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In Jazz

2112-09-03 初めに。

ここは私ことテリー・ライスが主に漫画や音楽やアニメや小説、映画などの感想を好きに語るブログです。

あくまで個人の感想である事にご留意よろしくお願いします。

サイト名のIn Jazzとは音楽ジャンルのジャズではなく、

俗語の意として「熱狂」とか「たわごと」の意です。

好きなことを語れたらいいなあという思いを込めて。

更新はかなりの不定期になってますが気が向いたら、書く方向になると思います。

それとtwitterでもつぶやいてます。なんだかこっちがメインっぽくなってますが。

テリー・ライス(@terry_rice88)さん | Twitter


※2012/8/16追記。

amazonに自分の好きなものを集めたインストアページを作りました。

ちょくちょく追加していきますので気軽にご覧いただければと思います。

In Jazz Serect shop - Books

2050-05-16 アニメ感想置き場。

アニメ感想置き場

| 22:43

※リンクを置いてなかった作品感想を追加。

この記事はアニメの感想リンク先まとめページです

随時更新いたしますのでよろしくお願いします。

続きを読むをクリックで。

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2017-05-03

音楽鑑賞履歴(2017年4月)No1057~1077

| 10:30

月一恒例の音楽鑑賞履歴

今回から新体制での感想です。

といっても単純にはてなブログ下書き機能を利用して、商品リンクとTwitterに上げた感想を随時コピペするだけなのですがね。手間が若干増えましたけど、あんまり作業的には変わりがないのかなと。まだいろいろ試行錯誤してるので、細かな変更があるかとは思いますがよろしくお願いします。

今月は21枚。まあまあ聞けてますかね。微妙にヒップホップとエレポップ特集です。あと今年亡くなったジョン・ウェットンアラン・ホールズワースの追悼感想があります。どっちも好きなミュージシャンだったので亡くなってしまったのはすごく残念。一時代を築いた人々がこれからどんどん亡くなっていくんだろうなと思うと、寂しくはなりますがそうやって時代は変わっていくんだなあと。

とまあ、そんなところで以下から感想です。


99年発表2nd。ストリート色が強くなり、雑多な印象が強くなった作品。アタックの強いビートにフロウされるラップはますます強靭に。前作の先行きのない不安や将来に覆いかかる焦燥感に打ち勝とうと抵抗するようにどこまでも力強く、日々を生きる姿を活写していく。確実に成長を感じる内容だ。

特にトラックメイキングの切れ味が全編にわたって、冴え渡っており合間合間に入るSkitやインストもとても聴き応えのあるものになっているのも目を見張るし、後半に行くと前作で押し出されていた沈痛なリリカルさも滲み出てきて、このグループならではの透き通るようなドープさが素晴らしい。

シークレットトラックになぜかスティーヴィー・ワンダーの「太陽のあたる場所」のパンクカバーが収録されているのはご愛嬌ながら、前作の持ち味を保ちつつ、グループの可能性を押し広げた作品だろうと思う。陰鬱な印象からわずかな光明に向かって、一歩前進し、重苦しさが少し軽くなった一枚。

THE GOODFELLAZ

THE GOODFELLAZ

02年発表3rd。沈痛さや日々の虚ろさが漂うリリカルな部分がだいぶ希薄になって、よりハードコアギャングスタ感が強くなった作品。ほぼ全曲に渡って、フィーチャリングアーティストがくっつき、客演の多い一枚でもある。トラックのビートが強調されているのもあって、筋肉質な趣も感じられるか。

そういう点では一番ヒップホップらしいとも言えるが、あのダークで透明感のあるメロウさがないので好き嫌いが分かれるところか。そういう点では装飾の多いサウンドテクスチャとも言える。クラブ向きのキャッチーなチューンもあるので、内容的にもパーティ感のある作品かもしれない。

ファンキーさに限らず、スパニッシュな音を取り入れていたりで、前作までの趣とはまた勝手が違うが悪くはない。この盤を最後にグループは活動休止となってしまうが、また彼らの曲を聴いてみたいと思わせる内容であり安定を求めず、前進する所に彼らの良さを感じる一枚か。いつか再始動して欲しい所だ

A FUNK ODDYSSEY

A FUNK ODDYSSEY

・01年発表5th。前作からの路線を強化し、ディスコソウル色が濃厚な一枚。初期の代名詞であるディジャリドゥの音色が聞こえなくなったのは残念ではあるが、代わりに70sディスコっぽいストリングスの重ね方や、ギターの16ビートカッティングなどがアルバムをコーティングする。

リース当時は、グループ自体がマンネリ期に入って、一時期の飛ぶ鳥を落とす勢いが減退しつつあったが、今改めて聞き直すと、彼らが15年前に提示していた音がここ何年かのトレンドになっているのと同時に、先見の明があったことに驚きを隠せないというべきか。当時は流石に今さらディスコかと思った

だが、ここで繰り広げられている音にはナイル・ロジャースばりのギターカッティングがあり、十数年後にダフトパンクが提示するディスコビートのブリリアントな輝きやソウルの甘い響きが詰まっているのだ。とはいえ、ビートがややもったりして軽やかさがないのに当時のニュアンスを感じざるを得ないか。

そういった抜けの悪さが、この盤が芳しくない評価を受ける一因に思えるし、実際、コンスタントに1~2年の感覚でリリースしていた、次作のインターバルが4年と空いてしまう事となる。失敗作とは言い難いが傷跡の大きい作品だろうか。内容は充実しているし、再評価されておかしくない出来かと。

FUTURE IS NOW

FUTURE IS NOW

02年発表3rd。傑作の呼び声高い前作というハードルに気負わず、自分たちのスタイルをさらに研ぎ澄ませた印象を感じる作品。日本語でラップをやる事に対する強い拘りが彼らの軸のブレなさに繋がっているように思う。フロウとトラック、そしてビートが絶妙に絡み合うだけでとても気持ちいい音になる

前作が実直な形でソウルファンクからの引用が多かったトラックも、今作ではバラエティに富んでおり、エレクトロガラージュっぽいものやメロウなサウンドが入り込む辺り、ダンスフロア仕様になっている。そこへ乗っかってくるライムも日々の問題や環境問題など範囲が広くなり、より内容は濃くなった

そういう点では前作から正当進化したアルバムだと言えるが、前作のインパクトが大きい為か、今作の印象が割を食い、霞んでしまう形になっているのは惜しい所か。ポップなニュアンスも含んで、聞きやすくなっているし、楽しさではこちらに軍配が上がるかも。ただ彼らも本作で活動休止なのが残念だ。

・05年発表OST。同名TVアニメリーズのサントラ第一弾。プラネテスやこの作品を手がけた後にコードギアスなどの音楽も担当する中川幸太郎による、西部劇チックなBGMがとても聴き応えのある作品。哀愁というべきか、勇ましさや感情を奮い立たせるトランペットのハイトーンが印象的だ

本作ではOPテーマ曲に和太鼓で有名な鬼太鼓座も参加したり、ED曲にはビーナス・ペーター沖野俊太郎が歌っていたりもしていて、西部劇的な楽曲に限らず、遠い荒野の惑星で繰り広げられる物語をバラエティ豊かに色添えている。ストリングスとホーンの音に独特の雰囲気を感じる一枚だろう。

・06年発表OST。同名TVアニメリーズのサントラ第二弾。こちらの方は、ストリングスに比重を置いた、シリアスかつ荘厳な響きの重厚な楽曲が多い。主に後半の展開に合わせた内容となっているが、所々に挟まれるアメリカ南部を思わせるディキシーランド調のコミカルなものも収録されている。

とはいえ、後半の激化するバトルやそういった緊迫感のある展開に沿った楽曲ばかりなので聞いた感触としては重々しさや深刻さが伝わってくる為、あまり繰り返して聞けないか。簡単に言えば、エンニオ・モリコーニ調をさらにドラマティックにしている感じだろう。ドラマの最高潮を盛り上げる壮大な一枚。


f:id:terry-rice:20170406013954j:image:w150

ガン×ソードO.S.T.Extra Edition

・07年非売品OST。同名アニメ作品のDVD全巻購入特典で貰えたサントラアウトテイク集。公式発売された二枚のサントラから漏れた楽曲と最終話エンディングに流れたOPテーマの別バージョンが収録されている。収録時間は30分足らずなので、特典として送られるのも納得はする。

楽曲の方は二枚のサントラに収録されている楽曲のバリエーションが主。アレンジの違いでだいぶ雰囲気が違ってたりといった差異を楽しむことができる。曲調としてはシリアスなものや穏やかなものが多く、あまり派手さがないのと既存曲の変奏であることからサントラ収録からあぶれたのも頷けるか。

とはいえ、一番の目玉はシリーズEDで流れたOPのロングバージョン。鬼太鼓座の和太鼓による間奏が長く、物語の幕引きをうまく盛り立てている楽曲だろう。あと第1話のファーストシーンで流れてくる音楽もここに収録されている。今となっては入手困難だろうがファンなら粘って探す価値のある一枚かと

なお画像からも分かるように、このサントラはCDのジュエルケースではなく、DVDトールケースなので、探す時は要注意。DVD全13巻の背表紙+このサントラ背表紙で一綴りの絵が完成するので、そういったコレクター面からも集めておきたい。

ZAZEN BOYSIII

ZAZEN BOYSIII

・06年発表3rd。17年現在、彼らのディスコグラフの中で最もハードで重量感のある一作。ドラムの松下敦が加入して初のアルバムとなるが、その松下の重いビートを生かした内容となっている。同時に本作からKeyを導入しており、これが後の作品に大きく貢献する。そういう点では過渡期な趣も。

音の殺伐さとポストパンク感では本作が臨界点ギリギリの緊張感を出しており、曲によってはかなりアヴァンギャルドに突き抜けたものもあって、向井秀徳の読経的歌詞に乗せて、グルーヴを作り出そうとしているためにメロディらしいメロディがそこまでないというか非常にミニマルなバンドサウンドだ

工業製品のようなメタリックな質感が全編に渡って、彩られており、聞こえてくる印象は非常にヘヴィーなのがこの盤の特徴だ。なのでかなり重苦しさを伴い、繰り返して聞く頻度は少ない。全体的に質量が重いがサウンド的にはここまでが第一期。次作からは本作を起点に洗練の一途を辿る。密度は濃い一枚。

Reproduction

Reproduction

79年発表1st。後にエレポップグループとして大ブレイクするNWバンドの初作。が、彼らの一般的なイメージであるところの華やかさや煌びやかさはこの盤にはまったくといっていいほど皆無。どちらかというと初期のウルトラヴォックスなどと同様、電子音系のクラウトロックに影響された音が聞こえる

無機質なシンセのビートとメロディがダークに鳴り響く一方で、ヴォーカルラインはR&Bなどの影響を感じるソウルフルな歌唱だったりする。そこの妙味が大ブレイクに繋がる要素であるが、本作ではまだ手探りな感触が拭えず、彼ら自身も自分たちの方向性をつかみかねている印象を受ける。

一方でクラウトロック、ひいてはプログレのような組曲形式の曲もあり、そこら辺のバランス感覚がかなり独特ではある。エレクトロミュージック(テクノ)とダンスミュージックファンク)の関係性を考える上で、この未分化なサウンドは歴史的にも重要だろうと思う。この盤で二つの要素が邂逅している。

全てシンセサイザーの演奏による、シーケンサーやループするビート、ミニマルで硬質なメロディがポップに響くのは、おそらく彼らが楽器を弾けず、演奏手段としてシンセサイザー選択したことが大きく起因してるものと思われる。シンセの未知なる可能性を模索し、切り開いたのだと。

そこから掴み取ったアプローチがポップミュージックだったし、それが彼らのやりたい事だったように思う。この盤でもクラウトロック調の前衛的なものよりかはシーケンサーを最大限利用した、エレクトロファンク調のものの方がより魅力的に思えた。後の姿に比べるとかなり趣は違えど、可能性に満ちた一枚

Travelogue

Travelogue

80年発表2nd。前作のアート性と商業性が混在していた内容から、ポップミュージックのフォーマットへと一歩踏み出した作品。商業性をある程度意識したものとなっているが、それはあくまで前作との比較して、ということなのでまだまだキャッチーさには欠ける内容ではあるが音楽性は高い。

今作も全編に渡ってシンセサイザーのみの演奏で、この未来の楽器に対する彼らの試行錯誤が見え隠れはしているものの、ポップミュージックの方法論に則って、楽曲が構成されたことで、硬質で無機質かつダークに響く電子音からは前衛性が払拭され、バラエティに富んだメロディが聞こえてくる。

当然ながら、シンセの音にはまだ華やかさや色鮮やかさは感じられないが、英国独特のウェットな感触のメロディが工業製品のような機械音で奏でられることによって、先のインダストリアルにも通じるダークで耽美的なポップが展開されているのが興味深いし、その先駆者的な音が今聞くと面白くある。

後のエレポップ、あるいはテクノポップテクノの通る道をこのグループが一度通過していると思うと、歴史的でもあると思う。また前作もそうだが03年のリマスター盤にはボーナストラックが収録されており、本盤収録のものにはグループの分水嶺となった曲が収録されている。

それが16曲目の「I Don't Depend On You」だ。本作も前作も音楽性は高いが、売れ行きは芳しくなく、もっと商業的な音楽を出せ、とレコード会社から彼らが命令された結果、The Men名義で送り出された代物なのだが、これが災い転じて福となすを地で行く、起死回生となった

この曲はメンバーがシンセサイザーで作ったメロディを、あとでレコード会社セッションミュージシャンを使い、生音のベースとドラムを重ねたものとなっており、当時のグループの信条に反した一曲なのだが、これが後に大ブレイクするグループの雛形となるから面白い。

