若者に希望与える夢空間;一帯一路

福田康夫元首相が習近平主席とタッグを組んでアジアの共生社会化をすすめている。習主席講演『一帯一路とアジア開発銀行』に堰をきった53国。孤立した米国と日本は・・・

中国経済の拡大と巨大化に嫉妬した前原誠司とひねくれ者の安倍晋三が始めた中国経済封じ込め外交も胡錦濤政権時代に失敗していた。その失敗が最初に露呈したのはウラジオストックAPEC(2012年)での野田首相の孤独とオバマ大統領の欠席であった。

その後を継いだ第二次安倍政権は、米国には友和のポーズで擦り寄りながら、中国には公然たる罵詈雑言の類を言いふらしに地球儀外交を展開し、全ての訪問国において軍事同盟ないしはその前段階の美味しさを見せびらかせた。そんな安倍の言動が中国に一定の抑制効果を与えたことは否めない。

中国は米国を凌駕するほどの経済大国になり、とかく傲慢な振る舞いをしてもおかしくない状態であったが、安倍の悪徳言動が反面教師となり、それを感知し思考する人格が中国政府にはあったのだろう。

安倍による中国嫌悪言動の全ては日米が自らしている悪行の裏返しであり、安部氏は「中国も自分と同じ強欲な悪行をするに違いない」と思い込んでいると、中国政府から見抜かれていた。

それで中国政府は必要な軍の近代化を進めながら、中国経済の平野部における成長飽和を見込んだ陸と海のユーラシア大陸新経済ベルト建設を中央アジアASEANに提案し、全ての国の賛成を得て、世界銀行IMFアジア開発銀行の過酷な内政改革要求から逃れられるアジア投資銀行とアジア基金を設立した。

アジア投資銀行(正確にはアジア・インフラ投資銀行AIIB)には53国もの銀行創始国申請が集まった。日米が(悩んでいるカナダもあるが)世界中から逆包囲され孤立が深まったと言える状態だ。

中国横暴論を末端では否定できない面もある。しかし中国政府が纏め上げた「一帯一路」経済ベルト建設は60もの国々との議論と調整を積み上げ、今ある人々の生活を破壊することなく、若者に新しいチャレンジ空間を与える可能性が強く、希望を抱かせる。

それは「横暴な巨大中国」では成し遂げることはできない。「一帯一路」は中国単独の考案ではなく、ユーラシア大陸の全ての国から自然発生してきた期待を中国が夢空間として集大成した企画なのだから。

…………4月15日環球時報の報道;

◆亚投行意向创始成员国筯至57个 瑞典等7国正式加入(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-04/6194307.html
アジアインフラ投資銀行の創始国加盟申請が57ケ国に達したと中国財政部(財務省)が発表。

※AIIB(アジアインフラ投資銀行)創始国が57国に達した。
東北アジア】3・・・中国、韓国、モンゴル
ASEAN】10・・・フィリピン、ベトナムブルネイラオスカンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールインドネシアミャンマー
【南アジア】6・・・バングラディッシュ、印度、ネパール、パキスタンスリランカモルジブ
中央アジア】4・・・カザフスタンタジキスタンウズベキスタンキルギススタン
【中東】12・・・サウジアラビア、ヨルダン、クウェートオマーンカタールアラブ首長国連邦UAE)、トルコ、エジプト、イスラエル、イラン、グルジアアゼルバイジャン
【アフリカ】1・・・南アフリカ
【南米】1・・・ブラジル
オセアニア】2・・・ニュージーランド、豪州
【欧州】18・・英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ルクセンブルク、スイス、オーストリアデンマークスウェーデンノルウェーフィンランドアイスランド、スペイン、ポルトガルポーランド、マルタ、ロシア
…………
G20】19国とEU
・参加国(14)・・・英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、中国、印度、ブラジル、南アフリカ、豪州、韓国、インドネシアサウジアラビア、トルコ
・不参加(5)・・・米国、日本、カナダ、メキシコ、アルゼンチン
BRICS】5国
・参加国(5)・・・ロシア、ブラジル、南アフリカ、中国、印度
【G7】7国
・参加国(4)・・・英国、フランス、ドイツ、イタリア
・不参加(3)・・・米国、日本、カナダ

◆中国主導のインフラ銀参加、カナダが積極的に検討=高官(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N525P20150414?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_term=JP%20Daily%20Mail&utm_campaign=JP%20Daily%20Newsletter%202015-04-15
※カナダは日本と同じようなことを言っている。G20でAIIBが外国為替市場でのリスクを高めるという討議をしたいらしい。G20で不参加は日米カナダだけ。

