じじぃの「アメリカと中国の覇権争い・戦略のパラドックス!逆説の雑学」

南シナ海】中国海警局の船が“放水” フィリピン側が映像公開

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hZOwQ6Qlmkw

中国海警局の船(右)がフィリピンの船に向かって放水銃を発射する映像


習近平の覇権戦略―中国共産党がめざす「人類運命共同体」計画

イーストン・イアン【著】〈Easton Ian〉/信田 智人【訳】
PHP研究所 2023年発行
●内容
イアン・イーストンの『The Final Struggle: Inside China’s Global Strategy』は、自由の将来を心配する者なら誰もが読むべきものである。それは、中国共産党がもつ世界支配への抑えきれない野望に関する説得力のある詳細な研究である」
著者イアン・イーストン氏は「プロジェクト2049研究所」の上級研究員。『China 2049』(マイケル・ピルズベリー著)で天下に知られた「過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命100周年に当たる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する」習近平政権の戦略分析に携わる。中国語で書かれた公開情報を調査する、対中研究のスペシャリストだ。
巷間、習近平主席の個人的野望と見られている中国の「2049」覇権戦略。だがこのプロジェクトは、マルクスが果たせず、ソ連が失敗した「民主主義と資本主義を破壊し、国際共産主義を完成する」という歴史的プログラムを忠実に実行するものだった。

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『2050年の世界――見えない未来の考え方』

ヘイミシュ・マクレイ/著、遠藤真美/訳 日経BP 2023年発行

第12章 この先の世界を形づくる大きなテーマ――不安、希望、判断 より

10の不安

1 アメリカの政治体制が崩れる
アメリカは3つの起きな課題に直面している。
まず、富が平等に行き渡り、公平な機会が与えられるようにしなければいけない。そして、世界最大の経済圏から中国につぐ世界2位の経済圏に移行しなければいけない。さらに世界ではじめてほんとうの意味での多人種社会になることを受け入れ、むしろ歓迎しなければいけない。

こうした問題はずっとくすぶっていたが、ドナルド・トランプが大統領に就任すると、不満が一気に爆発した。トランプは幅広い層から支持されたが、共通するテーマがあるとしたら、リベラル・エリートには機会が与えられているのに自分たちにはないと、支持者の多くが感じていたことだ。
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グローバルリーダーはなによりも世界の手本にならなければならない。アメリカは21世紀いっぱい、世界最大の軍事国でありつづけるが、どんな国であるかと同じくらい、なにをするかが重要になり、アメリカはハードウェアを裏づけとししたソフトパワーを発揮しつづける。もしもアメリカが自信を失ったら、世界はいまよりはるかに危険な場所になるだろう。

2 中国、インド、アメリカの関係が悪化する
アメリカと中国のあいだの緊張が高まるのは避けられないだろう。
中国がアメリカを抜いて世界最大の経済国になる瞬間の前後はとくにそうなる。本書の予測が正しければ、中国は人口が高齢化するにつれて、国内の情勢が落ち着いていき、対外政策での攻撃的な姿勢も見直される。だが、そこにいたるまでの難局をうまく乗り越えなければならず、2030年代か2040年代になんらかの形で政治体制が転換され、大きな混乱が生まれるだろう。インドの台頭も受け入れなければならない。インドは21世紀後半を通じて躍進しつづける見通しだ。発火点は言うまでもない。中国による台湾の軍事的併合、インドとの国境紛争、南シナ海情勢などである。この移行を穏当に秩序立った形で管理することは、アメリカと中国の両方にとって、ひいては世界全体にとって、非常に大きな利益になるため、米中が衝突する事態はさすがに考えにくい。それでも誤算は生じるし、破滅へとつづくシナリオはすぐに思い浮かぶ。

たとえば、新型コロナウイルスがほんとうに武漢の研究所から流出したもので、中国当局が起源を故意に隠蔽したことが明らかになれば、アメリカの中国に対する信頼は消し飛ぶ。あるいは、中国が台湾を支配下に置こうとして、多数の使者が出る事態になったら、アメリカはたとえそれが直後には国益に結びつかないとしても、武力で対抗するかもしれない。中国がアメリカではなくインドと対立し、それがその後、アメリカ軍も関与する争いへと波及することも考えられる。

わたしが心配なのは、中国は心の底ではアメリカを軽蔑していて、アメリカは心の底では中国を理解も尊重もしていないことだ。いずれにしても、両国間の緊張は2020年代を通じて高まるのは避けられず、世界全体にとって非常に危険な時期になるだろう。

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じじぃの日記。

ヘイミシュ・マクレイ著『2050年の世界』という本に、「アメリカの政治体制が崩れる」があった。

アメリカと中国のあいだの緊張が高まるのは避けられないだろう」

中国は周辺国の経済水域を含む南シナ海のほぼ全域について領有権を主張しているほか、東シナ海でも海洋進出を進めている。

中国政府が2023年8月に発表した新しい地図を巡り、アジアの周辺国から反発の声が上がっている。

地図では南シナ海の90%を中国の「領海」とした。
中国が南シナ海の領有権問題に関して一方的に主張する「九段線」は、台湾の東側に引かれた1本の線とともに計10本で構成され、「十段線」となっている。

