2009年衆議院選挙の総括

ruiikumi2009-09-23

 「総括」なんてたいそうなことは1個人ではできません。個人の感想文の集大成でしょう。わたしは政治には関心があるので、各政党の党首やリーダーが高知へ来た場合は、仕事の折り合いをつけて集会の見学に行きましたし。

 この個人ブログに主にレポートし、時系列的には「2008年衆議院選挙」「2009年衆議院議員選挙」のカテゴリーをクリックすれば見れます。

 ただ記事の量がやたら増えるとブログが重くなります。それで別のサイト「けんちゃんのどこでもコミュニティ」のほうに記事として作成してみました。

 2009年衆議院選挙の総括をしてみました。
 
 写真も記事も当ブログの転用。索引代わりに使用いただければ幸い。ただし、前の記事に戻るためには、ブラウザ上の「戻る」を操作しないと戻れませんので。

混乱している「ちんな」話

ruiikumi2009-08-25

 「ちんな」とは、土佐弁で「おかしな」という意味。私の場合は「正しい土佐弁」を本当は知らない。なんせ小学校を5回も転校したし。うち3年は大阪でしたから方言は、高知と大阪が混じっている。ナカちゃんのような正しい土佐弁は話せませんし。

 今衆議院選挙も選挙もたけなわ。30日の投票で当選者が決まります。高知県選挙区の定数は3区あって3人。立候補者は13人ですので競争率は4.3倍というとことですか。
 
 うち高知1区は定数1人に対して5人が出馬しています。こちらは5倍の競争率。なかなか大変です。暑さも加わり、選挙に関わりのある人たちに複数知り合いがいるので、いろん話が入ってきて錯綜しています。

「だいたい初めから動かない人たちが多い。指示をするだけで動かない。実働部隊がいないので運動の成果を確認することができない。」

「初めから負けることを前提としたありばい選挙。こんなことなら立候補を辞退すれば良かったんだ。」

「従来の支持者層も十分に固め切れていないのに、支持を広げろと上のものは言うが、雲をつかむ話で何をして良いのかもわからん。」

新型インフルエンザ対策もあり集会を開催することが難しい。」

「支持者拡大と寄付行為の連続で、おまけにこの暑さで倒れそうだ。」

「あてにしていた勢力がきちんと名簿を出してくれない。これでは選挙にならない。信頼関係もあったものか」とどの陣営も混乱している情報が入ってきています。

 高知1区は知り合いのメデァア関係者に聞いても混沌としているとか。ということは30日にならないと当選者はわからないということですね。

 投票にいかないとわかりませんね。

「ヨーロッパ型資本主義」を読んで

ruiikumi2009-08-19

 市場原理主義の行き詰まりや不条理が叫ばれて久しい。「格差社会」を生み出した身勝手なアメリカ型身勝手資本主義やそれに追随した日本型輸出企業優先政策への批判がようやく日本でも強くなりました。

 今回の総選挙も政治の体制選択であると同時に、経済のあり方を問う選挙です。一部の輸出型大企業の経営者のためだけの経済政策なのか、そうではないのか。そのあたりを問う体制選択でもあります。

 「ヨーロッパ型資本主義」(福島清彦・著・講談社現代新書・2002年刊)を知人に借りて読みました。筆者はアメリカに7年、英国に3年滞在されていました。欧米のなかで生活し、「外から日本を見る」視点があるようです。

 2002年ごろと言えば、ブッシュ大統領時代であり、アメリカ1人勝ち時代。「9・11テロ」の報復でアフガンやイラク攻撃を仕掛けるアメリカに対し欧州諸国は英国を除き追随しませんでした。独自の社会観、経済観があったと筆者は指摘します。

「9月11日のテロ攻撃を貧者の富者に対する絶望的な怒りと受け止め、貧富の格差をさらに拡大してしまういまの国際経済制度を改革しようという一つの提案である。

  中略

 地中海沿岸のイスラム教諸国とEUの経済協力を強化し、イスラム諸国の経済発展を促す「ユーロ・地中海パートナーシップ」について、なにもしないで放置しておくことはできない。イスラム諸国との協力だけでなく、EU委員会にグローバル化を規制する広範な権限を与えるべきである。」{中略)

 これに対し米国の国際経済政策は依然として、途上国に経済の自由化を要求し、市場原理主義を貫徹すれば事態は改善するはずだというもので、基本的には市場原理主義に従っている。米国の市場原理主義的な思想に基づいて国際経済ルールが決まられている以上、途上国の人々はさらに貧しくなり、怒りがつのるばかりである。」

