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In Jazz

2112-09-03 初めに。

ここは私ことテリー・ライスが主に漫画や音楽やアニメや小説、映画などの感想を好きに語るブログです。

あくまで個人の感想である事にご留意よろしくお願いします。

サイト名のIn Jazzとは音楽ジャンルのジャズではなく、

俗語の意として「熱狂」とか「たわごと」の意です。

好きなことを語れたらいいなあという思いを込めて。

更新はかなりの不定期になってますが気が向いたら、書く方向になると思います。

それとtwitterでもつぶやいてます。なんだかこっちがメインっぽくなってますが。

テリー・ライス(@terry_rice88)さん | Twitter


※2012/8/16追記。

amazonに自分の好きなものを集めたインストアページを作りました。

ちょくちょく追加していきますので気軽にご覧いただければと思います。

In Jazz Serect shop - Books

2050-05-16 アニメ感想置き場。

アニメ感想置き場

| 22:43

※6/23 最下段のカテゴリに劇場版パトレイバー1&2と新海誠作品の感想リンクを追加。

この記事はアニメの感想リンク先まとめページです

随時更新いたしますのでよろしくお願いします。

続きを読むをクリックで。

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2016-05-21

2016年に選ぶ、少女革命ウテナ話数10選。

| 22:34

来年、放映20周年なんでそっちのタイミングでやりたかったなあ(愚痴

とまあ、そんなことはさておき。


唐突に「少女革命ウテナ」の話数10選です。

なんでいきなりやるかって?

最近、ネットで話題のAbemaTVで再放送が始まったからです。

AbemaTV(アベマTV) | インターネットテレビ局


要はタイミングが良かったのと便乗してみようと思ったから、です。

頭でも言ったように来年20周年なんだからキリ悪いじゃんとも思わなくもないですが。

でも、もう20年近く経つのかあと言う感慨にも耽ってしまうわけで。

AbemaTVカテゴライズでもなつかしアニメに分類されてる)

90年代を生きた人間にとっては70年代の作品を見る感覚で20代以下の人はウテナを見るわけですよ。

これってちょっとやっぱり自分らがあの年代から遠くに来たんだなあと。

そんな風にいやがおうにも思わざるを得なくて、改めて語るのも悪くないなあとも。


でまあ、選ぶにあたって見返すわけですよ。

自分も後追いで見た口なので初めて見てから10年近くは経ってますが。

やっぱりウテナも「古く」なったんだなあと思う箇所もあり、そうでない箇所もあったりで、

また違う印象を持って再視聴の醍醐味を感じられた、というのもあります。

それはおそらく10年前と違う感想だと思います。


だからタイトルに「2016年に選ぶ」と付けました。

今現在、この時点で選ぶとなるとこんな選定になりましたという意味合いを含めて。

また時間が経って見返せば、何か違う感じ方をするんだろうし。

とりあえず20周年を前に選んで見るのもありなのかなと。


前置きが少し長くなりましたが、そんな感じで選んでみた話数10選です。

以下、選んだ話数に二、三、短めのコメントを付けて語りたいと思います。

なお放映順というよりは順不同、ざっくばらんに語ってますのであしからず。

画像も後で付け足すかも。

ではどうぞ。なおスタッフリストは敬称略です。


第7話:見果てぬ樹璃(1997年5月14日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ橋本カツヨ演出:岡崎幸男、作画監督林明美

《コメント》

作中随一の拗らせ系女子(?)有栖川樹璃の最初のメイン回。橋本カツヨ(a.k.a細田守)の手がけた決闘シーンが白眉の出来。頭では奇跡などないと分かっているのにも拘らず、本心のどこかでは奇跡を願っている。そんな樹璃の心境がそのまま、決闘の幕切れにつながっているわけだけど、やっぱりその想いの拗らせ方が自分には男性のそれに見えてしまうなあ。画面のキレはとにかく素晴らしく、今なお鮮烈なのは確か。以降、橋本カツヨ演出回はなにか鬱屈した情念に囚われる人物の表情の魅せ方が冴え渡るのだけど、その挨拶代わりの一発目としてはこの上ない一本かと思う。


第15話:その梢が指す風景(1997年7月9日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ演出:星川孝文、作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

ウテナの登場人物の中で誰が一番好きか、と問われると自分は薫梢と答える。シリーズ第二部に当たる「黒薔薇編」2話目はそんな彼女のメイン回。梢のコケティッシュというかインモラル感の裏側には双子の兄、幹への感情が渦巻いていた。そういう女の子の裏側が良く出てるのが、わりに自分の好みなんだろうなあ。「黒薔薇編」自体もメインのキャラクターに「気づかれない者」の感情を取り扱ってるのもあると思うけど。梢の心の内も幹は知らないし、梢自身も終始心に秘めたまま進む感じもまた。すれ違ってるけど、交わってる感じが良いんだよねえ。


第20話:若葉繁れる(1997年8月13日放送)

脚本:月村了衛絵コンテ橋本カツヨ演出桜美かつし作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

ウテナシリーズ構成榎戸洋司の他に脚本家が何人か参加していて(演出の人が脚本を手がける回もある)、これもその一本。いまや小説家として名を馳せている月村了衛のシナリオ。黒薔薇編の真骨頂ともいうべき「主人公になれない人々」の不安や恐怖がよく出てる回かと。内容的にはウテナの親友、若葉と西園寺の「同棲時代」なんだけどねえ。若葉がそれを幸せに感じている一方で、いつかそれが終わりを告げることが分かっていて。一押ししてしまえば崩れ去る脆い「幸せ」に気付いているけど気付きたくない。橋本カツヨがここでもそういった情念を爆発させている手腕がもう。自分の「幸せ」が崩れ去った瞬間に垣間見せる表情の鮮烈さが目に焼きつく。


第21話:悪い虫(1997年8月20日放送)

脚本:月村了衛絵コンテ演出桜井弘明作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

シリーズ中、もっともメインストーリーから迂遠な一本。個人的にはこの二本がウテナにおける月村さんのベストワークと思ってる。「物語の主役になれない」人間の悲痛な叫びをほとんどモブに近いキャラクターに叫ばせるのが秀逸。物語から認知されない、あるいは大筋の物語から外れた人にも心や感情や人生があるわけで。そういった物語の外部からの声なき声を物語の中心にいる人物たちは理解することが出来ない。というより認知できないという方が正しいのか。映し出される物語の枠の外にも別の物語が幾重にもあってそれは交差し得ない、みたいな。