フィリピンが領有権を主張するスプラトリー諸島南沙諸島)は「中国領」となっている。

フィリピンは自国の沿岸で漁をすることさえできなくなった。

自国の沿岸で漁をしていると、中国海軍の船がやってきて、漁船に向かって放水してくるのだ。

「戦略のパラドックス

ルトワックと奥村真司両氏による著作はいつ読んでも明瞭かつ痛快である。
著者は持論である「戦略のパラドックス」論を用い、習近平の中国が大国意識に基づいて採るさまざまな強硬政策が、実は相手のリアクションが見えていない愚策であると指摘する。そしてアメリカのみならず、「小国」と見なされている世界の各国が「No」を突きつけることが、習近平を「つまずかせる」ために有効であると説く。
https://www.amazon.co.jp/hz/reviews-render/lighthouse/4166613200?filterByKeyword=%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9&pageNumber=1

じじぃの「カオス・地球_326_LIFESPAN・第8章・善きサマリア人のたとえ」

“Good Samaritan” is a label often used to describe someone acting selflessly to benefit others, even if a total stranger.

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=jsluVwAAnEI

Good Samaritan


The complex history behind the phrase ‘Good Samaritan’

Aug 26, 2022 goskagit.com
“Good Samaritan” is a label often used to describe someone acting selflessly to benefit others, even if a total stranger.
https://www.goskagit.com/townnews/bible/the-complex-history-behind-the-phrase-good-samaritan/article_56f47286-257a-11ed-be49-73840fcd2e7a.html

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
第5章 老化を治療する薬
第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)

第8章 未来の世界はこうなる

第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第8章 未来の世界はこうなる より

一番重要なこと――長い人生がもたらす人間らしさ

1970年代の始め、2人の心理学者が「善きサマリア人のたとえ」を検証してみることにした。
ご存知の通り、これは聖書のなかでイエスが語るたとえ話である。追いはぎに襲われて傷を負わされた人が道で苦しんでいたとき、聖職者たちは見て見ぬふりをしたのに対し、異邦人であるサマリア人だけが助けてやったというものだ。日頃このたとえ話を胸に刻んでいる者なら、困っている人を見たときも通り過ぎずに親切にするに違いない。心理学者たちはそう考えた。そこで若い役者を1人雇い、プリンストン神学校グリーンホール別館の玄関脇にある小道に連れていった。そこで、体を折り曲げて咳き込ませ、苦しむ芝居をさせることにする。

心理学者たちはまた、別館でスピーチをしてもらうという名目で40人の神学生を募った。学生たちはまず、キャンバス内のとある建物に向かうように告げられる。そこでアンケート調査に答えたあと、1人1人が次の3つのうち1つの指示を受ける。1つめは、まだ時間が十分あるので慌てず別館に向かえばいいというもの。2つめは、今すぐ出ればちょうど間に合うというもの。そして3つめは、遅れそうなので急いだ方がいいというものだ。

「急ぐ度合いの大きい」グループでは、立ち止まって病人を助けたのが10%しかいなかった。改めていっておくが彼らは神学生である。それなのに困っている同胞を見捨てたのだ。1人などは、苦しむ病人の上をわざわざまたいだほどである。

一方、「急ぐ度合いの小さい」グループのほうは、60%あまりが足を止めて救いの手を差し伸べた。

つまり、この実験で違いを生んだ要因は、個人の道徳心でもなければ宗教に関する学識でもない。急がなくてはいけないと感じているか否かだけだったのだ。

もちろん、この発見自体が目新しいわけではない。イエスが最初に「善きサマリア人の話をしたのと同じ時代には、古代ローマの哲学者セネカが、どんなに忙しくても足を止めてバラの香りを嗅ぐ余裕をもてと自らの信奉者たちを諭していた。こう記している。「過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる者には、人生は短く、不安に満ちている」

人生の素晴らしさを味わえぬ者にとって、時間は「非常に安価なものとみなされている……それどころか何の価値もないとされている」。セネカはそうも嘆いている。「こうした人々は、時間がどれだけ貴重かわかっていないのだ」

健康寿命が延びたときに社会がどんな恩恵を受けるかを考えるとき、この側面が注目されることはほとんどないかもしれない。しかし、これこそが最も大きなメリットとなる可能性を秘めている。時間が刻々と過ぎていくのがそれほど怖くなくなれば、ことによると私たちは急ぐのをやめ、深呼吸をするようになるのではないか。私たちは目先のことに動じないサマリア人になれるのではないか。

ここでは「ことによると」を強調しておきたい。今述べたことは科学という仮定であると、誰よりも自分がわかっているからだ。しかし、サンプル数の少ないこのプリンストン神学校の実験だけでなく、その前にもあとにも様々な研究がなされていて、どれも同じ結論に達している。

つまり、時間があるとき、人間は格段に人間らしくなるということだ。

ただ、こうした実験では、数分ないし数時間の余裕があった場合の人間のふるまいを調べているにすぎない。

では、数年の猶予があったらどうなるだろうか。数十年だったら? 数百年だったら?