「米国と西側の同盟国は、非民主的で、不安定で、貧困になった中東諸国で燃えさかる宗教的な狂信と、領土紛争も、暴力による欲求不満の発現によって,痛い目にあわされるであろう」(P226)

 まさに「9・11」以降の展開は2002年に福島氏の予測し懸念した事態に推移しました。解決策としてアメリカ型の市場原理主義ではなく、欧州型の資本主義ではないかと言っています。

 「欧州の国民国家の内部で18世紀から19世紀初めに起きたような民主主義と自由と社会的正義を求める運動を、いまはグローバルな規模で再生させなかればならない。」(P228)

「1920年代、日本の資本主義は株主の経営支配力がきわめて強い、いわば原初の英米型資本主義に近いものだったが、1930年代に戦時統制と同時並行する形で「従業員を組織体としての企業の正規メンバーとして位置づけた。」

「この従業員参加の経営方式は戦後も継承・発展し、さらに企業別労組、年2回の賞与制度、いわゆる終身雇用、年功序列制度が50年代から、60年代に広範に普及していった。
 こうした諸制度が主力銀行を通じた長期的な資金供給とあいまって、労使ともに企業の成長を志向し、生産性と勤勉度の高い独自の日本型資本主義を70年代までに形成したのである。
 これがドイツの社会的市場経済やフランスのエリート官僚主導型混合経済、あるいはイギリスの{1979年サッチャー政権成立以前の)福祉重視資本主義に匹敵する、戦後の日本型資本主義の原型であろう。
 
 80年代から90年代初めにかけて、戦後の日本型資本主義は優れたモデルとしてもてはやされ、「日本は資本主義を超えた」とする見解も出現した。
 しかしながら、その日本型資本主義が情報革命と世界経済が統合が進行する時代には、多くの欠陥を露呈し、改革が必要となっている。」(P232)

 小泉「構造改革」の真っ最中にこの著作は世に出たのである。その先見性には関心します。筆者はこうも書いています。

「日本でも、明治末期から多くの社会改革が行われてきたが、社会思想家が自ら政策を企画・実行することはなかった。官僚統制の時期が長かったことへの反発とアメリカ思想の影響から、むしろ日本では、市場原理主義を礼賛し、政府の力を弱めることが改革論の底流にあるようである。

 だが市場は万能ではなく、多くの限界を持っている。市場の限界と政府の役割をヨーロッパから学ぶことが、日本の改革には必要であろう。」(P236)

 そして福島氏は処方箋として次の事柄を挙げています。

1・成長幻想の克服(P2369

2・公共工事からの脱出(P238)

3・自信を持って消費できる社会環境づくり(P240)

4・環境保全と地下空間の創出(P241)

5.知恵ある政府に(P242)

 今は総選挙のたけなわ。8月30日の投票の結果どのような政府ができるのでしょうか?アメリカ追随型の市場原理主義優先政策は、日本社会を「格差社会」にしただけでした。

 この著作のように長い社会的伝統で独自の欧州型資本主義を形成してきたヨーロッパ諸国の「経験」を検証することが、日本にとっても必要であると思いました。

現職警官「裏金」内部告発 仙波敏郎を読んで

ruiikumi2009-08-08

 7月12日の高知市で開催されました「仙波敏郎さん講演会」に参加しました。そのときに「現職警官「裏金」内部告発 仙波敏郎」著・講談社」を購入しました。そして仙波敏郎さんにサインをしていただきました。

 わたしは仙波敏郎さんの講演を聴くのは2度目でした。今年の3月に愛媛県警を定年退職され、のんびりできるかと思いきや、全国各地から講演依頼が殺到。現職じだいより一段と多忙になたとか言われていました。

 本の内容ですが、「真実を貫かれた人の言葉は重い」と言うことでした。

 仙波さんは地元の高校を卒業し,家庭の事情から大学進学を諦め、愛媛県警へ入庁されました。警察官として一生を生きることを決められてと言います。

 24歳になって巡査部長の昇任試験に合格しました。ところがそこ待っていたのは警察の裏金づくりの「任務」でありました。

「裏金づくりの手口はいろいろあるが、警察に与えられた捜査協力費という公費を、ニセ領収書を作成して辻褄をあわせして裏金化するのが最も簡単な方法であり、典型的な手口である。
 もちろんこれはれっきとした「犯罪」行為だ。摘発されれば、詐欺や横領になる可能性がきわめて高い。」(P3)

