🪷【源氏物語484 第14帖 澪標58】娘の斎宮のことを頼むと言い残し、六条御息所は亡くなった。源氏は無常の人生が悲しまれて参内もせず引きこもっていて、御息所の葬儀の指図などをしていた。 〜「大事な御遺言を私にしてくださいましたことをうれしく存じます。 院の皇女がたはたくさんいらっしゃるのですが、 私と親しくしてくださいます方はあまりないのですから、 斎宮を 院が御自身の皇女の列に思召されましたとおりに私も思いまして、 兄弟として睦《むつ》まじくいたしましょう。 それに私は もう幾人もの子があってよい年ごろになっているのですから、 私の物足りなさを斎宮は補ってくださるでしょう」 などと言い置い…