創作的物語構造の歪みというか、枠外の叫びというか。うまく説明はできないけど。黒薔薇編はそういった外環の人々を描けたという点では予定外の副産物だったと思うけど、これがあるのとないとではウテナはまた違った趣になっていただろうなと。あとテーマ的には一番、現代的な意味合いを強めてるようにも思う。当時はさほどでもなかったけど時代を経て、色合いと印象が濃くなった回でもあるなあと。



第11話:優雅に冷酷・その花を摘む者(1997年6月11日放送)

脚本:上村一宏、絵コンテ錦織博・金子伸吾、演出:金子伸吾、作画監督相澤昌弘

第12話:たぶん友情のために(1997年6月18日放送)

脚本:上村一宏、絵コンテ:垂永志、演出高橋亨作画監督長濱博史長谷川眞也

《コメント》

これだけは2話合わせて。1クール(第1部)完結の前後編エピソードウテナvs桐生冬芽の決闘、敗北、再起。今見ると、だいぶ印象の変わるエピソードでもあるかなと、再見して思った。というのもウテナの「普通」が2010年代の現代において、そこまで歪んだ物にも思えないのが最大の要因だろうなと。このエピソードやシリーズ終盤において問題になる「ウテナは王子さまなのか?お姫さまなのか?」という点において。昨今はトランスジェンダーやらLGBTなど、ジェンダー論の構築が放映当時と比べるとかなり形成されているからこそ、ウテナの風貌も「性的多様性」の一環として、受け入れられてしまうわけで。あんまり突破口にはなっていないというか、そのファッションを身にまとうことで自分を保つというのはありがちではあると思う。一方で、このエピソードで描かれる女子の制服を着たウテナにも生々しいリアルさを感じる。抑圧される自己と解放される自己の二面性というか。冬芽はウテナを「王子様に固執する女の子」から「普通の女の子」へと解放させようするわけだが、ウテナは「王子様になりたい自己」を開放してる事こそ、自らの「普通」だと宣言する。どちらが良い悪いのではなく、物語の手綱引きとして元の鞘に戻るわけだけど、傷跡だけは残って次の段階へ。ただ今の視点から見るとウテナ的な「普通」が当たり前と化していて、それが当時の「歪み」である事に気づきにくいというか。その一方で「抑圧されている自己」であろう、女子制服のウテナも違和感というよりはある種の現実味を帯びるようになった。というのが、このエピソードを語る難しさなんだろうと思う。この問題点の未分化なカオスっぷりは90年代的なものだと、振り返って見ると感じるなあ。そしてこの作品が「邪道にして王道」な物語であるという点にも注目しておきたい。作品の特徴がよく表れてるエピソードだと改めて実感できたのが収穫だったのかも。


第30話:裸足の少女(1997年10月22日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ:風山十五、演出桜美かつし作画監督香川

《コメント》

んで、上のコメントから続くわけだけど。黒薔薇編を通過し第3クールに入って、何が行われたかというと、「ウテナという少女」を掘り下げる事で、「王子様の座」から引きずり下ろす事だったように思う。冬芽が出来なかった事を平然とやってのける鳳暁生にシビれる、憧れるぅ!……わけじゃないが。実際、恋とそれに似た憧れを抱かせる事で「女の子」な部分を喚起させ、抗いがたい性の衝動というか情動をリリカル演出しているエピソードだと思う。その辺りは絵コンテの風山十五(a.k.a五十嵐卓哉)の清新さと演出桜美かつしの空間的情緒が生み出しているものだと思う。しかし、そういった初恋の甘酸っぱい感覚はインモラルに塗りたくられてる。

そこがこの作品の捻くれているところでもあり、良いところでもある。背徳感というのが作品のキーにもなっていて、印象を大きく決定付けているわけだけど。ウテナがそこに巻き込まれる事で初めて「女の子」っぽさが出るというのも興味深いところではあるなと。


第33話:夜を走る王子(1997年11月12日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ橋本カツヨ演出高橋亨作画監督長濱博史長谷川眞也

《コメント》

シリーズ中、もっともインモラルで、裏切りに充ちたエピソードだと思う。というか、今考えるとこんなんよく夕方に放送できたもんだなあと改めて感じざるを得ない。BPOとかに抗議行かなかったのかな。ここまでのシリーズの振り返りと思いきや、実はその裏側でウテナが「食われる」話。もう演出の勝利というか、すっごい婉曲的な表現だったからこそ冒険できたってのが強いんだろうけど。さっきの30話でのコメントで説明した事を実際に「実行」してしまったエピソードでもあって。花を散らしたウテナが「王子さま」なのかどうか、という残酷な突き詰めでもあると思う。もはや後戻りできる状況でもなくなってしまっていて、暁生の思惑通りに事が進んでしまっているという点でも残酷。この時点でウテナも「世界の果て」を知ってしまったために「永遠」という絶対性を失ったとも言えなかない。ウテナが「王子さま」から堕落することで最終章の礎を築くという、確信犯的な一本だと思う。


第37話:世界を革命する者(1997年12月10日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ:風山十五、演出桜美かつし作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

この回のお互いに毒物を食わせながら「十年後も同じようにお茶会しようね」って言ってるアンシーとウテナの関係がすごく好きですね。個人的にはこれ以降、アンシーが主体になってしまうのでちょっと辛いんですけど。33話を通過して、いろんな意味で「対等な関係」になった二人だからこそ成立する会話なのが凄く好きで。美しい所も醜い所も一緒くたに受け入れて、待ち受ける結末が分かりきってても最後の地に向かう雰囲気も結構好きです。嵐の前の静けさだからこそ、美しい情景が広がっているというか。とはいえ、アンシーの持つ歪みは最終回で解消されるけど、ウテナの歪みが解消されずに劇場版まで持ち越されてしまうので、難しいところではある。この回は、ここまでの話数をかけて描かれる一瞬の情景が自分にとっては好きなんだろうなあと。


第6話:七実様御用心!(1997年5月7日放送)

脚本:比賀昇、絵コンテ松本淳演出:岡崎幸男、作画監督林明美

《コメント》

最後はギャグ回(にして石蕗美蔓初登場&七実メイン回)。いや、ウテナはギャグがないと成立しない作品なので。選んだのはインパクト絶大の一発目。いやね、暴れ馬→暴れ牛→暴れカンガルーは汚いよ!なに考えてんの!