200年や300年余分にあったところで、誰1人行動を変えない可能性もある。所詮、宇宙という壮大な枠組みのなかでは300年など物の数ではない。私の最初の50年は瞬(またた)きするまに過ぎていった。もしかしたら、1000年といえどもたかだか瞬き20回分で、短いように感じられるかもしれない。
    ・
今、どんな決断を下すかによって、私たちのつくり上げる未来がどちらになるかが決まる。この決断は重要だ。気候変動、経済変動、経済に深刻な負荷をかける様々な問題、この先予想される社会の激変。こうした要因によって世界が危機を迎えるのを回避するのは、病気や、体の不自由を防ぐことこそが何にも増して大きな効果をもつ。失敗は許されない。
人類の歴史が始まって以来、これほど重大な選択はないのだから。

じじぃの「お隣さん・少子高齢化のパラドックスとは?逆説の雑学」

Birth rate in S. Korea drops to all-time low in 2023 leading to population decline

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Y5WWvZ9EJDs


How South Korea’s Birth Rate Dropped Below Japan’s

Aug 28, 2023 Nippon.com
Japan and South Korea are both dealing with quickly falling birth rates. However, Korea’s total fertility rate declined for seven years in a row to 2022, dropping to a provisional 0.78 - well below Japan’s 1.26, its lowest ever, and the 2020 OECD average of 1.58. NLI Research Institute research fellow Kim Myoung Jung explains the background to this development.
https://www.nippon.com/en/in-depth/d00915/

『2050年の世界――見えない未来の考え方』

ヘイミシュ・マクレイ/著、遠藤真美/訳 日経BP 2023年発行

第1章 わたしたちがいま生きている世界 より

アジアの新興大国――中国とインド

日本と韓国・北朝鮮

日本

インド亜大陸の最大の課題が若さに対処することであるとしたら、日本は老いに対処することが最大の課題になる。
    ・
ところがその後、成長が止まる。2018年にはGDPが23年前の水準を割り込み、日本の市民はアメリカ市民よりもずっと貧しくなった。アメリカ経済の覇権に挑むとの予測もあったが、日本は内向きになり、国民の生活を最優先に考えるようになった。日本社会はいまも秩序正しく、世界から尊敬を集めているが、一世代前の影響力はない。トヨタ自動車のようにグローバルリーダーでありつづけている日本企業もある。しかし、ソニー東芝パナソニックなどは、20年前のような優位を失っている。

これは悩ましい。なぜなら、世界には日本から学ぶことが山ほどあるからだ。
動かぬ事実を2つあげよう。日本は犯罪率が世界でいちばん低く、世界一の長寿国だ。さらに、人びとが支え合い、助け合って、課題を効率的に解決する関係があり、サービスの質が高く、都市は清潔だ。日本がいかに世界に類を見ない社会を築いているかがわかる。
だが、日本が世界に数えられることはもっとある。日本は高齢化する人口に立ち向かっている。世界のほかの国々も、やがてそうしなければならない日がくる。

朝鮮半島

北朝鮮と韓国は、経済・政治実験の両極端な例である。
北朝鮮は指令経済で、食糧難が深刻になっている。一方の韓国は、世界でもとくにエネルギッシュな市場経済である。経済運営の極端な成功例と失敗例はほかにもある。シンガポールは天然資源が乏しいというハンディを克服しているが、ベネズエラは石油という富を浪費している。しかし、東西ドイツ統一以降、1つの民族がイデオロギーの境界線で分断され、そのときにたまたまどちらの側にいたかで、これほどちがう結果になった例はほかにない。したがって、それがいつまでつづき、どのように統一へと収斂していくのかが、なによりも大きな問題になる。

これについて確かなことは言えない。いまはっきりしているのは、韓国人の能力と意欲が大きなサクセスストーリーを生み出した、ということだ。現代・起亜自動車は世界4位の自動車メーカーであり、サムスンは世界最大のスマホメーカーだ。この2つの産業に依存しすぎており、サービス産業が弱いという指摘はある。だが日本と同じく、中所得国の罠を回避しているのは疑問の余地がない。そして日本とちがって、1980年代と1990年代に金融バブルが発生し崩壊するという、最悪の事態を避けられた。ところが、日本と共通する特徴がもう1つあり、それも日本以上に極端な状況に陥っている。その特徴は少子化である。

世界銀行の推計によると、2019年の合計特殊出生率(1人の女性が一生のあいだに産む子どもの数の平均)は0.92と、世界で最も低かった。
意外かもしれないが、北朝鮮出生率は2弱とずっと高く、人口置換水準をさほど下回っていない。いったいなぜ、経済が成功している国の人が選ぶ子どもの数のほうが、貧困にあえぐ国の人よりもずっと少ないのかは謎である。しかし、なにか根本的な変化が起こらないかぎり、韓国の人口は縮小していき、増えていく高齢者に対処しなければいけなくなる。韓国が成功しているのはだれの目にも明らかだが、直面している課題は非常に大きい。

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じじぃの日記。

ヘイミシュ・マクレイ著『2050年の世界』という本に、「日本と韓国・北朝鮮」があった。

世界銀行の推計によると、(韓国の)2019年の合計特殊出生率(1人の女性が一生のあいだに産む子どもの数の平均)は0.92と、世界で最も低かった」

韓国統計庁は2023年の出生率が0.72、ソウルでは0.55だったと発表した。

前年の0.78をさらに下回り、同様に少子化に直面する日本(22年に1.26)と比べても低い。
出生率が1.0を下回るのは経済協力開発機構OECD)加盟国で韓国のみである。

日本で出生率1.0を切る可能性において少子化先進国の韓国で起きていることは、やがて日本でも起き得ることなのか?