…………

雪崩をうって世界53国がAIIBの創始国に参加申請した場所は、3月28日に中国海南島のボアオで開催されたアジア・フォーラム(福田康夫理事長)の会議場であった。

習近平主席は基調報告を行い、今年末に予定されているASEAN共同体の設立を支援するためにも、そして金融危機に疲弊しきった欧州経済の立ち直りにも、既存経済体制を破壊しない新しい経済空間を並置する必要性を強調したからである。

少し長いですが、習近平主席の基調講演を拾います;
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6037743.html
『アジアはずっと運命共同体です。アジアは度重なる歴史の不幸を跳ね返して蘇り発展してきた。全ては運命共同体の意識が良き方向に作用し、人々に自信を喪失させず、諦めることなく困難に立ち向かって克服してきたのです。最近のそんな歴史節を振り返れば、今年が世界反ファシズム戦争及び中国人民抗日戦争勝利70周年、国連成立70周年、アジア・アフリカ会議バンドン会議)開催60周年であることを誰でも思い出す。最近の金融危機の余波やその前の為替危機を連帯によって乗り越えてきたアジアの今年はASEAN共同体の創立年だ』

『世界経済は依然として深い調整期にあり、低い成長とインフレと需要、高い失業と債務とバブルなどのリスクが交差し、主要な経済体の勢いと政策は焦点を結ぶこともなく分散し、経済環境の不確定性が依然として目立つ。そうであるから、今まで以上に運命共同体の意識を強めて共同体へと歩むことは肝要だと思う。協力・ウィンウィン、共同発展の堅持が不可欠だ。勝者が敗者から搾取するだけのゼロサムゲームの古い思考を捨て、ウィンウィン・共に勝つという新しい共生の理念を樹立し、自身の利益を追求する時に他方の利益にも配慮を加え、自身の発展を求める時に共同発展をも促進すべきだ』

『中国とASEANは、より緊密な「中国・ASEAN運命共同体」を構築します。ASEANは中国・日本・韓国と連帯する「東アジア経済共同体」を2020年までに構築する目標に注力します』

『我々はアジア自由貿易ネットワークを構築し、そのグレードアップに努力し、アジア地域の全面的な経済パートナーシップ協定に向けた交渉を成功させるよう努力します』

『その実現のために、我々は地域の金融協力体系の構築を推進し、アジアインフラ投資銀行AIIBがアジア開発銀行ADBや世界銀行などの多国間金融機構と相互補完し共通進歩と協調発展を推進すべきだ。また通貨の安定、投資融資における信用評価などの分野でも実務的な協力を強め、チェンマイ・イニシアチブの多国間化メカニズムの建設を推進し、地域の金融安全網を建設すべきだ。アジアエネルギー・資源の協力メカニズムを推進し、エネルギー・資源の安全を保障すべきだ』

『中国は提議します。東アジア(中日韓蒙)と東南アジア(ASEAN)間の相互接続を迅速に計画し、インフラ建設・政策企画・人員往来の全面的融合を促進する。海上での相互接続を建設強化し、アジア海洋協力メカニズムの建設を推進し、アジア諸国に繋がる平和、友好、協力の海にすることを。運命共同体として歩むためには、鮮明な多様性をもつアジアの異なる文明を交ぜ織り、交流し勉び合うことが枢要です。競争の渦中でも長所を取り入れ短所を補いあい、各国人民の友誼の橋、人間社会の進歩を推進する原動力、世界平和を守る絆になるようにさせることです』

中国経済の発展は新常態に入り、高速度成長から中高速度の成長に移行し、規模速度型の粗放成長から品質効率型の集約的成長へ転換し、要素投資駆動からイノベーション駆動へと転換しています。2014年に中国経済は7.4%の成長を実現し、労働生産率が7%改善し、GDP単位当たりのエネルギー消費が4.8%低減し、国内消費の依存度が上昇し、サービス業界の発展が加速し、品質と効果・利益を絶えず高めました』

『いかなる激動や戦争も中国人民の根本的利益に合致しません。中華民族は昔から平和を愛し、「和をもって尊きとなす」「協和万邦」「四海同胞」などの思想を尊重してきた。中国は近来100年余りにわたり激動と戦火を浴びたから、中国人民は決して体験した悲惨を他の国や民族に押し付けません』