裏話によれば、当初の予定だと6話と同じくギャグ回の8話は順序が逆だったようで、8話(本来6話)の製作遅れから6話(本来8話)に入れ替わったそうだけど、怪我の功名だったと思う。どっちもウテナに冬芽を意識させる回だったみたいだけど、いやねえ(笑)最後、カンガルーとボクシングして一発KO勝ちって言う展開はさすがにわけがわからんwギャグに意味を求めるのもどうかと思うけど、本来の話とのギャップが異様なので初見時は腹筋崩壊してた。脚本書いた比賀昇(a.k.a山口亮太)は後に手掛ける作品でもこういうプリミティブに突拍子のないギャグを繰り出しているし、元々こういうオファー(いつものカラーリングとは異なるもの)だったそうなので納得した。

けど、やっぱ卑怯だよw


《終わりに》

以上が、ウテナ10選になります。各クール×3話&ギャグから1話という選び方をしました。改めて見返すと、ウテナに引っ掛かりを覚えて見てたんだなと思う一方、どこかしらで男性の存在がいないと見れない作品でもあったのかなあとも感じました。背徳感やインモラルに満ちてはいるけど、男女関係、あるいは友情など王道的なものが描かれてるからこそ、見れてたのかなと、そう思うわけです。

実際そういう、話数選びになってるようにも思えますしね。いや、もっとファン的に人気の回あるでしょうにという声もありそうですけど。なにせ20年前の作品なので、画面演出に冴えがあっても話の質感が古臭いというものがいくつかあったのも事実で、そういうのはぐっと来なかったんですよね。あと、目星の話数を絞って見たので、全話通しで見たわけじゃないのも正直に申し上げておきます。今度やる時は最初から全部見て、考えたいなあと。

個人的にはTVシリーズは劇場版見るための下ごしらえみたいなところもあって。今回は劇場版で省かれた部分、いわゆるTVシリーズの雑味部分も紹介しておきたいなあと思って選んでみたつもり。そこも興味深いから、面白いと感じるわけで。パブリックイメージから零れ落ちているのもきちんとウテナだよって言いたかったのかも。

今度やる時はどんな風に変わるかも、自分にとっては楽しみ。そういったメモ的な意味も含めて、またやればなと思います。かなり突貫な記事になりましたが、ご勘弁を。

ではまた。

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2016-05-01

音楽鑑賞履歴(2016年4月)