少子高齢化パラドックス

第1は経済成長への影響である。少子化による生産年齢人口の減少により、経済成長に対する労働投入の寄与は低下していくと考えられる。また、人口に占める高齢者の比率の高まるなかで、国全体としての貯蓄率が低下すれば、資本投入による経済成長への寄与も小さくなっていく可能性がある。このように、高齢化・人口減少は、長期的に経済成長を決定する主要な生産要素である労働、資本の伸びの減少等を通じ、経済成長を鈍化させる懸念がある。
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je03/pdf/03-00302.pdf

【備考】

「現代・起亜自動車は世界4位の自動車メーカーであり、サムスンは世界最大のスマホメーカーだ」

   ↓

世界の自動車メーカー会社ランキング:時価総額TOP70 2023年
1位:トヨタ自動車(日本)
2位:Mercedes-Benz Group AG(ドイツ)
3位:Bayerische Motoren Werke AG(BMW)(ドイツ)
4位:Volkswagen AG(ドイツ)
5位:本田技研工業(日本)
https://reinforz.co.jp/bizmedia/8419/

スマートフォン世界シェア
米調査会社のIDCが、2023年のスマートフォン市場調査結果を発表した。米Appleが出荷数ベースで史上最高の市場シェアを獲得し、通年シェアで初めて首位に立ったという。2010年から韓国Samsung Electronicsがシェアトップをキープし続けていた。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2401/18/news134.html

じじぃの「カオス・地球_325_LIFESPAN・第8章・かつてないほど広がる格差」

SF映画ガタカ』本編映像 (オープニングシーン)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=8iCZ-Q0RyjM

映画『ガタカ


カズレーザーと学ぶ

2024年5月7日 日本テレビ
【MC】カズレーザーメイプル超合金
【進行】岩田絵里奈日本テレビアナウンサー)
【出演者】影山優佳 コットン 斉藤慎二ジャングルポケット松本まりか ゆうちゃみ
【専門家】濵﨑洋子(京都大学 iPS細胞研究所)、六車恵子(関西医科大学 医学部教授)、野村慎一郎(東北大学大学院 工学研究科 分子ロボティクス研究)

年をとらない体を作る?改造T細胞の可能性
特に注目されるのが「改造T細胞」の研究です。この技術は、体内の免疫細胞であるT細胞を遺伝子操作によりカスタマイズし、老化細胞のみを標的とすることで、老化の進行を遅らせるというもの。番組内では、この画期的なアプローチがどのようにして老化を阻止し、最終的には「一生老けない体」を実現可能にするのかが丁寧に説明されています。この研究が現実のものとなれば、医療だけでなく、私たちの日常生活にも革命をもたらすかもしれません。

濵﨑洋子教授が、注射1発で老化を防ぐ、改造T細胞について解説。
T細胞はウイルス・がんなどから身を守る免疫細胞で、細胞ごとに反応する病原体が異なる。改造T細胞は、どうか細胞を攻撃するようにT細胞を人工的に改造したもの。CAR-T細胞は白血病の治療に使用されているが、3000万円ほどの費用がかかる。T細胞には、サイトカインなどの副作用がある。
https://tver.jp/episodes/ep7dnw9pa1

ガタカ

映画ナタリー より
【あらすじ・ストーリー】 遺伝子で人間の優劣がつけられる未来社会。“不適性者”のビンセントは宇宙飛行士になる夢をかなえるべく“適性者”の協力で宇宙局入りする。だが、そこに思わぬ邪魔が入り……。

【解説】 遺伝子研究の来るべき(?)未来を反映したSFドラマ。遺伝子組み替えが可能な未来世界を舞台に、不条理な社会システムに抵抗して夢に挑む若者の奔走を、スリリングに描き出す。

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LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
第5章 老化を治療する薬
第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)

第8章 未来の世界はこうなる

第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第8章 未来の世界はこうなる より

かつてないほど広がる格差

仮にあなたが1970年代のアメリカで中の上の階級に属しているとしたら、暮らし向きが豊かなだけでなく寿命も長いはずだ。当時、収入で見た場合の人口の上位半分は、下位半分より平均して1.2年長く生きていた。

ところが、21世紀に入るとこの数字は大きく上昇した。上位半分は6年も長い人生を期待できるようになったのだ。2018年の時点ではその差がさらに開き、アメリカ人の上位10%が下位10%より13年も長く生きるようになっている。

この格差がどれほどの影響をもたらすか、どんなに強調しても足りない。なにしろ、長生きをしているだけで、金持ちはもっと金持ちになっていくのである。そしてもちろん、もっと金持ちになればさらに長生きするようになる。たとえば、寿命が延びれば、同族経営の企業を取り仕切る時間が長くなる。その分、投資の結果として得られる一族の資産も指数関数的に増えていく。

その資産は事業に対してつぎ込まれるだけでない。世界トップクラスの医師(アメリカでは5人ほどの医師が金持ち御用達のようだ)、栄養アドバイザー、パーソナルトレーナー、ヨガインストラクターを雇うほか、最新の医学療法(幹細胞注射、ホルモン療法、長寿薬)を利用するのにも使われる。ということは、金持ちは健康を保ったままより長く生き、一生のあいだにより一層の富を蓄積する結果となる。これまでの例からいって、富の蓄積が好循環をもたらすのは、幸運にもその富に触れることのできる一族に対してだけだ。