 仙波敏郎さんは24歳のとき、上司からの「ニセ領収書作成」の依頼を断られました。以来定年までの36年間一切愛媛県警の裏金づくりの不正には関わりませんでした。何回も転勤され、巡査部長より出世することがありませんでした。

 「わたしはいつも同僚たちに言ってきた。
「ニセ領収書を書いたら、私文書偽造で3月以上の5年以下の刑になる。それをもとに公文書を偽造すると、1年以上10年以下の罪や。詐欺や業務上横領は10年以下。それだけの罪をおかした人間が、1000円万引きした人間を捕まえて調書を取れるのか?」(P55.「誰も知らなかった裏金の実態」

 警察組織全体でニセ領収書をどんどん書かす「業務」が歴然と存在していたと仙波さんは言われます。その集めた「裏金」はどうなるのか?たまには署で懇親会費になる場合もあるようですが、警察の上層部である署長やキャリアの上役に「上納金」として渡されます。

 100%税金であるのに愛媛県警内部では、公然と不正行為が行われ、「操作費」の多くは裏金になり、幹部の「収入」になっていたようです。「署長になると家が建つ」と言われていた実態は愛媛県警ぐるみの「裏金づくり」にあったと仙波さんは断言されています。

 とにかく仙波敏郎さんは、愛媛県警の「裏金づくり」への協力を24歳のときに拒否されました。そして55歳のときに「告発」しました。愛媛県警3000人。日本の全警察官30万人で現職警官としてただ1人「裏金づくり」への協力を拒否し、告発し、淡々と戦い続けられました。物凄い勇気と信念を感じますし,意思を貫かれたすがすがしさも感じます。

 市民各位は「現職警察官「裏金」内部告発 仙波敏郎・著・講談社」を購入され一読すべきでしょう。

 政権が交代すれば、警察の「裏金」づくりはやめるのでしょうか。新しい政権は情報公開と内部告発を促進される政治的裏づけをきちんとすべきです。
 愛媛県警で昔から行われていた「裏金」を廃止するだけで税金の無駄遣いが激減することであると思いました。

 仙波敏郎さん。じつにすがすがしい人でした。

誰が当選するのかわからないー高知1区

 日本全国1区の選挙区は県庁所在地にあり、別名「魔の選挙区」とも言われています。今回の高知1区は5人候補者が出ています。うち4人には当選の可能性があるからです。

橋本大二郎{無所属・新・元高知県知事)

福井照   (自民党・現・3期目)

田村久美子  (民主党・新)

春名なおあき(共産党・元)

 
 各種週刊誌の当落予想でもそうであるように、橋本大二郎氏優勢の○マーク{優勢)))がついていました。しかしそれはなんら根拠のある予想ではありません。
 最近の週刊誌の予想でも△マーク(やや優勢)に変化しております。

 最近ではこの△マークですが、田村久美子氏{民主・新)にもつくようにもなりました。また別の週刊誌では福井照氏(自民・現・3期)にもつくようになっています。

                     当落予想

橋本大二郎{無所属・新・元高知県知事)   △

福井照   (自民党・現・3期目)     △

田村久美子  (民主党・新)        △

春名なおあき(共産党・元)

 橋本大二郎氏以外は政党の候補者ですから、小選挙区で惜敗しても、政党の得票総数によっては、比例区で「復活当選」の可能性が出てきます。福井照氏と田村久美子氏にはその可能性があります。

 共産党の春名なおあきさんは各種調査では無印ですが、全然無印というわけではありあせん。手堅い組織票が1区には1万5000票程度あるからです。最近の「格差社会」への怒りと「蟹工船」ブームを取り込み無党派層、とくに若者層を引き込めば、浮上の可能性はあります。

2006年の第1回目の小選挙区では共産党山原健二郎さんが当選しましたし。共産党高知市では自力があります。

 接戦ですので、少しの風の触れや、陣営の落ち度などで当落は入れ替わることでしょう。わたしは特に誰を応援するとか、「意中の候補者」がいるのではありません。でも予想が建てにくい選挙区事情にはとても興味があります。予想屋泣かせでしょう。