『2013年に、私はカザフスタンインドネシアを訪問し、それぞれ「陸のシルクロード経済ベルト(一路)」と「21世紀海上シルクロード(一帯)」を建設するという協力提議を出しました。「一帯一路」の協力提議は各方面の共同利益と一致し、地域と全世界の協力潮流に順応すると確信しています。「一帯一路」の建設は共に検討し共に建設し共に享受する原則であり、中国の独奏ではなく、沿線各国による合唱です。「一帯一路」の建設は現存している地域の協力メカニズムを破壊するのではなく、現有の基礎の上に、沿線各国の発展戦略の相互結合と相互補完を推進するのです。既に60あまりの沿線国家と国際組織が「一帯一路」建設の参与に積極的な態度を示してくれました。「一帯一路」の建設も、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も開放的であり、我々は沿線の国々とアジアの国々が積極的に参与することを歓迎する』(習近平ボアオ・アジアフォーラム基調講演より)

日米は何もかも立ち行かなくなっている。ASEAN共同体の設立(今年末)を邪魔するばかりで、中国とアジアの共生を悉く阻害して、表層を飾る公式表象とは裏腹に四面楚歌に陥ってはや3年が経過した。だが真の悪人は最後まで諦めない。次々に国際的な小細工を弄してくる。

巨大な軍事力を持ち、民主主義の擬制を被った凶悪なファシストが遥か極東の大陸が果てた海洋に再び誕生しようとしている。彼はいかなる実像をしているのか、そこの国民は何も知らずに快楽を求めて堕落した痴態に打ち興じているのだろうか。

怖いもの見たさに、木戸銭を払って化け物小屋を覗きにくる世界の王子や首脳や婦人たち。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」
なんのことはない。今では国葬のクライマックスで居眠りするおひとらしい。

だから、最近の欧米などは、そんな安倍を宥めて教育するふりをして、その成果を自慢しあう様相を呈している。安倍を極限まで孤立させたら自暴自棄になり極悪な専制君主の本性を剥き出しにしかねないから、それを水際で阻止するスリリングを楽しんでいるとも揶揄できる。

しかしながら、貶しはしたけれども安倍晋三は『最良』の反面教師でもある。安倍が弄する小細工の正反対を行なえば、意のままに巨大権力を行使する快楽という人間を自然の摂理から遠ざける悪から解放されるからだ。

それでも安倍が邪悪な企みをけしかけてくるなら、自然の理法をわきまえつつ、安倍のしたことと同じことを安倍にしてやればよい。そうすれば安倍は腹をたてるが、それは彼が自分に対して腹をたてている証になる。

そのようして安倍は皮肉なことに、中国政府に自省と異論に対する抱擁性という道徳理性を確立させた。それは自然の摂理であり、自然の理性がそうなることを人類に強制しているというマルクス・アウレーリウスの自然観に同意する。

「腹黒い性質、女々しい性質、頑固な性質、獰猛、子供じみて、まぬけ、ペテン、恥知らず、欲張り、そして暴君。これらの人間に与えられていないことを自分の本分と呼んではならない。
そのようにして市民的理性から遠ざかる者はさすらいびとである。叡智の眼をとじているものは盲である。殆どの場合彼等は他人に依存し、生活に必要なものすべてを自分の懐から出せぬ乞食である。
起ってくることに対して不満であるために、我々に共通の自然の理法に背を向け、これから離反する。そういうものは宇宙の腫瘍である。人間の内なる自然はこれを保証しないからだ。
もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。「自分は損害を受けた」という想いを取り除くがよい。そうすればその損害も取り除かれてしまう。わずらわしいのはただ内心の主観からくるものにすぎないのだ。
私たちは協力するためにうまれついたのであって、それゆえに互いに邪魔し合うのは自然に反することである。理性的動物は相互のために生れたこと、互いに忍耐し合うのは宇宙の命じる正義の一部である。君はその宇宙の一部なのだ、自然のもたらすものは善であり、宇宙の理性である。
理性の命ずることに対する熱情的な嫌悪など捨て去り、またすべての偽善や、利己心や自己の分にたいする不満を捨て去ればよい。一生は短い。君の人生はもうほとんど終りに近づいている」(マルクス•アウレーリウス自省録)

もう安倍は嫉妬と嫌悪と反感を拭い去り、アジア全体の共生社会への率直なる貢献に転じるなら、彼は楽しい余生を過ごせるだろう。福田康夫元首相は習近平主席とタッグを組んでアジアの共生社会化をめざしている。二階俊博議員は5月22日から約3000人を引率して中国を訪問する。

…………げんじつ;