しかも、富裕層が金をかける対象は自身の健康だけではない。政治にも金を惜しまない。そのことが少なからず影響して、アメリカにおける一連の税法改正では富裕層が圧倒帝に優遇されてきた。

ほとんどの国では、人が死んだときに何らかの税金がかかる。それは、財産が世代を超えて蓄積されるのを制限するためだ。
    ・
こうしたすべてが意味するのは、金持ちの家に生まれれば尋常ではなく暮らし向きが良くなるということだ。富裕層からもっと金を取るような税法改正がなされない限り、彼らはますます恵まれた状況に置かれることになる。相続する金額の面でも、ほかより断然長生きできるという面でもそうだ。

さらに忘れないでほしいのだが、老化を病気とみなす国はまだどこにもない。国の規制当局が承認していない病気に対しては、治療薬があってもその費用は保険の対象外である。たとえそれが人類のためになり、国家の利益につながるとしても、だ。すでに糖尿病でメトホルミン(カロリー制限や運動に似た効果をもたらす薬)を飲んでいるような場合は別だが、老化が病気と認定されない限り長寿薬は選ばれし者のための贅沢品だ。当然、自費で賄わねばならない。その認定がなされないうちは、老化研究の成果を手にする余裕があるのは当初はほぼ富裕層に限られる。本当の意味で医療の個別化を可能にする最先端のテクノロジー(バイオトラッキング、DNA解析、エピゲノム解析など)についても、ほとんどが同じ道をたどるだろう。いずれは価格が下がるにしても、政府が迅速に動いてくれないと、しばらくは非常に裕福な層とそれ以外とが大きな溝で隔てられることになる。

中世以降には例がないほど、もてる者ともたざる者とに分かれた世界。その世界では、特定の身分のもとに生まれる幸運に恵まれた者だけが、その他大勢より30年長く生きることができる。なぜなら彼らは、寿命を延ばす療法を受け、働き盛りの時期を長く維持し、投資に対する収益も今以上に大きくできるからだ。

1997年のSF映画ガタカが予言した世界へと、すでに私たちは不確かな一歩を踏み出している。つまり、もともとは人の生殖を助けるための技術が、「不利な条件」を排除するために使用される社会へ、だ。ただし、その道は金銭に余裕のある者だけに開かれている。安全上の問題が生じたり、未知のものにたいする反発が世界中で起きたりしない限り、この先数十年で遺伝子編集の技術はさらに進歩し、おそらくは世界中で受け入れられていくだろう。そうなれば世の親には選択肢が与えられる。生まれてくる子のゲノムを編集するのだ。そうすれば、病気へのかかりやすさを減らすことも、特定の身体的特徴を選ぶことも、さらには知的能力や運動能力を高めることまでできるようになる。
ガタカ』のなかで医師がカップルに向かって話すように、子どもに「できる限りいいスタート」を切らせてやりたいなら、金さえあればその願いは叶う。長寿遺伝子を操作することで、「できる限りいいエンディング」を迎えさせてやるのも夢ではない。遺伝子強化を受ける人間はただでさえ数々のメリットを得ることになる。おまけに、長寿薬や臓器移植や、現時点では想像もつかないような療法を利用できる財力があるわけだから、そのメリットは何倍にも膨れ上がっていく。

平等を確保する手を打たない限り、私たちは暗澹(あんたん)たる世界へと堕(お)ちていくことになるだろう。そこでは超のつく金持ちだけが、自分の子どもやペットまでをも、貧しい子どもより格段に長く生きさせることができるのだ。

そうなれば、富める者と貧しい者は経済の面だけで隔てられるのではない。人間としてのありようそのものに差が現われてくる。なにしろ、富裕層だけが進化を許され、貧困層は取り残されるのだ。

それでも……。
人間の寿命を延ばすことによって、現時点での深刻な問題の一部ださらに悪化を余儀なくされ、新たな問題までもが私たちを待ち受けているのだとしても……それでも私は未来への希望を失わない。世界をより良い方向に変える力が長寿革命にはあると、信じているからである。

なんといっても、私たちはすでに同じような経験をしてきているからだ。

じじぃの「中国・過剰生産・世界の工場がお荷物に?プライムニュース」

【不動産の落ち込みをカバー?】中国・過剰生産の実態とは 真壁昭夫×柯隆×江藤名保子 2024/5/8放送<前編>

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HTxCc_19MrY

プライムニュース(前編) 中国 世界の工場がお荷物に 2024年5月8日


中国で大量に放置されるEVの墓場


まるでEVの墓場、中国都市部に大量の廃棄車両-急成長の負の遺産

July 18, 2015 Bloguru
中国浙江省省都杭州の郊外にある古びた小さな寺院からは、膨大な数の電気自動車(EV)が雑草やゴミの中に放置されている光景が一面に見渡せる。それはまるでEVの墓場のようだ。
https://jp.bloguru.com/hitparadeclub/494844/2024-03-02

プライムニュース 「中国×欧米の新対立軸 世界の工場がお荷物に 過剰生産でEVの墓場」

2024年5月8日 BSフジ
【キャスター】竹俣紅、反町理 【ゲスト】真壁昭夫(多摩大学特別招聘教授)、柯隆(東京財団政策研究所主席研究員)、江藤名保子(学習院大学教授)