生音のボトムラインが加わることで肉感的なグルーヴが生まれ、無機質だったサウンドに有機的な躍動感が出て、熱気を帯びた。メロディはシンセ電子音で、ビートが人間的な演奏というブレンド加減の絶妙さがとてもキャッチーな発明だった事が彼らの方向性を決定付けたのだ。

瓢箪から出た駒のような偶発的なものだったのだろうがこの鉱脈を推進する事となり、よりグループは商業的なポップミュージックへと傾倒していく。一方でシンセの可能性を突き詰めようとしたメンバーは脱退し、HEAVEN17を結成する事となる。NWという潮流を考える点では前作と合わせ重要な一作

Joshua Tree

Joshua Tree

・87年発表5th。彼らの代表作の一つ。プロデュース陣にブライアン・イーノダニエル・ラノワを迎えての第二作目。ここまでのキャリアの集大成ともなった作品でもあり、世界的なブレイクを達成した作品でもある。内容はアメリカン・ルーツ・ミュージックからの影響が色濃いが明朗さは皆無だ。

彼らの出身地であるアイルランドのシリアスかつ厳格な趣とアルバムのアートワークスに押し出されているモノトーンの色調がアルバムの荒涼さと寂寥な印象を与えており、そういったバンド特有の透明感と、本作のサウンドが合わさることで独特なサウンドスケープが表出している。宗教巡礼にも似た雰囲気。

彼らの持ち味の一つでもある、欧米社会に警鐘を鳴らすメッセージ性の高さも相俟って、ポストモダン的な張り詰めた緊張感が支配している為、なかなか気軽に聞ける作品ではないが、前述した趣がシンプルな魅力となってポップに響いた序盤3曲が彼らの代名詞になっているのも興味深い。格調高い名盤だろう

Dare: Deluxe Edition

Dare: Deluxe Edition

81年発表3rd。大ブレイク作。前作からメンバーが二人抜け、女性Voが二人加入。前作の硬質さは残っているものの、前作で聞かれたNWやニューロマンティックらしい耽美な雰囲気を帯びたエレクトロポップスがさらに洗練された内容となった。またリズム面が非常に多彩になったのが最大の変化か。

80年に発表されたLM-1 Drum Machine(初代リンドラム)を活用し、生音の感触を残しながら、より人工感の強いポップソングを作り出していることに成功している。これによって前作までのシンセのダークな色合いの強いメロディ主体だった楽曲がよりビートポップらしくなった。

元々、ソウルフルな歌唱がグループの構成要素としてあった事と女性Voが加入したことによるボーカルの厚みも出たことも、キャッチーさも強化された一因だろう。当時の発言として、中心人物のフィル・オーキーが「エレクトリックABBA」を目指したとも言っていて、その意図も理解できる内容だろう。

アルバム構成的には全米でも大ヒットした10の「愛の残り火」をラストナンバーに持ってくることを意識した物となっていて、この曲の別格さがよく出ている。シンセのホワイトノイズとアナログだがデジタルなビートの半生な感触が蛍光灯のような明るさを放つ。時代を象徴する名盤の一つだ。なお12年に発売したデラックスエディションにて鑑賞。ボーナストラックも充実しており、ファンには嬉しい作りとなっている。

ファシネーション+4

ファシネーション+4

83年発表EP。Dareのデラックス・エディションのボーナスディスクとして付属しているもので後に単独に発売もされている。ここで注意したいのはこのリイシューがリリース当時の収録内容ではないということ。一部曲がリミックスで収録、なおかつ曲順が大幅に入れ替わっているので注意が必要だ。

それを踏まえてなお、この盤は全盛期の彼らを捉えた作品でもある。本作より曲によってはベースとドラムに生音を導入するようになり、よりソウルフルな質感が高まった。と同時に冷ややかな雰囲気も薄れ、体温を感じる温かみとシンセのめまぐるしい進化による音色の多彩さが強まって、華やかになった

そういう点ではこの盤収録のリミックスも含めて、充実した作品なのだが1の「Hard Times」の低音がホール&オーツの「I Can't Go for That (No Can Do)」だったり、他アーティストの楽曲を想起させるメロディラインが見受けられたりする。

もっとあからさまなのは3の「You Remind Me Of Gold」でサビが完全にクラフトワークの「The Robots」まんま。大ヒット作後でツアーなどに忙殺されていただろうとはいえ、練り込みが粗製な部分も否めない。が、楽曲として質は高いのでこれはこれで許容範囲か。

ブレイク後の勢いそのままに絶頂期の彼らの姿が窺える一枚として、EPながらかなり満足感のある一作だし、リイシューによって増補された所もあいまってアルバム一枚分のボリュームを楽しめることが出来るのがありがたいところ。80年代初頭の華やかなNWサウンドが好きなら聞いて損はない一枚だ。

Burning Bridges ~ Special Edition

Burning Bridges ~ Special Edition

83年発表1st。英国出身のエレポップデュオの初作。プロデューサーにNew Musikで知られるトニー・マンスフィールドを迎えて、制作されているだけあってその色合いが濃い。フェアライトCMIをいち早く導入したグループとしても知られており、そのクリアな音は当時の一線を画している

70年代末〜80年代初めの硬質な音に比べると、本作のシンセの音は非常に柔らかい印象を持つ。トニー・マンスフィールドの淡い色彩感覚も影響が強く、水がパシャパシャと弾けるような瑞々しさがあるのが最大の特徴で、そういった雰囲気が英国ならではの湿り気を帯びたメロディと重なっている。

生音というか、ベースやギター、ドラムなどの人力演奏もフェアライトの旋律に絡んでいるのもあり、エレポップながら透明感やナチュラルな響きを演出しているのが面白く、サウンド的にはNew Musikの延長線上にある点でも非常に興味深い作品である。かといってオーバープロデュースになってない

60sポップスをエレポップに落とし込んだようなエヴァーグリーンな響きを作り出しているのは他ならぬグループの二人であり、トニー・マンスフィールドプロデューサーとして自分の個性を彼らに寄り添わせているし、波長が合ったという事なのだろう。意外とNY的な洒脱感も匂わす、80sの良盤だ。

Sellotape

Sellotape

12年発表2nd。スコットランドネオアコバンド。シューゲイザーっぽさとドリーミーな感覚に拍車がかかって、周りが白い光に包まれて、足元が見えなくなってしまうほどの眩さにキラキラとしたメロディが強烈に響いてくる。ドラッギーではないが、非常に白昼夢な印象の強い疾走感があふれる。

ストロボライトが絶えず点滅して、視界を遮り、ホワイトアウトしていくサウンドの鮮烈さやドリーミーなメロディが突き抜けていて、そのイメージの奔流に押し流れてしまいそうになってしまう。そうやって焼きついた残像が煌びやかな光の中に溶け込んでいくさまが美しくもある。個性を一段と強めた一枚。

Welcome

Welcome

・01年発表3rd。現在はエリック・クラプトンのツアーサポートメンバーも務めるブルースシンガー&ギタリストの第三作。コテコテのブルースというよりは、かなりロッキッシュな肌触りのブルースであり、砂埃が煙りそうなドライヴ感溢れるプレイが魅力的。またジミヘンさながらのサウスポーでもある

ミディアム〜スローナンバーでも甘くならない、武骨かつ辛口な演奏もなかなか味わい深く、スワンプロックさながらの泥臭さと現代っぽさも兼ね備える、ギターフレーズの芳醇な響きが冴え渡る。モダンブルースとしても、ブルースロックとして聞いても十二分に楽しめる良作。骨太なギターを味わえます。

Speak & Spell

Speak & Spell

81年発表1st。後にYazooやイレイザーなどのユニットで活動することになるグループの中核、ヴィンス・ニールが主導して製作された初作にして唯一作。それゆえに以降の作品と本作とは趣が異なる。ここではグループの代表曲でもあるヒットソング11を含むエレポップが聞ける。

やはり80年代に入るとシンセサイザーで奏でられる音数が増えてその分だけ、多彩なサウンドになっているのが特徴で、本作もその恩恵を受けている作品といえるだろう。シンセサイザーだけで演奏が構成できる時代に突入した事が伺える近未来的なサウンドがやはり楽しいか。

とはいえ、ポップなサウンドではあるが同時期に存在していた他のエレポップユニットに比べても、彼らはやたらと筋肉質でマッシヴな印象を感じるか。他のグループが耽美的な趣を持つ一方で、硬質でしなやかなバネを持った音といえばいいだろうか。低音がずっしりと響く感じがそういうイメージを強める。

メロディもブラックミュージック起因のものというより、クラシック賛美歌と言った厳格さや重厚さがまず先に立って、よりマナーというか形式に従ったものに沿って、奏でられている。神聖なもの、と言うと流石に言い過ぎだと思うが宗教的な響きが感じられた。もちろんソウル的なフレーバーもある。

本作はヴィンス・ニールの一人舞台であり、彼の個性が前面に出ているものばかりだが、ヒットした曲にはやはりポップソングマナーともいうべきR&B調が混ざっているのが興味深いか。既に完成された音がゆえに、彼は一作のみで脱退、残されたメンバーは活動を続ける事となる。迷いなく傑作の一枚だろう

A Broken Frame

A Broken Frame

82年発表2nd。今なお続く現体制での実質的な1stアルバム。前作のポップな趣とは打って変わって、陰影のコントラストが際立ち、絵画のような奥行きとニュアンスが前面に出た作品となった。商業的な華やかさより、芸術的な誠実さによって、一気に音楽性を高めてきた。

中心人物だったヴィンス・ニールの脱退を経て、マーティン・ゴアがサウンドの中核となった事がこの大きな変化をもたらしているが、前作では感じられなかったセンシティヴな繊細さと情感豊かな緊張感が影の濃さを伴い、厳格に響くのが一線を画す。他のエレポップ勢と比べても芸術性の高さを感じる。

ポップなテクスチャーから剥き出しになったアーティスティックな一面がグループの作風として認知されることによって、以後30数年に渡る息の長い活動を支える原動力になっているのは間違いないだろう。意外に、低音とリズムの響きに拘りのある作品。エレクトロの音楽性を一段階上に持ち上げた重要作だ

Lifetime: The Collection

Lifetime: The Collection

・92年発売編集盤。ロック界にも影響を与えているジャズドラマーであるトニー・ウィリアムスのアルバム、「Believe It」('75)と「Million Dollar Legs」('76)を収録した2in1。彼のパーマネントなバンド、Lifetimeの第二期編成が収録されている。

本作に収録されているアルバム二作の注目どころはなんと言っても、ギターのアラン・ホールズワースの参加だろう。渡り鳥ミュージシャンである彼が二作続けて全面参加というのはかなり珍しいといえる。しかもアメリカの音楽シーンに呼ばれての参加なのも、割と異色さが際立つ。

内容は同時多発的に世界で勃興しつつあった、ジャズロック/クロスオーバー(後にフュージョン)的なサウンドで、リーダーのトニーをはじめとした、密度の濃い演奏が繰り広げられている。時代的な音といえばそれまでだが、当時の熱気は確実に伝わってくる、鋭い切れ味には目を見張るか。

ホールズワースの活躍度から言えば、断然「Believe It」に軍配を上げる。楽曲を2曲ほど提供しているのもあって、このメンバーで作り出されるケミストリーが味わえるし、アメリカンミュージック起因のカラッとした味わいにあの独特で湿度の高い高速フレーズが混ざり合う、不思議さが妙味だ。

対して「Million Dollar Legs」の方は、「Believe It」に感じられるスペーシーな感覚が薄れ、よりファンキーな路線へとシフトしているために、ホールズワースの存在に場違いな印象を受けるのが惜しいか。実際プレイの方も、お仕事として割り切っている雰囲気を感じる。

とはいえ、ラストナンバー(本作の13)でそれまでの鬱憤を晴らすようなソロを繰り出していて、面目躍如な趣も。トニーのドラムについては、後進への影響が多大すぎて、当時は先進的だった演奏もあまり目新しさがないように感じられてしまうのは後追いの弊害だろう。一粒で二度味わうには格好の一枚。

Larks' Tongues in Aspic

Larks' Tongues in Aspic

・73年発表5th。一度目の再結成&新体制での初作。、といってもあまり間を置かずリリースしているので活動的には地続きな印象もある。心機一転、フリップ以外のメンバーが総入れ替えになった結果、ヨーロピアンで神秘主義的な雰囲気は薄れて、エスニックでパーカッシヴな音が全面に出た。

Yesから引き抜いてきた、ビル・ブルーフォードのドラムとパーカッションのジェイミー・ミューアの変拍子が強調され、西洋の音楽形式から離れて、よりフリーフォームな音楽に移行した感もあるのが当時としては斬新だったし、今聞いてもその切れ味については衰えを知らない鋭さがある。

後にポリリズムを積極的に取り入れていくことになるが、特にリズムへの追求(と即興演奏)に音楽性の活路を見出したことと前作までの叙情性がうまくブレンドされたことでバンドの可能性が大きく広がったのは言うまでもない。全編にシリアスな緊張感がメタリックに響き、宗教的でもある。

エスニックな響きも奏でるデヴィット・クロスのヴァイオリン、さらにはバンドの叙情性を一手に引き受ける、ジョン・ウェットンメランコリックな歌、どれ一つとして欠けることが許されない、クリムゾンが一つの完成形を見た作品でもある。代表作にして名盤。が、それはほんの一瞬の煌きでもあった。

スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ+1

スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ+1

・70年発表4th。後進バンドに多大な影響を残した、伝説的なソフトロックバンド。日本においてはコーネリアスが自身のレーベルトラットリアよりリイシューしたことで紹介された事でも知られている。ホーンやストリングスなどを多用した、高度なアンサンブルと複雑なコーラスワークが目を引く。