日本と米国はアジア投資銀AIIBが「高い水準の運営体制や融資審査」をとれるか注視し、当面参加しない。そして日本が支配するアジア開発銀行ADBの存続を脅かさぬようにAIIBに協業を要請した。
(1) AIIBへの融資申請が、中国政府によって中国企業のために悪用され
(2) AIIBでの融資審査が、杜撰と拙速で融資が焦げ付き、日本主導のADB融資にも被害が及ぶ
(3) 杜撰で拙速な審査を日米が拒否できず、逆に日本式インサイダー申請と審査に中国が拒否権
などと、難詰してきた。

結局は、ADBを舞台に、日本政府と日本企業がアジアの開発を独占する利権をAIIBによって中国に奪われるとを懸念する悪しき振る舞いにすぎなかった。

中国政府は拒否権など持たず、AIIB理事会には銀行創始メンバーの全ての委員が審議に携わり、6割に達していた中国の出資比率も英米仏豪韓印に中東産油国の参加で比率が下がるルールであり、そこで中国が拒否権を発動することもないと英国に説明し、英国は参加決断した。後は雪崩的参加だった。

「AIIB創始国参加へと堰が切れた背景には、中国など新興国の発言権拡大を狙ったIMF改革案が、唯一の拒否権を持つ米国の議会の反発で進んでいないことがある。2010年にまとまった改革案が通れば、中国の出資比率が米国、日本に次ぐ3位になるはずだった。だから米民主党のスタッフは『米国のオウンゴール』と言う。元米政府高官『ホワイトハウスの数人の強硬派の意見が強く、財務省国務省とうまく連携が取れていなかった』。アジア開発銀行(ADB)関係者『一枚岩で対応しようと主要国を引っ張る姿勢が米国にみえなかった』。AIIBという機関車に主要国が一緒に立ち向かうはずが、日米以外が直前に逃げ出した。IMF世界銀行が米国主導になっていることへの不満も共有されている。中国が進める「海と陸のシルクロード経済圏(一帯一路)」構想に参加するためにAIIBに加わったという見方も強い。政治学者イアン・ブレマー氏『米国主導の国際秩序が弱体化。自国の基準を変えなければならなくなるのは米国だろう』。中国の楼継偉財務相が『西側の銀行運営規則が最良とは思わない』と述べたからだ」http://digital.asahi.com/articles/ASH3062H5H30ULFA02G.html

世銀やIMFやADBで米国が行使してきた拒否権を中国政府は悪徳行の巣窟と見做し、意見交換と粘り強い交渉の積み重ねが民主主義の基本だと日米に教え、今の悪行に対する懺悔を求めているのだ。

日米が中国やロシアを難詰する常套手段である「拒否権」「不透明」「反民主的」「自由侵害」とかの言動の内実は、そっくり日米が行使してきた様々な利権行使にも当て嵌まり、日米はその悪行利権の奪い合いに持ち込もうとする。

中国海での海洋紛争でも全く同じイデオロギーで動いている。海洋紛争では日米は「国際法」を持ち出すが、確たる根拠は無く、米国による海洋私物化の既成事実を国際法に憑依させているだけだ。

中国が米国の拒否権に楯突いたから許さないというに過ぎない。東中国海における中国の航空識別区は国際法違反で、米日が勝手に設定した防空識別圏国際法に合致などと身勝手で傲慢とも言える。

どんな国の政府も利害得失で動くが、道義にもとると予測される言動は慎み、民主主義のルールを遵守している体裁を崩さない。しかし日本と米国だけは、道義も民主主義も話し合いも、その価値を認めず、相手に自分の拒否に従えと強要するばかりではないか。

米国のルー財務長官は28日から北京で中国財務部と協議し30日に李克強首相と会談。ルー氏「アジア投資銀行を歓迎するが、透明性の確保を要請」。李首相「新興国の発言権拡大と人民元を特別引き出し権(SDR)通貨に追加する国際通貨基金IMF)の改革提案を米議会が早期承認すべきだ」。http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H5J_Q5A330C1FF8000/?dg=1

AIIBの法定資本金は発足時に1千億ドル(約12兆円)、出資比率はアジア圏75%、その他国25%で、各国GDP比率で出資と昨年10月の設立総会決議。今後は4月中旬に創立メンバー確定。5月に設立協定の最終会合、6月末までに協定署名のための48創始国の閣僚大臣会合が開かれる。

