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In Jazz

2112-09-03 初めに。

ここは私ことテリー・ライスが主に漫画や音楽やアニメや小説、映画などの感想を好きに語るブログです。

あくまで個人の感想である事にご留意よろしくお願いします。

サイト名のIn Jazzとは音楽ジャンルのジャズではなく、

俗語の意として「熱狂」とか「たわごと」の意です。

好きなことを語れたらいいなあという思いを込めて。

更新はかなりの不定期になってますが気が向いたら、書く方向になると思います。

それとtwitterでもつぶやいてます。なんだかこっちがメインっぽくなってますが。

テリー・ライス(@terry_rice88)さん | Twitter


※2012/8/16追記。

amazonに自分の好きなものを集めたインストアページを作りました。

ちょくちょく追加していきますので気軽にご覧いただければと思います。

In Jazz Serect shop - Books

2050-05-16 アニメ感想置き場。

アニメ感想置き場

| 22:43

※6/23 最下段のカテゴリに劇場版パトレイバー1&2と新海誠作品の感想リンクを追加。

この記事はアニメの感想リンク先まとめページです

随時更新いたしますのでよろしくお願いします。

続きを読むをクリックで。

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2017-03-01

音楽鑑賞履歴(2017年2月)

| 13:16

月一恒例の音楽鑑賞履歴。音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

15枚とちょっと少なめな感じになりました。まあ、2月は日数も少ないんでしょうがないですが。

いよいよ冬が終わり、春の足音が聞こえてくる、そんな季節の趣を感じながら聞いていきたいものですね。

では、以下から感想です。

2月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:15枚
聴いた時間:240分

ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ
01年発表3rd。完全にロックミュージックから脱却して、クールネスが漂うエレクトロ色が全体を覆う作品。よりグルーヴやリズムに傾倒していった結果、打ち込み主体の音になった事でイアン・ブラウンというソロミュージシャンの才覚が一気に開花したと感じられる非常に充実した内容となっている。
性急なビートはまったくなく、ミッドなリズムに揺られながら、独特な声で朗々と歌われる様には神聖さや美しさすら感じられる。ヒップホップ的なドープさも携えながら、確信に満ちたメロディと歌が聴けて、歯車の嵌った感覚が味わえる一枚。もうローゼスの影などは跡形もないと思わせる名盤だ。
聴いた日:02月03日 アーティスト:イアン・ブラウン
World Is YoursWorld Is Yours
07年発表5th。従来の打ち込みサウンドをベースにストリングスをより強調したメロウ&ドープなアルバム。ストリングスの陶酔感に絡み合うヒップホップなビートがダークな質感を生み出しており、同時にファンキーな感覚を味わえる。イアン・ブラウンの独特なボーカルがラップにも勝るとも劣らない。
エレクトロ色もそれなりにあるのだが、この盤を聞いていると、テクノというよりは非常にソウルミュージック然としている。このメロウかつファンキーな肌触りは70sスウィートソウルのシルキーな音に接近していると思う。ストリングスと絡むビートのグルーヴが非常に黒く面白く感じる一枚。
聴いた日:02月05日 アーティスト:Ian Brown
Live in JapanLive in Japan
78年発表ライヴ盤。77年の東京郵便貯金会館での初来日公演のベストトラックを収録したアルバム。ロイ・ブキャナンのかき鳴らすフェンダーテレキャスターの乾いた音色とフレージングに舌鼓を打つ演奏が思う存分、堪能出来る。渋さを感じさせるギタープレイの裏側に内なる激情を込める様が凄まじい
ブルージーではあるが、演奏そのものはロック寄りなので、深みを期待してしまうと肩透かしを食らう可能性は大きい。が、ゴキゲンな演奏に時折、狂気を孕んだような高速ギターソロが掻き毟られていて、一筋縄でいかない匂いを感じる。が、そんなことに全く関せずしれっとプレイを楽しんでいる姿が浮かぶ
自由気ままに、というのが様になるギタリストというべきだろうか。そういった天衣無縫さというか無邪気さを感じてしまうのも確かで、彼の弾くテレキャス自由闊達な響きにただ酔いしれるのが正しいのかもしれない。鈍く光る銀のごとく、骨太な演奏が詰まった良盤。素っ気なさもまた味わい深い。
聴いた日:02月06日 アーティスト:Roy Buchanan
HIMITSU GIRL’S TOP SECRETHIMITSU GIRL'S TOP SECRET
・05年発表2ndEP。ドラムに柔道二段こと松下敦が加入した新体制での第一弾。バンドのエンジンとも言えるドラムが代わった事でビートに厚みと重さが増し、メタリックなサウンドが強靭な響きになった。前作までとは明確に質感が異なり、よりロックさを強調してきているのが顕著だ。
反面、リズムが重厚になったため、疾走感よりは内に秘めたグルーヴや安定感が前に出ており、キレの良さより一発の質量の重さを高めてきている印象。重戦車の繰り出すファンキーかつメタリックなポストパンク。彼らが新たなフェーズに入ったことを実感できる、強烈な作品だ。
聴いた日:02月07日 アーティスト:ZAZEN BOYS
地球最後の日地球最後の日
72年発表3rd。CBS移籍後第一弾アルバム。今聞くとここで既に後の大ヒット路線の雛形が提示されているのが興味深い。本作ではストリングスとホーンが絡んでいるのも要素として大きい気がする。まだディスコらしい華々しさはなく、ニューソウル的な社会警鐘がそここに感じられる作りなのは時代か
後の音楽性と比べても、ジャジーな印象を感じる自由度の高い演奏でクロスオーバーを意識しただろうコンテンポラリーさが見え隠れする。そういった点ではグループの最適値が出ていると見てもおかしくはないサウンドだ。実はこの時点で初期サウンドが洗練されていたのだと気付かされる。
このままこの路線を継続していくかと思われたが、再びメンバーが脱退、次作では新メンバーが加入とともに本盤で聞けるストリングスなどの音の厚みは一旦放棄されることになる。この時点ではまだリズムのキレが垢抜けていないのもあり、洗練し切れていないのも発展途上という印象も否めない。
が、ここで繰り広げられているジャズファンク的なクロスオーバー感やポップな肌触りはそのまま後の彼らに直結しているように思う。聞けば聞くほど、成功の萌芽が窺える作品と言えるだろう。時代を考えると先鋭的な音だが、受け入れられるには時間を要さなければならなかった。レア・グルーヴ的な一枚。
聴いた日:02月08日 アーティスト:アース・ウィンド&ファイアー
Chicago IIIChicago III
・71年発表3rd。引き続きLP2枚組の大作主義でリリースされた作品。本作では3つの組曲が構成されており、コンセプチュアルかつポリティカルに尖った内容となっている。サウンドの方もポップからかけ離れて先鋭性を強めつつ、間口をさらに広げている印象を持つ。かなり中身の濃い作品だ。
ホーンセクションはより黒っぽさとファンキーさを強め、ビートが粘っこくなった一方で、フリージャズ的な展開を取り入れてかつてない前衛さを出し、さらにはフォーク&カントリー的なアコースティックサイドも演奏されている。言ってみれば、音楽でアメリカ全体を捉えようとしているようにも見える。
そういった汎アメリカ主義的なサウンドが目立つ一方で、やはり情報量が過多というか、アルバムとしてのまとまりには欠く。バンドのクリエイティヴィティが飽和状態になっている印象が強く、自家中毒となっている点も否めないか。熱く煮えたぎる情熱が纏まり切れていないことが非常に惜しくもある。
もちろん楽曲単位で見ていくと、冒険的かつ野心的なものが多く、かなり充実はしている作品だが、アルバム全体の出来は今一歩足りないものとなっている。そして本作で大作主義は一区切りとなり、次作以降はよりシェイプアップされたサウンドに移行していく。グループ初期の最後を飾る一作となった。
聴いた日:02月08日 アーティスト:Chicago
Beck Bogert & AppiceBeck Bogert & Appice
・73年発表唯一作。ヴァニラ・ファッジ〜カクタスのボトムライン、ティム・ボガートとカーマイン・アピスと結成したトリオ。当初は専任Voとkeyのマックス・ミドルトンも加えたグループ編成だったが紆余曲折あって、結果的にトリオに落ち着いたという顛末。トリオ編成ありきで集ったわけではない
サウンドの方は端的にJBGの第一期と第二期を融合させたファンキーハードロック路線。Keyがいないのと豪快なボトムラインの演奏もあって、かなりパワフルでワイルドなものになっている。泥臭く、それでいてソウルフル。このトリオを第三期JBGと捉えるとジェフの目指す方向性はより明確になった
ロックのダイナミズムと黒人音楽(ソウルブルース)のファンキーテイストを併せ持つ音楽。恐らくはこのトリオで繰り広げたサウンドはジェフ・ベックの思い描く完成図にかなり近かったのだろうと思う。他の二人が暴走さえしなければ、だが。しかし、だからといってこのトリオの化学反応は見過ごせない