 ですので棄権をせず、必ず8月30日は投票へ行きましょう。小選挙区比例代表の2票を国民として行使し、日本の政治を決めましょう。今回は体制選択選挙ですので。

高知での田母神敏雄氏講演会

 元自衛隊空漠長田母神敏雄講演会{参加費1000円)が、7月26日高知市の高知会館でありました。400人収容の会場は有料であるにもかかわらずほぼ満席でした。350人はいました。「話題」の人だけに関心が高いのでしょう。
 講演の表題は「日本人よ誇りを持て」−日本は侵略国家ではない−」でした。

 今日は本来なら夜須での全中ヨット大会の補助員をする予定でした。先週火曜日から左ひざが痛く「変形関節炎」ではないかと心配していましたが、幸い骨には異常はなく、静養してストレッチをしたり、歩いたりしているうちにだいぶ痛みは引いてきましたが、まだ完治ではありません。そんなわけで朝10時から「異質な」考えをされる田母神さんの講演会へ行きました。
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テレビ高知のクルーも取材に来ていました。) 田母神氏の著作「田母神塾 これが誇りある日本の教科書だ」(双葉社刊・2009年・1300円)も購入しました。購入したら田母神氏がサインをしてくれるとのことでしたので、本を購入。サインをしていただきました。サイン後握手をしていただきました。意外に小柄な人でした。
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 400人収容の会場は350人は来ておりました。主催は日本と郷土を愛する会高知県民の会でした。講演の始まる前に参加者全員起立して「君が代」を斉唱しました。青年会議所時代は会合の前にはよく歌いました。それ以来ではないでしょうか。

 最初に会長である県議会議員の西森潮三氏が挨拶しました。
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「私は県議会でも神道日本の会をしています。戦後日本は敗戦の廃墟の中から経済復興し立ち直りました。しかし歴史認識と日本人的精神がこれからの日本には必要であると強く思います。
 
 安心・安心の社会と言いますと地震対策や防災をみな想定しています。北朝鮮のミサイルや核開発は何を目的としているのか。中国は軍拡をしています。日本は軍備を縮小しています。果たしてこれで日本は良いのか?今日は田母神敏雄さんのお話をじっくり聞きましょう。」と言われました。

 続いて田母神敏雄氏の講演が始まりました。

「危険人物の田母神です。昨年自衛隊を退官して以来マスコミに叩かれまして背が縮んでしまいました。
 わたしが1番申し上げたいのは自分の国を誉めて、誇りを持てと発言したことで公職追放の目に遭うことはおかしいでは言うことです。」

「昭和21年に日本を占領統治していたGHQ公職追放のためのガイドラインをこしらえていました。

1・アメリカの悪口を言う人物

2・日本を誉める発言をした人物  それに抵触したというのです。

 もう1つ私の罷免で大きいのは「村山談話」です。村山富市は「日本は侵略戦争をしたから御免なさい。」と自虐史観の考えが政府を支配しているのです。

「それと大きな問題は、現職自衛官首相官邸が直接話ができないような仕組みになっていることです。現職自衛官は背広組という官僚組織を通じないと首相官邸に情報が上がらない。
 以前F2戦闘機が墜落したときも、現場から私には5分後報告が来ました。その報告が首相官邸に正式に伝達されたのは1週間後でした。これは自衛隊弱体システムとしか言いようがありません。」
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「このしくみは共産国には政治機関が軍隊を監視するしくみがありますが、独裁国家でもない日本でこのしくみがまかり通っているのです。」

「平成7年に村山談話が公表されました。平成10年に来日した中国の江沢民主席は天皇陛下の前で日本を侵略国家呼ばわりました。実に無礼なことです。その発言を村山談話は誘発したのです。」

「日本人同士であれば、意見が対立してもお互い非を認めれば仲良くなり気持ちが通います。しかし外国との交渉はそうはなりません。こちらも非を認めて誠意をもって謝罪しているから許してくれて友好関係になるか。それは決してそうはなりません。

 中国人は非を認めたらとことんお金を要求してきます。「友愛」で外交は出来ません。
 外国人はは腹黒い。中国もアメリカもそうです。日本だけがお人よし。しかも自虐史観で縛られている。これでは安心・安全は国民に約束できませんよ。」

 田母神氏は自衛官を解任された理由を敗戦後まもなく施行された「公職追放」になぞらえています。また日本政府中枢が「村山談話」を踏襲するあまりに、歴史認識と外交姿勢を弱体化させ、誤った道へ進んでいると警告しています。

