「また、変わった……」 天音(あまね)は、教室の窓から外を見下ろし、ため息をついた。 昨日までそこにあったはずのコンビニは消え、代わりに古びた書店が立っている。通りを行き交う人々の服装も微妙に違う。青い空には、今まで見たことのない形の飛行船が漂っていた。 彼女の世界は、毎日少しずつ変化していた。 あるときは通学路の並木道が桜から銀杏に変わり、またあるときは教室の座席配置が逆転していた。だが、天音以外の誰もその変化を不審に思っていない。 「ねえ、昨日まであそこ、コンビニだったよね?」 クラスメートの佐伯に尋ねると、彼は怪訝そうな顔をした。 「何言ってるんだよ。 学校の近くにコンビニなんかないだろ…