(1979年 - )日本の歴史学者。専門は日本近代史、現代史、東アジア地域研究。 2002年東京大学教養学部超域文化学科卒業後、2007年同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程満期退学。 『翻訳の政治学 近代日本成立期における人種・血統・民族の言説分析』で、博士 (学術)。同年10月、愛知県立大学文学部准教授に就任し、2009年、同大学日本文化学部准教授に就任。
受験生に「私の進学する大学で学ぶことは働いてから使いそうにないのですが、大学で何を学んだらいいですか」と聞かれたら、何と答えていいか迷います。 稀代の知性が傷つき、倒れ、起き上がるまで『知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版』與那覇潤 | 文春文庫 にヒントとなりそうな言葉があります。 p303「集団的自衛権とか、格差社会とか、戦争責任といったまじめな話題について書かれているからといって、その文章が知的だとはかぎりません。逆にタレントや流行といった軽めのテーマを扱うエッセイにも、書き手の知性にあふれたものはあります。 それは平常心ではだれもがわかっていることでしょう。 しかし、大学や学問と言…
永田和宏がよく引く木村敏に関して。 稀代の知性が傷つき、倒れ、起き上がるまで『知性は死なない 平成の鬱をこえて 増補版』與那覇潤 | 文春文庫 という本の第3章に木村敏が引かれています。 本文では 『自分ということ』木村 敏 | 筑摩書房 書籍詳細 - 臨床哲学講義 - 創元社 参考文献の3章では 新書マップ 『心の病理を考える』岩波新書 生命と現実 / 木村 敏【著】/桧垣 立哉【聞き手】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア の新装版 なお、中井久夫は木村敏とともに言及されるが、 與那覇氏前掲書のcoda1では 、中井の 新版 分裂病と人類 - 東京…
・亀田俊和氏の勤務先への抗議などは、絶対にやめて下さい。宜しくお願い致します。 ・初めて当エントリーを読まれる方は、亀田俊和 - Wikipediaの他、以下の「呉座勇一事件(呉座騒動)」に関する記事などの、ご一読をお勧め致します。 kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com ・当ブログへのご意見、ご感想及び情報提供などにつきましては、下記のメールアドレスまでご連絡下さい。場合によっては、謝礼等も前向きに検討致します…
新型コロナウイルスが流行した時、毎日、感染者数がテレビや新聞で報じられていました。昨日は何人、今日は何人、累計で何人などといったように。そのたびにコロナウイルスに恐怖する人もいたでしょう。でも、現在もコロナウイルスは存在し、感染する人もいますが、メディアで報じられなくなったため、当該ウイルスに恐れながら日々生活している人はほとんどいなくなっています。結局、新型コロナウイルスに対する恐怖の感情は、感染者数が過剰に可視化されたから湧き出したものだったのだと、今では多くの人が思っていることでしょう。
読んだ本: 與那覇潤『歴史がおわるまえに』亜紀書房 (2019) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 仲正氏との対話、斎藤環氏との対話を読んだ。 日本のネオリベラリズム化について語られた。 斎藤氏は精神分析(ラカン)と自身の「ヤンキー論」と絡めながら、日本の「厳しい母性」的な面を語る。 ざっくり言えば、地頭のいい人間が好まれる。 本に読みふけっていたり、頭で物事を考えてから発言をする理屈屋さんは好まれない。 厳しくありつつもコミュニケーションを切断しない。 「ダ…
父親が亡くなってから、暇な時間に荷物の片付けや書類の処分を励行してきたが、年内にはとても終わりそうにない。古い箪笥の抽斗をあけると、昔の領収書や会計簿の類いに加え、写真などが出てくる。これは父親というよりも母親が大事に収集していたようにも思うが、小生らの幼少の頃や近所の人などがたくさん写っているので、懐かしくなってついつい手を休めて見入ってしまう。これではますます終わらない。 理由はよくわからないが、昭和の時代の新聞や広告がそのままごっそりと入っていることもある。NHKの番組欄などを眺めると、昔懐かしい「NHK特集」(NHKスペシャルの前身 1989年3月まで)の文字もみかけて、ああ、シルクロ…
購入して通読二度目。相変わらず面白い。 lifewithbooks.hateblo.jp 本作は歴史書の顔と日本論の二つの顔を持つと言えますが、そのどちらの切り口も非常に興味深いものだと思います。 中国化とは自由主義のこと!? 歴史書としては「中国化」の概念の導入。 宋代以降の中国にこそ自由主義の形が形成され、皇帝による支配と理念の体現(中華思想・朱子学)および活動の自由というセットを提示。自由主義はこの時すでに完成していると言えます。アメリカで言えば、理念としては「自由」、そしてあとは個人の競争(自由主義)でどうぞと。現代中国は政治としては共産党一党独裁も、経済活動は自由主義。とこのような感…
熊本日日新聞で歴史学者の與那覇潤さんの文章が掲載されていました。 ネット上からはなかなか見づらいので、ここに引用させてもらいます。 (熊本日日新聞 7月3日付け朝刊より) 問題とされているのは、今回のコロナ禍での専門家と称する人々の提言の内容です。 「人流を減らせ」などと言われているものの、その根拠となる科学的エビデンスはそれほど明確ではありません。 しかし、それについてさほどこの「専門家」たちを非難する言説は無いようです。 実は、このような「専門家の言うことは黙って聞く」という風潮は、特に平成時代後半から強まってきたのではないかというのが與那覇さんの見方です。 そして、こういった見方というの…
※最終更新 2021/02/06 19:57 (当初の記事よりは、多少まとまったかたちになったかと思います。) ◆2021年1月の「論壇時評」で、津田大介は次のように述べていました。 與那覇潤は歴史学の立場から中井久夫の議論を参照し、各国で反知性主義が広がっていった経緯を具体的に示しつつ、この流れがルネサンス期の西洋社会と似ていたと指摘する。当時は長きにわたって陰謀論に基づく「魔女狩り」が横行したが、この背景にグーテンベルクが開発した活版印刷の普及があったという。ありもしない敵を脳内で作り上げ、誤情報に基づき同じ考えを持つ者がつながり、集団で排除する行為はまさしく「魔女狩り」に他ならない。「グ…