「戦前の日本の素晴らしいのは教育勅語。修身もそうです。
 日露戦争直後英国人がロシアに勝利した日本人の精神を研究したら教育勅語がそのバックボーンにあったことを発見しました。そして1908年に世界道徳会議で教育勅語が発表され大好評であったそうです。」

「敗戦後アメリカは日本人の精神と道徳を破壊する日本弱体化政策をいつつか実行しました。それが自虐史観の植え付け、道徳教育の廃止です。左翼教員集団による間違った歴史教育の刷り込みもその1つでした。」

「わたしに言わせれば自民党もだんだん左傾化して、間違った自虐史観で閣僚までが行動しています。私を解任した浜田防衛大臣も、私を批判した石破元防衛庁長官も事なかれ主義であり、日本人の誇りを失った指導者です。」

自衛隊を動けなくする。弱体化することばかり政府もしています。これではわたしは部下の命を守れないと思いました。それで発言し続けたら公職追放になったのです。」

日米安保も危うい。日本が他国から攻撃を受けたときに日本を助けるかどうかの判断は大統領にゆだねられる。しかし2ヵ月後にその権限は議会に移る。米国議会はどうですか?昨年も米国下院で日本は従軍慰安婦に謝罪しろという決議をしたぐらいですし。」

「中国や韓国など反日教育をしている日本の周辺国{北朝鮮)も含めてどんどん軍拡しています。日本は軍備を縮小しています。20年前なら中国が何をして来ようが怖くはありませんでした。しかし軍拡を進め来年は原子力空母までこしらえるといいます。

 尖閣諸島の海底油田や実際に日本の領土が軍事占領しても手も足も出せませんよ。アメリカは同盟国だから口出しはしますが、中国が核弾頭を米国本土へ打ち込むぞと言えば、同盟国日本のために米国本土を危険にさらすことをするとは思えません。自国の領土は自国の軍隊が守らずして誰が守るのでしょうか?」

「結局国を守るには抑止力を持つしかありません。アメリカ軍は日本に居座るのは居心地がいいからです。基地で働く労働者の賃金は日本政府が支払っている。基地の借地料は無料に近い。修繕技術に優れた技能者が多いし。

 米軍の基地を縮小し、その半分にでも自衛隊を置いたらはるかに日本の防衛力は向上します。アメリカは自国の軍事戦略で動いているだけですし。」

「また大東亜戦争はまぎれもなく白人帝国主義の植民地支配をやめさせる力になりました。日本がアメリカやイギリス、フランス、オランダを戦争初期に打ち破ったときにアジア各地の独立勢力は喜んだのです。敗戦後インドネシアバンドン会議へ日本がおそるおそる出席したときに、参加国から日本は感謝されたのです。決して大東亜戦争侵略戦争ではありませんでした。」

「日本人が自虐史観に陥る原因をこしらえたのは東京裁判です。戦勝国が判事も裁判官まで出している裁判が公正であるはずはありません。米軍による東京空襲や広島・長崎への原爆投下という非戦闘員虐殺行為は審議すらされませんでした。そのことを指摘した米軍士官までいたにもです。」

「また日本人被告の弁護をしたインド人のパール判事は「ハル・ノート」を分析して、これほどの屈辱的な外交文書は見たことはない。自国のプライドをかけてどんな小国でもアメリカに戦争を仕掛けるだろうと言っておられます。
 米国は日本を挑発して先制攻撃させ、ドイツとの参戦する口実をこしらえたかっただけだったのです。」

 また田母神氏は核問題でも発言しています。

核兵器は使えない兵器であることは誰もわかっている。しかし持っている国と持っていない国が交渉すれば持っていない国の言うことを持っている国が聞くはずがない。核兵器は抑止力で効用があるのです。」

「自前の核兵器を持たないと外交交渉はまともにできません。日本は自国を守るために核兵器も含め真剣に検討すべきです。」

 田母神氏の著作も読みました。そのなかでこう書いてありました。

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「大きな軍隊、強い兵器を増強することによって、初めて国際社会で国は優位を持つことがというパワーポリテックスという現実があります。」(「田母神塾 これが誇りある日本の教科書だ」P193)