三人とは思えない、音の分厚さと豪快さに熱量はやはり圧倒されるし、S,ワンダーの提供曲4やK.メイフィールドのカバーなどもあるように緩急も利かせた重量系ロッキンソウルが炸裂しているのはかなり聞き応えがある。同時にハードロック期最後のジェフ・ベックが聞けるという点でも貴重な名盤だ。
聴いた日:02月09日 アーティスト:Beck Bogert & Appice
Madcap LaughsMadcap Laughs
・70年発表1st。精神異常をきたし、ピンク・フロイドを脱退したフロントマンの初作。全体的に弾き語りのフォークサウンド。2と3にはソフトマシーンのメンバーが参加している。一見穏やかなサウンドに聞こえるがしばらく耳を傾けていると、メロディが不穏にズレていき、不気味に変調していく。
恐らく当人的にはただ演奏をしているだけ、なのだろうが精神状態が正常ではないため、演奏はとてつもなく不安定に歪んでいく。まともに狂っていく様子をドキュメントしているような内容でこういった形の作品が世に出てしまうこと自体が奇跡的にすら思えてしまう。もちろんそれは歴史的名作ではない。
が、同時にそういった狂った感情の末にほの暗く微かに輝くセンスはかつて天才だった才気が滲み出ているし、その天才が燃え尽き、狂ってしまった姿を収めてしまっているのが本作の歴史的な価値なのだろうと思う。必ず聞くべき一枚ではないが、どこかで一度は聞く価値のある作品だ。
聴いた日:02月10日 アーティスト:Syd Barrett
Isn’t AnythingIsn't Anything
・88年発表1st。シューゲイザーを代表するバンドの初作。代表作の次作と比べると荒削りな部分もあるが、ギターのディストーションノイズによるウォール・オブ・サウンドに包まれた分厚い演奏はこの当時から顕在化している。本作ではまだ空間を包み込むような奥行きはあまり感じられない。
盤全体としては前半の気だるい印象から後半の疾走感あふれる爆音ギターサウンドのテンションの落差が非常に刺激的で、ロックバンドとしてのアグレッシヴな姿やエネルギッシュな演奏が窺い知れる点でも後の作品にはない魅力があるのもこの盤の特徴ではあるか。シューゲイザーの完成度は次作以降が強い。
本作を聞いていると、当時のネオサイケやネオアコといったトレンドの延長線上に彼らがいる、もしくは彼らがそれらの影響を受けているという事が確認できるし、同時に爆音ギターノイズは少し後のグランジへとも繋がっているので、歴史視点で見るとなかなか興味深い作品だ。未完成なりの魅力がある良作。
聴いた日:02月12日 アーティスト:My Bloody Valentine
The Blues Brothers: Original Soundtrack RecordingThe Blues Brothers: Original Soundtrack Recording
・80年発表OST。同名映画のサントラ。元々、「サタデー・ナイト・ライヴ」の1コーナーが発展したコンビかつコメディ映画。呼び名の通り、ダン・エイクロイドジョン・ベルーシの扮するブルースブラザーズがソウルブルースを歌うものがメインでその愛情がたっぷりと繰り広げられている。
こういった趣味はダン・エイクロイドのものであり、ジョン・ベルーシはそこに乗っかっただけらしい。また客演はかなり豪華。JBはもとより、レイ・チャールズアレサ・フランクリン、さらにはキャブ・キャロウェイなど往年のR&Bのスターや名曲で占められている。
またブルースブラザーズバンドもブッカーTMG'sのスティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダックダンフランク・ザッパ・バンドでホーンを務めたトム・マローン、ルー・マリーニ、アラン・ルービンなど超一流のスタジオミュージシャンが勢揃いしたものになっており、さらっと聞き応えがある。
そういった面からもかなり充実した内容にはなっているが、惜しむらくはアルバムの構成を意識した故に曲順が映画通りではないというのと、使用された楽曲の抜けがかなりあるため、完全盤ではないということ。しかしそれらを差し引いても、R&Bの面白さが伝わってくる一枚。映画本編も面白いです。
聴いた日:02月13日 アーティスト:Blues Brothers
Wind & WutheringWind & Wuthering
76年発表8th。スティーヴ・ハケット在籍最後のスタジオ作。前作から思想性より技巧系に傾いたサウンドになっており、本作においてもその路線は継続している。ジャケットの印象とは裏腹にかなり硬質なシンフォニックサウンドでその辺りのギャップも前作から続いているか。
ゲイブリエル在籍時の演劇性が希薄な分、文学っぽい雰囲気が広がっており、かつてのアクはないが楽曲毎の内容はしっかりと詰まっている。演奏もかなりタイトでバンドの円熟したプレイはプログレ斜陽期に差し掛かっていく中で極めて完成度の高いものである事に疑いはない。プログレ期最後を飾る良作。
聴いた日:02月14日 アーティスト:Genesis
At Carnegie HallAt Carnegie Hall
・71年発表ライヴ盤。俗に言う「Chicago ?」に当たるライヴアルバム。当時LP4枚組という超ボリュームにも拘らず、全米アルバムチャートで3位を記録している。05年のリマスター盤は従来の内容にアウトテイク的なボーナスディスクが付属しており、大増補されているのが嬉しい所。
内容は71年4月5〜10日のカーネギーホールでの公演のベストテイクを収めているが、ほぼ当時のセットリストを収録した物となっており、全盛期のライヴパフォーマンスを追体験できる構成になっている。通して聞くと実に3時間近くなる中身の濃い演奏をこれでもかと堪能することが可能だ。
当時はブラスロックの気鋭としてブンブン言わせていたころなのでとにかくエネルギッシュかつ熱気が滾る、パワフルな演奏で後半に行くにつれて、テンションが高くなるのでよほど気力と体力がある時に聞かないと、ごっそり持っていかれる可能性があるので注意が必要だ。しかしそれゆえに聴き応えはある。
80年代の洗練された感じは影形もないが、6〜70年代の垢抜けない、荒々しさの残るロックの熱気を記録しているという点では歴史的な作品だろうと思う。冗長さも感じなくはないが、バンドの煮えたぎる勢いが叩きつけられている作品。全編聞くには相応の覚悟が必要だが、内容は保証するライブ盤の傑作
聴いた日:02月19日 アーティスト:Chicago
スペイセススペイセス
・70年録音盤。代表作として名高い一枚。と同時にクロスオーバーフュージョン)サウンド最初期の一作だと目される。現在の視点で聞くとまだまだプレイスタイルはジャズの領域を抜け出ないものだが、ジャズがロック取り込み、混合し始めたという点において歴史的価値は高い作品だと思う。
それまでもジャズギタープレイヤーは活躍していたが、ロックの息吹を受け、その勢いと熱気をジャズに取り込んでいったのはコリエル、ひいては同世代で本盤で競演もしているジョン・マクラフリン辺りがおそらくは最初だろうと思う。ジャズギターの流麗なスケールがロック的なテンポで乗る事が斬新だった
共演メンバーもマクラフリンを始め、チック・コリアビリー・コブハム、ミストラフ・ヴィトウスなど新世代のミュージシャンが集まっている事からも、そういった新しい息吹を感じさせる、何かが始まそうな雰囲気のある作品だと言った方が正しいかもしれない。時代の変わり目というか。
コリエルにしろ、ジャズの精神性というよりはジャズ技法を他ジャンルに応用する試みを繰り広げて行くことになる人物であり、ここでもギターはかなり技巧的に動いているのは先の新時代を想起させられるものだろう。垢抜けなさも残り、今となっては時代的なものも感じてしまうが聴き所はある作品。
聴いた日:02月21日 アーティスト:ラリー・コリエル
輪廻のラグランジェ オリジナルサウンドトラック輪廻のラグランジェ オリジナルサウンドトラック
・12年発表OST。同名アニメ作品のサントラケロロ軍曹以来のアニメ音楽の参加となる鈴木さえ子による、清涼感漂う硬質なエレクトロサウンドに人懐っこい穏やかなメロディが乗っかった、インテリアミュージックのような空間的な響きが印象的。静寂さと透明感も感じさせる独特な音は近未来な趣だ。
鴨川が舞台の作品だけあって、海辺や水をイメージさせられる楽曲が多く、それが暖かかったり、冷たかったり、弾けたり、波立ったりして様々な表情が見せるのが作品の爽やかさを彩っていると思う。じっくり聞いて、心を安らがせたくなるアルバムであり、作品を邪魔しない調度品のような作品。良盤です
聴いた日:02月26日 アーティスト:TVサントラ
チェンジ・ザ・ワールド/ティアーズ・イン・ヘブンチェンジ・ザ・ワールド/ティアーズ・イン・ヘブン
・97年発表日本独自SGグラミー賞を受賞した名曲をカップリングした編集盤。どちらも映画の主題歌で、1はカバーソング、2は死別した幼い息子へ捧げられた代表曲の一つ。どれもミディアムナンバーで、味わい深いクラプトンの歌声をメインに据えた楽曲で彼の代表的なバラードがまとめて聞ける。
50代以降のクラプトンはより歌手としての比重を強めており、ギタリストとしてはより悠然と弾き語る姿にかつての面影はない。が、枯れた味わいと穏やかな印象にはまた違った魅力があると思う。一口に言ってしまえば成熟した、と言えるのかも。素朴さがなんともいえない。
聴いた日:02月27日 アーティスト:エリック・クラプトン