バカラックなどのオールドタイムなアメリカンポップスを下敷きに、時にさわやかに、時にドリーミーに繰り広げられているが、バンド名と同様、自由自在に複雑怪奇なメロディと演奏が織り交ぜられるのには舌を巻く。一歩間違えば、白昼夢的なサイケ/プログレサウンドなのだが、ポップスの縛りが功を奏す

ブライアン・ウィルソンが提唱した、ポケット・シンフォニーというでも言うべき音を事も無げに成立させているメンバーの手腕、そのポップネスには感嘆せざるを得ない。アルバム全体もぴんと張り詰めた緊張感の下、さっと溶ける砂糖菓子のように儚げさを感じさせる。最高傑作という呼び声も高い一枚だ。

2017-04-08

音楽鑑賞履歴(2013年6月〜8月)増補改訂版。

| 22:15

今回は音楽メーターで書いた感想のアーカイヴ記事です。

音楽メーターが2017年5月に閉鎖することに伴い、全ユーザーに投稿データが配布されておりまして。感想をまとめていなかった時期(14年以前)の感想を取りまとめています。これがけっこう面倒くさい作業でして。サルベージで来たデータから、ちまちまとアマゾンの商品ページをリンクして、不要な部分は削除して、なるたけ誤字脱字を直してます。あと若干加筆修正も。まあこれは当時のままをなるたけ残しておきたい気持ちもあるので、やり出したころの投稿であんまり感想になってない部分を書き直したりしてます。そういう感じの増補改訂版です。

今回は13年の6月から8月いっぱいまでの感想を。文字数限度があるのか、一まとめに収まりきらないので三ヶ月くらいの感想を少しずつ取りまとめていく予定です。もちろん定期の感想記事もありますのでアーカイヴの方は気長にお待ちいただければ。あと出来るだけ、記憶を頼りに既所持盤と新規購入分の区分けもしてます。「・」が付いているのが以前から持っているものになります。

以上です。量が結構多いので、長めの記事になっていますので余裕の時にゆっくりとごらんいただければと思います。自分で聞いておいてなんですが、いろんなのを聞いてます。その辺りも楽しんでいただければ。

では以下から感想です。




Sky V.1

Sky V.1

・79年発表1st。英国ジャズロックバンドCurved Airの元メンバーとクラシックギタリストのジョン・ウィリアムスが結成したクロスオーバージャズロック。収録時間が短いのが玉に瑕だけど、面白いサウンドを聞かせてくれる。単純にいえばクラシックとロックの融合なんだけど、クラシックのメロディを取ってつけたように演奏するのではなく、各メンバーの個性をしっかりと溶け込ませた上で、自作曲で表現している辺りが非常に有機的なミックスがなされていて、かなり興味深いし、しっかりとクロスオーバーしている音なのに好感を持てる。そういった個性のぶつかり合いでは今作の斬新さは非常的に魅力的だ。

"2013-06-17 20:51:08"

MBV

MBV

13年発表3rd。22年ぶりの新作。ラフなミックスに賛否が出てるけど、これは多分、聞かせたい音を前面に押し出す為の判断だと思う。音の主軸が曖昧なノイズの肉付けによって、曲として明確な像を持って、リスナーの耳に届く。象られた音塊が濃い密度の恍惚を与えるという点では、名盤と言わざるを得ないと思う。

2013-06-19 21:15:56"

13年発表未発表音源集。日本盤で。まず音が凄くいいのが一つ。まるで69年という時代を真空パックしてきたようなフレッシュな演奏に聞こえるから困る。そしてジミヘン本人が自らの音楽性を昇華する過程を知ることが出来るアルバムだと思う。素地がしっかりしているからブルースでもR&Bでも何演奏しても個性が滲み出てる。

どれもジミヘンのギターもそうだけどバックの演奏陣との化学反応が凄い。圧巻は日本盤ボーナストラックの20分のジャムセッション音源。これが全く苦もなく聞けてしまう辺り、伝説なんだろうなあと。万華鏡のように変化するギターマジックが凄い。

"2013-06-20 23:17:35""2013-06-20 23:20:14"

12年発表同名アニメキャラクターソングアルバム。スマイルプリキュアキャラソンアルバム。どれも底抜けに明るい曲ばかりだが、れいかさんの曲と5人の曲は涙腺を刺激させる。あとやよいとなおの曲の落差が凄いw燃え系の曲からの穏やか歌というのがまたなあ。全曲バラティかつ粒ぞろいなのは素晴らしいし、アルバム構成も地味ながら上手いと思った。

"2013-06-21 02:34:08"

スマイルプリキュア! ボーカルアルバム2

スマイルプリキュア! ボーカルアルバム2

12年発表同名アニメキャラクターソングアルバム。キャラソン第二弾。やはり一枚目に比べるとパワーダウンかなあ。バッドエンド組とED歌ってる方の新曲が面白かったかな。曲のバリエーションが似たり寄ったりなのが聴き疲れてしまう。キャライメージには沿ってるんだけど、それ以上がなかったのが少し残念だけど悪くはない。ファンなら損はないかと

"2013-06-21 21:56:50"

・05年発表同名アニメキャラクターソングアルバム。初めて買ったキャラソンアルバム。まあ、極上生徒会という作品にのめり込まなければ、この分野を聞かなかっただろうなあ。アルバムとしてもいい出来だと思いますよ、キャライメージを尊重した上でその魅力を上手く拡張してると思います。隠密メンバーの曲が好きです。

"2013-06-21 22:01:31"

LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック

LUPIN the Third 峰不二子という女 オリジナルサウンドトラック

12年発表OST。菊池成孔による、山下毅雄オマージュの香りも匂う(そんなに意識はしてないと思うが)ルパンサントラオルタナジャズとして黒く、60〜70年代を髣髴とさせる楽曲が並ぶ。電子音の使い方とか曲構成はテクノ的というか現代的なのが特徴かな。ああ、クラブジャズとしても十分聞けるアルバムですね。

"2013-06-21 22:05:44"

・81年発表7th。リリース当時に発売されたカセット版所有。演劇の音楽を作っていたのも影響しているのか、静かだがドラマティックな曲が並ぶAORの隠れた名作だと思います。ミッドなテンポで穏やかに流れてくるメロディの味わい深さは聞いていて、飽きが来ない作り。当時の日本盤には八神純子に提供したMagic Trickがボーナストラックとして収録。これがまた急転直下なドラマティックな楽曲で素晴らしい。が、リイシューされたCDには収録されてないのが残念だ。

"2013-06-21 22:09:20"

Adventure

Adventure

・80年発表6th。前作に比べると非常に硬質なロック色の強い作品。エレピとシンセのクールな音をAORに落とし込んでなお、ドラマティックかつポップな旋律がソリッドに響く。冷ややかな印象を受けるメロディは緊張感があるがこの盤独特な質感となっている。これもカセットで所持。ルパート・ホルムスは現在小説家として活動しているので、積極的に音楽活動をしてないのが惜しくはある。長らくリイシューがされていないので個人的には出してほしい一枚

2013-06-21 22:12:04"

パートナーズ・イン・クライム

パートナーズ・イン・クライム

・79年発表5th。一般的に彼の代表作。かなりおしゃれにポップだけど次作のようなソリッドさはなくて、かなりカリビアンというか丸みのあるソフトなサウンドが特徴の一枚。これもカセット所持。まろやかで柔らかいサウンドが全体を支配しているので、ユルめでヌルい雰囲気に浸りたい時にはいい感じに聞ける作品

"2013-06-21 22:17:34"

C-46

C-46

・06年発表1st。石野卓球TOKYO No.1 SOUL SET川辺ヒロシのスペシャルユニット。ジャケットもすばらしいんだけど、それ以上にアーバン&アダルティーなクラブサウンドを展開しているのが聞きやすい一枚。夜に沈み込んでいく儚さがあるかなと。

"2013-06-22 13:05:36"

InK PunK PhunK(初回生産限定盤)(DVD付)

InK PunK PhunK(初回生産限定盤)(DVD付)

・07年発表2nd。石野卓球川辺ヒロシのユニット第二作。前作より雑多なサウンドになっていて、ヴァラエティと聞き応えはあるんだけどその分、全体が散漫になっちゃってる印象があるかな。1枚目に比べると中毒性は薄いか。あと音圧が高め。捉えどころのない感じが面白いといえば面白いのかも。

"2013-06-22 13:09:00"

LONG SEASON

LONG SEASON

・96年発表6th。アルバム1曲35分のサウンドトリップ。プログレ的というかジャムロックというか。ダブポップというジャンルを切り開いたグループのたゆたう空間の音。ひとつの境地だが、そんな気負いもなく、人が自然や世界の響きの中で生きていることをパッケージングしてる一枚だと思う。寝る前の音楽としても最適

"2013-06-23 12:47:05"

’98.12.28男達の別れ

’98.12.28男達の別れ

99年発表ライヴ盤。事実上のラストライヴ実況盤。知ってか知らずか演奏は神懸り。あの時、あの場所で消えていった儚い空間が奏でられる音によって、何度でも甦ってくる。あの場にいなかった人(自分も)も永遠となってしまったあの声とバンドを忘れずにはいられない。そんな一枚。結構SHM-CDで聞くと生々しいかと。

"2013-06-23 13:00:07"

ラジオ・スターの悲劇

ラジオ・スターの悲劇

・80年発表1st。ニューウェイヴ黎明期の名盤の一枚。故にシンセとバンド演奏の半生な融合のバランス(サイボーグ?)感覚が返って、面白かったり。近未来かつノスタルジーを感じさせるポップソングの数々は未だに色鮮やか。遠からず近からず、そして決して届かないエヴァーグリーンを体現しているアルバム。

"2013-06-23 13:08:12"

・81年発表2nd。日本盤所持。1stに比べると、密室感の増したコンセプチュアルな作品。何もかもがヴァーチャルになったかのような現実感のなさがSFチックで全体のトーンがそんな物寂しさと切なさで満ちているペシミズム的な一枚。音自体は後のZTTレーベルに繋がっていくサンプリングとフェアライトの音が顕著。

"2013-06-23 13:14:38"

Moroccan Roll

Moroccan Roll

・77年発表2nd。これも久々聞き。2nd。いきなり中近東っぽいワールドミュージックなサウンドで始まるが相変わらずバカテク。特に6曲目以降のテンションの高い楽曲郡はこのアルバムのハイライトといえる。全体にパーシー・ジョーンズのベース無双な一枚。フィル・コリンズが好き勝手に叩きまくってるのも注目か。

"2013-06-24 20:29:00"

Unorthodox Behaviour

Unorthodox Behaviour

・76年発表1st。久々に聞いた。フィル・コリンズのサイドプロジェクトに捉えられがちな部分もあるが、パーシー・ジョーンズのフレットレスベースとジョン・グッドサールのギターを双璧とするバカテククロスオーバーというのが正しい。UKジャズロックに感じられる良くも悪くも牧歌的な田舎っぽさがあまりない作品だと思う。とはいえ、アメリカフュージョンの陽気さは皆無で陰のある音で、別の意味で黒いかな。

"2013-06-24 20:29:58"

13年発表1st。ジャパンプログレバンドのデビュー作。ギターレスのヴァイオリンメインのバンド構成。ヴァイオリンをリード楽器に持ってくる自信がそここに感じられるメロディックかつ芳醇な楽曲が息の合った勢いのある演奏でドライヴしていくのが何よりの魅力だなあ。凄く良い。早くも次回作が楽しみなバンドです。

"2013-06-24 23:11:58"

・98年発表ベスト盤。超久々にCDで聞いた。よくあるヒットソング集だけど改めて聞くとメロディメイカーっぷりが際立つなあ。1とか2とか大ヒットした3とかアメリカンミュージックへの憧れがそここに見え隠れするんだけど、根底に流れる英国のメロディラインがひょっと現れるのはご愛嬌。ソロを知るにはこの一枚で十分。

"2013-06-26 21:58:15

COMEDOWN MACHINE

COMEDOWN MACHINE

13年発表5th。日本盤で。音が大分フィジカルになってると思う。ローファイで線が細く非実存性の強かったバンドサウンドがロックバンドとしての身体を持つことでThe Strokesの本質を浮き彫りにしてる。80年代的なコンテンポラリーっぽさが残るのは現代ロックの平均値を出すとこうなるってことかな。

そういう点ではDaft Punkの「Random Access Memories」に近いのかも、手法としての「ロック」から入って、「ロックバンド」の肉体を得たThe Strokesの姿が見られる一枚。バンド史上、一番「バンドサウンド」としてまとまった音が鳴り響いているじゃないかと

"2013-06-28 21:39:53","2013-06-28 21:43:30"

Allee Des Tilleuls

Allee Des Tilleuls

・76年発表1st。フレンチ・レアグルーヴプログレジャズロック)。プログレっぽいのにディスコっぽいのが面白い。ベースのジョスカン・テュレンヌを始め、演奏のアンサンブルもかなりテクニカル。ファンクっぽさやダンスミュージックっぽさも兼ね備えているのでハイテクポップでもあるかなあ。

"2013-06-28 23:01:03"

Darwin

Darwin

・72年発表2nd。ジャコモおじさんと愉快な仲間たちの第二作。前作が160kmの豪速球だとすれば、今回は鋭い変化のシンカー、みたいな。血管がぶち切れそうなドラマティックな旋律の静と動に振り落とされそうなくらい。前作とは趣が異なるが、気合の入ったテンションの高い演奏で聞く側が疲れてしまいそうな一枚。

