ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

マルチ 野田聖子

 野田聖子のパーティー券を日本アムウェイが買っていたという話が出ていた。国会では調べないと分からないといっていた。その結果が出たと野田が明らかにした。

日本アムウェイ」から2002年以降3回にわたり計8枚、16万円分のパーティー券を購入してもらっていたことを明らかにした。その上で「業務停止を受けたような会社ではないが、今後、仕事をする上で差し障り、ご迷惑をかけるので返金する」と述べた。
 野田氏によると、同社にパーティー券を2002年に3枚6万円、2003年に3枚6万円、2008年に2枚4万円購入してもらったが政治献金はないという。(毎日新聞 2008年10月17日 11時41分(最終更新 10月17日 11時52分)

 野田聖子が1996年4月10日-11日の衆議院商工委員会で質問をしていたという記事が出ていた。議事録を見ると二日連続で彼女は質問に立っている。この委員会では「訪問販売等に関する法律及び通商産業省設置法の一部を改正する法律案」を審議していた。
10日にはこう発言している(議事録から)。

 私はここで、訪問販売、これは連鎖販売取引の形をとっているものが多いわけですけれども、この業界こそいわゆるベンチャービジネスのさきがけとして存在しているのではないか。そうであれば、今までの連鎖販売取引イコール悪であるというような考え方を大きく転換しまして、この際、日本の次代の産業を支えるいわゆるベンチャービジネスの一つ、新産業としての認知をし、かつその業界の健全な発展を支援するというふうな立場で、これからはこの法律を通じて国は取り組んでいくのではないかということを考えております。

 連鎖販売取引の形を取っていることの多い訪問販売はベンチャーだ、という主張である。
 全面的に禁止したら「田んぼにある雑草を農薬で駆除しようと思ったら、いい作物まで枯れてしまう、そういうようなことになりかねないのではないか」とも発言している。
 「今回禁止行為の拡大をするものの一つに威迫行為」があるがこの「言葉は極めてあいまいで、非常に感情的だ」と思っているから「もう少し懇切丁寧に、具体性のあるものを提示していかなければならないのではないか」という。
 最後に彼女は

 現行法の規制の統括者へのペナルティーというのはさらに厳しくしたとしても、私たちは今後、消費者保護という、またこれもわかりづらい言葉なんですけれども、消費者を危ないものに近づけないという考え方よりも、やはり賢明な消費活動ができる国民を育てていくという方向に、少なくとも通産省は進んでいかなければならない。なぜならば、通産省が推進している規制緩和というのは、消費者等の自己責任が表裏一体であるわけです。
 そういうことで、むしろこの場合は、国が公権力を介入することによって大網をかけるというよりも、業界を発展させて、その中での自主規制とか商道徳を育てていくような、そういう支援を振り向けていくことはできないのか。また、消費者保護ということであれば、一たん受け取ったものに対して不満があれば、それを完璧な形で返品できるような、そういうものを担保した方が具体的な消費者保護につながっていくのではないかということを思っています

 こう発言している。
 今の彼女の役職は何かというと「消費者行政担当大臣」である。まぁ、政治屋だから最初から今まで首尾一貫しているかといったら相当に難しいんだろうとは思うが、こういう考え方を一度ならず(翌日もまた質問に立っている)主張した人がこういう役職についているんだということを私は認識しておかなきゃならないんだなと確認した。
 翌日、11日は上智大教授(法学、財法日本クレジットカウンセリング協会会長)・森嶌昭夫、悪徳商法被害者対策委員会会長・堺次夫、日本テレマーケティング協会理事長・井関雅夫、前日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長・宇都宮健児の四氏を参考人として招致して意見を聞いている。
 この時野田聖子は、主に語られてきた電話勧誘販売ではなくて、敢えて連鎖販売取引について質問している。

 良質な業者も随分存在しているのではないか。また、その良質な業者というのは、ここ近年、この法律ができてから約二十年ですが、急激にふえているという事実がある。これは、もし本当に悪質で世の中を混乱させてしまうようなものであれば、やはりある意味で自然淘汰というのが生まれてきてしかるべきなのに、これはむしろ逆に、数字であらわすならば、例えば訪問販売の場合、この二十年、昭和五十一年から今日の二十年にわたって、売り上げというのが四・六倍に伸びているわけです。金額にすると、昭和五十一年当時は六千八百億円の売り上げであったものが、現在三兆一千億円を超えている。
 これは一つには、この連鎖販売取引という形をとっている訪問販売が、現在の消費者のニーズにかなっていて、消費者の側からもそういう形態を望んでいる声があるからではないか。そして、その中で確かに悪質なものもあって取り締まられてきたけれども、むしろ大多数は、協会等の自主規制の中でいいものが育ってきているんじゃないか。