わたしの音楽メーター
音楽メーター

2017-02-01

音楽鑑賞履歴(2017年1月)

| 23:45

月一恒例の音楽鑑賞履歴。音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

29枚と新年の幕開けとしては幸先の良いスタート。

なのですが、新規購入分は指で数えるくらいしか聞いてません。

聞きたい傾向がジャズに偏ったせいもあり、聞く気になれなかったというのもあるのですが。

というわけで、今回はジャズUKロックがメインとなっています。

2月はもうちょっと傾向を変えていきたいなあと思うなどしてます。

では、以下から感想です。

1月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:29枚
聴いた時間:203分

Round About MidnightRound About Midnight
・55,56年録音盤。ハードバップを確立させたと言われる作品。マイルスの特徴的なミュートトランペットが鳴り響くのも印象に深い。演奏メンバーはジャズファンなら知らない人がいないほど有名どころの揃った布陣になっており、その中には若き日のジョン・コルトレーンもいた事からも歴史的な一枚だ
もちろんマイルスコルトレーンばかりが目立つのではなく、チェンバースもいればレッド・ガーランドフィリージョーもいるから、悪くなるはずがなく名手たちの競演が聞ける。ファストもミドルもスローも軽妙にスウィングし、これぞコンボジャズという演奏が聴ける。ただひたすらにクールな音。
全体にはミドルテンポがメインでじっくり曲とアドリブを聞かせる曲が多い中、マイルスコルトレーンがまさしく絡み合うようにブロウする2や熱っぽさを感じる9、7が映えるだろうか。刀で切り込むように存在感を放つマイルスのプレイがやはり鮮烈でどの曲においても強力だ。未だなお色褪せない名作。
聴いた日:01月01日 アーティスト:Miles Davis
Hank Mobley QuintetHank Mobley Quintet
・57年録音盤。面子がほぼジャズメッセンジャーズという布陣の作品。全曲モブレーのオリジナルとあって、熱気が渦巻く、というよりはリラックスした雰囲気で大らかにブロウするハードバップといった印象。タグ・ワトキンスのベースランニングに導かれて、カラッとしたプレイがスウィングする。
響いてくる音から感じられるイメージはとても開放感のあるものだ。変に密室的な雰囲気はなく、野外や街中でサックスの音が伸びやかに鳴り響いてくるような騒がしくも朗らかな陽気さを感じられるのはモブレーならではのものだろう。目を引く派手さはないが、じっくりと楽しめる一枚。
聴いた日:01月02日 アーティスト:Hank Mobley
Scene ChangesScene Changes
・58年録音盤。ジャズ史上に燦然と輝くジャズピアノの名作にしてバド・パウエルの代表作の一つ。彼の代名詞といっていい1の鮮烈な印象はいまだ多くの者を惹きつける引力を持っているが以降の曲のどこまでもダークでブルージーなメロディをイメージの赴くままに流麗に奏でる様には思わず溜め息が出る
代表曲の1にしても氷山の一角に過ぎず、時に縦横無尽に、時にリリカルに美しく、奏でられるピアノの旋律一つ一つが天才の煌めきのようにすら感じられる。演奏に合わせて、ふと聞こえてくるバドの鼻歌や唸り声などは非常に興が乗っている雰囲気も伺え、実に楽しげだ。
ライナーノーツによるとこの時期のバドは好不調の波が激しく、この盤の録音の後、翌59年にはパリへと渡仏、64年に帰国した後、亡くなるまで変わらなかったようだが、そういう点でも絶好調の姿を記録した貴重な一枚でもある。余談だが中学の頃、聞いてジャズにのめり込んだ思い出深い作品でもある。
聴いた日:01月03日 アーティスト:Bud Powell
Cool StruttinCool Struttin
・58年録音盤。ブルーノートの代表的なジャケットをひとつ選べと言われると必ず選ばれるだろう作品。ただジャケットのキャッチーなスタイリッシュさとは裏腹に内容は比較的玄人好みの音だと思う。なお日本ではとても人気の高い盤であるが、アメリカ本国ではさして評価が高いわけではない。
ミッドなゆったりとしたテンポで滋味溢れる味わい深い演奏でぐっと来るものはあるだが、音の質感は非常にカラッとしてあっさりとしたテイスト。ジャズの演奏としては濃淡の淡さを押し出したものなので、熱気というよりはクールな印象が強く、洒脱さとアーバンな趣が感じられる。
淡麗な味口といえばいいだろうか。絵にしてみれば、山水画のような侘びた味わい。非常にクセがない、というよりこのクセのなさが特徴なのでジャズの色合いを楽しみたい場合は他の盤を推したい。聞き慣れるとこのスムースな演奏も非常に楽しい。旨味を感じるには時間を要する一枚だろう。
聴いた日:01月04日 アーティスト:Sonny Clark
Introducing Johnny GriffinIntroducing Johnny Griffin
・56年録音盤。シカゴ出身のサックス奏者。本作がBNデビュー盤。冒頭の曲から、パワフルで野太いサックスの音が炸裂する強力な一枚。とにかく力いっぱいにブロウされるサックスの迫力に圧倒され、一気に引き込まれてしまう。その豪快なまでの存在感は強烈な印象を与えてくれる。
豪快といっても、ミディアムな曲でも情感たっぷりに吹いていて、とにかくそのサックスから響いてくる豊かな音が非常に心地良い。もちろん脇を固めるマックス・ローチウィントン・ケリーも好演。テナーサックスの魅力を知りたいのであれば格好の一枚。なによりメンバーの楽しそうな雰囲気が伝ってくる
聴いた日:01月05日 アーティスト:Johnny Griffin
Into SomethinInto Somethin
・64年録音盤。オルガンコルトレーンと呼ばれたジャズオルガン奏者のアルバム。ジャズオルガンというとジミー・スミスに代表されるようなファンキーでホットなものが想像されるが、この盤は直感型というよりは思索型のクールなサウンドが鳴り響く。流麗でスモーキーなオルガンの音が気持ち良い。
アドリヴよりはアンサンブル重視がされており、グラント・グリーンやサム・リヴァース、エルヴィン・ジョーンズといった60年代ジャズ新世代の面々と共に新風を吹き込んでいる。オルガンの醸し出すマイルドさとクールな演奏が興味深い一枚。ジャズオルガンの暑苦しさが苦手な人にもオススメかと。
聴いた日:01月06日 アーティスト:Larry Young
Green StreetGreen Street
・61年録音盤。ギター、ベース、ドラムのトリオというジャズにしては少し珍しい編成で録音された一枚(ギタートリオだとベースでなくオルガンが入ることが多い)。ただこの編成によって、グラント・グリーンの弾くシングルトーンの響きが際立って聞こえてくるのがこの盤の最大の特徴だろう。
ギターの単音が豊かに響き、演奏が深く沈んでいくのがとても味わい深い。けしてスピーディな演奏ではないが悠然と流れてくる旋律の芳醇な雰囲気は替え難いものがある。ジャズギタリストならではのジャズの魅力がたっぷりと詰まった良盤。なにか一杯飲みながら、ゆっくりと落ち着きながら聞きたい。
聴いた日:01月07日 アーティスト:Grant Green
Never Too MuchNever Too Much
81年発表1st。スタジオミュージシャンと名を馳せたヴォーカリストのデビュー盤。全曲に渡り、フュージョン界の名ベーシストであるマーカス・ミラーが参加。この時代ならではのエレガントなアーバンソウルが聴ける。ブラックコンテンポラリー前夜のソウル/R&Bの瑞々しくもフレッシュな良作。
全体にフュージョンライクなポップな演奏なので黒っぽさはあまりなく、同時代のワム!やらマイケル・ジャクソン辺りのダンサブルな要素を兼ね備えたポップミュージックとして聞ける。メロウなバラードも丁寧に歌い上げる実力の高さも流石といった所。全7曲ながらも聴き応えのある一枚だ。
聴いた日:01月09日 アーティスト:Luther Vandross
Volume 2Volume 2
・69年発表2nd。B&Voのケヴィン・エアーズが脱退し、代わりにヒュー・ホッパーが加入。黄金期のコアになるメンバーが出揃った作品。全17曲ではあるが1分未満から2分強(最短は9秒)の曲が大半を占めており、収録時間は33分半弱。当時のレコードのA面B面で二つの組曲構成になっている