"2013-06-29 00:23:41"

ピンク・ムーン

ピンク・ムーン

・72年発表3rd。彼の遺作。ギター1本の弾き語りが心に染み入るので夜に聞くとよりしんみり。収録時間が28分強という短いアルバムだけど、繊細なギターにニック・ドレイクの儚い歌声をいつまでも聞いていたくなる。夜や、一人で居たい時、就寝前に流す音楽としても行ける。静かだが満ち足りた一枚。

"2013-06-29 10:51:27"

GREATEST

GREATEST

・98年発表ベスト盤。彼らの魅力を手っ取り早く聞くには最適だと思われる。強力なヒット曲ばかりなので後半に行けば行くほど、味わい深いけど派手さに欠ける曲ばかりになってしまうのは、致し方ないとはいえやはり低迷してたと言うのも大きく影響してるような。80sヒットチューンは流石に煌びやか。

"2013-07-01 20:31:42"

PRISM(紙)

PRISM(紙)

・77年発表1st。久々に聞いた。和製フュージョンの先駆。和田アキラのギターは改めて聴くとディ・メオラの背後にジェフ・ベックが見隠れしてるのね。前半がメロウ、後半がハードな楽曲が揃っていて、演奏も当時のクロスオーバーシーンに引けを取らないレベルの高いものだと思う。始まりを告げる名盤かと。

"2013-07-17 12:58:06"

Combat Rock

Combat Rock

・82年発表5th。久々聞き。実質的なラストアルバム。パンクの燃えカスと言ってもいいんだが改めて聞き返すと、再評価されてもいいと思う一枚。00〜10年代のローファイ感が82年の時点で存在してたと言うオーパーツ的楽曲が後半に行けばいくほど聞ける。ナンバガ通過した後のZAZEN BOYSな趣を感じる作品

2013-07-17 21:26:41"

More Light: Special Edition

More Light: Special Edition

13年発表11th。特濃闇鍋ロックンロールパーティ。でもダシ(デヴィッド・ホルムス)のおかげでパキっとしたキレのある味付けで統一感がある。ダーティでサイケなロックだ。ハードでルーザーなノリは2ndっぽい。敗北感に打ちひしがれてラストの曲でIt's Alrightと歌うのは諦念にも似た開き直りなのか…

ボビーにおけるロックの本質が剥き出しになってる一方で、それを映像的センスで切り取るデヴィッド・ホルムスが重なることで、くらくら眩暈がしそうな濃い密度の曲ばかりで息つく暇もないまま、ラストソングで浄化される。本作がカオスをぶち撒けているなら、次作の洗練により期待がかかるなあ

"2013-07-20 23:15:52""2013-07-20 23:23:19"

Remain in Light

Remain in Light

・80年発表1st。That's Cool Punk.いやColdまでいくほど冷たくないからだが。ブルックリンサウンドの原点みたいな知的アートパンクなんだが白人黒人のグルーヴ、演奏のヘタ/ウマをリミックスしたのが最大の特徴。つんのめった勢いの前半も好きだが、急に醒めた後半にも得難い魅力を感じるなあ。

2013-07-21 17:55:18"

99 Luftballons

99 Luftballons

・84年発表編集盤。久々に。「ロックバルーンは99」のヒットで知られるドイツのバンドだけど、他も佳曲がそろっている。80s初期のシンセとロックバンドの、まだあまり馴染んでない感じの荒削りなサウンドが良くも悪くも魅力的でそこがポップでパンキッシュでもある。それの一番の成果が前述の曲である所が疑いもない

2013-07-22 22:27:32"

Captain & Me

Captain & Me

・73年発表3rd。スタイリッシュに西部サウンド。スワンプロックと比べても音が洗練されててポップ。改めて聞くと、ベースラインとドラムが絶妙なんだなあ。ハイウェイと馬車というジャケがアルバムの音を見事に体現してる。この手のロックには珍しくシンセを導入してる辺りの先見性も目を見張るべき所なんだろうな。

2013-07-22 23:18:53"

Specials

Specials

・79年発表1st。久々に。以前はそんなでもなかったミッドテンポの曲がいやに心地よく聴けた。スカ独特の裏拍を取るギターリズム、張りの高いドラムの音、うねるベース、隠し味のオルガン、そしてホーン。歌詞なんか今の日本の社会情勢にぐっと来るんじゃないんだろうか。それ以上にスタイリッシュなのもカッコいい。

"2013-07-23 21:07:49"

More Specials

More Specials

・80年発表2nd。また久々に。1stの抜けのいいスカサウンドが一変して、倦怠感溢れるエキゾチックリゾートミュージックに。音楽性の幅が一気に広がったがうろんなゴーストミュージックになっていることからもUK、あるいはパンク/NW世代の「Hotel Carifolnia」を標榜した重要な1枚だと思う。

流行に流される人々とその渦の中心にいるバンドメンバーの苦悩と言うか諦めと言うか。自分たちが切り開いた新しい価値観が「ステレオタイプ」、「スタイル」と化してしまう恐怖感とか、そういった流れへの絶望みたいのが感じられる生暖かい木枯らしが吹き荒んでいる作品だなあと。事実、最終作となる。

"2013-07-24 10:57:16""2013-07-24 11:00:46"

In the Studio

In the Studio

・84年発表3rd? The Specialsの中心人物、ジェリー・ダマーズのソロプロジェクト的アルバム。なのでThe Specialsの三枚目でもありジェリーのソロアルバムとも言える。音は前作で開花した音楽性の発展系。密室感のあるミクスチャーと言うかミューザク(BGM)感はより強くなっている。

サードワールドミュージック的でもあり、政治的内容の含んだ曲もあるが、全体的に音の選別がクラブDJというか。作ったミックステープをすべて自らの手で演奏してる感覚。チル・アウトした楽曲が並ぶのも、なにかポストロック的。84年作だが、メロディ、リズムともにロックに頼ってないロック。

"2013-07-24 14:27:13""2013-07-24 14:33:51"

放射能(ラジオ-アクティヴィティ)

放射能(ラジオ-アクティヴィティ)

75年発表4th。輸入盤で。後の「Computer World」に繋がるポップな感覚が結構オーガニック。数年後にはデジタルに成り変わる彼らのサウンドもこの時点ではアナログ的な感触を残しているのが興味深い。歌詞の内容以上にアナログテクノとして、収録の楽曲は歴史的に意義深くもあるんじゃないだろうか。

"2013-07-24 21:28:39"

Trans-Europe Express

Trans-Europe Express

77年発表5th。ヨーロッパ特急をコンセプトにした1枚で、前作の朴訥なポップさと比べても統一感のあるものになった。クラシカルな荘厳さとブリリアントシンセサウンドでポップなのとインダストリアルな曲が立ち並ぶ。いつ聞いても組曲形式の後半は列車に揺られながら見る、殺風景な景色を思い浮かべる。

"2013-07-24 23:55:05"

コンピューター・ワールド

コンピューター・ワールド

81年発表7th。テープ所有だけど輸入盤CDで。前作「人間解体」で見せた構成主義的ネオンライトポップサウンドがさらに洗練化。先駆者たるシンセ演奏技術に唸る。ハイライトはもちろん5の「Computer Love」。81年の時点でデジタルアイドルを歌う先見性と共にそのロマンティックな旋律に酔いしれる

"2013-07-25 01:23:17"

Songs of the Siren

Songs of the Siren

・00年発表2nd。オオエシンのソロプロジェクト。00年作というのもあって、時代の空気を吸ったビッグビート、あるいはブレイクビーツなのだが、本人が全面的に演奏しているおかげか、一線を画した楽曲が揃っている。情報密度の濃いエレクトロ、いやEDMで片付けられない音世界がある。改めて聞くと後半の曲も素晴らしい

面白いのは、ここまでビッグビートなのにも関わらず、バンジョーなどを多用してアメリカンな砂埃っぽさを押し出している辺り。太陽の下で爆走しながらEDMやってるみたいな、非常に開放感溢れるワイルドなサウンドスケープになっていて、無国籍かつカラフルにアルバムを彩っていて凄いなあと。

"2013-07-25 22:11:31""2013-07-25 22:15:43"

Minute By Minute

Minute By Minute

・78年作8th。元々、泥臭いロックをスタイリッシュに聞かせていたバンドがギターから鍵盤をメインにすることでより洗練化、AORの色合いが強くなった一枚。大ヒットの2もそうだが全体にメロウかつ芯の入った男臭い曲が並ぶ。M・マクドナルドの歌声とフェンダーローズが従来の音に新味を与えてるかと。

"2013-07-26 10:14:14"

Grand Funk

Grand Funk

・69年発表2nd。ヴァン・ヘイレン以前のアメリカハードロックの雄。もう全てが豪快。ギター、ベース、音でかい。ドラムは機関銃の如く乱れ打ち。しかし物凄くファンキーである。粘っこくブルージー、豪快かつ明朗なロック。どの曲もノリがよく、ライヴ向きに盛り上がる曲満載の後のガレージにも繋がる能天気な一枚

"2013-07-26 11:36:40"

71年録音盤。チック・コリアの「Return To Forever」に参加してる管楽器奏者のリーダー作。C・コリア、A・モレイラなどがゲストしてるので裏RTFといっても過言ではない。リリカル。本家RTFでも聞かせた軽やかなサックスフルートのの調べは儚くもリリカル。クリスタルな響きが素晴らしい

"2013-07-27 20:49:54"

The Original Soundtrack

The Original Soundtrack

・75年発表3rd。UK随一の捻くれポップロックバンドの代表作。XTCに見られるポップ偏執症候群に対して、当時のUKロックへの批評的毒舌実験精神がかなり屈折してるなあと。ここまで変幻自在なのもクレバーな音楽性故なんだろう。どの曲も丹念にメロディが重層的に織り込まれていて、かつポップに響いている名盤。

"2013-07-28 00:23:13"

Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon

Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon

86年発表8th。圧倒的な白。それも無垢な白じゃなくて、白基調のモノトーンというか黒さを包み込む、卑猥な白である。隙間の多い空間的デザインのサウンドメイキングはバブル期の日本の音楽シーンでもかなり参照されている気がするなあ。米米CLUBとか岡村靖幸辺りの音の切り取り方の根源はこれかと。

"2013-07-28 11:18:09"

Live at Leeds

Live at Leeds

・70年発表ライヴ盤。スタジオとライヴでは極端にバンドの様相が異なるバンドの先駆である彼らの魅力が一番判り易く捉えた一枚だと思う。アルバムだとキャリアを重ねる度にヤンチャを知性で包み込んじゃう嫌いがあるが、ここでは完璧にヤンチャ剥き出し。英国特有の重厚なメロディが暴れまわっている傑作

2013-07-28 22:49:06"

Live

Live

・75年発表ライヴ盤。陽気なリズムとメロディが緩やかに空間を包む中、紡ぎだされる歌は貧困と抑圧、反骨を語るレベル・ミュージック。レゲエの漂うリズムにぶらんとベース音の重みが垂れ下がる。その語り口は「ブルーズ」とほぼ同質。炎天下の突き刺す陽気こそが「レゲエ」であり、本質を伝える一枚。

"2013-07-30 21:41:13"

・73年発表の1st。次作の「黒船」が余りにも有名だが、音の魅力ではこちらに軍配が上がる。一口に言えば「エキゾチックグラムロック」。ブギーとかワルツとかサイケが混在してる一方で、曲構成がものごっついパンキッシュ。時たま先の時代を見ているような音も出てきてて、センスの良さに脱帽する

正直、音はかなり時代がかっていると思う。が、曲と音選びの荒削りなセンスの良さで「時代」を飛び越えてしまっている。「黒船」ではそのハイセンスさが洗練されるが、本作のお気楽極楽でご機嫌かつ猥雑な音楽性はない。ダイヤモンドの原石でもあり、鈍く輝く魅力が忘れられない1枚。最初の2曲は必聴,

"2013-07-31 02:02:29""2013-07-31 02:15:14"

トゥルー・カラーズ

トゥルー・カラーズ

・86年発表2nd。The 80'sなHi-Fiなサウンドメイキングだが、一度聞いてリピートし直すと大ヒット曲の4も含めて、ゴスペルソウルが下敷きになってるんだなと感じる。6、7のカバー曲なんかもそういう影響だと考えると納得。この二つ、アレンジ自体はとても時代的だけど歌は本物。

"2013-07-31 22:07:58"

・77年発表1st。親が残してた録音テープで。サディスティックミカバンドの加藤和彦とミカがいないバンドだからサディスティックス。ノリは大滝詠一の「Let's Ondo Again」に代表されるノベルティ路線を物凄くハイセンスかつスタイリッシュにやった一枚。カッコいいのになにか可笑しみが。

演奏はこの前年にセイシェルズでフュージョンの波に乗った高中正義にYMO前夜の高橋幸宏後藤次利に今井裕なもんだから、物凄くタイトな演奏。脂の乗った演奏で素晴らしいが、本人たちはあまり気に入ってないらしく、そこら辺がやけっぱちなテキトーさが洒脱したジョークになってる感はあるなあ。

"2013-08-01 22:04:09""2013-08-01 22:09:25"

TAKANAKA

TAKANAKA

・77年発表2nd。ソロ第2作。これも録音テープ。処女作のトロピカルなニュアンスをよりソリッドにした切れ味のいい作品になっている。有名曲2のアレンジ度合いも素晴らしいが、サーフロックのように明朗でいて非常にポップ。ギターソロというよりはメロディラインを弾くギタープレイが歌心あふれる代表作の一つかと