安倍政権は6月末までは「様子見」。日本が不参加の場合、AIIBの融資を受けた案件の入札で日本企業が不利になる。また、米国が突然態度を翻して参加に転じ、日本がはしごを外されないとも限らない。「米国が入るなら日本が入らない選択肢はない」(官邸幹部)と情けない限りだ。

米国財務長官は中国訪問だけの出張であり、日本の頭越しにニクソン大統領が訪中したことを思い出させる。当時の田中角栄首相は、ニクソンを差し置いて、米国よりも早く日中国交回復を実現させたが、今の安倍政権に田中角栄は存在しない。http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-03/6031790.html

4月1日、ジェイコブ・ルー長官『米国は中国政府にAIIBを含めた国際的な開発枠組みを歓迎する準備が整った。AIIBは世銀・IMF・ADBと相互補完関係を形成でき、また真の多国間戦略決定機能や貸付基準および社会保障措置に取り組むことを希望』http://jp.xinhuanet.com/2015-04/02/c_134118887.htm?from=fetion

(参照報道)※①〜は報道の抜書要点です。
習近平国家主席、ボアオ・アジアフォーラムの年次総会の開幕式で基調講演(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134104928.htm
◆【講演全文】习近平:迈向命运共同体 开创亚洲新未来(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6037743.html