それぞれ、1〜10と11〜17が組曲形式になっている。バンドの代名詞となるファズオルガンの音が縦横無尽に鳴り響き、サイケデリックから一歩踏み出して、ミステリアスかつジャジーな前衛性を帯びた、カンタベリーとしか言いようのない複雑怪奇な演奏が疾走感とともに一気に駆け抜けていく。
以降の作品に見られるような長尺曲の姿がなく、組曲形式で構成されている為か、ロック的な勢いとポップな感覚があまり損なわれてなく、サイケとジャズがロックと完全に混ざり切る直前の半熟なサウンドが非常に心地いい。独特なカンタベリーサウンドの魅力が強烈に伝わる一作。3rdより明快なのも良い
聴いた日:01月10日 アーティスト:Soft Machine
FourthFourth
・71年発表4th。大作だった前作から一転してコンパクトな内容になった一枚。とはいえ、ロバート・ワイアットのヴォーカル曲がなくなり、全曲インストになった事でよりジャズ色が濃くなった。一方では前衛性が一歩後退し、サイケを抜け出して洗練の兆しが垣間見えるのも、変遷として興味深い
ヒッピーカルチャーから発展したサイケデリックな趣は本盤になるとかなり払拭されており、ギターレスのジャズコンボ的なメンバー構成でロックを奏でるという、バンドの特異さも相俟って、シーンのポジショニングを確固たるものにしたといっても過言ではない。ジャズでありロックでもある、不思議な音楽。
なお本作でロバート・ワイアットが脱退。バンドはより硬質なジャズ色を強めていくが、この盤はそういった分岐点の作品でもある。内容からすれば、すでに舵を切ってはいるのだが、それでもわずかに残る猥雑さに人懐っこさと温もりを感じてしまう。過渡期の作品にして新旧の音楽性が入り混じる一作だ。
聴いた日:01月11日 アーティスト:Soft Machine
55
・72年発表5th。メンバー構成的にやや流動的な作品ではあるが、サイケの享楽感が完全に払拭されて、ひたすらにクールなジャズロックが展開される。マイク・ラトリッジが得意としていたファズオルガンの比重が少なくなり、エレピを導入しだしたのも、そういったサウンドの変化に繋がっている。
エレピのクールな感触が(カンタベリー)バンド特有のミステリアスさにシリアスな趣を加えていて、非常に硬質な緊張感を伴った音になったのとドラム(本作では前半をフィル・ハワード、後半がのちに正式加入するジョン・マーシャル)が交代した事でリズムがよりロックに傾き、音はクロスオーバー化した
72年といえばフュージョン前夜、クロスオーバーの風が吹き荒れている時期であるのでこの変化は当然といえば当然だが、バンド初期の音は既に影形も無くなってしまっている。なおエルトン・ディーンも本作を最後に脱退。元よりメンバーの交代劇は激しいが以降もそれは続く事になる。存在感は薄いが佳作
聴いた日:01月11日 アーティスト:ソフト・マシーン
SixSix
・73年発表6th。後期サウンドの中心人物で元ニュークリアスのカール・ジェンキンスが加入した一枚。1〜11までが72年のライヴ音源(新曲)とスタジオ録音の新曲(12以降)という変則的な構成。良くも悪くもカール・ジェンキンス存在感を知らしめ、以降の作品のイニシアチヴを強めていく。
前作までは非常にクロスオーバー的な硬質な音だったのが、本作では一転して、ジェンキンズの短いリフを繰り返して、独特の浮遊感を音で敷き詰めていくミニマルな演奏が主体となっており、スピリチュアルかつコズミックな響きにバンド独特の翳りが差し込むといったサウンドに仕上がっている。
そういう点では本盤辺りが非常にプログレらしくあった時期ともいえるが、アプローチがスピリチュアルな陶酔感を押し出したものである為、エクスペリメンタル電子音楽の世界に卑近しており、この盤のアブストラクトな印象を決定付けている。特に後半のスタジオ録音でその様相は一層強まっている。
以上のような点から、バンドは一大転機を迎えた作品なのであるが一方で新たに取り入れた要素によって、方向性が定まらない内容になってしまった部分も否めない。らしさはあるのだが、決定打に欠ける。のちのテクノ的なアプローチは興味深いのだがジャズロックの作品としては疑問符がつく惜しい一作だ。
なお、この盤を最後にヒュー・ホッパーが脱退。オリジナルメンバーはマイク・ラトリッジのみに。そのラトリッジもジェンキンスの加入により存在感を急速に失っていく事になる。この盤もあの独特のファズオルガンの音があまり聞こえてこない事からもメンバー間の立ち位置が窺えてしまう作品でもある
聴いた日:01月12日 アーティスト:Soft Machine
SevenSeven
・73年発表7th。前作からのミニマルなフレーズを取り入れながら、より洗練されたフュージョンサウンドを標榜した作品。本作からシンセサイザーが導入され、音の質感はよりスペーシーな趣へ。元々、陰鬱さが特徴としてあるバンドなのでシンセによる空間の広がり方は宇宙的な印象を強く持つ。
とはいえ、本作はマイク・ラトリッジが最後と言わんばかりにファズオルガンを鳴り響かせ、気を吐いている。ジェンキンズの抽象的かつ浮遊感のあるプレイと好対照でいいアクセントになっていると思うが、バンドの主体がすでに逆転してしまってるのはやはり寂しくはある。
初期はあれほどにまでユーモラスでハッピーなサイケサウンドを出していたバンドが今作に至るとシャープでタイトなリズムとSFチックな浮遊感を際立たせながら、かなり硬質なフュージョンになっているのはメンバー変遷の激しさによる、音楽性の変遷も物語っているように思う。拘らずに聞けば良作かと。
聴いた日:01月12日 アーティスト:Soft Machine
BundlesBundles
・75年発表8th。レーベルを移籍し、流浪のギタリストアラン・ホールズワースを加えての一作。バンド初期以来のギターの加入によって、一気にロック色が高まったと同時に前作までのスペーシーな趣は一掃され、鬱蒼とした緑に覆われる英国の田園風景が広がるジャズロックになった。
とにもかくにも本作限りの参加となったホールズワースのギターの存在感が強く、彼のセッションワークスの代表作ともされるプレイがここでは聞ける反面、全盛期から今作に至るまで管楽器をメインにしていたバンドの面影はもはや失われてしまっている。そういう点では劇薬を投下してるとも言える。
バンド構成がロックバンド的になったことで、かっちりとした曲構成に表情が豊かになった向きはもちろんあるのだが、カンタベリーロック独特の質感もやはりこの盤では希薄となっており、テクニカルな英国ジャズロックという印象の方が強く感じられてしまう。もちろんそういう面での完成度は非常に高い。
これをソフト・マシーンのアルバムだと考えるとかなりイレギュラーな作品だと思う。出来が抜きん出ているために本作を最高傑作と見るむきもあるが、バンドの特徴を考えてしまうと、どうしても「らしくない」作品という結論に行き着いてしまう。そういう点ではなかなか評価の難しい作品だ。
そして、このアルバムを最後にオリジナルメンバー最後の一人、マイク・ラトリッジも脱退する。こうして見ていくと図らずも「終わりの始まり」を告げる作品のようにも受け取れる。そんなアルバムのタイトルが「収束」と付いているのはなんとも皮肉ではあると思う。バンド末期を告げる傑作。
聴いた日:01月12日 アーティスト:Soft Machine
SoftsSofts
・76年発表9th。ダリル・ウェイズ・ウルフなどで活躍したギタリスト、ジョン・エサリッジを迎えた一作。ホールズワースとは異なるタイプでどちらかといえばアル・ディ・メオラのような高速フルピッキングで掻き鳴らす早弾きを繰り出す。この為、さらにテクニカルなハードフュージョンに傾いた音に
音の質感も、前作の良くも悪くも田舎臭い雰囲気から、都会的な硬質な雰囲気に。音の情緒もへったくれもなく、ひたすらに技巧的な趣はかとなくアメリカンな感じも。とはいえ、メンバーにアメリカ人はいないので機能重視な合理主義な部分がそういった印象を与えているだけかも知れないが。
なお本作はジェンキンスとは別にホーン奏者のアラン・ウェイクマン(あのリック・ウェイクマンの従兄弟)が参加しており、彼のサックスがかとなく黒っぽいファンキーさを補助しているのも、そういった印象の要因かもしれない。どちらにせよ英国らしい雰囲気すらあまり感じられないのが特徴ではある。