"2013-08-02 22:44:53

KOMEGUNY

KOMEGUNY

87年発表3rd。タイトルはアメリカで録音が行われたので米国=コメグニというネーミング。ジャケのキース・へリング調も印象に深いが内容も充実してる。ファンクが下敷きになっているが同時にエレポップも咀嚼されていて、聞き応えのある一枚。大ヒットの3もあるが捨て曲はなしでどれも楽しめる

"2013-08-04 15:22:13"

シャリ・シャリズム(完全生産限定盤)(DVD付)

シャリ・シャリズム(完全生産限定盤)(DVD付)

85年発表1st。ファンクを咀嚼した音楽的下地にエレポップなシンセが乗っかって、歌舞伎めいたジャポニズムが入り混じったバブリーなポップス。所々、和風なメロディが見え隠れしてるのも面白い。全体としてもバランスのいい、完成度の高いアルバムだと思う。リマスター&リイシュー希望(※後に再発された)

"2013-08-04 23:16:46"

2

2

・72年発表2nd。アメリカプログレハードの古参ながら、いまいち地味なスティクスプログレハードというにはそれぞれの要素がゴロっと置かれてるだけの非常にラフな音楽性だがハードドライヴィンな1やバンドの代表曲の一つである2とかは結構好き。そのサウンドの垢抜けなさは当時を捉えている

"2013-08-05 22:17:45"

Perfect Angel

Perfect Angel

・74年発表2nd。ソウルクラシックと化した大ヒット8を始め、粒ぞろいの楽曲が揃っている。その一翼には偽名で参加しているS・ワンダーの貢献が非常に大きいが、彼女の5オクターブとも5オクターブ半とも言われる歌声により陰に隠れてしまう。ここまでハイトーンを淀みなく出せる歌手も皆無だろう

2013-08-07 11:10:10"

90年録音盤。ピアノサーカスによる、ミニマルミュージックの巨匠二人の楽曲演奏。ライヒの楽曲は構築的な演奏アプローチでピアノの音にピアノの音が重なっていく。ライリーの方はライヒより空間的に余裕のある自由度の高い楽曲。ミニマルというジャンルの奥深さを一枚で聞ける入門に最適な作品。

"2013-08-07 12:29:01"

ティック&タック(紙ジャケット仕様)

ティック&タック(紙ジャケット仕様)

・80年発表8th。デメトリオ・ストラトスという強力なフロントマンがこの世を去った後のアルバムだが、元々バカテク軍団だったのでデメトリオのあの歌声がない分、RTFやウェザーリポートにも繋がるスタイリッシュなジャズロックとして聴ける。いかにもなイタリア風の珍妙なメロディも健在。

"2013-08-09 21:59:45"

In the City

In the City

・77年発表1st。ビートルズ×ザ・フー×パンク÷R&Bなネオモッズ的一枚。トリオでキレのいい演奏を聞かせてくれる。荒々しくもスタイリッシュに決めているのが後のサウンドの進化へと発展していくんだろうけど、ここでは若さと勢いに任せたエネルギッシュ溢れる演奏が最大の特色になっている。

"2013-08-11 13:05:36"

Octave

Octave

92年発表8th。大ヒット曲「君がいるだけで」収録作だが、それ以上にメンバーの結婚を祝ったコンセプトアルバムでもある。その結果としてファンキーとポップスのバランスを上手くとった聞きやすいアルバムだろうと思う。バブリーでゴージャスな白さも相俟って、クオリティの高い一枚。彼らの入門盤

"2013-08-11 20:36:46"

Key+Lia Best 2001-2010(キープラスリアベスト2001-2010)

Key+Lia Best 2001-2010(キープラスリアベスト2001-2010)

・11年発表ベスト盤。麻枝准作曲のLia歌唱曲を集めたベスト盤(なお鳥の詩は作詞は麻枝だが作曲は折戸伸治)。透明感あるLiaの歌声以上に麻枝准の作曲が非常に独特ではあるか。吟遊詩人的というか、歌詞と楽曲がワンセットだからこそ展開される表現みたいなのがあってそこが面白い。慣れると癖になる感じがある一枚。

"2013-08-11 23:00:18"

君はTOO SHY (期間限定盤)

君はTOO SHY (期間限定盤)

・83年発表1st。デビュー盤。デュランデュランの弟分として持て囃された感のあるグループだが、シンセ比率はこっちの方が高めか。リンドラムのリズムとスラップベースの金属音に煌びやかなシンセ音が重なり、先達よりキッチュさが増した佳曲揃いの一枚。聞いていて、楽しいしくたびれないのがまた魅力。

"2013-08-12 23:30:47"

Spring Session M

Spring Session M

・82年発表1st。デイル&テリー・ボジオ夫妻、パトリック・オハーンにウォーレン・ククルロといったザッパ・ファミリーが82年に繰り出したニューウェーヴロックバンド。ネオンサウンドというか暗闇にパカっとカラフルなサウンドが聞ける。音の雰囲気は後のネオサイケの一派にも近いのかもしれないけどこれはポップ。

"2013-08-15 21:51:27"

・76年発表5th。彼らの代表作。全体の印象としては、非常に日本の歌謡曲っぽい。故に馴染みやすかったのだろうが、皮肉な歌詞とは裏腹にエレピやストリングス、コーラスを多用した柔らかで優しいメロディは当時のウェストコーストサウンドの完成形ともいえそう。ロック色もあるが歌謡曲ぽさが耳に残る一枚

"2013-08-16 22:07:21"

Too-Rye-Ay

Too-Rye-Ay

・82年発表2nd。ケルティックソウルパンクとでも言うべきか。とにかくソウルフルで弾ける上にものすごく軽快で明朗なレベルミュージックという趣がする。どこまでいってもケヴィン・ローランドの個性がポップなまでに爆発してて、熱き血潮に満ちた歌唱はやはり同時代の時流と呼応しているなと。

"2013-08-17 23:03:50"

ロード・ゲームス

ロード・ゲームス

・83年発表3rd。流浪のギタリスト、三枚目のリーダー作。収録時間僅か25分足らずのミニアルバム的一枚だが、中身は特農。トリオ編成ながらA・ホールズワースの切れ目ない流麗なギタープレイやBsのジェフ・ベルリンのプレイも凄い。氏の音世界は幻想的なのが特徴だが、そのエッセンスを見事抽出した一枚

"2013-08-18 09:21:25"

Advantage

Advantage

・04年発表1st。ジャケットのNES(海外版ファミコン)からも分かるように、FCソフトのBGMをアレンジを加えず、そのままコピー演奏してるバンド。ローファイかつオルタナな演奏だが、人が演奏していることを想定してない事を考えると、結構凄腕なのではなかろうか。選曲センスも渋い。

"2013-08-18 13:17:20"

Elf Titled

Elf Titled

・06年発表2nd。keyの導入によって演奏の幅は広がるが相変わらずローファイな演奏に何か気概を感じる。曲チョイスもコナミカプコン系目白押しで、BGMの完成度の高さとともにアレンジすることなく難なく演奏してしまっている彼らの技量にはただ脱帽。ゲームファンにも聞き応えがあるかと。

"2013-08-18 23:30:48"

Talking Book

Talking Book

・72年発表15th。今作からキャリア黄金期の幕開け。全体にオーガニックな雰囲気の一枚。スティーヴィの手にかかるとどんな楽器でも音に彼らしさが漂うのは天才たる所以。また大ヒット6のイントロでは後のHipHopの定型的リズムパターンが聞けるのも歴史的に面白いところ。地味に良スルメ盤

"2013-08-21 22:14:56"

Songs in the Key of Life

Songs in the Key of Life

・76年発表18th。Disc1の感想。最高傑作と言われるだけあって、各曲どれも高水準。5,6,8はソウルクラシックだし、4に至ってはインスト曲でもその才気が迸っているのが良く理解できる一方で、これでもかなり上澄みを掬ってるだけなのだという底知れなさも感じられる。

Disc2感想。代表曲ともいえる1を始めとして、Disc1と比べても、音楽の質量的にへヴィな趣を見せているが、マグマのように熱気を帯びている彼の創造性を証明しているように感じられるかと。ポップというより黒人音楽の顔が見えている。全編通じてお気に入りなのは3。

"2013-08-21 23:28:07","2013-08-24 23:44:22"

Isolation

Isolation

・84年発表5th。前作の大ヒット後、メンバーが交替して新体制でのアルバム。音の差異は明らかで、湿っぽさがなくなり、よりHI-FIでソリッドな乾いた音作りになった。新VoのF・フレデリクセンの声も曲調に見合った金属的なハイトーン。犬茲螢廛譽ど囘戮高い一枚。1、3、4、6、7が好き。"2013-08-25 07:17:16"

Fahrenheit

Fahrenheit

・86年発表6th。さらにVoが交替し、映画音楽家のジョン・ウィリアムスの息子、ジョセフ・ウィリアムスに。今度はよりコンテンポラルにマイルドな音作りで、レゲエジャズに傾倒したスムースな音がメインになった。この頃の代表作5も佳曲だが、1や10でのM・デイヴィスとの共演も聴き所。

"2013-08-25 07:26:29"

宇宙の騎士

宇宙の騎士

・77年発表1st。完璧な「デビューアルバム」を一つ挙げろといわれれば、これ以外に無いだろうと思われるくらい。硬軟、緩急の利いた演奏、楽曲は全て高水準。文句の出しようがない。スタジオ・ミュージシャンで名をはせた人々だから当り前か。アルバム構成もかなり練られていて、新人らしからぬ一枚

"2013-08-28 09:23:21"

Fresh Cream

Fresh Cream

・66年発表1st。ロックバンドの概念としてトリオ編成を確立させた最初期のグループ。エリック・クラプトンギタリストとして絶頂期の幕開けを切る一枚だが、他の二人も凄腕なのでブルースジャズインタープレイを取り入れた、火花散る演奏を早くも見せている。その裏でポップな感触もある一枚。

"2013-08-28 11:01:05"

・71年発表2nd。彼らの出世作ヨーデルを取り入れた1の「悪魔の呪文」のヒットがあまりにも有名だが、テイス・ヴァン・レールのkeyやフルート、ヤン・アッカーマンのギタープレイが見せる流麗な楽曲の方がやはりメインだろう。非常にクラシカルかつジャジーな雰囲気が伴う存在感を示した一枚。

"2013-08-28 11:52:27"

Boston (Reis)

Boston (Reis)

・76年発表1st。MIT出身のトム・ショルツ率いるアメリカプログレ・ハードの雄。初期クイーンの様にギター・オーケストレーションが目立つが、重ね方は全く違っていて、コーラス的に構築されている。一方でカレッジロックぽいホームメイドな作りで人懐こい一枚。そろそろ新作周期のはずだが…(※この年に11年ぶりの新作をリリース)

"2013-08-28 22:02:38"

SILK DEGREES

SILK DEGREES

・76年発表7th。彼の代表作でAORの名盤の一つにも数えられる。久々に聞くとキャリア初期にブルースなど歌っていた下地が見えて、結構R&B的ナンバーが多い。その中で異質なのが、ヒット曲の6と代表曲でもある10なんじゃないかと。結成前のTOTOメンバーがこの作品のいい洒脱感を与えてる

"2013-08-29 00:25:05"

エラ・エクストラーニャ

エラ・エクストラーニャ

・11年発表2nd。いわゆるチルウェイヴというジャンルの代表格の一つ。ざっくりと解説すれば、シューゲイザーグランジの音楽性をエレポップでやってます的な感じか。ノイジーかつ心地よい浮遊感を持つシンセサウンドは非常にナイトミュージック向き。日本盤はボートラに1stアルバムが丸々収録。

"2013-08-30 23:57:21"

Psychic Chasms

Psychic Chasms

・09年1st。2ndと比べると、陽気にポップか。2ndの密室感もいいがこちらのカラフルな楽曲も好きだな。楽器の使用頻度はこちらの方が多いかも。シンセの音をノイズっぽく使う手法はすでに健在。太陽の穏やかな日差しを感じられる、2ndと合わせて新世代のエレポップとして評価されるべき一枚

"2013-08-31 00:04:51"

Welcome to the Real World

Welcome to the Real World

・85年発表2nd。メンバーの出自的にもTOTOのエピゴーネンっぽい感もあるバンドなのだが、瞬間最大風速的にクールな質感で時代の感覚を捉えたアルバムを送り出したのだなあという印象を持つ。そこの統一感があって結構聞きやすい。DrのP・マステロットは後に90〜00sのクリムゾンに加入。

"2013-08-31 23:47:25"

2017-04-02

音楽鑑賞履歴(2017年3月)

| 19:21

月一恒例の音楽鑑賞履歴。音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

音楽メーターが5月いっぱいをもってサービス終了、つまり閉鎖となることが決定しました。CDの記録管理に使っていたので残念とはいえ、数年前から過疎化していたので致しないのかなとは。そういう懸念もあって、このブログを使って記録を残してたわけですがその甲斐はあったのかなと思います。

というわけで、自分の感想は3月いっぱいで音楽メーターへの投稿は終了、Twitterブログで続けていく予定です。感想を残す以前のデータもサルベージできてますので整理が出来次第、公開したいと思いますのでもしよければご覧ください。

音楽メーターで書いた感想は1056枚。家にあるCDの何分の一になるかは自分でもわかりませんが、思えばたくさんレビューしてきたなあと思います。そういう事情もあいまって今月は37枚聞いてます。新規分が結構消化できたのが嬉しい所です。内容はGRAPEVINEThe Cribs特集ですね。ちょうど纏めて買えたというのもありますが。他のもいろいろ聞いていますが最後の方は音楽メーターの終了に合わせて、終わりを想起させるアルバムを意識的に聞いてたりしますのでその辺りもご覧ください。

そんなわけで今回は音楽メーターの纏め機能が使えないので、自分でCDリンクをペタペタ張ってます。地味に手間がかかってますのでその辺りの苦労も大変だったろうなあと眺めていただければ。

新生活が始まる季節です。色々と慌しい日々になるでしょうが、しっかり一歩ずつ歩んで生きたいものですね。

では、以下から感想です。


The positive gravity?案とヒント?