 一律に取り締まるのはおかしいという意見だけれど、彼女が提示している数字そのものに根拠が果たしてあるのかという問題もあるし、これはどこででも語られる「悪い奴はいるけれど、大半はよい奴なんだ」という論理である。

 良質なもの、一生懸命頑張っている人のやる気をなくしてしまって、かえって新たな産業をつぶしてしまう一つの問題になるのじゃないか

これもとても良く聞く話だ。
 堺次夫が野田聖子にこんな話をしている。

 昭和五十一年に訪問販売法を制定する際に、立法に関与されました東京大学法学部の竹内昭夫先生が名言を残していらっしゃいます。今筑波大の先生でございますが。その当時、既に、完全禁止のできない理由がよいマルチと悪いマルチ商法があるということを通産省当局は述べられまして、その結果、我々は完全禁止を望んだのでございますが、実質禁止という立法趣旨のもとで行為規制法ができたということでございます。
 それに対して竹内先生はおっしゃいました、よいマルチというのは、無害なコレラ、安全なペストと言うに等しいと。今で言うならば、よい核実験、悪い核実験ということになろうかと思いますけれども、法概念的にそういったことはあり得ないのじゃないかということを述べられまして、私もそのとおりだと思っております。

 直球ストライク、といっても良いか。

麻生内閣総理大臣のコメント

「そういった経験があるから逆に消費者行政に詳しいということにもなる。一概に『だから駄目だ』という意見にはくみしない」→あぁいえばこういうってのはこのことか。このコメントをテレビで聞いて、思わず大笑いした。君は国会じゃなくて、国立演芸場に行ったらいいよ。

Redsox息を継ぐ

 松坂が撃たれてしまって途中まで7-0と一方的に負けていたゲームを7-8とひっくり返して2勝目を挙げる。この差をひっくり返したポストシーズン・ゲームは1923年以来だとかいっていたような気がする。次はTampa Bayの本拠地、Tropicana Fieldで土曜日の現地時間午後8時。日本時間だと日曜日の午前9時頃か。問題は日本のテレビの中継だけれども、NHKのスケジュールは入っていないみたいだ。ネットラジオで聞く、という奴だろうか。

大阪 第二京阪高速 用地

 昨日テレビのニュースで流された大阪門真市の北巣本保育園菜園の用地を大阪府が行政代執行を実施した件については様々にテレビ報道され、またブログに書かれているけれど、ゴネ得、あるいはプロ市民の仕業、子どもを連れてきて泣かせるとは卑怯といったニュアンスが目につく。
 今年の4月から交渉してきたという大阪府橋下知事の説明がテレビでも流されていたけれど、ちょっとニュアンスが正しく伝えられていないきらいがある。
 「大衆の利害なぞ、官憲の力の前にはたわいのないものなんだということを子どもに教える良い機会だ」なんてことは洒落にもならない。「滅私奉公」という言葉を久しぶりに思い出す。
こちらの映像が分かり易い。

予算委員会

 一昨日の参議院予算委員会民主党の石井一がまたまた飛ばしていた。公明党矢野絢也元委員長の言を取り上げて政教分離を質す。矢野元委員長、池田大作名誉会長、竹入義勝の証人招致を提言する。毎回彼が出てくるとこの話になる。私は詳細を知らないけれど、最近矢野が創価学会からめっためたに叩かれているという話は聞く。前回もそうだったけれど、石井の質問が終わると公明党の議員や閣僚が手を挙げて喋る。今回も次の質問者の山口那津男政調会長がいつもに増して流ちょうに声を張り上げて「補正予算案と関係ないことを、とうとうと述べるのはいかがなものか」と反論。この反論の仕方が日頃と違っていて相当いらだつ話題なんだなと知れる。
 ところが石井一に関してはすぐさまこんな話題が出てくる。

政治資金収支報告書民主党・石井議員、パーティー券入金記録なし
 NPUの政治資金収支報告書によると、NPUは2004年5月民主党のパーティー券50枚を計100万円で購入していたが、同党に入金の記録がなかった。また、同10月には同党の石井一参院議員が主催するパーティー券も50万円で購入しているが、石井議員の収支報告書にも、この記載がなかった。
 NPUの報告書では同党のパーティー券を5月11日に20枚、18日に30枚を1枚2万円で購入。石井議員については10月27日に「石井一を囲む朝食会」のパーティー券50万円分を一括購入している。民主党は「党には入金の記録がないが、党の事務にミスがあったと思われるため全額を返金する」とのコメント文を発表した。石井事務所は「事実かどうか調べてきちんと対応したい」とコメントした。(毎日新聞 2008年10月17日 東京朝刊)

