韓非子・説林篇下に、こうある。 「船を飲むほどの大魚でも、水を離れれば、螻蟻にも及ばない。」 力は、場所によって裏返る。 人も同じだ。無能に見える者が、ある場面では誰よりも際立つことがある。逆に、優秀とされる者が、環境を外れた途端に凡庸に沈むこともある。 私たちはしばしば、人を一つの尺度で測ろうとする。 だが現実はモノラルではない私たちは常に多層的な現実の中にいる。評価は常に前提に依存し、一面的な「正しさ」は、容易に別の側面では誤りへと転じる。 長けたる者は欠ける所あり。欠けたる者にも長ける所あり。 そのような実例を挙げる事は、さほど困難な事ではない。 1 呑気でとろいお姉さん 私の職場では、…