The positive gravity?案とヒント?

99年発表2nd。彼らの代表作とされる一枚。同時にジャパニーズヒップホップにおけるマスターピースのひとつと評されている。実際、ブックレットを開き、そのライムを眺める限り、日本語でラップすることに対し意識的に取り組んでおり、言葉に重きを置いている印象をとてもよく感じられる。

99年と言う世紀末に、来るべき新世紀に向けて、どう立ち向かうべきかの彼らの指針表明とメッセージを強く感じるとともに未来への憂いを交えながらも、前を向いて歩くことの力強さをフロウしていく様はとても真摯な姿が窺える。それだけに各曲の内容はそれぞれにぎゅっと詰まっている。

もちろん言葉の内容だけではなく、ファンキーなトラックメイキングの秀逸さや作り出されたビートに乗っかって、彼らの言葉がラップになって畳み掛けられるとこれほどにカッコよくなるのかと思うほど、切れ味は鋭い。エヴァーグリーンな魅力が詰め込まれた、骨太なカッコ良さが伝わる名盤だろう。

"2017-03-01 15:38:20",2017-03-01 15:43:32"2017-03-01 15:56:32"

ディス・イズ・スピードメーター

ディス・イズ・スピードメーター

03年発表1st。UK出身のモダンファンクバンド。ファンクならではのディープなグルーヴというよりは都会的なシャープさとキレのいい演奏で一気に熱狂の渦に引き込む感じは現代らしさがある。デジタルな音は使ってないが、クラブ映えしそうなファンクで気づけば踊りたくなりそうな雰囲気がある。

ファンクもそうだが、ラテンやサンバ辺りなど南米のリズムも取り入れており、もちろんホーンとの相性も抜群。逆にミディアムな曲がないので、ファンクとしてはさらっとした印象もあるが歯切れの良さとスピーディーさはUKバンドならではという趣も。どちらにしても聞いていて楽しくなる一枚だ。

"2017-03-02 10:26:47""2017-03-02 10:32:01"

Live Stock

Live Stock

75年発表ライヴ盤。74年11月27日のNYタウンホールでのライヴを収録したアルバム。のっけからご機嫌なテンションのギターが火を噴いており、その無邪気な演奏は留まるとこを知らない。わずか7曲という内容だが頭から尻尾までぎっしりあんこの詰まった鯛焼きの如く、充実したものとなっている

今で言うところのアメリカーナ(アメリカンルーツミュージックを総合的に扱う)音楽を奏でており、滋味溢れたサウンドとなっていて、非常に聞き応えがある。ロイの乾いたテレキャスから爪弾かれる芳醇なフレーズも素晴らしく、ギターが好きな人には堪らないものだろう。ギターを楽しむには極上の一枚。

"2017-03-02 19:15:17"75"2017-03-02 20:42:00"

アルファベティカル

アルファベティカル

04年発表2nd。前作の80sサウンドオマージュから一転して、フランス出身らしいアンニュイさとビザールな感覚が漂う、アコースティック&エレクトロニカなサウンドを押し出した。楽曲のテンポもぐっと落とし、タメツメの効いた、マットかつミニマルなメロディが繰り返される。

R&Bやファンクヒップホップ辺りのリズムループを意識的に取り入れ、それらを換骨奪胎した音を響かせている。湿り気を帯びたヌメッとした爽やかさも相俟って、物憂げなモノトーンな雰囲気はジャケットのアートワークにも象徴されているように感じられる。地味ながらもその実、攻めた作品だろう。

なおこの手の作品にしては、録音がいいのも特筆べきところだが、04年発売の日本盤は悪名高きCCCDなので録音の良さを感じたいのであれば、CCCDではない輸入盤と14年に再発された日本盤をお勧めしたい。時流にとらわれず、バンドの音楽性を深めた一枚。

"2017-03-03 18:56:45""2017-03-03 19:01:14""2017-03-03 19:04:39"

CYPRESS GIRLS <完全生産限定盤>

CYPRESS GIRLS <完全生産限定盤>

10年発表3.5th、Part1。初のセルフプロデュース&コンセプトアルバムとして二枚同時リリースされた作品。ディスコグラフ的には3.5thらしい。続けて聞く限り、各盤の方向性はそれぞれ違うコンセプトでまとめられていると感じた。一言で言うならば「研鑽」という言葉が浮かんでくる。

初期の集大成的な前作を経て、バンドの地金を鍛え上げるのに注力されているように感じる。よりギターの叩き出すリズムにNW的な質感やポストパンク的な焦燥感などバンドの原点を振り返ることで、サウンドをより研ぎ澄まし、ギアを一段階上げた。新機軸より切れ味に拘った作品だろう。

この為、各曲のサウンドはソリッドになり、強度は増した印象も受ける。スケール感だったり、ダークな雰囲気やつんのめるギターリズムなど、バンドの核を磨きなおして、新たな形を提示している。過渡期の作品ながら吐き出すべくして吐き出した意欲的な一枚。バンドは新たな一歩を踏み出した。

"2017-03-04 23:49:28"","2017-03-05 00:31:00"","2017-03-05 00:35:56"

DETECTIVE BOYS <完全生産限定盤>

DETECTIVE BOYS <完全生産限定盤>

10年発表3.5th、Part2。初のセルフプロデュース&コンセプトアルバムとして二枚同時リリースされた作品。ディスコグラフ的には3.5thらしい。続けて聞く限り、各盤の方向性はそれぞれ違うコンセプトでまとめられていると感じた。一言で言うならば「拡張」という言葉が浮かんでくる。

同時リリースのもう一方が従来のバンドの持ち味を磨き上げる事に注力されているのに対し、こちらはバンドの可能性を模索しているというべきか。サウンドの幅を広げようとしている印象を持つ。なので、内容としては実験的であると思う。コラボレーションや新機軸の曲がより目立っている。m

新しい試みの中で持ち味をどう生かすか、の模索をしている点では二枚合わせて「過渡期」を分かり易く提示している。歌詞の方面でも思春期を通過したモラトリアムさが出していて、そちらでも一段階上がったものになっているのも注目か。試行錯誤を通じて、らしさを追及した作品群だろう。

"2017-03-05 10:08:23","2017-03-05 10:12:21""2017-03-05 10:21:56"

See you, Blue

See you, Blue

15年発表3rd。80sフレーバーの強いシティポップ&AORを現代的なエレクトロで響かせる従来の路線がさらに高圧縮された一枚。透明感の利いた、リズムのキメが多いメロディで攻めていく姿は80年代のバレアリックサウンドにも肉薄しているか。享楽的なリゾートパーティの趣がある。

反面、生楽器の質感があまりないのできわめて人工的かつデジタルさが全体を支配する。電脳世界のリゾートにトリップして、ノスタルジックな切なさをも味わっている隔絶した雰囲気を体感しているような気分に陥る。瑞々しさも切なさも永久に真空パックした様な作品。肌に感じる涼しさと熱を錯覚する。

"2017-03-05 18:47:44""2017-03-05 18:56:19"

Now He Sings Now He Sobs

Now He Sings Now He Sobs

・68年録音盤。リーダー第二作にして初のトリオ編成。ミストラフ・ヴィトスとロイ・ヘインズといった当時の新進気鋭が集まって演奏された、いわゆる新主流派ジャズを展開している。感性のみに頼らない、構築的かつ理性的なプレイにインプロヴィゼーションが乗っかっていき、熱気が篭る。

けして畏まった演奏ではなく、フリージャズ的な質感を従来のモダンジャズの中に押し込めたような演奏であり、その実、トリオの白熱したインタープレイが聞こえてくる。反面、ピアノのタッチがかなり硬質なので、タッチの柔らかさや流麗さにはやや欠けるのは否めないだろう。

ただその欠点を補って余りあるほど、この録音でのメンバーの勢いには目を見張る。チック・コリアはすでにこの時点から、らしい手癖が聞こえてくるし、ベースのヴィトスもドラムのヘインズも自己主張は極めて激しく、存在感をぶつけ合いながら、演奏が駆け抜けていく。新しい潮流がうねっているのだ。

黒人ならではのブルージーな深みは期待できないが、コンテンポラリーシャープさやチック・コリアラテンやスパニッシュフレーバーとともに新世代のジャズプレーヤーがそれぞれの個性を煌かせた一枚だろう。フロンティアを切り拓く希望に溢れているのが目に浮かびそうだ。

2017-03-06 22:44:42""2017-03-06 22:51:19""2017-03-06 22:55:01""2017-03-06 23:05:43"

退屈の花

退屈の花

98年発表1st。マーヴィン・ゲイの曲名が由来のバンド。当時の音楽シーンを感じさせる、くすんだ色合いと淀んだ雰囲気の中で、歌われるブルージーな感触のロックというのは隆盛しつつあったオルタナ勢とも角度の違う印象を受ける。派手さがない分、どっしりとした安定感のある演奏が響く。

いわゆるジャパニーズロックといわれる一勢が洋楽からの影響を押し出していたのに対して、明確に邦楽ロックの定型に則った音であり、その辺りにJ-POPらしさを嗅ぎ取れる。そういう垢抜けなさの一方で、商売っ気のない枯れた味わいの音にらしさがあるように思う。地に足についた佳作という所か。

"2017-03-08 20:47:32","2017-03-08 20:57:14"

Lifetime

Lifetime

99年発表2nd。前作から音が骨太になって、飛躍した感のあるアルバム。ブルージーな質感を基調に、轟音ギターが鳴り響くスタイルは翻ってUKロック的な趣も感じさせられる。恐らくはメロディの湿度が似ているためだろうか、鈍い光を放つ鉄刀のような切れ味。派手さとは無縁の世界が広がる。

GRAPEVINE,Lifetime,,聴いた,ソウルブルースなどの黒人音楽の影響を轟音ギターロックに転化させるというのは日本のバンドとしては異色のように感じる。ポップさに背を向けたことで一本芯が通った音になった一枚かと。余談だが4のメロディの一部がツェッペリンの「天国の階段」のクライマックス辺りのメロディに似てるのはご愛嬌

"2017-03-08 22:32:28","2017-03-08 22:38:58"

Here

Here

00年発表3rd。今までの肌触りからギスギス感が薄まり、音もカドが取れて、まろやかになった印象を受ける一方で音の厚みと壮大さがスケールアップした一枚か。過去の二作に比べても、クセがなくなって聞きやすくなった。もちろん個性が失われたわけではなく、しっかりと旨味が出ている。

GRAPEVINE,Here,聴いた,ギターロックの方向性を保ちつつ、よりグルーヴィーに、よりブルージーに間口が広がって、原石から宝石が精製されるように、バンドの個性が結実した音が響き渡っている。アルバムタイトルの「Here」が象徴するように「ここにいる」事を高らかに宣言し、存在感を示した会心の作品ではないかと。

2017-03-09 23:06:05""2017-03-09 23:11:43",


DEAR FUTURE

DEAR FUTURE

・11年発表1stSG。4年ぶりの音源にしてバンド初のシングルリリース、なおかつアニメ輪るピングドラム」前期ED曲。シングルながらカバーやRemixなどが入って、全7曲。参加アーティストが、アーバンダンスの成田忍、渋谷慶一郎Agraph(a.k.a 牛尾憲輔)などで豪華布陣。

オリジナルはCOTDのシューゲイザー要素を抜き出して、きわめてポップにした一曲。海外アーティストも参加しており、どちらもネオシューゲイザーバンド。リンゴ・デススターなどは耳聡い音楽ファンなら名前を聞いたことがあるかもしれない。成田忍のカバーはサイバーエレポップな肌触りの好演。

聴いた,渋谷慶一郎とWatchmanの各Remixはオリジナル版と異なり、同作品のキャストである堀江由衣をボーカルに迎えたもの。渋谷慶一郎の方がよりRemixの利いたカオスな仕上がり。後者はよりVoを映えさせるバージョンで本編でも使用されている。牛尾憲輔のRemixも聞き応えがある。

とこのように全7曲、それぞれ趣の違うものに仕上がっているので、同じ曲を聴いているという印象は薄く、ミニアルバムに近い構成になっている。一粒で何度も美味しい作品だ。

"2017-03-11 18:23:26""2017-03-11 18:28:19""2017-03-11 18:32:25","2017-03-11 18:36:20"

Pat Metheny Group

Pat Metheny Group

・78年録音盤。邦題「想い出のサン・ロレンツォ」としても知られる、パット・メセニー・グループの初作。ジャズといえば、黒人のブルージーなフィーリングやファンキーな黒っぽさがまずイメージされるが、そういったイメージとはまったく逆のジャズギターを指向しているのがパット・メセニーだと思う

奏でられるギターのフレーズはとても透明感がありなおかつ爽やかで何者にも染まらない、真っ白な印象を持つのが特徴。

スケールや奏法はまさしくジャズのそれで技巧的なのにとてもフラットに聞こえる。ともすれば、カントリーやフォークなどを内包したコンテンポラリーな趣と言えるか。,そういう点ではジャズに限らず、アメリカンミュージックを包括した「フュージョン」であるのがメセニーの長所なのだが、一般的に言われるフュージョンとは少し角度が違っていたりする。ファンキーフィジカルさよりも構築的な知性が光る辺りなどは、AORなどのライトメロウにも近い。