 NPUというのがなんなのか分からなかったのだけれど(この記事にはなにも解説がない)、多分「ネットワークビジネス推進連盟」のことだろう。例の民主党前田雄吉がけっ躓いたあのマルチ商法業界のことだと思われる。自民党野田聖子も関係なしとはしない一連の話に繋がってくる。
 このタイミングでだしてくるというのはきっとずっと握っていて、その時期を見ていたんだろうと思わせる。あの組織力から容易に想像できそうだ。いや、全くの話、何の証拠もない。だから断定はしていないけれど。
 矢野絢也元委員長が書いていることがどこまで本当なのか、一般国民としては知りたいところだ。文藝春秋の2008年8月号に「創価学会が脅えた私の「極秘メモ」—元公明党委員長の告発手記 矢野絢也」という記事が載っている。

本気?冗談?

 北京オリンピックの柔道で金メダルを取った石井慧の喋る言葉が面白い、とマスコミが囃したてる。彼は調子に乗って軽々しい言葉で対応する、らしい。その彼がオリンピック入賞者を皇居に招いてのお茶会に出かけていったことはテレビで随分見た。マスコミ、テレビは彼に何かをいわせたくてうずうずしていたことだろう。そして彼はいった。天皇陛下に「常に大和魂を持って、天皇陛下のために戦いました」といったんだと。
 これを聞いて視聴者はどう思ったのだろう。私は思わず身震いをした。21歳の学生が「天皇陛下のために戦った」といったのである。彼は常にこう教育されてきたということなのだろうか。それとも関西出身の若者らしく、「受け」を狙ったということなのか。それが受けるのだとしたら。天皇はそれを聞いてどう思ったのだろうか、どう反応したのだろうか。彼によると「陛下は笑っておられました。天皇陛下とお会いするのは嬉しいし、幸せでした」ということだ。
 この「笑い」は何を意味するのだろう。

城山三郎 旗

  一昨日のこと。サッカー中継の裏でNHK NS-2では城山三郎小田実の番組が加賀美幸子アナウンサーのナレーションで流された。娘に嘲笑されるように私はBS同士の局を裏録画する術を知らない。だから、サッカーとこちらを行ったり来たりした。おかげで両チームのゴールシーンを両方とも見逃した。
 で、城山三郎の全集の第1巻に掲載されているという「旗」という詩を知った。

旗振るな
旗振らすな
旗伏せよ
旗たため

社旗も 校旗も
国々の旗も
国策なる旗も
運動という名の旗も

 から始まる詩である。お恥ずかしながら十年ほど前まで私は城山三郎を単なる企業小説家だと断定していた。なにしろ多作である。しかもやたら文庫になっている。これは「受け」狙い作家だろうと。役には立たないけれど邪魔にもならんのだろうと。私は20年ほど考えるということを放棄していた時期があるので、その間に決めつけていたということだろう。佐高信が様々なところで書いていることによって知るようになった。そしてNHKがここ何年か続けている戦争ドキュメントの中で特攻隊についての彼の語りを聴いてようやく彼のよって来たるところを知った。
 しかし、これだけ読まれている作家にもかかわらず彼の本当の気持ちをくみ取った社会の動きにならないのはなぜだろう。やっぱり私のような考えるということを放棄している、せざるを得ない、状況に多くの人たちが陥っているということなんだろうか。それでもこの詩をブログに書いておられる方がこれだけたくさんおられるのだから、きっと変わるだろう。

アイスランド

  • 「全国5カ所で予定されていた「アイスランド交響楽団」の8公演はすべて中止」という。この公園のスポンサーはアイスランドの二つの銀行だった。アイスランド政府は銀行を国有化している。口座は凍結されていて、公園のための費用を調達できなかった。
  • NIKKEI.NET (2008/10/17 02:10)によると「アイスランド中央銀行は15日、政策金利を3.5%引き下げ12%にすると発表」したという。そうして外資を集めていたわけだからここから先の雪崩が恐ろしくて見ていたくない気がする。本当にロシアは無条件で融資するのだろうか。アイスランドはロシアの領土になってしまうのか。

