創立47周年記念式典

今日は、わが社の47回目の創立記念日です。
朝から松柏園ホテルの顕斎殿で、役職者参加の神事が執り行われました。
戸上神社から是則神職にお越しいただき、滞りなく神事を行いました。
玉串奉奠をするとき、わたしは会社の発展と社員の健康を祈念しました。


今朝の神事のようす

会社の発展と社員の健康を祈念しました


その後、500名を超える社員が参集して、「創立記念式典」が開かれました。最初に最近の会社の動向を紹介する映像を流し、それから佐久間進会長とわたしが入場しました。


会長とともに入場しました



まず、北九州紫雲閣の渕上副支配人による「ふれ太鼓」で幕を明け、総務課の國行課長による「開会の辞」に続いて全員で社歌を斉唱し、それから折尾営業所の澤谷所長によって「経営理念」「S2M宣言」が読み上げられ、全員で唱和しました。
それから、わたしの「社長訓示」の時間となりました。


創立記念式典のようす

社長訓示を行いました



わたしは、以下のような内容の話をしました。
無事に47周年を迎えられたのは、みなさんのおかげで、心から感謝しています。
現在、わが社は世界平和パゴダを支援させていただいています。
それもあって、ブッダの御加護というものも感じています。
いま、互助会業界が大きな過渡期にさしかかっている中で、わが社は熱い注目を浴びているようです。10月2日、わが社で55番目の紫雲閣である霧ヶ丘紫雲閣がオープンしました。
セレモニーホールには見えない内装で、中でも家族控室は“家”を思わせます。ここでは、自宅のようなスペースで最後のお別れができる新たな家族葬を提案したい。そう、日本人の葬送文化をミスリードしている「家族葬」の形を正しい形に戻したいと思っています。


儀式イノベーションを訴えました



霧ヶ丘紫雲閣では、もう1つの新たな取り組みを実施しています。出棺時における霊柩車のクラクションに代わる「禮鐘」がそうです。騒音問題の解決にもつながり、何より「セレモニーホールはあの世への旅立ちの港。最後を見送る船出の鐘であるべき」との思いが込められ、今後は半年以内に既存の紫雲閣すべてに導入します。もともと、日本の都市型セレモニーホールは小倉紫雲閣が最初だとされています。
業界初のイノベーションがまたひとつサンレーから生まれることになります。
ちなみに、現在、アメリカで「フューネラル・イノベーション」として大きな旋風を巻き起こしている宇宙葬も、わが社の思想に強い影響を受けています。



さらに、今後のわが社にとって、「インフラ」という言葉がキーワードになります。
「衣のインフラ企業」をめざすユニクロ、「食のインフラ企業」をめざすセブンアイホールディングス、そしてわが社は「住のインフラ企業」をめざします。
さらに、「衣食」とくれば、「衣食足りて礼節を知る」という言葉が思い浮かびますね。
そう、「礼」もインフラになりうる。というより、「礼」こそがインフラなのです。



「礼」は、もともと「葬礼」から生まれました。そして、ヒトは埋葬をすることによって人間になりました。つまり、葬送儀礼こそは人間の存在基盤なのです。
「衣食住」が生活インフラならば、「礼」は人間インフラと言えるでしょう。
そのことを強く教えてくれたのが、あの東日本大震災でした。
わたしは、人が亡くなったとき、確実に葬儀が行える冠婚葬祭互助会というビジネスモデルこそ「礼」という「人間インフラ」を支えていることに気づきました。


インフラ産業をめざす



人間インフラ企業であるサンレーは、さらに生活インフラ企業もめざします。
来年の7月からは、高齢者を対象とした宅食事業に進出します。まずは八幡地区からスタートしますが、今後、北九州に在住する多くのサンレー会員様のもとに美味しくてリーズナブルな食事をお届けします。北九州における「食のインフラ企業」をめざしたいです。



それから、「住のインフラ企業」もめざします。現在の日本にいて求められている「住」には2つの種類があります。「終の棲み処」と「死後の棲み処」です。
昨年、わが社は念願の高齢者介護事業に進出しました。飯塚市にオープンした有料老人ホーム隣人館は大きな話題となり、多くのマスコミで報道されました。今後、この隣人館をたくさん作って、全国の独居老人や孤独なお年寄りに「終の棲み処」を提供したいです。そして、「隣人館に入れば、孤独死しなくてすむ」という安心を提供したいです。
また、来年から身寄りのない故人への樹木葬のための霊園「鎮魂の森」も福岡県田川市で構想しています。これも手頃な価格に設定し、誰もが利用できるようにします。
それによって、あらゆる人に「死後の棲み処」を提供したいと考えているのです。
このように多面的な事業計画で、サンレーは新しいインフラ企業をめざします。


「天道」について話しました



9月26日、佐久間会長の78歳の誕生日の記念すべき日に、天道館が竣工しました。これはサンレーの社内研修施設であり、隣人祭りの常設会場であり、かつ地域社会の方々の寄合所でもあります。わたしたちは、ここから世直しをしたいと思っています。
「天道」とは何か。日本では、一般的にお天道様(おてんとさま)とも言うように、太陽神としても知られる。サンレーの社名の由来でもある太陽は、日本において神として祀られたのです。信仰心が伴わなくても、日本人は太陽を「お日様」と呼び、「お月様」と同様に自然崇拝の対象でした。天照大神は太陽の神格化であり、仏教の大日如来とも習合しました。
まさに、「サムシング・グレート」そのものです。