そういう所以もあるからか、サウンド自体も開放感と天にたゆたうような大らかさに心地よさやリリカルで知的な雰囲気が漂っているのも頷ける。もちろん演奏も淡いものかと思われがちだが、本作は演奏も非常にキレがいい。外れ曲はないがハイライトナンバー6は勢いに任せた超絶技巧が聞け、油断ならない

色々な物が混ざっているから、味が淡白かと思われがちだがしっかりと、ジャズの味が立っていて、4〜50年代のジャズとは全く違うジャズフュージョン)が鳴り響いている。印象は爽やかながらも、鮮烈なまでにジャズのまだ見ぬ地平を切り開いている傑作だろうかと。存外、熱の込められた力強い一枚。

"2017-03-11 23:08:39","2017-03-11 23:13:33""2017-03-11 23:16:36""2017-03-11 23:24:20""2017-03-11 23:28:54"

Still Life (Talking)

Still Life (Talking)

・87年録音盤。88年のグラミー賞「ベスト・ジャズフュージョン・パフォーマンス」部門受賞作。ブラジル音楽の影響が色濃い作品。初期作に比べると、音色・リズムともに多彩な印象を受ける。この辺り、北米だけに限らず、アメリカ大陸全体を取り込んだ、広範な音楽を纏め上げているのが興味深い。

エレキ,アコギ、さらにギターシンセブラジル系のVoを3人駆使して、ブラジル音楽のエッセンスを落とし込み、メセニーならではの雄大さを絡む事でワールドミュージックとしての汎アメリカ大陸サウンドを提示する高い音楽性は類を見ないかと。そのコンテンポラリーさには好みが分かれるところだが。

熱帯雨林の中でそよぐ涼しい風のような爽やかさと瑞々しさが包み込む印象の中にジャズのパターンを組み込ませて、響かせるそのミックス感覚は今聞いても新鮮だろう。意外とリズム面もブラジル音楽の倍音リズムが組み込まれていて、テクノ的なアプローチにも聞こえる。

とあるディスクガイドにはドラムンベースのアーティストに影響を与えたのでは、とされておりそういったビート面でも興味深い一作。詩情溢れる3はジョジョの奇妙な冒険アニメ3部のEDにも使用されている。極彩色のジャズが繰り広げられる充実盤。意外とダンサブルです。

2017-03-13 20:26:00",,"2017-03-13 20:35:02",,"2017-03-13 20:42:32",,"2017-03-13 20:47:15"

Marsalis Standard Time, Vol.1

Marsalis Standard Time, Vol.1

85年録音盤(リリース自体は87年)。80年代ジャズ新世代、いわゆる新伝承派とされるトランペッターによるジャズ・スタンダード集。フュージョン勢力がまだ強かった(なおかつジャズそのものの勢力が弱かった)時代にあえて直球勝負のジャズを繰り出してきた挑戦的な作品だろう。

印象としてはとにかくスタイリッシュだ。コンボジャズ黄金期から感じられる、荒唐無稽さというか荒くれものたちが繰り出す粗野でエネルギッシュな熱気とは違う、気品と知性が送り出すテクニカルなパッションが漂い、従来のモダン・ジャズから「新解釈」をしているところに新しさを感じる。

先人たちの名演を踏まえ、それを解釈して、新たなプレイを生み出す。良く言えば新解釈、悪く言えばスキ間縫い。その辺りが新伝承派功罪が表れる点なのだろうが、ジャズそのものを考察・研究し、実践するそのアプローチはかつてなく理知的なものといえるだろう。そういう面では様式美的でもある。

それらを抜きにしても、音の抜けの良さと新世代によるアコースティックなモダンジャズの王道たる演奏は非常に鮮烈だ。リーダーのウィントンの技量もさることながら、サイドメンのピアノリズム隊も負けず劣らず、エネルギッシュなプレイで華を添える。特にピアノトランペットともにこの盤を牽引する聴いた,ジャズ様式美として捉え直し、その枠内で自らの表現解釈を提示する。自由度を増していったモダンジャズ境界線を改めて、定義付けた点こそが彼の功績であり、この盤もその意味合いでは、極めて強力な一枚だろう。クラシカルなジャズとして80年代以降のベンチマーク的な作品だ。

"2017-03-14 22:03:39","2017-03-14 22:10:43""2017-03-14 22:17:58""2017-03-14 22:24:52"

"2017-03-14 22:33:10",

Circulator(サーキュレーター)

Circulator(サーキュレーター)

01年発表4th。ベーシストの西原誠が病気の治療による一時離脱をし、三人で製作された作品。前作よりメジャー感が出て、さらに聞きやすくなった印象を受ける。一人足りない中、そのハンディを感じさせない力作となった。ストリングスKeyが効果的に使われている事で音の幅も広がっている。

災い転じて福となすという言葉の通り、メンバーが一人欠けた事で、より多様なサウンドを意欲的に取り込むことが出来た作品だろう。バンドの持ち味であるグルーヴィーさもより熟成され、滑らかに。時に叙情的で壮大な響きも力強くなった。一皮剥けて、新たな境地へと踏み出した傑作。初手にもおすすめか

"2017-03-15 23:01:59","2017-03-15 23:07:23"

GRAPEVINE LIVE 2001 NAKED SONGS-通常盤-

GRAPEVINE LIVE 2001 NAKED SONGS-通常盤-

02年発表ライヴ盤。01年末のツアーの模様を収録した内容。低音重視の録音でうねるベースを軸に骨太なギターロックを展開している。ライヴ盤を出すだけあって、ライヴバンドとしての魅力を実感できるのがありがたい。同時にここまで派手さのない渋い演奏で力強く押していくのは拘りの強さゆえか。

枯れた味わいの中、グルーヴィーに鳴り響く演奏はライヴ独特のドライヴ感が重なり、往年のハードロックバンドさながらの切れ味鋭いワイルドさを醸し出す。6でのジャム演奏も含めて、それらを退屈させることなく聞かせるのは流石の一言。バンドの脂の乗り切った演奏をパッケージングした良盤だ。

,"2017-03-16 22:30:07","2017-03-16 22:52:04",

81年発表2nd。前作を踏まえて、独自の音楽センスがさらに際立った作品。というより、ポストパンク/NW以降のUKロックのあらゆるトレンドをこの時点で通り過ぎているような感覚を受けるサウンド。ネオアコあり、シューゲイザーあり、マッドチェスター、ポップな感覚はブリットポップそのものだ

後の音楽シーンに繋がる可能性を網羅してはいるが、その繋ぎ合わせ方や混合度合いがわりとカオスかつ奇妙な質感で提示されているので、どこかしら垢抜けずメジャーな音になりきれていないのがこのバンドらしいところでもあるか。それだけジュリアン・コープという才能が際立っている証でもある。

ただ今作を最期にバンド活動は停止し、ジュリアン・コープはソロ活動に邁進していく事になる。ある種、時代の仇花的作品でもあるが、80年代以降のUKロックの可能性の原石みたいな作品でもある。ただ彼らは宝石にすることが出来ずに終焉を迎えてしまった。派手さはないが、聞ける一枚。

"2017-03-19 16:56:25""2017-03-19 17:02:50""2017-03-19 17:06:54",

5年発表2ndSG。前のシングルと同じくポップ路線のリード曲を配するシングル。より洗練された印象だが演奏の鋭角はさらに際立つ出来になっている。バカテクな演奏で高圧縮シティポップスを展開しているのはメジャーシーンで戦う道筋を見出し、軸が定まった感じすらある。

ゲスの極み乙女。,私以外私じゃないの(通常盤),,聴いた,全体にセンチメンタルでメロウな旋律が、メンバーの演奏力によって、ものすごく雑多な色付けをされており、3の既存曲のライヴ仕様verなどはそれがもっとも顕著な一曲だと思う。そういう点では垢抜けた、ということかもしれない。確実にバンドの著しい成長が感じられる一枚。

"2017-03-19 23:06:00""2017-03-19 23:11:04"

結晶~Soul Liberat

結晶~Soul Liberat

92年発表2nd。一聴して「濃い」アルバム。コーヒーでいうとエスプレッソのような濃密さで聞く者を攻めてくる。強調されたボトムラインの重低音と田島貴男のねっとりとした色艶のある歌声がフォービートのリズムに乗って、聞こえてくるのはとても耽美な経験でもあり、そういう雰囲気を帯びた盤だ。

当時の流行とは一線を画すような、芳醇な黒い香りが立ち込める音だが不思議とクドさはなく、洒脱さを感じるスタイリッシュなものになっているのが面白い。かといってファンキーさを狙ったコマーシャルなものではなく、どちらかといえばパーソナルに近い密な空気を味わう作品だと思う。

,あたかも心音のようにグルーヴする重低音がこの盤の核で、その演奏のニュアンスが肉感的な印象を与えているのだろう。派手な装飾音よりも体温を感じさせる音。それが全体を支配し、響いている。まさしく「結晶」のような一枚だろう。一人の時にじっくり聞きたい傑作。

"2017-03-21 21:08:05","2017-03-21 21:22:29""2017-03-21 21:31:14",

Dregs of the Earth

Dregs of the Earth

80年発表4th。ジャケットには堂々とDixie Dregsと冠されているが、所属レーベル倒産に伴った移籍でDregsに名義を改めてリリースされた最初の作品。恐らくはリリースの直前で倒産したためにゴタゴタがあったのではないかと推測される。なお本作よりKeyが交代している。x

そんな状況をものともせず、サウンドの方はカントリー&ブルーグラスをベースにしたハードプログレッシヴフュージョンという独自路線をさらにソリッドにさせたものになっている。能天気さに突き抜ける、陽気なメロディとアンサンブルは尋常ではなく、高度なキメのオンパレードだ。要はバカテクプレイ。

キャッチーなメロディーを維持しながら、テンションの高い、テクニカルな演奏はここまでの作品の中でも随一だろう。反面、リズムセクション共々、ノリがHR/HMしてるのは後のスティーヴ・モーズのキャリアを考えれば、自明の理ではあるか。そこらを差し引いても、かなりエネルギッシュな一作かと。

"2017-03-23 20:29:14""2017-03-23 20:33:38","2017-03-23 20:38:17",

The Cribs

The Cribs

04年発表1st。英国の兄弟バンド(双子&弟)。The Strokesを始めとしたロック・リヴァイバルなローファイサウンドに英国ポップスの甘いフレーヴァーとアイロニーな屈折した感覚が綯い交ぜになっている不思議な一枚。技巧的なわけでもなく、キャッチーな派手さもあまりないがクセになる"

ローファイサウンドに降りかかるポップセンスの勘の良さがメロディをカラフルに色付けしており朴訥ながら気持ち良さを感じさせる作りだ。本家のロックリヴァイバルよりポップアート香りは薄く、より肉感的で人懐っこさがあるのもなにか憎めない。噛めば噛むほど味が出そうなスルメ盤。長く楽しめそう

"2017-03-24 20:45:25"

The New Fellas

The New Fellas

05年発表2nd。オレンジ・ジュースで有名なエドウィン・コリンズプロデュース。前作の雰囲気をよりコマーシャルな音でパッケージングした印象で、ローファイ感は薄れたがクリアな録音で彼ら独特のポップセンスが際立つ作りに。不安定さはなくなり、確固としたスタイルをきっちりと押し出している。

やはり兄弟バンドだけあって、息の合ったプレイがバンドのグルーヴになっているようにも思うし、USオルタナやロック・リヴァイバルを通過したラウドな音に、UKロックの多彩かつ芳醇なメロディが程よくブレンドされていて、聞いていて気持ちいい。ミディアムな曲なども取り上げていて、意欲的な一枚

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Men's Needs Women's Needs Whatever

Men's Needs Women's Needs Whatever

x07年発表3rd。レーベルワーナーに移しての第一弾。プロデュースがフランツ・フェルディナンドアレックス・カプラノス。ここまで方向性がブレないというか、良くも悪くも金太郎飴のごとく、自分たちの音をいつものように送り出している。大きな変化はないが彼らの良さが変わらず伝わってくる。

,聴いた,プロデュースがプロデュースなだけあって、本作は楽曲の質感がダンスビートっぽい印象はある。彼らのミニマルでローファイなリフのフレーズを強調しているのか、その辺りNW/ポストパンクバイヴァル的な音とも言える。そういう点では1stのストロークスっぽさが戻ってきてるとも言えるか。

そういう点ではフロア的でもあり、一番最初の朴訥とした雰囲気はなくなっていて、アーバンな感じもかとなくある。が、バンドの軸はそのままなので非常に安定しているのが心強い。何をやっても、自分たちの音になる自信と自負が窺える作品なのではないかと。三作目にしてこの磐石さは頼もしい限りだ。

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Ignore the Ignorant

Ignore the Ignorant

09年発表4th。ザ・スミスなどで有名なジョニー・マーをメンバーとして迎え入れ、4人編成で製作されたアルバム。ギターがもう一人増えたため、今までよりも分厚い音が襲い掛かってくるので、ジョニー・マーというギタリスト存在感とその加入効果は絶大なものがあると思わせる出来。

そういった所で彼らのキャリアの中では異色作に相当するだろう一枚だが、ジョニー・マーの瑞々しくも切れのあるギターが絡まる事で切なさやリリカルさが加わり、サウンドに大人びた味わいが深まった印象を受けた。ザ・スミスでのギタープレイがそのままテクスチャで張り付いた感じもある。

序盤の3曲が彼らとマーの感性がよりブレンドされていて、以降の曲は従来のバンドサウンドにマーが最高の脚色した音だろう、反面マーのギターを生かすためにロックサウンドが強調されていて、メリハリに欠ける部分がなきにしもあらずだがそこを抜きにしても、この意外な組み合わせは成功してるといえる

残念ながらマーとの4人体制は本作限りで、再び兄弟バンドに戻るがこのアルバムを通じて、彼らはまた一段階新たな局面に踏み出したように思える。ビッグネームとの交流が彼らの成熟した部分を引き出した。それぐらいの収穫があると感じられる作品だろう。なおバンド史上一番の売り上げを記録した

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Jurassic 5 E.P.