「世界の工場」がお荷物に?中国過剰生産と欧米との新対立
●中国のEVが過剰生産によるダンピング疑惑で、欧米での軋轢を生んでいる。鉄鋼をはじめとした「世界の工場・中国」の実態と習主席訪欧の狙いを探る。

“EV墓場”と呼ばれる現象に象徴されるEV車の大量生産と大量放棄。中国による過剰生産は、それに伴うダンピング(不当廉売)が欧米との新たな対立軸になっている。
中国国営メディアは連日にわたり自らの正当性を主張し欧米批判を展開。また5年ぶりとなる習主席の欧州訪問では、欧米の連携に楔を打つ狙いも見られる。「世界の工場・中国」は、今や世界経済のお荷物と化しているのか?その実態と今後の波紋を検証する。
https://www.bsfuji.tv/primenews/

2024/5/8 BSフジ 【プライムニュース】 より

中国 世界の工場がお荷物に 過剰生産でEVの墓場

竹俣紅、「中国の過剰生産、特に半導体はヨーロッパにとって脅威になるのか」

真壁昭夫、「中国製のEVはヨーロッパ、米国でそれほど売れていない。ただし、鉄鋼、アルミ、雑貨は売れている。半導体で言えば最先端半導体は別だが、汎用性の高い半導体は中国が力をつけてきている。半導体サプライチェーンが途絶えてしまうと安全保障上問題だ。例えば日本に半導体が入らなくなると、住宅建設などの納期が遅れてしまう。そういうことを考えてサプライチェーンは中国に頼らないで分散させる必要がある」

柯隆、「確かに中国製のEVは米国には入っていない。半導体で言えば中国の補助金が問題というが、米国や日本でも補助金が出ている」

反町理、「習近平は過剰生産は存在しないと言っているが」

柯隆、「中国の過剰生産とマスコミが騒ぐが、中国の執行部があまり上手ではない。補助金に話を変えて過剰生産を否定しているのがダメだと思う」
   
【私の提言】 「日中経済のあるべき姿」

真壁昭夫 「日本は明確なスタンスを持つ!」
 そのときどきの情勢で立ち向かうと信ぴょう性がなくなる。

柯隆 「岐路に立つ中国」
 中国はどの方向に向かうのか。分析力が問われている。

江藤名保子 「変化」
 中国は大きな変革期にある。毛沢東路線に向かうかもしれない。

じじぃの「カオス・地球_324_LIFESPAN・第8章・100年以内に人類は滅亡する?」

【経済思想】マルサスの「人口論」を8分でわかりやすく解説

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=wyWKUnjRLYU

イーロン・マスク氏はSpace Xの火星移住計画を発表した


イーロン・マスク氏、100万人の火星移住計画の最新情報を発表

Jun. 20, 2017 Business Insider Japan
2016年9月、イーロン・マスク氏は、メキシコのグアダラハラでスペースX(Space X)の火星移住計画を発表した。

マスク氏のプレゼンテーションは2つの理由で大胆なものだった。第1に、計画そのものが野心的だった。同氏は、いわば地球の「バックアップドライブ」として、火星に1人当たり10~20万ドル(約1100~2200万円)で100万人を送り込もうとしている。第2に、同氏がこのプレゼンテーションを行ったのは、スペースXのロケットが発射台で爆発した数週間後だった。
https://www.businessinsider.jp/post-34410

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
第5章 老化を治療する薬
第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)

第8章 未来の世界はこうなる

第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第8章 未来の世界はこうなる より

地球が抱えきれる人口――「100年以内に人類は滅亡する」という警告

私たちの歴史が幕をあけてから最初の数十万年間、人類の数はゆっくりとしか増えなかった。絶滅しかけたことも少なくとも一度はある。古期後半から旧石器時代前半にかけての地質時代からは、若い骨がたくさん発掘されている。だが、40歳を超える個体の骨は数えるほどしかない。今の私たちが「中年」と呼ぶ年代まで生きるような贅沢(ぜいたく)は、ほとんど許されていなかったのだ。思い出してほしいのだが、これは十代の少女が母となり、十代の少年が戦士となる時代である。世代交代はどんどん進んだ。誰よりも速く、誰よりも賢く強く、誰よりも強靭な回復力をもっていなければ、生き残るのは難しい。人は巧みな二足歩行と分析能力を短期間で進化させたが、その陰には、早くに失われた大勢の命と厳しい暮らしがあった。

祖先たちは体が許す限り早く子をつくった。それは、死んでいく早さをわずかに上回る程度にすぎなかったが、それでも十分だった。人類は生き延び、やがて地球の隅々にまで広がっていく。クリストファー・コロンブスが新世界を再発見する頃になって、ようやく世界の人口は5億に届いた。ところが、それからわずか300年で人口は倍増する。今では、新しい人間の命が1つ誕生するたびに地球はますます混み合っていき、1個の惑星が養いきれる限界に向けて(ことによるとそれを大きく超えて)突き進んでいる。

いったい何人いたら「いすぎ」になるのか。ある報告者で65通りの科学的予測を突き合わせたところ、地球の「環境収容能力」、つまり抱えきれる人数の上限は80億人だとする予測が最も多かった。それはおおむね、今まさに私たちがいる位置である。しかも、まともな人間なら誰しも願うように、核戦争による大量虐殺や恐ろしい感染症の歴史的大流行が起きないとすれば、そこで人口が頭打ちになるとも思えない。