 ちょっとずれるけれど、「スイス政府はUBSに対して、60億スイスフラン(約5300億円)の公的資金で資本注入すると同時に、中央銀行スイス国立銀行基金を通じてUBSの不良資産を最大600億ドル(約6兆円)引き取る(NIKKEI.NET2008/10/17 02:10)」ことになったんだそうだ。
 こと金融自由化の話に限らず、食品についても、製造業についても「グローバリズム」という概念で地球全体にもはや経済的国境は存在しないんだ、というスローガンが旗を振って「進めぇ〜っ!」と叫ばれてきた。全部一気通貫で繋がってしまうシステムはかつては考えられなかった。あっという間に全地球的にここまでやって来た。そこに繋がることのできない地域を枠の外に置いて、そのまま放り出して、ではあるが。
 ここまでくると、個々の政策の中に不協和音があるとそれだけで全地球規模で影響が及ぶ。こうなるとそれぞれの国のやり方に干渉しないわけにはいかなくなってくる。つまり「内政干渉」という言葉が存在しなくなるのではないだろうか。うまくいけば、「世界は一家、人類は皆兄弟」(なんとも手垢のついた言葉でなんだけれど)になるかも知れない・・・ま、幻想だ。
 ということはやっぱり、グローバリズムは間違っているのかも知れない。しかし、ここまで来てしまったらもう後には引けないだろう。北朝鮮はいうに及ばず。ロシアも中国も米国も「良いですか、こういうシステムで行きますから皆さん我は捨ててくださいね」といったって、聴くような輩じゃないもの。
 人類は気候の変動によっても滅亡への道を辿っているのだけれども、その前にこうした人類そのものの持って生まれた複雑なシステムを考え出す能力が災いしてそれに加速度を与えていくんじゃないだろうか。
 気がついたら残っているのは、何の情報もやってこない地域だけだったりする。私たちのこの地域は元の海に戻っていることだろう。まるで何事もなかったように。

国立演芸場 十月中席

 今月の中席はトリの五街道雲助廓噺を日替わりでかけるという。雲助は結構この趣向をこれまでもいろいろなところでやっていると聞いている。国立は金曜日だけは昼・夜興業だけれども、概ね夜は空いている。今日もせいぜい入っている時で7割くらいだろうか。前座の柳家花いち(はないち-花禄門下)が「元犬」を早口ながら、そしてまだ訛りらしきものが気になるながらはなしている頃はまだ4割くらいだったかも知れない。

  • 五街道彌助:「鹿政談」彌助は雲助門下だけれども、きっと必ず彼は圓生のファンだったんだろうなぁと思わせるくらい、表情の作り方が似ている。多分DVDで勉強したんだろうなぁ。所々聞き取りにくいときもあるけれど、人情噺が良くなる人かも知れないな。
  • ホンキートンク:誰かもいっていたけれど、ここでしか見たことがないかも知れない。
  • 柳亭左龍:洋食屋の息子のさん喬門下。2006年真打ち。ひょうきんな彼の「酢豆腐」。
  • ぺぺ桜井:津軽三味線太田家元九郎の代演。相変わらず。
  • 蝶花楼馬楽:この人は私と同じ歳で、鹿芝居の時でしか見たことがなかったので、きちんとした噺は多分初めてではないかと。「蛙茶番」なんだけれど、芝居噺の中でも私はわいせつ物公然陳列罪のこの噺はあんまり好きな方じゃない。この人を見ているとどうしても先代の金馬を思い出す。顔の四角さと声の出し方だろうか。意識して真似ていたら面白いなぁ。
  • 宝井琴調:「誉の梅花愛宕山(出世の春駒)」ふらがあってなんだか面白そうな講談。難をいえば時々言葉が聞き取れない。そんなことをいうなら頑張って前の方に座れってか。
  • 三遊亭歌る多:圓歌門下。新作。キリスト教を揶揄するような新作で多少不愉快。女性初の真打ちになったという実力派、ということになっているけれど、私はちょっとダメ。かっぽれを踊る。なにしろ彼女も「大江戸小粋組」の一員。ダンスのようなかっぽれ。
  • ニューマリオネット:まだ頑張っておられたことが判明しておどろいた。相変わらずおもしろいものを見せてくださった。
  • 五街道雲助廓噺は今日は「お直し」だ。去年の8月にここで聴いた彼の「宮戸川」は後半の芝居噺がとても上手くて、気に入っているんだけれど、今日は時々聞き取れないのもあってちょっと不満が残る。

 明日土曜日の今月の花形名人会は満員御礼で札止め。お、珍しいなと思ったら古今亭菊之丞、カンカラ、ゲストに立川談春とくれば私だっていってみたいもんなぁ。特別企画公演の「正蔵 正蔵を語る」も売り切れだという。こぶ平正蔵が二席だそうだ。