 防衛大学を卒業された自衛隊上級将校の本音が聞けた講演でした。大変参考になりました。

 この意見もそうですが、わたしたちとすれば、あまりに防衛問題や外交問題の知識がありません。感情的な議論はすべきではなく、いろんな立場の「異論」を傾聴して判断すべきではないかと思います。
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 8月6日には広島市で講演会をされるとか。田母神氏の発言はひとつの見識であるとは思いますが、リアクションはあると思いますね。

 高知での講演会を聞いていましていくつか疑問がありました。

1つは 「文民統制」という問題。いわゆる「制服組」の存在が首相官邸自衛隊現場の距離を遠くしている問題。同様の問題の指摘は元防衛長官の中谷元さんも指摘されていました。「アメリカでは軍の幹部が国会へ直接来て議員に報告する仕組みがある」と中谷氏は言われていました。再考の余地はあるでしょう。

 制服組のトップであった守屋武昌事務次官北朝鮮のミサイルが飛来した時間帯に業者とゴルフをしていた事実もありました。危機管理の仕組みと文民統制のありかたの再検討は必要でしょう。

2つ目は 占領軍政策と東京裁判の正当性。その後の日本の進路についてはどうだったのかの冷静な検証が必要でしょう。アメリカ政府にも、「コミンテルンのスパイが潜んでいた」というミステリーは果たして本当であったのか?アメリカにはNASAもそうですが、相手国のスパイが潜んでいることを前提にオープンに会議をしてそれ以上の成果をあげる仕組みもありましたし。真偽はわかりませんね。

3つ目は 軍事力や核兵器で国の自己主張しないと大国ではないし、「核クラブ」へ入会しないとなめられる。国連の常任理事国にもなれないとか。現実的に日本独自の核開発は技術的には可能ですが、アメリカが許すとは思えません。しかしその論理は結果的に北朝鮮の核開発を認めることになり、対抗して日本も核開発しなければならないことになりますね。

 現実的解決策として田母神氏は著作の中で「NATO諸国のドイツやイタリヤはロシアの核ミサイルの脅威に対し、アメリカから核ミサイルをレンタルして訓練しています。もしロシアが脅かせば黙っていないぞと訓練しているのです。日本もそういうやりかたで敵性国の核の脅威に対抗すべきであると思います。」と言われています。

 本当に「核には核」でしか対抗できないのでしょうか?

 こういう議論になるとあまりにも「情報不足」です。田母神さんの立場の上級自衛官の見識の1つはt理解できましたが、他の自衛官の意見も聞いてみたいです。それと戦争になればテレビに登場する「軍事評論家」の意見も。

 また国政選挙ですので各政党の安全保障・外交問題の姿勢をつき合わせて検討する必要がありますね。軍事論も核問題も「タブー」にせずに冷静に議論すべきであると思います。それには北朝鮮や中国、アメリカ、ロシア、日本政府の関連情報を集めないと出来ませんね。

仙波敏郎さん講演会

ruiikumi2009-07-13



 7月12日は高知女子大南校舎講堂で「仙波敏郎さん講演会」がありました。おびさんマルシェを見学した後に駆けつけました。市民50人が参加されていました。そして静かに講演会は始まりました。

 皆さん「明日はわが身ですよ。」と言い放つ元愛媛県警警察官仙波敏郎さん。今年3月に退職されました。全国25万人の現職警察官のなかでただ一人、警察内部の裏金つくりに非協力の姿勢を貫き、2005年にその事実を告発した勇気ある人です。

 「わたしのことを平成の坂本龍馬だとか持ち上げる人がます。龍馬のファンだからそれは嬉しい。しかしわたしは当たり前のことをしてきただけ。不正を告発しただけ。公務員なら当然のことをしただけです。」

 仙波さんは原稿なしに講演をされます。しかし話はよどみなく真実があるだけに説得力があり引き込まれます。

「わたしは43年間勤務した警察を退職しました。普通なら毎日が日曜日で好きなことだけしたい。わたしは日本の市民が警察の実態を全然知らないことに驚きました。私の後に続く警察官もいません。ですのでこれほど忙しくなるとは思いませんでした。
 警察官25万、退職者15万の40万人のなかで裏金づくりに一切協力しなかったのは私1人です。」