注目すべきは、いわゆる「天道思想」が戦国末期の仏教・神道儒教の統一思想に発展したという説があることです。「天道思想」といえば、二宮尊徳の名が思い浮かびます。
尊徳は、常に「人道」のみならず「天道」を意識し、大いなる「太陽の徳」を説きました。それは大慈大悲の万物を慈しむ心でした。尊徳は神道・仏教・儒教を等しく「こころ」の教えとしました。「神道は開国の道なり。儒学は治国の道なり。仏教は治心の道なり。」として、神仏儒の正味のみを取り、人の世の無上の教えとして「報徳教」と名づける。また、それを「神儒仏正味一粒丸」と薬にたとえて、その効能の広大さをアピールしました。
この思想は、石田梅岩が開いた「心学」の流れを受け継ぐものです。



「天道」とは太陽神、すなわちサムシング・グレートのこと。太陽といえば、数々の名言が残されています。フランスの箴言ラ・ロシュフーコーは「太陽と死は直視できない」と言い、偉大な社会運動家であった賀川豊彦は「太陽は実によく光る!」と言い、異色の哲学者であった中村天風は「太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている」と言いました。サンレーの社名の由来ともなった「陽光」は幸福に生きるためのシンボルなのです。


わが社の志を社員に説きました



わたしが尊敬する経営者に稲盛和夫氏がいます。かの松下幸之助が「昭和の経営の神様」なら稲盛氏は「平成の経営の神様」であり、孔子文化賞を同時受賞させていただいたことは、わたしにとって生涯の誇りです。その稲盛氏の最新刊『燃える闘魂』には「稲盛経営12ヶ条」というものが紹介されていますが、その第一に「事業の目的、意義を明確にする。公明正大で大義名分のある高い目的を立てる」とあります。この意味で、誠に不遜ではありますが、わが社ほど、事業の目的、意義を明確にし、公明正大で大義名分のある高い目的を立てている企業も他にないのではないかと自負しています。


創業の思ひは死なず 天道の光のごとく世をば照らさん



わが社の志は、「サンレー」という社名にすべて込められています。
無縁社会や老人漂流社会といった闇の世を、太陽の光で明るく照らしたい。
太陽の徳の如く、あらゆる人々、いや人をも超えた万物を慈しみたい。
そして、「天下布礼」の精神のもと、「冠婚葬祭を中心としたホスピタリティ・サービスによって、さらに良い人間関係づくりのお手伝いをしよう!」と呼びかけました。最後は、「創業の想ひは死なず 天道の光のごとく世をば照らさん」という短歌を披露しました。
「社長訓示」の後は、各種表彰が行われました。表彰されたのは以下の方々です。


会長から表彰状が手渡されました

ホスピタリティ関係の受賞者のみなさん



表彰されたみなさん、おめでとうございます! 本当に、人こそが、わが社の宝です。
それから、全員で手をつないでのサンレー名物「和のこえ」です。
松田取締役が音頭を取り、「がんばろー」を3回連呼し、記念式典がめでたく終了。
松柏園ホテルの写場へと移動し、役員一同と表彰者のみなさんで記念撮影。
そして、表彰者のみなさんと一緒の記念昼食会が行われました。


最初に簡単に挨拶しました



最初にわたしが簡単に挨拶して、橋本常務が乾杯の音頭を取りました。
和気あいあいとした雰囲気の中、松柏園の美味しい料理を食べながら、話も弾みました。
最後は松田取締役によるサンレー名物「末広がりの五本締め」で締めくくりました。



今年も、無事に創立記念日を迎えられて、本当に嬉しいです。
47年前、つまり1966年の11月18日、株式会社サンレーは誕生しました。
1966年といえば、イギリスで音楽革命を起こしたビートルズが来日して、空前の大ブームを巻き起こしました。彼らの影響で日本には多くのグループサウンズが生まれ、若者たちの間では長髪が流行しました。アメリカでは大衆文化の革命を起こしたウォルト・ディズニーが亡くなり、中国では毛沢東がその名も「文化大革命」を起こしました。そんな年に誕生したサンレーは、日本で「冠婚葬祭の文化大革命」をめざして歩んできたのかもしれません。



わたしも社長に就任してから丸12年が経ち、現在は13年目に入っています。
本当に紆余曲折ありましたが、ここまで来れたのは、互助会の会員様、お客様、そして社員のみなさんのおかげです。心から「ありがとうございます」と言いたいところですが、今日は、あえて社員のみなさんに「おめでとうございます」と言わせていただきました。なぜなら、この祝うべき47周年の主役とは社員のみなさんだからです。ですから、正月の挨拶のようにお互いに「創立47周年、おめでとうございます」と言い合ったのです。
輝ける50周年に向かって、さらに前進していきたいと願っています。
なお、創立記念日の恒例になっていますが、今年も北九州市内の養護施設や幼稚園などを訪問し、紅白饅頭、お菓子、文房具などをプレゼントさせていただきました。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年11月18日 佐久間庸和