◆アジア投資銀(AIIB)に48カ国・地域 日米抜き、戦略欠き孤立(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH3062H5H30ULFA02G.html
①創始国になる申請書を提出したのは47カ国と1地域(台湾)の合計48。
②米国は豪州や韓国などに対し、参加の判断を慎重にするよう求めてきた。だが皮肉なことに、米国と最も緊密なはずの英国の参加表明で、主要国が堰を切ったように中国側に流れた。
③AIIB創始国参加へと堰を切れた背景には、中国など新興国の発言権拡大を狙ったIMF改革案が、唯一の拒否権を持つ米国の議会の反発で進んでいないことがある。2010年にまとまった改革案が通れば、中国の出資比率が米国、日本に次ぐ3位になる。米民主党のスタッフは「米国のオウンゴール」と言う。
④米政府内では当初から様々な意見があったが、一貫した戦略を作った様子はうかがえない。元米政府高官「ホワイトハウスの数人の強硬派の意見が強く、財務省国務省とうまく連携が取れていなかった」。
アジア開発銀行(ADB)関係者「『一枚岩で対応しよう』と主要国を引っ張る姿勢が米国にみえなかった。AIIBという機関車に主要国が一緒に立ち向かうはずが、日米以外が直前に逃げ出した」。
IMF世界銀行が米国主導になっていることへの不満も、共有されて。中国が進める「陸と海のシルクロード経済圏(一帯一路)」構想に参加するためにも、AIIBに加わったという見方も強い。
⑦「英王立国際問題研究所のロデリック・ワイ氏「(金融街ティーがある)ロンドンの競争力につながるのも期待の一つ」。ルクセンブルクなどとの、AIIBの欧州拠点の誘致合戦もささやかれる。AIIBは人民元直接決済が主力になるからだ。
政治学者のイアン・ブレマー氏「中国主導の枠組み作りが成功すれば、米国主導の従来の国際秩序を弱体化させる。問題は、中国が米国主導の従来の基準に追いつく前に大国になったことだ。長期的にみれば、自国の基準を変えなければならなくなるのは米国だろう」。
⑨豪州は「理事会権限が確保され、中国が銀行支配できないこと」を正式参加の条件とする。だが中国の楼継偉財務相は、「西側の銀行運営規則が最良とは思わない」と述べた。
⑩法定資本金は1千億ドル(約12兆円)で、出資比率はアジア圏が75%、その他が25%で各国のGDP比率で出資と昨年10月の設立総会で決議。今後は4月中旬に創立メンバー確定。5月に設立協定策定の最終会合、6月末までに協定署名のための48創始国の閣僚大臣会合が開かれる。
⑪安倍政権は6月末までは「様子見」の姿勢だ。不参加の場合、AIIBの融資を受けた案件の入札で日本企業が不利な扱いを受けかねないとの懸念もある。
⑫米国が突然態度を翻して参加に転じ、日本がはしごを外されないとも限らない、との見方も政府内にはある。「米国が入るなら日本が入らない選択肢はない」(官邸幹部)。
◆台湾「財政部」は31日、AIIB創設メンバーとしての参加意向書を提出した(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0401/c94474-8872383.html
◆国台办:欢迎台湾方面以适当名义参与亚投行(新華社/環球時報
http://taiwan.huanqiu.com/article/2015-04/6068090.html
①中国国務院台湾事務弁公室は台湾地区からアジア投資銀行創始メンバー加入申請書を受け取り、アジア投資銀行の臨時事務局はそれを受理した。アジア投資銀行は開放性を旨とする。故に台湾が適切な名義で参加することを歓迎する。
◆亚投行“朋友圈”超出预想 申请国家或超出47个(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-04/6064410.html
◆AIIB参加国の数が予想を大きく超える 孤立感深まる米国(環球時報/中国網が日本語に翻訳)
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2015-04/01/content_35213603.htm
①AIIBの加入を表明した国は47カ国に拡大した。消息筋は環球時報に対して、「申請した一部の国は、加入の許可が下りるまで公式表明を見送ろうとしている。そのためAIIB加入申請国は、47カ国に留まらないはずだ」と述べた。
◆以色列宣布申请加入亚投行 “朋友圈”扩员至50国(環球時報
イスラエルがアジア投資銀行の創始メンバーに加入申請、加入申請が50ケ国に達した
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-04/6069965.html
①創始メンバー加入申請国:50国(50国と台湾地域)
【東アジア】(3)中国(台湾)、モンゴル、韓国、
ASEAN】 (10)インドネシアブルネイカンボジアラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポールベトナム、タイ
【南アジア】(6)インド、バングラデシュモルジブ、ネパール、パキスタンスリランカ
中央アジア】(4)カザフスタンタジキスタン、タイウズベキスタンキルギスタン
【中東】(8)ヨルダン、クウェートオマーンカタールサウジアラビア、トルコ、エジプト、イスラエル
大洋州】(2)ニュージーランド、オーストラリア、
【欧州】(15)イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、オランダ、デンマークフィンランドスウェーデンノルウェー、スペイン、アイスランドグルジア
BRICS】(2)ブラジル、ロシア、(中国、インド)
アジアインフラ投資銀行、46カ国を超える「友達グループ」(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/01/c_134116434.htm
①英国、ドイツ、フランス、イタリアなどの先進国がアジアインフラ投資銀行への加盟を相次いで宣言し、アジアインフラ投資銀行の信用レベルが向上し、融資コストが低減する。
②加盟国が増え、国家間の利益配分などが原因で生じる矛盾を回避するには、融資資金の配分で透明性と公正性を実現することが求められる。
③出資比率は、GDPを基盤に、アジアの加盟国は70%から75%に、アジア以外の国は残りの25%から30%の出資比率。これは、当然ながら、加盟国の数量の増加に伴い、各国の持分割合は縮小し、中国も例外ではない。
④中国は最大株主として、必要な資金を提供する。だが最大株主の地位は特権ではなく、責任であり、役割の担当だ。中国は責任ある大国として、国際的に共通する準則を遵守し、大国として居座るのではなく、平等に対応し、協議を通じて解決する。
アジアインフラ投資銀行は、明確な時代の特徴(一帯一路経済ベルトインフラ建設)を帯びた多国間開発金融機関であり、世界銀行アジア開発銀行を補充するもので、替代ではない。現行国際金融秩序を改善し、推進するもので、転覆ではない。
⑥貧困扶助を主要目標とせず、商業性インフラに的確に投資し、アジア地域の相互接続を実現する投資を行う。この位置付けは国際通貨基金IMF)、世界銀行アジア開発銀行などの機関からの支持を受け、投資の大きな空間があると一致した評価を得ている。
世界銀行は現在、アジアインフラ投資銀行と新機関の基準、枠組み制定などの方面で協力を展開している。
⑧年末にアジアインフラ投資銀行を開業するまでに、1回以上の交渉代表会議を開き、年半ばに規則交渉を完了し、調印した後、加盟国の批准を経て発効し、年末までにアジアインフラ投資銀行を正式に開設する方針。
アジアインフラ投資銀行は、高度に精錬された機関で、専門担当者を世界から招聘し、複数の機関が渋滞するのを断固として防止する。腐敗に対してゼロ容認度を導入し、グリーン経済と低炭素経済の発展を促進し、人類と自然の調和のある共存を実現する。

