1884〜1963 小説家・劇作家。横浜生まれ。本名、伸二郎。
雑誌「大衆文芸」などに股旅物などの小説・戯曲を多数発表。大衆文芸の隆盛をまねいた。戯曲「瞼の母」「一本刀土俵入」など。
長谷川伸は、大学卒業しての大衆作家ではない。自身の生家は、貧しく幼少期に奉公。それで働きながら、活字を覚えた。そして文学の道を志し、大衆作家の花形にまでなった。また、実母と幼くして別れたが、渡世人が主人公で生き別れた母親を探し、再会を果たすまでを描いた時代物「瞼の母」を書き上げて以後、実際に母子の「瞼の母」の再会をした。この「瞼の母」は、映画や舞台で何度も演じられた。その長谷川伸は、1963年、79歳でこの世を去った。