあって、内容がかぶっている部分もありますが...、それくらいオルテガの言葉が普遍的だということで、ご寛恕願えれば幸いです(汗)。よろしくお願いします! www.youtube.com あと、またしても 茂木…