◆アジア投資銀、「高い水準の運営体制や融資審査」を注視=米国務省(時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015033100101&g=int
その意味するものは、日本政府に指導された日本企業集団しか作成しえないインフラ建設企画書の書式内容。日本政府と日本企業にインサイダー審査を認めろと言うに等しい。
◆美财长敏感时刻访华 外界猜美加入亚投行可能性(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-03/6031790.html
米国財務長官が今日28日に中国に着いた。直ちに中国財務部官僚と協議を開始した。30日には李克強首相と会談する予定で、そこで米国がAIIBに参加する可能性を排除できないと観測されている。
②ただし、日本のNHKや日経などのメディアは、その会議目的は米国にAIIB参加ではなく、世界銀行アジア開発銀行(ADB)とAIIB間の共同プロジェクトの提案だと報道している。
③しかし、米国財務長官は中国訪問だけの出張であり、日本の頭越しにニクソン大統領が訪中したことを思い出させる。当時の田中角栄首相は、ニクソンを差し置いて、米国よりも早く日中国交回復を実現させたが、今の安倍政権に田中角栄は存在しない。
④いずれにせよ、アジアインフラ投資銀行AIIBが新たな経済空間の創造の中心となることは各国の一致するところである。
◆米財務長官が敏感な時期に訪中しAIIBとの協力意向を表明(環球時報/中国網が日本語翻訳)
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2015-03/31/content_35205566.htm
①ルー長官と李総理の会談は1時間におよび、習近平国家主席の訪米計画にも言及。
②ルー長官『中国がアジアのインフラ整備面でより大きな役割を発揮することを歓迎する。二国間、多国間分野で協力を強化したい。協力は米中戦略経済対話、世界銀行、AIIB、および米中両国が受け入れるその他の制度を通じて行うことができる』。
北京大学経済学部の曹和平教授『米財務長官が今回AIIBとの協力意向を表明したのは、全世界が米国から離れる中での挽回策だ。全世界に対する外交的姿勢表明であると同時に、参加せずとも世界銀行アジア開発銀行を通じてAIIBと協力できることをはっきりと伝えるものだ。米国はまず自らの過ちを認めるべきだ。中国と欧州各国、オーストラリア、韓国は同じ側に立っている。米国はなぜ自らが歴史と反する側に立っているのかを考え直す必要がある。そして米国がAIIBに参加する可能性は依然存在するが、米国は非常に厳しい条件をつける可能性がある』。
【写真】李克強総理はジェイコブ・ルー米国大統領特別代表、財務長官と会見(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/31/c_134111493.htm
◆ルー米財務長官が李首相と会談;ルー氏「アジア投資銀を歓迎」「透明性で中国側に注文」(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H5J_Q5A330C1FF8000/?dg=1
①ルー氏は中国主導で2015年内に設立する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について「AIIBとの協力に期待し、中国がアジア地域のインフラ建設の分野でさらに役割を発揮することを歓迎する、AIIBが高い水準のガバナンスを持つよう希望している」
②ルー氏の発言は、アジア開発銀行(ADB)など既存の国際機関と連携してもらうことへの期待
李克強首相は「ハイテク製品の対中輸出や中国企業の対米投資に関する規制の緩和」「新興国の発言権の拡大などを目的とする国際通貨基金IMF)の改革提案を米議会が早期承認すべきだ」「人民元IMFの特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用」を要求。
李克強首相、北京を訪問しているラガルトIMF専務理事と会談(CRI北京放送)
http://japanese.cri.cn/881/2015/03/24/142s234001.htm