アメリカのシンクタンク、ピュー研究所は、世界最大の学術団体であるアメリカ科学振興協会の会員を対象にアンケート調査を行なった。すると、人口の急増によって食料や資源の不足が起きると回答した者が82%に上った。そう答えた1人がフランス・フェナーである。フェナーは著名なオーストラリアの科学者で、「世界天然痘根絶確認評議会」の委員長として天然痘の根絶に力を尽くした人物だ。
1980年には、世界保健機関(WHO)に対して天然痘の根絶宣言がなされたが、そのとき実際に宣言する栄誉を担ったのが何を隠そうこのフェナーである。かつて天然痘は、患者の3人に1人が命を落とす恐ろしい病気だった。そんな殺人ウイルスから大勢の人を守ったのだから、フェナーが多少おめでたすぎる見通しを抱いたとしても誰も文句はいわなかぅただろう。人類は一致団結して自らを救うことができると、そう考えてもいいはずだった。だが、フェナーの思いは違った。

フェナーは初め、一線を退いたら静かに余生を送るつもりでいた。だが、その知性は休むことを知らなかった。大きな問題をあぶり出してそれを解決したいという、やむにやまれぬ思いに衝き動かされていたのである。引退後も20年にわたって、人類が直面する数々の脅威について執筆を続けた。もっともその多くは、公衆衛生の世界的リーダーたちからほとんど黙殺された。かつて天然痘根絶に向けて共に手を携えた仲間だというのに。

フェナーが最後の警告を発したのは、2010年に亡くなるわずか数ヵ月前のことである。「オーストラリアン」紙によるインタビューのなかで、人口爆発と「無節操な消費」によって人類の運命はすでに決していると語ったのだ。そして、人類は100年以内に絶滅するだろうと予言した。「現時点でも人は多すぎるのだ」

こうしたことが叫ばれるのは、もちろん今に始まったことではない。19世紀が幕をあけた頃、世界の人口がみるみる10億を突破したのを受け、イギリスの経済学者トーマス・マルサスは警鐘を鳴らした。
食料の生産量が向上すれば必然的に人口増加につながり、貧困層の数が増える。そうなれば、彼らが飢えと病気に見舞われる危険性も高まると説いたのである。

先進国から見ると、マルサスのいうような大惨事はおおむね避けられているように思いがちだ。農業技術が進歩したおかげで、私たちは厄災の一歩先を行くことができる。しかし、世界に目を転じれば、マルサスの予言はほぼ的中しているといっていい。マルサスの時代の全人口と同じくらいの人数が、現代の地球で飢えに苦しんでいる。

1968年、世界人口が35億に近づいた時代、スタンフォード大学のポール・エーリック教授と、その妻で、スタンフォード保全生物学センターの共同所長アン・エーリックは、ベストセラーとなった著書『人口爆弾』(河出書房新社)のなかで再びマルサス流の不吉な予言を記した。
私が幼い頃、この本は父の本棚の目立つところに置かれていた。ちょうど子どもの目の高さである。表紙はなんとも不気味だった。丸々と太った赤ん坊が爆弾の中で微笑んでいるのだが、爆弾の導火線には火がついているのである。何度かそれの悪夢を見たものだ。

だが、表紙の中身はさらに恐ろしかった。本のなかでエーリックは、来たるべき恐怖に「目覚めた」瞬間の事を綴っている。
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こうした予言の最悪のシナリオは今のところ実現していない。しかし、マルサスにしろエーリック夫妻にしろ、食料生産と人口の関係に注目しすぎるあまり、もっと大きな長期的なリスクを過小評価していたのではないか。仮に大量飢餓で数億の命が奪われるにせよ、地球が反乱を起したら被害はそんなものでは済まない。私たち全員の命がなくなるのだ。

その点に目を向けたのが、理論物理学者の故スティーヴン・ホーキングである。ホーキングは2016年11月、人類がこの「壊れやすい惑星」で暮らせる時間はあと1000年も残されていないと予言した。さらに、その後数ヵ月のあいだ重い巡らせた末に、この数字を90%下方修正する。

フェナーの警告をなぞるように、人類はあと100年のうちに新しい住みかを見つけたほうがいいと説いたのだ。「地球上では場所が足りなくなっている」とホーキングは訴えた。

見つけるといってもどうすればいいのか。太陽系から一番近い地球型の惑星であっても、約4.2光年のかなたにある。ワープ航法やワームホール移動技術が大きく進展しない限り、たどり着くのに1万年はかかるだろう。

じじぃの「時代を映す新物質・プラスチックのパラドックス!逆説の雑学」

This Is Why Plastic Is Not The Real Threat To Our Oceans

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=l4aTXX6MDoE

The Plastic Paradox


The Plastic Paradox

My journey to uncover the hidden costs of convenience began that night. I delved into research, consumed articles and documentaries that exposed the harsh truth about our plastic consumption. The statistics were staggering, the images haunting: oceans choked with plastic waste, marine life struggling to survive amidst a sea of discarded bags and bottles, ecosystems disrupted beyond repair.

