今週のお題「日記の書き方」 語るということは、ウソを付くということである。たといそれが真実であろうと無かろうと、語った以上、それは「騙り」という性質を多かれ少なかれ含有することになる。 中学生からこの方、文学の洗礼を受けてより「旧仮名遣ひ」で以て、現在齢三十を過ぎてもなほ日記を書き続けているけれど、この「究極の一人称語り」をしていると、われながら天晴れなほど「騙り」を行っていることを、毎晩の如く思い知らされる。 もちろん、真っ赤なウソを書きつけているわけではない。その日起こったこと、騒がしい世情、日増しに膨れてくる妻のお腹のこと、日記だからこそ許されるようなことも書くけれども、やはり「書かない…