無論、それが完全に失われているわけではないので、風味は残っているのだが、同時代のアメリカでのテクニカルフュージョンとの差異はあまりない。聞き応えはあるがインパクトがあるかといわれると正直、疑問な所。出来は悪くないが方向性を失ってしまって、特色が見出しづらい一枚か。
ソフト・マシーンと冠したバンドの作品からすれば、あまり芳しい評価ではないが、単純にアルバムの出来は良作だろう。単一のバンド名を掲げながら、内情はもはや別のバンドである、というのはこのバンドならではの特色ではあるが、それが弱みに出てしまったのが本作と言えるだろう。
聴いた日:01月13日 アーティスト:Soft Machine
Alive & Well Recorded in ParisAlive & Well Recorded in Paris
・78年発表ライヴ盤(10th?)。77年に行われたパリでのライヴ音源を元にスタジオでミックスと一部オーバーダヴ録音した作品。一応全曲新録曲なので、スタジオ録音盤と同格に扱ってもいいかもしれない。なお10年リマスター盤で同じライヴのマテリアルを増補した二枚組となっている。
さて内容としては前作のスタジオ盤にいたベースとサックスがそれぞれ脱退して、新たなベースとヴァイオリンが入った構成になったのは新基軸といえるが基本的に路線は前作を踏襲したテクニカルなフュージョン。ライヴらしい熱気を感じさせ、主要メンバーの呼吸が小慣れた滑り出しのいい演奏が聴ける。
とはいえ、ここで聞けるのはアメリカのシーンに接近したフュージョンサウンドで同時期のグループの影がちらつく。アルバムの構成などは従来の趣を意識したもののように思えるが、繰り広げられる音との親和性は正直、ちぐはぐな印象が拭えないか。要所要所で光るプレイはあるが細切れな印象。
この盤で一番インパクトが強いのが10。しかしこの曲はシンセサイザーシーケンスを利用したミュンヘンディスコの影響の強いテクノサウンドでもはやジャズロックフュージョンですらない。ジェンキンスの後年のキャリアを考えれば、ある程度納得の路線ではあるがバンドの路線からはイレギュラーだ。
裏を返せば、超絶技巧フュージョンをいくら鳴り響かせようとも、一発のテクノでそれが吹き飛んでしまう光景がこの盤には現れている。そういう見方をすれば、この盤には「時代の終焉」がまざまざと広がっているのだ。ジャズロックひいてはプログレ斜陽を捉えた稀有な作品とも言えるだろう。
増補された内容については手を加えられた本編よりライヴの生々しさが出ているように感じられ、興味深くはある。もちろん同時代のバンドとして、高水準の演奏で聴き応えはあるがバンドの記名性を考えてしまうと、限りなく寂しさとその希薄さを感じてしまう一枚。聞く分には十分楽しめる良作だと思う。
聴いた日:01月15日 アーティスト:Soft Machine
Land of CockayneLand of Cockayne
・81年発表10th。ジェンキンズとジョン・マーシャル以外、メンバーが総取っ替えとなり、バンドの死に水を取った作品。ブックレットにはホールズワースがリードギターと明記されているが、彼が参加しているのは9のみ。内容もほぼジェンキンズのソロプロジェクト的なものとなっている。
とはいえ、当時の流行に対応した音にはなっており、いわゆるライトメロウなフュージョンで、バンド特有の複雑怪奇さやミステリアスな印象はどこにもない。シンセサイザーの音がジョー・ザウィヌルっぽくもあるが、ストリングスシーケンサーを使ったアプローチなどは独特なものを感じる。
ジャケットのイメージも相俟ってかなり抜けのいい音ではあるのだが、陽気さや爽快感があるというよりは、透明感や荘厳さがかとなく押し出された音で、そこにジェンキンズの持つ浮遊感が重なっているように感じる。そういう点では空間的な広がりを持つサウンドでもあるだろう。
以上のような点からもわかるように、ソフト・マシーンというバンドそのものは形骸化し、死に水を取ったジェンキンズの音楽性が花開いた形になっており、「終わりと始まり」が記録されているのは興味深いところ。バンド末期のマンネリ感が強かったテクニカル路線より内容が充実した一枚だ。
なおカール・ジェンキンスはこの後、80年代は広告音楽で活躍し、この盤からおよそ15年余り後、ニューエイジミュージックユニット、アディエマスコンポーザーとして商業的成功を得ることになる。本作はそういった彼の音楽性の萌芽が見える作品でもある。多角的に再評価されるべき一枚だと思う。
聴いた日:01月16日 アーティスト:Soft Machine
Louder Than Bombs (Remastered)Louder Than Bombs (Remastered)
・87年発表編集盤。同日にリリースされた「The World Won't Listen」とは別にアメリカ市場向けに編集された作品。この盤ならではのバージョン違いなどの細かい違いはあるが、大まかな所は被っているので注意。こちらも当時を網羅したものではある。
が、「The World Won't Listen」と比べると、収録構成のツメがやや甘く、新旧の楽曲がごっちゃになっているために編集盤としては弱く、インパクトは薄い。単に曲を無配慮に配置しているだけなので編集盤ならではの魅力に欠ける。コレクターズアイテムという評価が妥当か。
聴いた日:01月17日 アーティスト:Smiths
Rank (Remastered)Rank (Remastered)
・88年発表ライヴ盤。最後の公式音源。86年ごろのライヴが収録されている。スタジオアルバムで聞けるセンシティヴな痛切さはあまり感じられず、反面、肉感的なマッシヴさや強靭さが出ており、その荒々しさには少々面を食らう。彼らもまたパンクの申し子であることを考えれば、この質感も納得はする
ただ荒々しさがある反面、バンドの状態もなんとなしに浮き彫りになっていて、ヤケクソ感が漂っているのも拭いきれないか。モリッシーコブシを上げていきり立った歌唱をしているのもどことなく失われていく「若さ」への焦燥感があったのかもしれない。「青春」が燃え尽きる最後の一瞬を捉えた作品。
聴いた日:01月18日 アーティスト:Smiths
Reggatta De Blanc (Dig)Reggatta De Blanc (Dig)
・79年発表2nd。デビューからさらに飛躍した一枚。この盤辺りから最終作まで続く、気だるくブルージーかつジャジーなニュアンスに前作からのレゲエやバンドの根底に流れるスノッブなインテリジェンスによるクールネスがシャープに響いてくる。随所にペダンチックな趣が感じられる。
そういう点ではパンクムーブメントに冷や水ぶっ掛けているようなシニカルさはやはり独特なものを感じるし、そこが良くも悪くも特色なのだろう。パンクの波に乗っかって似非パンクでアンチパンクをやる姿勢はポストパンクというよりNWのような気がするし、それはデビュー時から確信犯的に貫いてる。
盤全体の雰囲気も「夜」を感じさせ孤独感や寂寥感を滲ませたものとなっており、どことなくアダルティーなものを押し出しているようにも。そう思うと計算づくなのではないかと思う。そしてそれが成功しているのも見逃せない。勢いそのままに「らしさ」を加速させた作品だろう。クリアな音像も皮肉っぽい
聴いた日:01月19日 アーティスト:Police
SynchronicitySynchronicity
・83年発表5th。事実上のバンド最終作(解散は宣言されてない為)。同時にこれがバンドの最高到達点という印象もある。ロックにしてロックに非ず。というよりロックを徹底的に漂白した先にエスノポップと化し、なおかつ土着性を感じさせない無国籍感をより強調させてきた。
中東的なメロディや第三世界のリズムなどを取り入れながら、同時に西洋のメロディやジャズなどをも織り交ぜて、全世界の音楽を知的でクールなサウンドで総括する趣は、さながらサイバーパンク的なテクスチャーを伴っている。反面、ポップな響きは一つまみ程度。音は爬虫類の様に低温だ。
各音楽要素の取り上げ方は極めてデジタルで機械的なものを感じてしまうが、人が演奏する体温がある事がこの盤の雰囲気を独特にしている。面白いのは大ヒット曲7だろう。極限にまで音を削ぎ落としたゴスペルっぽい旋律で歌われる偏執狂の曲という諧謔に捩れたポップ感覚を味わう。80sを代表する名盤