| 20:17

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

22枚。

新居での生活が少し落ち着いて、聞けた感じですかね。

しかし1月のデヴィッド・ボウイに続き、まさかプリンスまで亡くなるとはなあ。

どちらも死に際までアーティストらしくあったのがなんとも。

命尽きるタイミングは直前までわからないだろうけど。

将来的には訃報をたくさん聞くことになるのだろうけど、

それぞれの魂が彼岸の向こうで健やかであらん事を祈りたいですね

では以下から、感想です。



4月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:22枚
聴いた時間:550分

S.O.S.S.O.S.
80年発表1st。87年版CDで。アトランタ出身のディスコ/ファンクグループ。ディスコっぽい、洗練された洒脱感溢れるシティサウンドに、メイシオ・パーカーをはじめとしたファンク系のホーンが重なり、独特の妙味を醸し出す。ライトメロウなサウンドが重みのあるファンクに傾いていくのが面白い
基調はライトメロウなディスコサウンドで、バラード系などはしっとりとした味わい深いナンバー。その一方でダンサブルな曲になるとメンバーのファンク魂に火がつくのか、ライトメロウなサウンドのまま煮えたぎるファンクをやろうとして甘いながらも度数の高いカクテルのような味わい。
その二面性が魅力なバンドなのだろうと思う。スペーシーなシンセに絡む、小気味いいギターカッティングなど聞いていて楽しい部分が満載。後半に収録されている曲がどれもいいですね。スタイリッシュでファンキーな良盤。
聴いた日:04月01日 アーティスト:S.O.S. Band
S.O.S. Band TooS.O.S. Band Too
81年発表2nd。前作で見せた二面性の強いサウンドを統合してより、ファンク色を強めた作品。そういう点ではブラック・コンテポラリーに接近したとも言えるが、非常にソリッドなファンク/ダンスチューンの強度が高い一枚。スタイリッシュかつ煌びやかに輝く様がカッコいい。
前作の未整理だった部分の妙味ががっちりとはまって、全体のグルーヴ感が高まって、メロウながらもきっちりとファンクマナーを守った骨太な演奏に男女混声のソウルフルなVoが印象的。ダンスチューン、バラードのコントラストも良く、より統一感が増した内容。完成度高い盤なので一聴に値するかと。
聴いた日:04月01日 アーティスト:S.O.S. Band
Chicago Transit AuthorityChicago Transit Authority
・69年発表1st。ブラスロックバンド代表格の処女作。オリジネイターのBST(ブラッド・スウェットティアーズ)のシャープな交響楽的サウンドとは異なり、ホーンセクションを従えた粗野なブルースロックという趣が強い。その煮えたぎるアツさが非常にエネルギッシュなサウンド
ホーンが響かせるブルースR&Bジャズ(のアドリヴ)といった黒人音楽の熱狂をそのままにロックサウンドに絡ませたことによって、ダイナミックにスリリングな演奏がバンドの魅力となったのは言うまでもなく。当時の時代背景から成る政治的な歌詞とともにその荒削りな熱量が凄まじい。
メンバーの演奏力の巧拙にかなり隔たりがあるのは事実だがそこを踏まえた上でバンドの一体感は他に代えがたく、そのイビツさすらカッコいい。荒削りだが、存在感は抜群、テリー・キャスのジャズギターの奏法をむりやりロックにして弾き倒す演奏も同時代のギタリストに引けを取らない。存外ポップな良盤
聴いた日:04月03日 アーティスト:Chicago
Super ColossalSuper Colossal
06年発表11th。デビュー20周年盤だが本人がすっかり失念しており、特にメモリアルな内容にはなってない一枚。とはいえ、ドラム以外の演奏はすべてサトリアーニの手によるもので、そういう点では自らの引き出しをチューンナップしている印象がある。一音一音確かめながら自身の演奏を磨き上げる
その為か、わりとサウンドの作りこみも結構素っ気無いものに感じられる一方で、ギターの音は力いっぱい大きく、そのざっくり感が返って気持ちいい音になっていたりと弾いていた本人的には得たものが大きいのではないかと思わせる。ラフでシンプルな音だからこそ引き立つ確かな上手さを感じる作品。
聴いた日:04月06日 アーティスト:Joe Satriani
ワールド フェイマスワールド フェイマス
91年発表2nd。前作のごった煮路線がさらに深化した結果、スカだけに拘らないファッショナブルな曼荼羅サウンドが派手なCDジャケットと共に印象的な一枚。もちろんスカのルードな雰囲気を保ちながら、昭和歌謡ブギウギ、ホッドロッド、R&Bマーチ、ロシアンなんでもござれな幕の内感が◎
そんな雰囲気の中で差し込まれる怪しげなパーカッション、アヴァンな効果音が入り混じって、単にお洒落な音楽に終わらせない気概すら感じて、東京という地域性を体現しているようにも。各国音楽要素をごった煮にさせる感覚は渋谷系に接近してる節もあり、同時代的な香りも感じさせる傑作でしょう。
聴いた日:04月07日 アーティスト:東京スカパラダイスオーケストラ
PIONEERSPIONEERS
93年発表3rd。前作・前々作のごった煮サウンドのド派手さから一転して、スカのみに注力した作品。社会状況も少なからず影響はしてると思うが全体を漂うのはシリアスでダークな空気。東京の影と汚れが軽快なスカの裏拍に乗って、鳴り響く。いつになくホーンの音が強く聞こえるのは気のせいか。
しかしそれこそがスカ本来の魅力なのかもしれない。うらびれる都市の一角。そこに流れるダーティーでルードな怪しく危ういサウンド、雲を切り裂くホーンの響き。バンドのアイデンティティであるスカで真剣勝負を仕掛けた結果、バンマスのASA-CHANGが脱退し、新局面に向かうはずだったのだが。
聴いた日:04月08日 アーティスト:東京スカパラダイスオーケストラ
GO TO THE FUTUREGO TO THE FUTURE
・07年発表1st。バンドの初作はまだクラブ/エレクトロ志向は強くなく、ダンスグルーヴをまとったロックバンドというぐらいの位置づけのサウンドに聞こえる。どちらかといえば、アジカン的な雰囲気を身に纏っているが、全体に響く叙情的な趣やなんともいえない日本的感覚の音作りが目を引く。
わびさびというか、サウンドの余白に込められた趣がどことなく和のテイストでまとめられているといえばいいだろうか。エモーショナルに傾かず、クールなまなざしが雅というか儚いというか、日本人好みな淡い色合いの音に作り上げているのが面白い。未完成な部分は多いが独自性も垣間見える佳作。
聴いた日:04月10日 アーティスト:サカナクション
Stepping Into TomorrowStepping Into Tomorrow