【写真】李克強総理は31日、北京の人民大会堂で英紙『フィナンシャル・タイムズ』のバーバー編集長と会見した(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/01/c_134114203.htm
◆【英、豪、日の報道】亚投行对内分配引关注 专家:不应附加过多政治条件(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-04/6064342.html
①英国《フィナンシャル・タイムズ》31日“米国は同盟国がアジア投資銀行に参加することを阻止できなかった。外交判断を誤った米国は凋落する”
米国ハーバード大学ジョゼフ・ナイ教授「巨大な人的資源を駆使できる中国は経済規模を急速に拡大して、今後の数十年間で米国に接近する。しかしこれは中国が軍事と経済およびソフトウエア面で米国を凌駕することを意味しない。米国は米国による未来世紀に自信がある。その中で米国が占める比率は前世紀の中ごろよりは小さくなるが、私たちは米国の世紀を堅持するだろう」。
英国国際問題学者の反論「アジア太平洋地域は日に日に成長して世界経済の核心になってゆくだろう。アジアはソフト面でもハード面でも強い実力を保有しているから、アジア太平洋での地滑り的変化の影響によって米国は世界における主導的地位を失うだろう」。
②豪州《タイムズ》31日
中国が提唱して創立されるアジア投資銀行は未来のアジア経済において重要な役割を担うだろう。そしてアジア投資銀行が設立される過程はアジアの政治関係と軍事的秩序にとってそれ以上に重要である。豪州はアジア投資銀行の創始メンバーに参加する申請をおこなったが、これは豪州の外交政策に歴史的な転換が行われたことを意味する。アジア投資銀行は今後数十年の間に光り輝く成果を上げるでしょうが、それに必要な企画と投資を纏めることができる国は中国を置いて他にはないのです。米国はアジア投資銀行が米国に対する挑戦であると懸念し、それを阻止するためにアジア回帰政策の全てを集中したのですが、米国がアジアの重心から脇に逸らされる法則を変えることはできません:アジアの経済秩序はその根本を変えたのです。
③《東京新聞》31日
“アジア投資銀行は国際金融秩序を転換するか?”
中国が主導するアジアインフラ投資銀行に先進国から新興国家まで広範に加入申請した。米国でも“これは外交の判断ミスだ”の意見が高まっていて、日本でもアジアでの影響低下を懸念している。米国が主導する国際金融秩序の根幹をなす世界銀行国際通貨基金は戦後の歴史的使命の転換点を迎えるだろう。米日からの牽制にもかかわらず、英仏独伊と韓国及び豪州といった米国の同盟国だけではなく、中国と領海紛争をおこしたフィリピンとベトナムでさえ早々に参加申請した。これらの国家はすべて国家利益の角度から判断をしたのです。好き嫌いには関係なく、アジア投資銀行は設立され起動する。対中関係を緊張させて束縛された日本は世界の動向が見えなかったのです。米国が万事全ての時代ではなくなったことを日本は理解すべきです。
④アジア投資銀行の運営に関して米国が最も懸念したことは、同行の融資審査が融資申請国の労働や自然環境の悪化を考慮しないだろうことであり、その影響を日米が支配するアジア開発銀行の融資の劣化と腐食を招くことであった。そのため米国は、国際的な銀行運営体系をアジア投資銀行に求め、融資の審査においてアジア建設銀行と同レベルの厳格な標準規則を正確に採用することを要望してきた。
それについて中国の商務部国際貿易経済協力研究院の梅新育研究員は《環球時報》に次のように語った。「アジア投資銀行はその運営の企画段階にあるのにもかかわらず、日米は過大なる政治的条件の付与を要求している。それでもアジア投資銀行は客観的な運営と融資審査を国際基準に近づける努力をしている。だが、それは日米が要求する国際標準なるものを鵜呑みにすれば良いというものではない。大きな欠点があるからだ。世銀やIMFアジア開発銀行といった日米が支配する国際金融の政治性と硬直性の故に、発展国はあまりにも多くの政治的要求をされ、各種の政治的条件の忍耐を迫られてきたのだ。融資側はリスクを負わず、融資側が有利になるように仕向け、結局は国際金融市場の融資力を減退させたと言い換えても良い。それにもしもアジア投資銀行が政治的にあくどい条件を基盤に独断専行して融資するなら、アジア投資銀行は見放され自壊することが自明ではないか」。

◆Why Canada should join the Asian Infrastructure Bank;WENDY DOBSON―University of Calgary(THE GLOBE AND MAIL)
http://www.theglobeandmail.com/globe-debate/why-canada-should-join-the-asian-infrastructure-bank/article23732853/
①カナダはAIIBの創設メンバーに加入すべきだ。
②アジアのインフラ建設投資需要は、日本が主導するアジア開発銀行(ADB)の見積もりによれば、年間8千億$にもなるが、世界銀行とADBの融資ペースが落ち込んで、需要を賄いえない。
③その原因は米国が行使する拒否権にある。中国が提唱したADBと世界銀行の増資に対して米国が拒否権を発動したから融資が滞ったのだ。
④米国とそれに追従する日本はアジアの経済覇権を手放すほかないだろう。中国は2年前にAIIBと陸海の経済回廊を提案し、ASEANと練り上げてきたのだ。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア・・・それに中東の主な産油国が出資に応じることになった。それでもカナダは無言かつ無行動である。
⑤カナダと中国は昨年とても親密になっていた。にもかかわらず今AIIBの設立に関して無言なわけはないと思う。参加すべきだ。中国はAIIB運営に透明性の確保と拒否権不保持を約束しているだはないか。

◆米財務長官、米国はアジアインフラ投資銀行を歓迎する準備が整ったと述べる(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/02/c_134118887.htm?from=fetion

◆金融の「大動脈」が「一帯一路」の発展を助力―中国銀行の田国立総裁を取材(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/01/c_134115639.htm
①「一帯一路」の建設に、今年中国銀行は200億ドルの信用貸付を提供する予定。