聴いた日:01月19日 アーティスト:Police
Help (Dig)Help (Dig)
・65年発表5th。二度目の(同名)主演映画のサウンドトラックとしてリリースされた作品。と、同時にアイドルビートルズ」として最後の姿が記録されたアルバムでもある。恐らくこの盤までをバンド初期と目する見方が大勢なはずだ。事実、アイドルである事の疲弊感と音楽性の高まりが入り混じる。
というより、ヒットソングとアルバム収録曲にバンドの抱える問題が見え隠れしているように思う。この当時もはや押しも押されぬ世界的アイドルであり、曲を出せば売れることが必然というような重圧がある一方で、音楽性を追及したいバンド、ひいてはレノン=マッカートニーの意識が対立しあっている。
それがあからさまに出たのが、1でもあるが、それ以上にアルバム収録曲に目を向けると、ジョンもポールもそれぞれの個性が粒立っていき、ここにジョージまで加わって、音楽性の幅が広がり各人の個性が際立っていっているのだ。本作はそういう「成長」がアイドルでい続ける事への足枷と化している。
この盤が代表曲を3曲も収録しているにもかかわらず一枚のアルバムとして印象が薄いのも、抱えていた問題点が原因で全体の統一感が出せなかった為だろうと思う。代表曲が浮いてしまって、収録されてない方がまとまりが出てたのかもしれないと感じるほど悩ましい出来であるのは確かだ。
もちろんサントラという側面では、別段アルバムとしてまとまっていなくても問題はないし、本作の収録曲は粒揃いなので聞き応えのある作品に仕上がっている。既存のイメージと音楽的成長が拮抗しあった過渡期の作品だろう。内容は充実してるが聞き返す頻度は低いという、不思議な作品でもある。
聴いた日:01月21日 アーティスト:Beatles
Black Gives Way to BlueBlack Gives Way to Blue
09年発表4th。カリスマ的だったVo、レイン・ステイリーの死を乗り越えての14年ぶりの新作。一時期は解散も危ぶまれてたバンドには新メンバーが加入し、新たなる一歩を踏み出した。彼ら特有の陰鬱なグルーヴを纏ったダークなメロディは健在で、復活の狼煙にはこの上ない作品となった。
元々、バンドの中心人物ジェリー・カントレルもVoを取れるので、レイン不在の違和感があまりないのもその点が大きな要因だ。レインが背負っていたであろう閉塞感や息の詰まる切迫感、沈痛さがない為か、ダークながら一筋の光明とサウンドの開放感が感じられるのが最大の違いだと思う。
荒涼とした大地に響く地鳴り、のような趣でサウンドが開けた印象を受ける一方で、ダークでへヴィなグルーヴも強靭さを増し、14年分の分厚さを感じる。そこに混じる一摘みのポップさがいい塩梅だ。派手さはないがスワンプな趣もある無骨なへヴィロック。死を乗り越えて眩いばかりの生を感じる復活作だ
聴いた日:01月23日 アーティスト:Alice in Chains
What is ConstantWhat is Constant
15年発表2nd。新進気鋭のジャパニーズプログレの新作。40分余(4つのパートに分かれている)の組曲を含む全6曲。前作より表現の幅が広がり、シンフォニックな面やトラッドやカントリー的なヴァイオリンの響きに強靭になったアンサンブルが絡み合う点に成長を感じる。
平均年齢が若いせいもあるが、楽曲構成の妙より若さによる演奏の勢いも強く感じられ、それが盤全体の鮮烈さにも繋がっている。サウンドの雄大さを推し進めながらも、エネルギッシュなプレイによって、熱気を感じられる意欲作に仕上がった。今後も勢いを衰えさせることなく邁進してほしいと思える傑作。
聴いた日:01月24日 アーティスト:ptf
Magic HotelMagic Hotel
02年発表2nd。前作以上にアーシーな雰囲気が濃くなり、タイトルの通り、サイケでマジカルな音がソウルフルに鳴り響く作品。英国らしい湿り気があったバンドだが今作は比較的カラッとした陽気さを目指しているようなのと、よりロック色を強めており、音としては骨太になった印象を受ける。
反面、前作のポップで軽妙な感じは薄らいだ感があり、メロディーの肌触りは分厚く重くなったか。どちらが好きかは好みの分かれる所ではあるが、グッドメロディーな部分は健在で朗らかな陽射しの中で紅茶でも飲みながら浸りたい気分になる。キレのいい前作からどっしりと構えた安定感のある良作。
聴いた日:01月25日 アーティスト:Toploader
onon
99年発表1st。宇多田ヒカルの登場によるR&Bブームの渦中にリリースされた初作。当時売り出し中のプロデューサーである大沢伸一朝本浩文を起用して、R&Bを始めヒップホップやアシッドジャズなども取り込んだクラブ仕様の音。当時らしいオフビートな躍動感もクラブサウンドに拍車をかける
汗臭くないファンキーさ、あるいはサイバーなグルーヴというか、オーガニックではないサイボーグソウルミュージックと言う趣が強く、これはこれで快楽的で悪くないし、即効性のあるキラーチューンはないが中身はギュッと詰まった内容で、風化した印象もなく現代にも耐えうる良盤だろう。
聴いた日:01月25日 アーティスト:Sugar Soul,Sasaki Kumi,U-SKE ASADA,RYO the SKYWALKER
Afro-Cuban (Reis)Afro-Cuban (Reis)
・55年録音盤。3or4ホーン編成+パーカッション&コンガで吹き込まれたラテンフレーバー濃厚な、味わい深い一枚。サヴタージなメロディに導かれて、ラテンのリズムに自然と踊り出したくなる。元々1〜4が収録された10インチ盤に5〜7の3曲を増補したものが本作の構成となっている。
この為、前半と後半で趣がかなり違うのがよく分かる。前半4曲がラテン色の強いファンキーなサウンドに対し後半3曲はいわゆるジャズらしいブルージーな演奏。どちらも3ホーン、ないし4ホーンの編成なので重厚なホーンのアンサンブルが聞き応え十分。が、より魅力的なのは前半4曲だろうか。
ケニー・ドーハムトランペットのフレーズは穏やかで端正な向きもあるので、そういった柔らかな音色にはラテンのキレのいいリズムが上手く映えているのかもしれない。それを抜きにしても、トランペットサックスの絡みが楽しい作品だ。脇もホレス・シルヴァーアート・ブレイキーもいて安定感抜群。
聴いた日:01月28日 アーティスト:Kenny Dorham
ジャミロクワイジャミロクワイ
・93年発表1st。ジャズファンク/アシッドジャズの代表格の処女作。70sニューソウルの多大な影響とコズミックフュージョンサウンドが混ざり合ったサウンドで、当時のUKクラブシーンを席巻した。そのオーガニックな音はアシッドハウスなどテクノ勢とは一線を画していた。
今聞くとフロントマンのジェイ・ケイの歌より、スチュワート・ゼンダーのベースとリズムに特化した音でそれらがメインに鳴り響く印象を受ける。この時点ではジェイ・ケイもグループの一員であり、後年ほど存在感は強くない為だろうか。グルーヴ重視のインスト色はクラブ仕様という向きも感じる。
グループの音を打ち出す勢いのまま、一塊の音として「らしさ」を提示した一枚だろうと思う。それだけにアルバムのまとまりも非常に良く、代名詞となったディジュリドゥのインパクトも相俟って、きわめて鮮烈なデビューとなった。楽曲のキャッチーさはまだ発展途上だが、丁寧に練られた良盤に違いない。
聴いた日:01月31日 アーティスト:ジャミロクワイ
Return of the Space CowboyReturn of the Space Cowboy
・94年発表2nd。よりバンドサウンドが深化しファンクソウル色が濃くなった作品。同時にスペーシーな趣も強くなり、ブラックミュージックの精神性と相俟って、非常にスピリチュアルかつ深遠な雰囲気が濃密である。あっさりしつつも粘っこいビートとリズムの拘りと供にメロディもかなり黒くなった
スティーヴィー・ワンダーの奏でるサウンドにジャジーなフレーヴァーとファンクの躍動感がスタイリッシュに絡まると言った方がわかり易いかもしれない。完全に黒くならず、適度にノド越しが良いのは、クラブというよりはディスコミュージックに通じるか。黒人音楽をポップスに突き詰めた結果ゆえの良作
聴いた日:01月31日 アーティスト:Jamiroquai

