~ 追憶 バーテンダー ~ 私は、女との会話を終え、 電話を置いたところで台所へと向かった。 正直かなりお腹が空いて居たので、 冷蔵庫に何か無いか見に行こうと思ったのだ......。 果たして、冷蔵庫の扉を開けた私は 愕然として居た。 由子の冷蔵庫にはビールがパンパンに詰まって居り、 食べ物といえば 使いかけのバターしか確認出来なかったからだ……。 私がそっと冷蔵庫の扉を閉めると、 私の腹が、また グウ…、と、鳴ったがその音は、 ドアノブをガチャガチャする音にマスキングされた。 一応のぞき穴で確認してから鍵を開けると、 女はすぐ私に抱きつき、口付けて来た。 隣の部屋からは、由子のうるさい声が聞…