74年録音盤。マイゼル兄弟との3枚目。クラブというかディスコシズル感が溢れ出ている一枚。シンセ&エレピのスペーシーな響きにボトムラインコズミックなグルーヴがファンキーかつスウィートに絡まりあう。そこへバードのペットとゲイリー・バーツサックスがブロウする完成された世界がここに
ジャズとは素直に言いがたいが、クラブ/ディスコサウンドの先駆としてのクロスオーバーサウンドは今なお視聴に耐えうる乙な盤だろう。クリスタルな輝きに魅了されつつ、流れ行く甘美なメロディとファンクなノリに身を任せて、楽しみたい。ダンサブルだが酒を肴にしてムーディーな雰囲気に耽るのもいい
聴いた日:04月10日 アーティスト:Donald Byrd
CaricaturesCaricatures
76年録音盤。バードのBN最終作。マイゼル兄弟とは通算5枚目。サウンドのコズミック感がやや薄れて、ストリート感のあるファンクの色合いが今までより強めに出ている一枚。もちろん4のようなスペースブギー全開のディスコチューンも存在しているのでクラブミュージック的なレアグルーヴも健在。
とはいえ注目は1か。モータウンファンクブラザースの一員として有名なジェームズ・ジェマーソンのベースが聞けるというだけでもプレミアム感があり、なおかつダンサブルなベースラインが聞けるのも貴重だ。BNを羽ばたくバードに花を添えている。最後だけあってバードのペットも印象的な演奏だ。
聴いた日:04月11日 アーティスト:Donald Byrd
Drums & WiresDrums & Wires
・79年発表3rd。メンバーの脱退&加入し、新体制での作品。NW特有の性急さが薄れ、より英国ポップの王道へと風向きを変え出す過程が見て取れる。音もスタイリッシュな感覚から離れ、より垢抜けないかつ皮肉たっぷりのメロディを奏でている。ともすれば野暮ったい、田舎くさい音にも聞こえるが。
パンキッシュなスピードを殺いだ結果、朴訥ながらも重みのあるサウンドに仕上がっている。童謡というか、マザーグースというか、そういった柔らかなポップ感覚の一方、エスニカルな楽曲もあったりで一筋縄にいかないのがこのバンドらしい。過渡期の一枚だが、内容はぎっしりと詰まった良盤だろう。
聴いた日:04月12日 アーティスト:XTC
Time MachineTime Machine
93年発表5th。84〜93年までのアルバム未収録&未発表音源と88〜92年のライヴ音源を取りまとめた2枚組。なので完全新規曲はあまりない。が、DISC1はそういった寄せ集めな側面が出ているので従来のアルバムの縛りがない分、自由にやっている曲が多いように感じた。
メタルでここまで縦横無尽に高速フレーズを弾くなんて、ストレートなプレイもしてるし、独特のクールな質感の物哀しい響きや最後のジャムセッション曲なんか、好き勝手にやってて、楽しそうだなあと感じる(曲が面白いかはまた別問題だが)。持っている引き出しで遊び倒してるさまが窺える。
DISC2はライヴ音源なので、基本的にライヴベスト。ライヴならではのノリを楽しむものだと思う。けど、今となっては古い音源も聞けるので、そういった意味では貴重か。1st収録曲の音源も収録されている。が、そこまで目を引くものはない。そういった点ではお蔵出しの色合いの強いアルバム。
聴いた日:04月13日 アーティスト:Joe Satriani
JOE SATRIANIJOE SATRIANI
95年発表6th。おそらくキャリア史上もっとも穏やかな雰囲気を纏った一枚。と、同時にかなり攻めの姿勢で作られた作品なのではないかと。ブルース、カントリー、ジャズを基調にノスタルジックな味わいを演出しながら、ミドル〜スローテンポの曲が大半を占めているのが興味深い所。
自身のテクニカルな部分をあえて強調せず、極めて抑制の利いた演奏を自覚的にプレイしているのはキャリアの新たなステップを踏もうとしているようにも感じられる。音楽の幅を広げる作業というか。そんな点においてはツェッペリンの?にも似た趣を感じる。地味でスルメ盤だけど意欲的な作品。
聴いた日:04月18日 アーティスト:ジョー・サトリアーニ
チュ・チュ・トゥ・タンゴチュ・チュ・トゥ・タンゴ
・07年1st。Tahiti80のフロントマン、グザヴィエ・ボワイエのソロ初作。あんまりバンドとの分け隔てはあまりなく、メロウなポップサウンドが聞ける一枚。当時、バンドのほうがエレクトロ化してたので、そういった面では従来の路線をソロで補完してたという趣は少なからずあると思う。
淡く瑞々しさの残るサウンドはバンド時より強調されてるようにも思えるが、やりたいことをやったらバンドとあまり変わらなくなってしまったってのが真相のような気もする。ただソロな分、フォーキーな香りも。もちろんロックな曲もあるが全体にアンニュイな清新さが印象に残るアルバム。
聴いた日:04月19日 アーティスト:アックス・リヴァーボーイ
Margerine EclipseMargerine Eclipse
04年発表9th。中核メンバーの一人、メアリー・ハンセンが亡くなって初のアルバム。サウンドが物凄く明朗になったような気がする。メンバーの訃報などどこ吹く風か、抜けのいい開放感のある楽曲が立ち並んでいる。60sポップスオマージュなのか印象としてはサイケな趣は漂っているか。
音のテクスチャーがエレクトロに接近していて、そこら辺のわかり易さがポップ色を強めているように思うが、いつもどおりのモンドな肌触りのメロディとリズムが展開されているので、大きな変化はないが特有の切迫感は薄いが、初心者にもお勧めしやすい一枚だと思う。無論ヘンテコな音を受け入れた上で。
聴いた日:04月21日 アーティスト:Stereolab
Rainbow ChildrenRainbow Children
・01年発表(本人名義では)20th。追悼をかねて聞く。あの読めない記号からプリンスへと返り咲いた一枚。キリスト教的な宗教観で啓蒙されるコンセプチュアルな歌詞内容に生演奏主体ファンクサウンドが非常に濃厚。4と14でラリー・グラハムがベースで参加している。
あの過激でセクシュアルなイメージから一変してることに評価が賛否あるいうだが、ここで見られる姿は神への敬愛を隠さない真摯な姿である。基本的に「愛」について歌っているが演奏は先に言ったとおり、ディープなファンクサウンドであり彼の歌声とも絡み合うさまはやはりセクシュアルだ。
神父の講話的ではあるが、このアルバムのハイライトはラストの14に尽きる。「人生最後の12月がやってきたら君はどうする?」から始まる壮大なゴスペルバラードはその余りにも早い死と重なって、落涙せずにはいられない。じわじわと盛り上がっていく旋律は歌詞と相まって感動的でもある。
14のラスト、聖歌隊のコーラスが消えて、人々の雑踏が聞こえてくるアウトロ。これを聞いていると作った本人もそんなつもりじゃなかったろうが、あらかじめ用意されていたようにも感じてしまう。それを抜きにしても、内容的には復活といっていい出来だった。今はただ突然の訃報に哀悼の意を込めて。