「片岡さんの白バイ事件。なぜ高知県の人たちは真相を追求するために声を上げないのですか。明日はわが身ですよ。みなさん真剣に考えてください。」

「2年前に自由民権記念館での講演会。片岡さん運転のバスに乗っていた当時の中学生たちがまっすぐな目で私を見ました。裁判所は目撃者の証言を全くとりあげません。」

 「みなさん市民の力で警察を監視してください。警察は鉄のピラミッド。500人のキャリアが25万人を支配しています。捜査費という偽の領収書をノンキャリアの警察官全員が偽造し、集め副署長が毎月100万円キャリアの署長に渡す。転勤の時の餞別は800万円の場合もあります。」

「犯罪を日常的にしているのは暴力団と警察。上納金と言っても暴力団もこれほどえげつないことはない。そういうことばかりしているから捜査力も落ち、事件をすぐに解決しなければならないから冤罪事件も必然的に増える。」

「ちかん容疑で容疑者になり警察に拘留されたらどんな人でも10日で犯人になります。そこで調書を取られ、起訴されれば99・9%有罪になります。
 わたしは残りの人生を片岡さんのように冤罪で苦しんでいるひとたちを救うために捧げたいと思います。」

「裁判官も警察が黒というのを認めたほうが楽ですし。みなさん一時共謀罪が浮上しましたね。今の警察が共謀罪で動いたら今日の講演会へ来ている人は全員逮捕され有罪になります。」

 仙波さんに「現職警官裏金内部告発」{仙波敏郎・著・講談社)を購入しました。そしてサインをしていただきました。

 続いて元裁判官で生田弁護士が話されました。現在片岡さんの弁護をされておられます。

「片岡さんは最高裁でも却下され現在1年4ヶ月拘留されておられます。
 そもそも白バイ事件がおきたとき、いろんな社会的な動きとは無関係ではありません。

1)高知県警でも裏金問題があり、騒ぎになっていた。

2)白バイが違法な訓練を公道でしていたことがわかると県警本部長{キャリア)の責任になる。

3)白バイ隊員自賠責保険しかいっておらず、任意の保険に入っていない。


4)白バイ事故の2週間前に警察官の事故が多いので、警察庁長官通達で事故防止に努めろとの通達を出していた。白バイ隊員側に過失がある事故であるとまずい事情が高知県警にあった。

 本来なら裁判所が見抜かないといけないがそれは期待できない。」

「裁判官も人の子。判事補から判事になるのに10年かかる。判事から3号にならないと裁判官になれない。裁判官と判事では給与でも年間500万も違う。

 そうなると国に逆らう判決など出しにくい。事なかれ主義になる。警察の証拠を採用すれば楽だし。安易な方向に裁判は流れる。

 白バイ事件も民間の交通事故鑑定士が詳細な現場調査し、資料も提出したのに検討もせず門前払いにしていますし。」

「みなさん警察や裁判所に丸投げしていては駄目ですよ、彼らが不正をしていないか監視をしないといけないのです。」

「丸投げはいけない。自白調査はだけで判断しない。それいがいの証拠もないといけない。国民は積極的に裁判に関心を持ってください。」

 質疑応答になりました。

「それほど警察も裁判所も酷いことであれば、裁判員に自分がなったときどうすればいいのでしょうか?裁判官がいい加減なら対抗できるのでしょうか?」

「ある社会心理学の実験で間違った事柄でも集団の中で3人が声高に執拗に主張すればそれがまかりとおるそうです。」まさに裁判官が3人で裁判員が6人。その構図です。
 裁判官の言うことをうのみにしない。自白調書だけで裁判をしない。それを主張してください。」

 またこうも言われました。

「本来なら行政事件などに裁判員をなるべきです。それをしなくて凶悪事件の刑事事件を国民に栽培員を強制的にさせるのは国側にたくらみがあると思います。
 それは国家権力の怖さを裁判を通じてしみこませ、狙いは憲法の改正ではないのでしょうか。
 警察が有罪と言えば有罪。真実でなくて誰かが有罪であればいいのです。冤罪事件の片棒をを国民が担がされる危険性もあるのですから。」

 白バイ事件の目撃者の浜口さんも登壇されました。


「わたしは白バイ事件の当日現場付近を車で通りました。白バイが曲芸のように自分の車を追い越して行きました。市内で買い物して帰りに通りますとたくさんのひとが出て現場検証をしていました。おびただしいタイヤのスリップ跡がありました。

 翌日現場を通過しましたがタイヤの跡はまったくありませんでした。これはおかしいと思いわたしは白バイ事件の目撃者であることを名乗りました。」

 また別の事件で冤罪逮捕された澤田さんも登壇されました。公権力の乱用の怖さを訴えておられました。