Jurassic 5 E.P.

97年発表EP。彼らの一番最初の音源集となる一枚。この一年後に5曲プラスした初めてのアルバムを送り出すことになるが全ての始まりはこの作品から。わずか22分だが、彼らの魅力がぎゅっと凝縮された作りになっている。ヒップホップ、ラップミュージックの王道を歩んでいる音というか。

ソウルファンクジャズといった脈々と繋がれるブラックミュージックの血脈の上にヒップホップが築かれている事実をきっちりと押し出したトラックメイキングに畳み掛けるラップはきわめてファンキーに響いてくる。温故知新を地で行くような彼らの姿勢が強く感じられる挨拶状的な作品だ。4が白眉

,"2017-03-26 23:44:46",,"2017-03-26 23:53:51",

20Ten

20Ten

・10年発表27th。再びヨーロッパで発行される新聞各紙に無料添付された作品。が、今作は無料配布のみに留まっているので17年現在、入手が困難か。当然日本盤は未発売。リリース当時は輸入盤として購入が可能だった。サウンドの方は自身の80sサウンドへの原点回帰的な内容。

昨今の80sリバイバルの余波を受けて、作られただろう楽曲は当時を生き抜いた者として深みと現代的なサウンドテクスチャーが絡み合い、かつてなくポップに突き抜けた(開き直った?)音が聞こえてくるのがオールドファンには嬉しい感じだろうか。音の良さは当時と比べるべくもない程。

音の粒立ちが非常に良く、全盛期独特のモコモコサウンドが重低音のメリハリとともにクリアに聞こえてくるのには結構驚くのではないかと。そういった開き直りと思い描いた通りのミキシングで響いているだろう、快作ではないだろうか。なにか吹っ切れた印象のある悟りの境地的な一作。ポップな殿下です

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Around the World in a Day

Around the World in a Day

・85年発表7th。大ヒットした前作から次の一手に指したのは60年代に遡ったようなアンニュイなサイケサウンド。もちろん音の色合いや質感は80sサウンドそのものだが危うげな香りとストレンジでマジカルかつ幽玄な雰囲気が漂う。その隠し味に前作までのポップセンスが絡んで、非常に濃密。

そういったサウンドの急変に目が行きがちだが、アルバム構成に目を向けると実は前作と盛り上げ方がほとんど一緒だったりする。殿下らしい密室感と音楽性が濃い目に出たネオサイケ的な一枚。名実ともに第二期の始まりを告げる作品。スピーディさには欠けるが煮えたぎるエモーションは折り紙つきだ。

"2017-03-28 20:58:50","2017-03-28 21:08:00",

Story of I

Story of I

・76年発表1st。Yesのメンバーが各自ソロ作をリリースする企画の一環として出された鍵盤奏者の初作。ジャズラテンミュージックの影響が色濃い、組曲形式のアルバム構成でほぼメドレーで演奏されている。「Relayer」で聴けた鮮烈なプレイはここでも健在だ。

パーカッションの細やかなリズムにシャープシンセサイザーの音が切り込んでくる中で、大自然の雄大さとコズミックな印象が壮大に響く、シンフォニックなサウンドにはまさしくプログレ香り。特に中盤から後半にかけての盛り上がりはかなりの聴き応えだ。YESメンバーという以上に個性が出ている。

"Patrick Moraz","Story of I",聴いた,この充実した内容で何かを掴んだのかは定かではないが、直後に音楽性の違いからYesを脱退して、ソロ活動に入っていくことになる。そういったキャリアの第一歩として傑作の部類に入る一作かと。なおこの演奏内容で誤解されがちだが、モラース本人はスイス人である。そう考えると不思議な一枚だとも。

"2017-03-29 22:16:27","2017-03-29 22:21:48","2017-03-29 22:27:23",

ひこうき雲

ひこうき雲

・73年発表1st。現・松任谷由実のデビューアルバム。そしていわゆるニューミュージック金字塔。バックの演奏陣にはティン・パン・アレーという鉄壁な布陣で送り出される柔らかな叙情性を持ったサウンドと切れ味の鋭い歌詞で颯爽と時代を切り開いた。リリースから半世紀近いが色褪せない名作。

荒井由実の持つ英国的なウェットな叙情性とバックのティン・パン・アレーの面々(細野、鈴木、林、松任谷など)のウェストコーストサウンド寄りのカラッとした爽やかさが絶妙にブレンドされて、洋楽的だがとても日本的なメロディを表出させているのがこの盤最大のエポックだろう。

当時の歌謡曲シーンとも一線を画す、新しい音楽(=ニューミュージック)は現在に続くJ-POPの礎にもなっている。もちろんSSWという点でも当時の潮流とはいえ、鮮烈な船出だったといえる。どこを切っても、凄まじくレベルの高い、日本のポピュラー音楽史に残る名盤のひとつだ。

"2017-03-30 20:35:51","2017-03-30 20:42:30""2017-03-30 20:49:58",

MISSLIM

MISSLIM

・74年発表2nd。前作とほぼ同じ布陣で製作された作品。一部コーラスで山下達郎も参加している。そういったことが起因しているわけでもないが、前作に比べるとより垢抜けたサウンドとなった。いわゆるシティポップス的な萌芽が見受けられるといえばいいだろうか。洒脱なセンスがそここに見られる。

もちろんそれらはティン・パン・アレーの面々に支えられている部分も大きいが、前作(これも十二分に名盤であるが)という助走が終わり、バンドとして小慣れた感じに熟成されたのが一番だと思われる。より混ざり合って、精度が高くなっているのだ。ひとつの完成形が早くも姿を現したと言っていい。

荒井由実,MISSLIM,聴いた,淡い透明感や爽やかな若草の匂いや都市や海岸の情景、どれひとつも海外ではなく日本の姿を鮮やかに切り取っているのが凄まじいし、それを下支えする演奏陣も日本最高峰のメンバーが揃いぶみ。これで良くないわけがない(合わない人も当然いると思うが)と思える名盤。前作共々ベースラインが素晴らしい

2017-03-30 22:23:32""2017-03-30 22:28:19","2017-03-30 22:34:14",

夜明けの口笛吹き

夜明けの口笛吹き

・67年発表1st。後にプログレのモンスターバンドとして名を馳せるピンク・フロイドの初作にして特異作。というのは当時のフロントマン、シド・バレットがアルバム全編で参加した唯一の作品だからだ。むしろ彼が「常人」の状態で録音された、最初で最後の一枚というべきか。

,作品の内容は当時の流行と踏襲した、サイケデリックロック。まだプログレというべき音の影形はないが、シド・バレットが自身の才気を爆発させて、叩きつけた音はとてつもなく奇妙でシュール摩訶不思議な魅力を放っている。童話や伝承言葉遊びの世界を忠実に再現するとこうなるというようなそんな趣

正気と狂気のバランスがギリギリの所で保たれているような演奏で、後に彼のソロ作で聞ける、徐々に崩壊していくメロディが他のメンバーや彼の理性によって、纏まりを得ている事が良く分かる。というより既に精神的な危うさと際どさが全体に漂っているのは否めないだろう。この時点ではまだマトモだが。

音の内容は、流石に今聞くと古いと感じてしまう部分があるが、それを考慮して聞けば、未分化な音の中で煌びやかに輝くメロディが暴れまわる様子はまさしくドラッギーな魅力を放っている。しかしその閃光は長続きできず、バンドは大きな喪失感を伴いながら進むことになる。一瞬の輝きが永遠となった一枚

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友だちを殺してまで。

友だちを殺してまで。

・10年発表1stミニアルバム。彼らのデビュー作。2chニコ動などで楽曲投稿を繰り返していたの子を中心とするバンド。90年代のオルタナミュージックとJ-POPがブレンドされるとこうなるのかという、原石の塊。ただしの子本人は当時の発言で自分の作品っぽくなくて大嫌いと評している。

とはいえ、歌詞も当然ながら楽曲もかなり独特であえて形容するならば、オルタナのダウナー感と90sJ-POPのキラキラ感が一緒くたになっているメロディにテクノ起因のリズムパターンが人力の演奏として絡まっているという、奇妙かつ中毒的なものとなっている。躁鬱を繰り返すドラッギーな感覚だ。

同様に歌詞も躁鬱的であり、渇望や諦念、絶望と希望がカオスになっているし、タイトルを見ればわかるように、きわめて範囲の狭い中で草臥れた感じがとても病的でもあるが、時たま心の隙間を抉られてくるのには非凡なものを感じずにはいられない。絶望的な危うさも感じるが同時に可能性に満ち溢れた一枚

"2017-03-31 21:27:35",,"2017-03-31 21:32:48","2017-03-31 21:38:20"

Out of Reach

Out of Reach

78年発表10th。以前、レビューをしたが正規リマスター盤を購入できたので改めて。中心人物ホルガー・シューカイが唯一参加していない盤で長らくディスコグラフィからも抹消されていた、「失敗作」として名高い一作。リマスター効果もあって、音の粒立ちは格段に良くなっている。

大黒柱がいない分、バンドの緊張感は皆無でパーカッションとドラムのリズムにディスコっぽい肌触りのスペーシーなシンセやギターがとてもユル〜く鳴り響いているのがなにか気の抜けた印象を感じてしまう。というより曲ごとの違いがあまりなく、アルバムとして締りのないダルさが妙に心地いい。

なにかドイツ人のもう一方の性質であるノンキな能天気さがこの盤に限っては表れているように思う。妙なノリではあるが、悪く言ってしまえばIQが低い感じというか。知性の裏側にマヌケな顔が見え隠れしてしまう。そういう点ではジャムセッションに近いような作品だとも。気楽に聞く分には楽しい一枚か

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アフター・サーヴィス

アフター・サーヴィス

・84年発表ライヴ盤。83年12月の散開ツアーの模様を収録したライヴアルバム。散開することが決まり、曲目も全キャリアから代表曲を選りすぐったまさしくサービス満点のものとなった。アルバム未収録のシングル曲「過激な淑女」もライヴ録音ながらばっちりと収録されている点では貴重だろう。

ドラムはほとんど元ABCのドラマー、デヴィット・パーマーに任せ、YMOの三人は歌と演奏に集中しているのも大きな点か。なによりデビュー当時、あれだけでかかったシンセの機材がひとつの楽器としてコンパクトに収まっているには目まぐるしい、技術の進歩があったゆえだろう。

グループの幕引き、店じまいという仕事としては三人とも非常にきっかりしていて、この盤もそういったニュアンスを感じえなくもない。デヴィット・パーマーのドラムは前半の初期曲はリズムがスクエア過ぎて面白みにかけるが、ライヴ後半の歌ものにはこのクセのなさがちょうどいいほどだ。

83年の時点で既に80年代末の日本におけるポップスの雛形がここで提示されているのにはやはり先鋭的なグループであると感じられるし、彼らがその土壌形成の一翼を担っていたことも良く分かる。最後の終了アナウンスに祭りの終わった寂しさはあるが、悲しくはならない充足感のある最終作だろう。

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TECHNODON

TECHNODON

・93年発表8th。スタジオアルバムとしては再結成盤にして最終作(17年現在)。散開から10年経ち、再び終結した三人が繰り出した、デトロイトテクノに影響を受けたサイバーパンクかつポストモダンの色合いが濃い一作。この為、ポップな質感はかなり希薄だが10年という年月の分、音楽の奥行きは深まっている

華やかなカラフルさで通す分かり易さはあまりなく、墨の濃淡でタッチを表現するような仕掛けになっていて、聞き込むほどに味わいの深くなる音だとは思うが、YMOという一世を風靡したグループの再結成としては、大衆の期待する姿に迎合していなくて、彼ららしい天邪鬼さが伺える。

しかし、いわゆる「テクノ」としては幾分かポップなニュアンスがそこかしこに存在していて、そのかすかな甘さに「テクノポップ」としてのYMOを見出すことはできるし、プレスリーカバーの12はその顕著な例だろう。彼ららしく作り込まれた「テクノ」としてのYMOが味わえる作品。とてもスルメ盤

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Can (Hybr)

Can (Hybr)

79年発表11th。前作同様、正規リマスターが手に入ったので再レビュー。ラストアルバム。ホルガー・シューカイがテープ編集という形で参加。たったそれだけなのに前作と比べて、緊張感があり引き締まったサウンドとなっている事実がCANというバンドを物語っているように思う。

前作に引き続きユルいジャムセッション的な音ではあるが、本作はそういった素材を元に何かしらのテーマ付けによって構築されているように思う。まあ、そういうことを抜きにしても前作の気楽さはあまりないがCANらしい音というのならば、こちらに軍配が上がる。

しかし、終盤3曲はまさしくヤケクソといっていい。クラシックの「天国と地獄」のカバー、30秒のピンボンのラリー音、NW的なリズムパターンにギターの祝祭的でクラシカルな旋律があっけらかんとバンドの終焉を飾る。悲しさや寂しさも一切感じさせず、これでお終いという潔さが徹底されているのだ

何の感慨を感じさせることもなく、ただ終わるために終わるというとってつけた感じのドライさがこのバンドの骨子だったのだなと思うし、終わる事が特別ではないとも言っているようにも見える。終わるべくして終わりを提示した一枚だろう。つまりこれにて「完(CAN)」なのだ。たぶんそれでいいのだ。

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