聴いた日:04月22日 アーティスト:Prince
DESTINYDESTINY
00年発表3rd。ここに至るとディスコ〜80sポップスオマージュを我が物として、自らの血肉として送り出しているのが清々しいくらいに快感な一枚。リスペクトの先に見えるオリジナリティを確立しており、すこぶるダンシングなチューンの目白押しで聞いていて非常に楽しくなる。
ディスコソウルAORファンク、80sポップスなどなど、POPでハイセンスなサウンドを日本語に乗せて、見事にJ-pop化している。その職人技にただただ唸るばかり。この抜けのいいサウンドはおそらく彼らにとってもターニングポイントだったのではないかと思わせるほど。会心の名盤。
聴いた日:04月23日 アーティスト:ノーナ・リーヴス,西寺郷太,山本拓夫,NONA REEVES
サーヴィスサーヴィス
・83年発表7th。前作で散開予定だったが高橋幸宏三宅裕司率いる劇団、S.E.T.とのコラボを持ちかけ、散開記念アルバムとしてリリースされた一枚。なもので、曲の合間合間にコントが挟まる構成となっており、『増殖』も因んだものとなっている。が、あそこまでの相乗効果がないか。
しかし、楽曲はどれもクオリティが高いどころか、メロディの肌触りはプロフェット5のクリアなトーンとシックでスマートのイメージから80年代後半と言われても不思議じゃないくらい、ハイセンスなものに仕上がっている。確実に5年先を行っていたが、スタジオアルバムはここで一旦幕を下ろした。
聴いた日:04月24日 アーティスト:YMO
パブリック・プレッシャーパブリック・プレッシャー
・80年発表ライブ盤。第1回目のワールドツアー凱旋盤、なのだけどレーベル契約の関係上、ツアーに参加した渡辺香津美のギターが収録できず、坂本龍一シンセソロがオーバーダブされている。が、これが怪我の功名でライヴの熱気とサウンドの人工感が絶妙に絡み合い、バンドの魅力を浮き彫りにさせた
内容は初期YMOのベスト・オブ・ベストで、そのエキゾチックな雰囲気をこの一枚で存分味わえる。ハイライトは個人的に4。YMOの曲ではなく坂本龍一の曲だけど、キレのいい演奏とエキゾチックさ、テクノポップ感がこの盤でのYMOらしさを体現してる一曲かと。災い転じて福となした稀有な名盤。
聴いた日:04月25日 アーティスト:YMO
Purple Rain (1984 Film)Purple Rain (1984 Film)
・84年発表6th。大ブレイク作品。改めて聞くと幕の内弁当という印象。後年の作品の濃密さや過去作の猥雑なアクの強さがあまり感じられなくて、プリンスの類稀なる多種多様な音楽性が「ポップミュージック」という枠に収められている。薄味でもなく濃い味でもない、ちょうどいい塩梅の音楽が聞ける
この「ちょうど良さ」というのが非常に重要で、あっさりとしていながらもきっちり個性も主張している辺りにプリンスの狙い済ました計算高さが窺えるように思う。胡散臭さや危うげなイメージもスパイスとして混ぜ込んでいるのもこのアルバムの魅力を高めているのではないだろうか。
予想外の大ヒットというよりは今までの積み上げとりサーチの結果、繰り出した「音」で本人にとっては必然だったのかもしれない。今聞くと、ダンサブルなシンセの色合いより、その裏で鳴り響くギターの自己主張の強さが印象に残るのが興味深い。かなりストイックな作りの中で自由に弾いていたのかも。
聴いた日:04月27日 アーティスト:
Countdown To EcstasyCountdown To Ecstasy
・73年発表2nd。まだまだ後年の姿かたちは顕在化していないが、スタイリッシュな音に勢いとワイルドな雑味が残る一枚。本作ではジェフ・バクスターの演奏面の貢献が大きいように思う。R&B、R&R、ブルースジャズ、泥臭い黒人音楽がセンスよく鳴り響くのは作曲面もあるが、それだけではない
それら全てを咀嚼し、サウンドとして取り纏めているのが後にドゥービー・ブラザースに加入する事となるジェフ・バクスターだと考えると納得できるものがある。あの粘りの強い南部音楽たちを適度な軽さに仕上げるセンスの良さはメインの二人に引けをとらないのではないか、と。
実際、この盤はコンサートの合間を縫ってセッション製作されたようなので、より構築的でスタイリッシュかつジャジーに向かうフェイゲンたちと、泥臭い音楽を洗練させたいバクター方向性の違いが現れてるとも感じる。可能性の取捨選択がされる以前の作品というべきか。それゆえの荒削りな魅力がある。
結果、この作品を最後にバクスターは脱退。ドゥービー・ブラザーズに加入。フェイゲンたちは次の方向に舵を切るわけだが、後の彼らには見られない勢い重視の演奏が面白く感じられる盤でもあるし、音楽を楽しむという点ではこれが一番抜けのいい音を出してると思う。地味だが良作。1や8がお気に入り。
聴いた日:04月27日 アーティスト:Steely Dan
I Don’t Wanna Be With YouI Don’t Wanna Be With You
・07年発表3rdEP。前作アルバムでの強靭なビートと筋肉質で硬質なポストパンクサウンドを破棄して、NW的なシンセサウンドを指標した作品。これがそのまま次作のアルバムへと繋がる。ミニマルフレージングを繰り返すさまを見る限り、エレクトロファンクな趣も垣間見える作り。
エレクトロファンクというより、エレクトリックマイルスカオスクロスオーバーサウンドの影響も見え、3なんかはタイトルからも推察できるように、フュージョンのようなライトな旋律も顔を覗かせている。2のみ前作の趣がある曲。1はアルバムだと別アレンジで収録、4は無機質なエレクトロで長尺曲
全体にアーバンな寂しさを人工的なファンクネスとグルーヴで補うEPだと思う。一人で聞くような密室感と音の開放的な広がりが同居して表裏一体というか。派手さはないけど研ぎ澄まされた感性の鋭い一枚。時折、ジャズロックな色合いも個人的には見落とせない。
聴いた日:04月27日 アーティスト:ZAZEN BOYS
Fab Four SutureFab Four Suture
06年発表10th。いちおうオリジナルアルバムとしてカウントされているがメジャー契約の切れた05〜06年に連続リリースされたシングルEPの楽曲群を取り纏めた一枚。彼らのストレンジなポップ感覚が顕著に表れている作品だとも感じた。アルバムのコンセプトがない分、自由度はかなり高め。
ビーチボーイズ辺りの60sポップス的な白昼夢サイケのイメージを醸し出しながら、彼ら独特のテクスチャーでどこかで聞いたことがあるような、けど聞いたことのないデジャ・ヴなサウンドが興味深く、面白い。彼らの中でもかなりキャッチーだが同時にタガも結構外れてて、トリップ感のある一枚だ。
聴いた日:04月29日 アーティスト:Stereolab