わたしの音楽メーター
音楽メーター

2017-01-01

音楽鑑賞履歴(2016年12月)

| 14:45

月一恒例の音楽鑑賞履歴。音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

18枚。

新年明けましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

久々に20枚割れしてしまいましたが、まあその日の気分なので。

昨年は本当にいろいろありましたが、今年はどうなっていくのかどうか。

そういった期待と不安もありつつ、音楽感想はいつも通りの進行でいきたいと思います。

当面の目標は一昨年の分を出来るだけ早く切り崩して、去年購入分にたどり着きたいですね。

もう残ってる枚数はあんまり考えずに、どんどん聞いていくつもりです。

では、以下から感想です。

12月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:18枚
聴いた時間:643分

EclecticEclectic
02年発表4th。6年ぶりの新作にして16年時点で最後のボーカル収録のスタジオ作。モータウンと契約し、NYで録音された作品で当時のR&Bサウンドやスティーリー・ダンのようなクールなAORを髣髴とさせる音作りが非常に顕著。すでに老成してる感もあるがストイックに削ぎ落とされた趣。
サウンドの質感が変わりはしているが、行っていることはソロデビューからの延長線上にあると思う。前段階で99年にマーヴィン・ゲイトリビュートに参加していることからも明らかで、ニューソウル的な問題意識を初めてシリアスに押し出した盤と考えることはできそうだ。愛の普遍性についてがメインだ
それまでの音に比べても、隙間が多く、重低音の響き渡る作り。その引用先は透けて見えてくるが、そのこと自体はあまり重要ではなく、やりたい事を突き詰めた結果、選び取った音のようにも感じられるし、時代に圧されて成立した音のようにも思う。そして、彼のルーツに厳然と日本が存在しているという事
どんなに遠く離れた、異国の地で音楽を作ろうとも流れる血は変えられず、その抗い難さをこの盤を聞いて感じる。どこまでもソウルになろうとする一方で日本人であるということを強烈に見せ付けられる、セクシュアルな作品だろう。派手さも華やかさも必要ない。黒の濃淡だけを感じる事を提示する一作だ。
聴いた日:12月01日 アーティスト:小沢健二
「Let Me Hear」 (初回生産限定)「Let Me Hear」 (初回生産限定)
15年発表3rdSG。アニメ寄生獣〜セイの格率〜」の主題歌を含む全3曲入り。ラウドに振った曲とエレクトロに振った曲、その混合型という組み合わせ。特に表題曲のキラーチューン度は非常に高く、バンドの成長と高圧縮なサウンドが一体になって切れ味がかなり鋭い、強力な1曲となっている。
ひたすらにカオシックなサウンドが渦巻く中で冷静な感情でラウドに取り纏めていく一方で、1曲の中に詰め込まれたメロディのカロリーも非常に高い。1曲の中で暴走して、静謐になり、また爆発する。秒単位でめまぐるしく変化を遂げ、叩き付けられる。が、それだけに止まらない足取りの軽さが頼もしい。
どこまで成長するのか、どこまでたどり着くのかが分からない感覚がこのバンドの非常に面白いところだと思う。このシングルで一つ頂点を踏破した感はあるがこれからもまだまだ楽しませてくれそうな期待を持たせてくれる痛快なシングルだ。
聴いた日:12月02日 アーティスト:and Loathing in Las Vegas Fear
BABYMETAL(通常盤)BABYMETAL(通常盤)
14年発表1st。女性アイドル×メタルという有りそうでなかったコンセプトを打ち出して、瞬く間に世界に飛び立っていったアイドルユニットの初作。恐らくこれが出た時点でまさかウェンブリーでライヴを行うことなんて、関係者も夢にも思わなかったんじゃなかろうか。音もメタル幕の内といった趣。
一概にメタルといっても、カテゴリは様々あって独立したジャンルになっているがこの盤では出来得る限りの主なメタルジャンルを横断した作りになっている上、そのどれもがメタルと言える、本気の演奏で高水準を保っている事からもこの盤の強力さは窺い知れる。一方でアイドルらしさも堅持している。
この盤の見事なところのアイドルサイドとメタルサイドのバランスが良い曲がものすごくキャッチーなものとなっていて、メタルでありながらアイドルソングというナンセンスな感覚を成立させてしまっている点に尽きる。2や3はそれの証明として、十二分すぎるほどの魅力を放っている代表曲だ。
反面、まだアイドルサイドに引き摺られている部分も目立ち、ユニットの余白、可能性はまだ潜んでいるようにも見える。ただこの盤自体はそういった化学反応による爆発力が尋常ではないほど炸裂した盤であり、存在を叩きつけるという点では最上級の一発であり衝撃度はとても高い。
そう見ていくとキーワードは「無意味さ」のように思う。アイドルメタルをくっつけるという「無意味さ」を成立させてしまうのは非常に「日本らしい」感覚でその辺りはYMOにも感じられるもののように思う。無邪気に両極端の要素を掛け合わせられるのはそこに「意味がない」からではないかと。
意味がないことに価値を見出して、面白がれる感覚が海外の人々にとっては新鮮に見られたのかもしれないがその辺りにこそ「ポップミュージック」の本質があるのかもしれないなどと、考えさせられしまう一枚だろうか。粗もあるが勢いが凄いので名盤たりうる雰囲気をびしばし感じる。
聴いた日:12月05日 アーティスト:BABYMETAL
CC
勢いとキレで突き進む性急な感じとポストパンク的な硬質な音には不思議と「光」をイメージさせるのはメンバーの迷いのなさと爽やかさゆえだろうか。それとも青春のまぶしい方しか見えていないような、無自覚な無敵さが滲み出ているせいだろうか。ともかくそういった鮮烈さが目立つ、痛快な一作だ。
06年1st。メジャーデビュー盤。同時にインディーズ時代からのサウンドの完成形だと思う。疾走感に満ちながらも、独特のコード感覚で織り成されるギターサウンドによって切り開かれていく青臭さと若さがなによりの肝だろうか。まだ何色にも染まらない雰囲気が非常にまぶしく感じられる。
聴いた日:12月07日 アーティスト:Base Ball Bear
Rhythm of LifeRhythm of Life
77年発表唯一作。ロイ・エアーズ・ユビキティKeyが送り出したソロ作。脇はユビキティでの盟友で固められ、7と9以外はナラダ・マイケル・ウォルデンが叩いている。ロイ・エアーズ直系のコズミックジャズ・ファンクが鳴り響く作りでエレピやアープシンセの音がその印象を深めている。
サウンド的には高揚感が希薄で、クールネスが全体を支配する。ダンサブルではあるがアーバンな雰囲気やスピリチュアルな向きが強く、宇宙の深い闇に漂うような感覚の淡いグルーヴに心地よくなる。あっさりとしたメロウさが特徴的な一枚だ。スタイリッシュかつスペーシーな音を味わいたければお勧め。
聴いた日:12月08日 アーティスト:James Mason
LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT~(初回生産盤)LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT~(初回生産盤)
15年発表ライヴ盤。14年3月の武道館ライヴの模様を収録した作品。収録内容は1stと同一だが、既にスタジオ録音のものとはアレンジとニュアンスが異なっており、ライヴの臨場感と熱気共々楽しめるものになっている。と、同時にアイドルユニットらしい、コール&レスポンスがあるのがやはり特異か
面白いのはこのユニットは楽曲を「熟成」していくタイプであるという事だ。まずライヴありきのアイドルユニットであり、また神バンドと呼ばれるバックの演奏陣がアイドルの成長と共にサウンドをより鋭利にしていく様がこの盤からも感じ取れるのが興味深い。1st収録曲が生き物のように変わっていく。
実際、ライヴでありショーでもあるので、メタル×アイドルというコンセプトの旨みが凝縮されていて、パッケージより「演出」を利かせやすいのが功を奏している気がする。そういう点では1stよりもより研ぎ澄まされたパフォーマンスが聞けるし、彼女達のライヴを体感するという点でも良盤ではないかと
聴いた日:12月08日 アーティスト:BABYMETAL
ケンソー(ファースト)ケンソー(ファースト)
80年発表1st。当時400枚しかプレスされなかった原盤に76〜83年頃までの未発表曲とライヴ音源を増補した作品。高校から大学時代の音源ということも合って、今となっては若気の至りに他ならないトラックもあり微笑ましさも感じられるが、後の片鱗を感じさせる曲もあってなかなか侮れない出来
中心メンバーの清水義央作曲からは欧米のプログレ殻は感じられない、オリジナリティが見え隠れしており、水のように透き通る雰囲気のある音は日本固有のメロディらしさを感じ取れるなど興味深い一方で、清水作曲ではない曲の垢抜けなさもまた憎めない出来となっているのが面白くも感じられる。
もちろんそれらは、既存のプログレの影響を隠し切れないものだが、日本でプログレをやろうとする「若さ」ゆえの勢いに満ちている。さすがに5や6など、傍から見ても気恥ずかしくなるものもあるが、新たな挑戦をする若者の姿が窺い知れて、そういった所もここが「始まり」だったと感じさせる一枚か。