But it wasn't until I visited a local beach that the gravity of the situation truly hit me. The once pristine shore was now marred by plastic debris, a grim testament to the consequences of our throwaway culture. I walked along the sand, each step a reminder that my seemingly innocent choices were leaving an indelible mark on the world. A seagull pecked at a plastic wrapper, mistaking it for food. That scene was etched into my memory-a vivid reminder of the urgency for change.
https://vocal.media/earth/the-plastic-paradox

『あっと驚く科学の数字』

数から科学を読む研究会/著 ブルーバックス 2015年発行

化学 1億6000万種類→この世に存在する物質を数えてみると……。 より

初めての人工物質、モーブ
いくつかの物質を組み合わせて化学反応を起こし、新たな物質をつくることを「合成」という。人類が初めて合成した物質は、何なのだろうか?

紀元前2300年頃には、メソポタミアなどで動植物の油脂をアルカリで煮沸して石鹸がつくられていたとされるから、合成の歴史は長い。しかし、石鹸は自然界になかったわけではないので、人工物質ということにはならない。

一般的に、人類が初めて合成した人工物質は、合成染料のモーブだとされている。モーブは、1856年にイギリスのW・H・パーキンが合成した紫色の染料で、化学式C26H24N4で表される。

パーキンはもともと染料をつくろうとしていたわけではない。当時、ヨーロッパではマラリアが大流行していた。マラリアとは、マラリア原虫をもった蚊に刺されることによって感染し発症する病気で、死に至ることもある。パーキンは、アカネ科の樹木「キナの木」から得られるマラリアの特効薬、「キニーネ」の合成に取り込んでいた。失敗続きだったある日、また失敗して真っ黒の固体ができてしまった。これを捨てようと、水とアルコールで洗い直したとき、その染液が美しい紫色をしていることに彼は気付いた。これがモーブで、極めて高価だった紫の天然染料の代用品になった。

今ある化学メーカーの多くが、染料会社としてスタートしていることからもわかるように、これは化学工業の時代の幕開けを告げる出来事であった。

プラスチック時代の到来
ほかに人類がつくり出したものといえば、プラスチック(合成樹脂)がある。今では、あまりにどこにでも使われているため、その存在なくしては私たちの生活は成り立たなそうである。

プラスチックの歴史は、セルロイドにはじまる。1868年、ビリヤードの玉に使われていた高価な象牙の代替材料として使用された。セルロイドは、綿花など植物由来のセルロースに、硝酸と硫酸を混ぜた混酸を加えることによってできるニトロ化されたセルロース、つまりニトロセルロ-スという物質だ。これに、かつて防虫剤としてよく使われていた樟脳(しょうのう)を加えると、柔らかくなり加工しやすくなる。今では、ピンポン玉や磁気テープのコーディングに使われているくらいになってしまったが、全盛期には生活雑貨や人形など多くのものがつくられていた。しかし、光などで劣化しやすく、燃えやすいという欠点から、セルロイドに代わるプラスチック素材の開発が続けられた。セルロイドは、出発物質が綿花という天然化合物であることから半合成高分子とされ、完全な人工物質ではない。

完全に人間が合成したとされるプラスチックは、1907年にアメリカのベークライト博士が発明したベークライトだ。これは、フェノールとホルムアルデヒドを反応させてできるプラスティックで、ベークライトという言葉は今でもフェノール樹脂を指す。

時代を映す新物質
物質データベースCAS(世界的な化学専門誌)に新しく登録される物質は、時代とともに変わってきているようだ。
2000年代に入ると、これまでとは違った物質が登場した。それは、生化学の急速な発展に伴って発見された生物が持つ物質、生体物質だった。現在、CASに登録されている物質の内訳を見ると、有機化合物、無機化合物のほかに、配列というグループがある。まさにこの配列が、DNA(デオキシリボ核酸)の配列である遺伝子や、アミノ酸の配列であるタンパク質といった生体物質を指している。2000年代始めは生体物質の発見が相次ぎ、物質数が急激に増えた。

最近は、ナノテクノロジーを駆使して、構造的につくり込まれた物質なども登場している。これらが光の屈折率や超伝導といった性質について、従来の物質には見られない特性を示すケースが出てきている。1億6000万種類を突破してもなお、多様性を失わない物質の世界は、ちょっとした驚きである。

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じじぃの日記。

少し古い本だが、ブルーバックス『あっと驚く科学の数字』に、「プラスチック時代の到来」があった。

「ほかに人類がつくり出したものといえば、プラスチック(合成樹脂)がある。今では、あまりにどこにでも使われているため、その存在なくしては私たちの生活は成り立たなそうである」

先日、テレビで「世界!オモシロ学者のスゴ動画祭8」を見た。

アフリカに住む動物たちにある動物の叫び声を聞かせると、一斉に逃げ出すんです。

その鳴き声の動物とは・・・。

https://www.nhk.jp/p/ts/KZ9V71RXVZ/episode/te/L52QW86RRP/

ネットで、「プラスチック パラドックス」をキーにして検索してみた。

「プラスチック パラドックス

海洋プラスチック問題への関心が高まる中、使い捨てプラスチックに対する消費者の意識も変化しています。
プラスチックへの需要は先行きどうなっていくのか、また代替となり得る素材はあるのか。
https://www.goldmansachs.com/japan/insights/pages/plastics-paradox-j.html


プラスチックのパラドックスとは、人間が便利さを追求しているうちに、環境を汚染し住みにくくしていることをいう。

最近の研究で、プラスチックを分解する細菌が見つかったそうです。