わたしの音楽メーター
音楽メーター

2016-04-03

音楽鑑賞履歴(2016年3月)

| 20:29

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

16枚。案外聞いてるな。

いや今月、自宅のお引越し等々があって、いろいろバタバタしてたので。

下手すりゃ10枚切るかなあと思ってたわけです。

3月はギターがメインに鳴り響くものをずっと聞いていたようにも。

新規が少し押さえ気味になったのは仕方ないかな。

では以下から、感想です。

3月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:16枚
聴いた時間:298分

Powers of TenPowers of Ten
92年発表1st。夭折した天才ギタリストの初作。なおこのアルバムではプロデュース、アレンジ演奏作曲全て一人で行っている。ギタリストのアルバムであるにもかかわらず、ギターが大暴れする曲より自身の作曲能力の高さを魅せる楽曲が目立つ。5,6などは最たるものでピアノの演奏がメイン。
一方でギターの腕前も抜群でホールズワースに影響を受けた超高速レガートなどのテクニシャンぶりも随所に見受けられるが、コンポーザーとプレイヤーの資質がどちらも拮抗する位に高い為、アルバム構成的にどっちつかずになってるのは痛い所。嬉しい悩みといえばそうなのだがインパンクトは流石に弱い。
しかし収められている内容は才能の塊でもある。ギターメインにした曲においてはその演奏表現力に舌を巻き、作曲者としてもギタリストだけに限定されない領域で能力の高さを見せつけている。どちらを取っても、活躍できるだけの天賦の才を併せ持っていただけに病による寡作と夭折が惜しまれる一枚。
聴いた日:03月02日 アーティスト:Shawn Lane
Flying in a Blue DreamFlying in a Blue Dream
89年発表3rd。全18曲65分もの大作になったアルバム。インストのみならずVo曲もなんと6曲も入っていて、バラエティに富んだ内容となっている。前作までがギタリストとしてのサトリアーニを押し出したものになっていたが、この盤においては「ミュージシャン」のサトリアーニを標榜している。
HR/HM色とデジタル色が強かった過去2枚と比べても、フィジカルさが強調されていて、それゆえのVo曲が収録されているように思う。従来のテクニカルなプレイ、カントリー、エスニック、ディキシージャズファンキー、オーソドックスなロックまで様々な音楽を幅広くフォローしているのも特徴だ。
大ヒット作の後に出た盤だが、現在にまで及ぶ彼の長いキャリアの可能性を濃縮したような一枚となっている。そういう点ではこの盤こそ、彼の真価が発揮された作品でもあり、本当の意味で出発点にもなったアルバムかもしれない。歌については割と器用に歌えるのだなというのが少し意外。十分な聞き応え有
聴いた日:03月03日 アーティスト:Satriani Joe
Friday NightFriday Night
99年発表2nd。80's洋楽ポップスへの敬愛とオマージュをそここに感じられる、とびきりポップな一枚。ソウル/ディスコフレーバーが散りばめられた華やかさ満載の楽曲は聞くだけでも十分に楽しい。AORなどシティミュージックのスタイリッシュさもちらつかせながら煌びやかに弾ける一枚。
とことんサウンドはオマージュで、引用先もちらほらと有名どころが思い浮かべられるが、あざとさを感じないのは彼らが自身のサウンドに昇華できているからに他ならないと思う。奇を衒わず、大好きな音楽を好きで演奏しているのがこの盤の気持ち良さなのだろう。その楽しさが伝わってくる良作かと。
聴いた日:03月05日 アーティスト:ノーナ・リーブス
Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971
92年発表ライヴ盤。71年のパリ・オランピア劇場での公演を収録した作品。とにかくバックの演奏陣によるキレキレなプレイに唖然とする。熱に浮かされたテンションの高さはJBを圧倒しようかというほどに勢いに満ちているのが心強くもある。音だけでも会場の熱気とグルーヴの狂乱が伝わってくる。
とはいえ、JBの指向するライヴの形はあくまで「ショー」であって、「ライヴ」ではないのだろうなとも感じた。バンド全体が狂騒的な雰囲気に呑まれてしまう事に不快感を示したのが恐らくは未発表の遠因なのだろう。JBはJBという人物をバンドのパーツとして埋め込みたくなかったのだ。
JBという個性を光らせるためにバンドは存在していて、バンドはJBより前に出てはいけない。この盤はその前提が崩れているように思う。もちろん「ライヴ」ならではの熱気は素晴らしいものだがそれは現代的な観点によるものだろう。JBの存在感が突出してないのがこの盤の弱点だ。良盤だが惜しい一枚
聴いた日:03月07日 アーティスト:James Brown
トロピカルダンディー(紙ジャケット仕様)トロピカルダンディー(紙ジャケット仕様)
・75年発表2nd。ホームメイドな初作を経て、次に送り出してきたのが自身の音楽趣味を全面に押し出してきた作品。サウンドはタイトルの通り南国趣味な色合いが濃く、とてもカラフルなサウンド。ワールドミュージックのごった煮ミュージックを40年前に出しているのは流石に時代が早すぎたと思う。
とはいえ、ロックな8ビートに頼らない横ユレの伸びやかな音は時がゆっくり進むかのような緩やかな雰囲気を出して心地よくなれる。ワールドミュージックをチャンポンしてるのに音楽として成立しているのが日本的でもあり。不思議とリラックスしてまったり聞けるアルバムだと思います。
聴いた日:03月08日 アーティスト:細野晴臣
泰安洋行(紙ジャケット仕様)泰安洋行(紙ジャケット仕様)
・76年発表3rd。前作とほぼ同時期に発売された大瀧詠一の「ナイアガラムーン」の向こうを張った、セカンドライン主体のごった煮トロピカルミュージック。チャンキーサウンドとも名付けられた音楽は温泉の湯気のようにゆらゆらとオールドタイムなメロディにいざなわれ夢心地を味わえる。
ノスタルジックでありつつも、タイムレスな響きを持っていて、一種の空間で時を忘れたように聞ける。後半、後のキャリアで重要になっていくシンセの音も顔を出しており、モンドな音世界に彩りを加えているのにも注目。このエキゾチックさがYMOへの布石になっているの抜きしても桃源郷的な名盤かと。
聴いた日:03月09日 アーティスト:細野晴臣
Hard Day’s Night (Dig)Hard Day's Night (Dig)
・64年発表3rd。A面7曲が主演映画のサントラでB面が新曲という形の一枚。この盤で初めて全編オリジナル曲構成になった。シングル曲になった楽曲の存在感が際立っているが、興味深いのはそれ以外の収録曲のように思う。前作のビート感の強さを押し出さずにメロディを際立たせているように感じた
都市的な響きというよりは、垢抜けない牧歌的な草木が薫るような柔らかな土臭さをかとなく感じる。フォーキーというにはちょっと爽やかな印象もあって、サウンドの清新さに結びついているようにも思う。まだまだ窮屈な感じではなく、伸びやかなサウンドが聴ける作品。演奏もはつらつとしている。
聴いた日:03月09日 アーティスト:Beatles
ザ・ミラクルザ・ミラクル
・89年発表13th。彼らの80年代総決算的な一枚。今聞くとシンセシークエンス音やはHI-FIな音が時代的なものを感じさせてしまうが、再びバンドとして一丸になって取り組んでいることが窺える。70年代の重厚さを求めてしまうと厳しいが、楽曲自体は幕の内弁当的なバラエティの豊かさ。