聴いた日:12月09日 アーティスト:ケンソー
ケンソーケンソー
・85年発表3rd。メジャーデビュー盤。前作から音はさらに洗練されて、ジャケットの絵のようにソフィスケイテッドされ、よりテクニカルフュージョンっぽくなった印象が強いが和のテイストを強く感じる神秘的なニュアンスが一線を画している。同時にそれまでの特色であるフルートを失った盤でもある
フルートが無くなった分、シンセサイザーを多用しているのもこの盤の都市的な響きを強くしているものと思われるが反面、サウンドは無機質な趣で郷愁を呼び起こすような情緒さはあまりない。出来の良さには何の疑いはないが、サウンドの強烈さは薄らいでしまった、悩ましい一枚。入門としては良作だろう
聴いた日:12月10日 アーティスト:KENSO
夢の丘夢の丘
・91年発表5th。バンドの過渡期だった前作を通過して、新体制でのフルアルバム第一作は地中海の穏やかな雰囲気と神秘的でミステリアスな印象の濃厚なサウンドとなった。全体にヨーロピアンな民俗音楽の趣で、楽器の響きもナチュラルなものへとシフトしており、より美的なニュアンスを強めている。
サウンドはかなり練り込まれている印象で、地中海のたおやかさとは裏腹にテクニカルなバンドの成熟が感じられ完成度は高い。しかし一方で、それまであった日本らしい、和風な叙情が見えなくしまっているのは、寂しいところではあるか。この盤の楽曲からは日本人らしい民族性は皆無だ。
日本人らしさは何かという議論は置くにしても、トラッドなどや欧州の民俗音楽らしさを志向した、という点では非常に完成度も高くプログレらしい一枚ではある。が、日本人バンドとしての独自性は希薄でどこか借り物という印象が付きまとう。もちろん演奏やアンサンブルにはらしさはあるのだが……。
聴いた日:12月11日 アーティスト:KENSO
エソプトロンエソプトロン
・99年発表6th。8年の潜伏期間を経て、送り出された作品は端的に「ロック回帰」。再生すると初手に聞こえてくるのは、ツェッペリンライクな重戦車サウンド。ロック的なダイナミズムを取り入れつつ、バンドの代名詞ある変拍子の嵐が織り交ぜてくるのは新機軸を感じさせる。
80年代から90年代初頭まで蔓延していた音の洗練からは真っ向から背を向けて、オルタナミュージックシーンと符合するかのように、積極的に粗野な質感を押し出すのは当時らしい時代性。実際、本作が以降の作品のベースになっているようでアジアンテイストも少し顔を出している。再出発の趣が強い一枚
聴いた日:12月12日 アーティスト:KENSO
球体の奏でる音楽球体の奏でる音楽
96年発表3rd。盟友であるスカパラのメンバーと編曲服部隆之を迎えて、製作された25分強のアルバム。ロックやR&Bといったポップミュージックを敬遠するかのように、ジャズボーカルやエキゾチカ的なメロディを中心に据えたものとなっており、華やかというよりは柔らかく優雅な雰囲気が漂う。
前作までの印象を考えると、激変とは言わないまでも細波漂う穏やかな雰囲気と草臥れた印象を感じるのは間違いがなく、いくつかの楽曲からも何かの終わりを告げているかのようにも受け取れる。短いながらも示唆に富んだ作品だろう。これ以後、5枚のシングルを発売し、長い沈黙に突入する事になる。
聴いた日:12月15日 アーティスト:小沢健二
Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学
06年発表5th。16年現在スタジオ最新作。全曲インストかつ当時執筆していた小説「うさぎ!」とリンクした内容の作品。なおディスコグラフィーの中でも最長の収録時間となった。非常にコンテンポラリーかつモダンなサウンドでジャズをベースにトライバルな響きを鳴らせている。
環境的というか生態学的というか。自然と寄り添う形で人間の作り上げた醜悪なシステムを批判してる点は書いていた小説の余波もあって顕著だと思うが、そこを踏まえずただ楽曲として捉えるのであれば、出来は十二分するほどではなかろうか。穏やかでオーガニックな雰囲気に包まれたメロディは割と複雑だ
インスト曲としての聞き応えもかなりあるのはアンサンブルの妙と小沢健二というセンスの成せる業だろうか。ともあれ、全然ポップではないが、ジャズ現代音楽なのを聞き好んでいるのであれば、良さはばっちり伝わるはずだ。良くも悪くもガラリと印象の変わった一枚。初手にはあまりお勧めできません
聴いた日:12月16日 アーティスト:小沢健二
singlessingles
01年発表編集盤。解散後に発表されたコロムビア時代のシングルを収録した内容。アルバム群では時代のトレンドを切り取ってきた彼らだが、こうやってフックの強いキラーチューンを並ばせると、ポップカルチャーとしての彼らの本質がより浮き彫りになっていると感じられる編集が興味深い。
ひたすらにファッショナブルだが東京の趣や歌謡曲らしさが隠し味になっているDisc1、対して、ハウステクノの熟しきったグルーヴがサイケな酩酊感を放ちながら、最終的に日本らしい紅白めいたお目出度さに回帰していくDisc2。シングルにこそ、その真髄が詰まっていると感じる良編集盤だろう。
聴いた日:12月17日 アーティスト:ピチカート・ファイヴ
PIZZICATO FIVE JPNPIZZICATO FIVE JPN
97年発売ベスト盤。タイトル通り、94〜97年にかけての楽曲を収録したグループ中期のベストアルバム。サウンド的には洒脱なハウステクノからロックやR&B歌謡曲など雑多でハッピーな音にシフトしていく様子を捉えた内容となっている。東京という大都会の喧騒と響きがみっちり詰まっている。
聞いていて思うのは、編集盤だけあって、おそらく選曲したであろう中心人物小西康陽の意図がかなり色濃く出ている曲順だということ。コンセプトありきで組まれているだけあって、他の編集盤と曲が重複していても、別個の流れを楽しむことができるのが彼の掌の内という印象を強く受ける。
その辺りはDJ的な感覚なのだろうけど、自前の曲でミックステープを作っていると思えば、納得は行く。翻っていえば、曲のキャッチーさにおいては絶対の自信があるからこそ出来る所業だと思う。その点では、その日の雰囲気や気分で選ぶ楽しさがあるし、そういう楽しみ方こそ彼らの音楽の真価なのだろう
聴いた日:12月18日 アーティスト:ピチカート・ファイヴ,小西康陽
Cape Verdean BluesCape Verdean Blues
・65年録音盤。ホレス・シルヴァークインテットトロンボーン奏者のJ.J.ジョンソンが4〜6に参加している構成の作品。カリビアンフレーバーが小気味いいラテンジャズ。ドラムが刻む細やかなビートの熱を帯びた疾走感が鬱蒼とした熱帯林を吹き抜けていく風のようで痛快だ。
タイトル曲の色鮮やかなトロピカルさも味わい深いがテナージョー・ヘンダーソンとJ.J.ジョンソントロンボーンのハイトーンが絡みあう4のエネルギッシュさも堪らない。ホレスのパーカッシヴなピアノもこういった南米的なサウンドがやはり水に合うようで聞く側も楽しくなる演奏が詰まった良盤だ
聴いた日:12月22日 アーティスト:Horace Silver
ザ・サイドワインダーザ・サイドワインダー
・63年録音盤。3年ぶりのBN復帰盤にして、最大のヒット作。8ビートを取り入れた1がジャズロックと呼ばれ、人気が高いが後年のロックが下地になったものとはやはり趣は異なる。タイトでシャープな演奏が非常にスタイリッシュに鳴り響く。きっかりと構成が決まっているのも折り目正しさを感じる
ミッドなテンポで、派手さはないが各メンバー、ハキハキとした演奏で存在感を示していて、味わい深い演奏といえる。全力疾走より、ランニングといった雰囲気でじっくりと聞かせてくれるのは、大人の魅力だろうか。余裕を感じるジャズらしい一枚。キャリア中期の代表作だろう。
聴いた日:12月23日 アーティスト:リー・モーガン
Sigh no moreSigh no more
91年発表2nd。1stに比べるとテンポを落としてハードロック寄りになった印象を受ける作品。アメリカンっぽいカラッとしたサウンドにジャーマンらしいメタリックなノリが重なるのが結構面白い。さすがに突き抜けるような疾走感は前作と比べると少なくなっているが、その分試行錯誤が見え隠れする
メタリックでへヴィな音がじっくり伝わってくるのと、アメリカンHM/HRの乾いた質感がわりかしポップに響いているというのもあるが、そういった彼らの音をより高みに練り上げるために必要な一枚だったように思う。しかしテンポが落ちた曲でもパワフルさは変わらず。佳作だが十分楽しめる一枚だ。
聴いた日:12月25日 アーティスト:Gamma Ray
ニセ予言者どもニセ予言者ども
87年発表4th。インディーズ最終作。前作のアフロファンクからさらにファンク色を強めて深化したサウンドになった。華やかさは薄れたものの、猥雑さと切れ味の鋭さはさらに増した。江戸アケミの歌詞も叙情性と力強さがはちきれんばかり。勢いはそぎ落としたものの、渦巻くグルーヴは最高潮である。
江戸アケミの詩は30年経った今なお、その精彩を一向に欠いておらず、心を響かせるし、真に迫った内容だ。バンドのテンションと江戸アケミの創造性が一体となったという点ではこのアルバムが最高傑作であるという評になんら疑いを持たないし今だからこそ広く聞かれるべき作品だと思う。間違いなく名盤
聴いた日:12月29日 アーティスト:JAGATARA

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