秦の宦官。(生年不明〜B.C.207年没) 一説によると趙の王族出身。始皇帝に仕えた後、丞相の李斯と謀って二世皇帝として始皇帝の長子で本人からも指名されていた扶蘇ではなく末子の胡亥を擁立、のちにその李斯らを殺害し、権力をほしいままにした。 しかし陳勝・呉広の乱をきっかけにした反乱が相次ぎ、秦軍が劣勢に追い詰められると胡亥をも弑逆、代わって子嬰を立てたが、最期はその子嬰によって処刑された。
相変わらずトランプ大統領が世界を振り回している。 こうした一連の状況から「鹿を指して馬と為す」という故事を思い出した。それはこんな話だ。 秦の始皇帝に仕えていた趙高という臣がいた。趙高は始皇帝の末子である胡亥の守役であったが、晩年の始皇帝の身も周りの雑務をこなして寵愛された。 始皇帝が行幸中に死去すると、趙高はその遺言を勝手に書き換えて後継者を太子の扶蘇ではなく末子の胡亥にしようとした。そして宰相の李斯を強引に抱き込み、扶蘇を自害に追い詰め胡亥を皇帝に即位させた。趙高は皇帝の胡亥に代わって政務を取り仕切り実権を握り、皇帝の権威を背景に敵対する有力者をことごとく冤罪で処刑した。 政治は乱れ、民衆…
始皇帝【電子書籍】[ 塚本青史 ]価格: 1056 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 人質として趙にいる秦の公子異人を、商人の呂不韋は「奇貨居くべし」と目をつけ、大金を投じてエ作を行い、次期太子の座に就ける。異人が呂不韋の妾の朱姫を気に入ると、呂不韋の子を宿したまま朱姫を譲り「政」が誕生した。秦が趙を攻めると異人は呂不韋の手引きで秦へ脱出するも、政は母と置き去りにされた。政は不安な立場で逼塞を余儀なくされる。 政が10歳のとき、曾祖父と祖父が立て続けに薨去すると、異人が急遮即位して呂不韋は丞相に任命された。政は母の朱姫と共に秦の都威陽に迎えられるが、王宮での生活は狡猾な異母弟の成蟜が挑発を仕掛…
香乱記(一)(新潮文庫)【電子書籍】[ 宮城谷昌光 ]価格: 594 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 従弟の田儋(でんたん)、田栄と田横の2人の兄弟を、世間では「田氏の3兄弟」と呼んでいた。斉の湣王を祖とする田氏だが、楽毅に敗れ殺されてしまい、わずかに生き残った田氏の祖父が、北方の狄の地で名を隠して生き延びていた。そして斉が滅び、秦が天下を統一する。 3兄弟が狄へ帰る途中に助けた許負は、始皇帝の暗殺を企んだ張良の配下だった。許負は人相を観て、田氏3兄弟は3人とも王になると予言するが、3人は笑って相手にしない。許負は重ねて田横に、七星を見つければ心願が成就すると予言する。そして許負も自らの予言…
「メキシコ湾」を「メキシコ湾」と表記しているAP通信がホワイトハウスの大統領執務室での取材を禁じられたことに『天声人語(250215)』は思う▼秦の皇帝にその大臣の趙高が鹿を献上し「これは馬です」と。皇帝は周りに意見を求めた。大臣の権勢を恐れ黙り込むか媚びへつらう中、「鹿です」と言った者は、あとで趙高に処刑された(『史記』)▼メキシコ湾という名称は400年以上の歴史がある。トランプ大統領は「アメリカ湾」に改める大統領令に署名▼まったく信じがたい。時の権力者がものの呼び名を勝手に変え、従わない者にペナルティーを科すとは▼趙高の周りから過ちを指摘する者がいなくなった、というのが歴史書の述べるところ…
やっぱりどうしても劉備玄徳のご先祖様と思いながら読んじゃうよねえ。 そっくり、そっくりだから。 ネタバレします。 最初から面白い。そろそろ三十歳なのに家業の農業は大嫌いで酒と女が大好き。 ん、いや玄徳はそこまではなかったかも。さすがご先祖様だ。 父親にどやされて仕方なく亭長となる。宿場の役人で階級としては最下位であった。 しかし勤めはいい加減で相も変わらず女と酒の毎日であった。 ところが仕事に落ち度があっても周りの人々が庇ってくれる。劉邦は男にも女にも好かれるところがあった。 この「誰からも好かれてしまう」という特技を持って劉邦は乱世を駆け上がっていく。 ご祝儀を包むための金などないのにお偉方…
ネタバレします。 前213年、始皇帝は咸陽宮で大宴会を催した。この宴会が歴史に残る事件の引き金となった。 始皇帝は四十六歳で絶頂期であった。 七十人の博士たちが次々と祝いの言葉を述べた。 始皇帝は上機嫌で聞いていた。 ところがひとりの博士の言った言葉を始皇帝は宿題としたのだった。 それは殷周の王朝が千年も栄えたのは指定や功臣を諸侯に封じて王室を守らせたからです。始皇帝様もいにしえを手本とするべきです、と。 ところが李信はこれに反対し「いにしえの帝も前代の政治を踏襲したわけではありません。時代が変わったから時代に合った政治をしたのです。今始皇帝は誰も成し得なかった天下統一という学者の想像を超える…
2024/08/04更新 後宮へと望む皇帝を前にして 狂ったふりを押し通す貞女 梅派(梅蘭芳)の名作のひとつ あらすじ ポイント 鑑賞 あらすじ 秦代。 二代目の皇帝・胡亥 Hu Hai に仕える趙高 Zao Gao は、ある日、皇帝に鹿を馬だと言って献上する。それを目にした諸侯は趙高を恐れて鹿を馬だと答える。忠臣の匡洪 Kuang Hong だけは鹿だと答えて趙高の茶番に怒りをあらわにする。 匡洪を邪魔に思った趙高は、匡洪が皇帝から賜った一振りの剣・宇宙鋒を盗み出し、それを使って刺客にわざと皇帝を狙わせる。その宇宙鋒を証拠として皇帝暗殺未遂の罪を着せられ、匡洪は一族皆殺しとなる。 匡洪の息子…