賛否の合ったブラコン的な音作り(5,9)、80年代的なカジュアルポップス、クイーンらしい華やかなハードロックチューン、これらがいがみ合わず一つの盤として調和している。解散危機など紆余曲折の合った10年だが、そこで実った果実はどれも一定の、あるいはクイーンの音楽として成立している。
元々さまざまな音楽の素養があったバンドだが、この多様性をバンドのサウンドとして落とし込む事で更なる飛躍をするはず「だった」。しかしフレディの中の病魔は既に巣食いだしており、残された命を燃やし尽くすかのように間髪入れず次作の制作へと向かって行く。久々の会心作ゆえにいろいろ悔やまれる
聴いた日:03月12日 アーティスト:クイーン
崩壊アンプリファー崩壊アンプリファー
・02年発表1stミニアルバム(03年再発)。初公式音源。USパンクUKロックを掛け合わせた音に、フォークっぽい歌詞が乗る日本のロックとして、当時それまでにない肌触りの演奏を送り出していたのが返って、メジャーシーンへのカウンターになったように思う。バンド初の日本語音源でもある。
もちろん時代的なタイミングも合ったんだろうけど、彼らよりも先に尖った音を送り出していた日本のバンド群と比べても、よりメジャーな音を出していた印象を持つ。洋楽志向の音を日本風に落とし込み、受け入れられたのがバンドにとっても、シーンにとってもエポックメイキングだったのだろう。
聴いた日:03月27日 アーティスト:ASIAN KUNG-FU GENERATION
君繋ファイブエム君繋ファイブエム
・03年発表1st。メジャー第一弾。歌詞にナンバーガールの影響が濃くなり、WeezerUKギターロックのサウンドに日本特有の幽玄さが乗っかった初作にして初期の傑作となった。序盤三曲の流れは今聞いても絶妙な構成だと思う反面、興味深いのは中盤の楽曲群だ。後の彼らの姿が見え隠れする。
その醒めたサウンドは彼らのポップサイドの曲と一線を画しており、世紀末頃のオルタナティヴなニュアンスが支配しているように思うし、シリアスな一面もあることを窺わせている。対して代表曲のひとつである11は初期サウンドの集大成。この曲の完成度を持って、次なる段階へと歩みを進めたのだった。
聴いた日:03月27日 アーティスト:ASIAN KUNG-FU GENERATION
In the Jungle GrooveIn the Jungle Groove
86年発表編集盤。JBのファンキー成分を厳選して抽出したアルバム。JBファンクの美味しい部分しか収録されていないので不味いわけがなく、ファンクの入門編としても推奨できる名編集盤だといえる。後年サンプリングネタとしても重宝されている一枚であり、そのリズムの切れは思わず踊りたくなる程
とはいえ、JBのファンクは他のグループと比べても、硬派というか独特の硬さが特徴でもあるので、そのストイックかつファンキーな演奏が引き起こす高揚感はえげつない魅力があるがクセが強いのは否めないか。ただハマればこの上なく素晴らしい内容であり、一度聞いてみても損は全くない極上盤。
聴いた日:03月27日 アーティスト:James Brown
AnglesAngles
・11年発表4th。前作のハード路線から一転して、変化球で攻めて来た作品。従来のツインリードの絡みに80sテイスト濃厚な装飾が施されており、ニューウェーブな趣が出ている。また音が綿密に作りこまれており、今回改めて聞いて、自分が聞こえていなかった音の多さに驚いたりもした。
元々、甘味料的なチープな演奏をコロンブスの卵的にバンドサウンドの要としていたのもあり、そこまでスタイルに固執するバンドでもないとは感じる。個人的には幾分かカラフルになった今作は割りと好き。色がついた分の陰影も濃くなって、The Carsのようなネオンライトポップが楽しい一枚。
聴いた日:03月28日 アーティスト:Strokes
Beatles for SaleBeatles for Sale
・64年発表4th。前作までの弾けたポップ感覚は鳴りを潜め、素朴で穏やかな印象が全体を支配する作品。クリスマスシーズンに先駆けてのリリースなのもある一方、多忙を極めたスケジュールのため、再びカバー曲が半数を占める構成になっている。前作と次作の派手さの一方で地味に光る。
レイドバックしたというより、英国の地方都市であるリヴァプールで育った若者たちがふと素に返って、好きなロックンロールとフォーキーなメロディをおもむろに奏でてるという印象を感じる。そんなリラックスした雰囲気が全体に漂っていて、好ましく思える。エアポケット的な作品だが滋味深い佳作。
余談だが、この盤のフォーキーな趣は後の同郷出身バンド、The Coralにも感じられる雰囲気なのでリヴァプールシーンの土台となっている素養にも思えるのが興味深くありますね。
聴いた日:03月28日 アーティスト:Beatles
Rage Against the MachineRage Against the Machine
・92年発表1st。ラップ×メタルを確立したアルバムの一つ(同時代的にRHCP辺りもこの路線をやってた)。ただ音楽性として突き詰めたのは彼らが最初だと思う。メタル、というよりハードロックの重みとラップとそのルーツである黒人音楽のグルーヴが渾然一体になっているサウンドがカッコいい。
その音楽性はよくツェッペリンと比較されるらしく、確かにバンドから発せられる強烈なウネりはツェッペリンのそれを髣髴とさせる。サウンドの下敷きがブルースからヒップホップへと成り代わっているのが最大の特徴ではあるか。より直接的な怒りを歌ってるのはその辺りが影響してる気がする。
ザック・デ・ラ・ロッチャやトム・モレロの個性が強烈なのはもちろん、リズム隊の二人も同等に個性が強いと思う。というより、この4人だからこそ生まれているグルーヴなのも先達の姿を彷彿させるが繰り出される音はより乾いたものであり、差異でもある。時代を象徴する名盤。
余談だが冒頭二曲はタモリ倶楽部空耳アワーで採用された曲。1が「パン!パン!夜食のパン!」2が「ナゲット割って父ちゃん(×数回)どうすんだい!」どちらも空耳アワード受賞作の逸品です。そういう意味でも名盤w
聴いた日:03月28日 アーティスト:Rage Against the Machine
Low Life (Coll)Low Life (Coll)
・85年発表3rd。開花の一枚。前身のジョイ・ディヴィジョンメランコリックさを受け継ぎながらも、ダークさは薄れ、エレクトロ色が強まって、一気にバンドの個性を確立させた。この享楽的なダンスビートにロックバンドの演奏が重なる曖昧さ加減がニューオーダーというバンドの特性だろう。
テクノに寄るのでもなく、ロックに傾くわけでもない。極めてダンサブルなポップである一方、独特の翳りもある。この感覚が非常にニューウェーブらしいともいえるが、そのどっちつかなさが息の長い活動を保つ所以かと思う。この盤においてはそんな彼ららしさが分かりやすく出ている傑作だ。
聴いた日:03月30日 アーティスト:New Order
The ExtremistThe Extremist
92年発表4th。リズム隊をデヴィッド・リー・ロスバンドで活躍したビソネット兄弟にほぼ固定して作られた一枚。前作と本作で初期にあったデジタル色が払拭されて、よりロック色の濃いサウンドへと変化した。土臭いブルース基調のハードロックインストがこの盤のメインサウンド。かとなく砂埃が舞う
後の作品との比較になってしまうが、この時点ではサトリアーニの奏でるフレーズはまだまだテクニカルに寄っており、前々作と印象が被ってしまう箇所が散見される。聴き所も随所にあるが楽曲のキャッチーさに少し欠けるのが惜しい所ではある。全体に過渡期の雰囲気が強く残る盤か。出来自体は悪くない。
聴いた日:03月31日 アーティスト:Joe Satriani

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