「情報は、時に軍隊よりも強力な武器になります。」 江戸幕府が鎖国政策を敷いていた17世紀から19世紀にかけて、日本は外国との接触をほぼ完全に遮断していました。しかしその「閉ざされた国」の中に、定期的に世界の情報が届けられていたことをご存じでしょうか。その情報源がオランダ風説書です。長崎の出島に拠点を置くオランダ東インド会社(VOC)が毎年幕府に提出したこの文書は、鎖国下の日本が世界の動向を知るほぼ唯一の窓口でした。そしてその内容は、単なる情報提供ではなく、オランダ東インド会社(VOC)の巧みな対日戦略の一部でもありました。 長崎の出島とオランダ東インド会社(VOC)の特権的地位 まず出島とオラ…