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In Jazz

2112-09-03 初めに。

ここは私ことテリー・ライスが主に漫画や音楽やアニメや小説、映画などの感想を好きに語るブログです。

あくまで個人の感想である事にご留意よろしくお願いします。

サイト名のIn Jazzとは音楽ジャンルのジャズではなく、

俗語の意として「熱狂」とか「たわごと」の意です。

好きなことを語れたらいいなあという思いを込めて。

更新はかなりの不定期になってますが気が向いたら、書く方向になると思います。

それとtwitterでもつぶやいてます。なんだかこっちがメインっぽくなってますが。

テリー・ライス(@terry_rice88)さん | Twitter


※2012/8/16追記。

amazonに自分の好きなものを集めたインストアページを作りました。

ちょくちょく追加していきますので気軽にご覧いただければと思います。

In Jazz Serect shop - Books

2050-05-16 アニメ感想置き場。

アニメ感想置き場

| 22:43

※6/23 最下段のカテゴリに劇場版パトレイバー1&2と新海誠作品の感想リンクを追加。

この記事はアニメの感想リンク先まとめページです

随時更新いたしますのでよろしくお願いします。

続きを読むをクリックで。

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2016-09-01

音楽鑑賞履歴(2016年8月)

| 21:28

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

20枚。

割といつもどおりのような感じもしますが、

魔神英雄伝ワタル」のCDBOX(7枚組)を一枚と換算すると14枚です。

そんなに聞けてないですねえ、今月。

なにが原因なのかはよくわからないけど、気分が乗らないときもありますわね…。

というか、あんまりロックっぽいのを聞いてない月ですね、眺めてると。

夏も終わり、台風が来たり来なかったりで、天候も不安定ですが、

秋に向けて、徐々に涼しくなっていく感じはなんか趣があって好きですね。

とまあ、以下から感想です。


8月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:20枚
聴いた時間:355分

AbraxasAbraxas
・70年発表2nd。初期の傑作として名高い彼らの代表作。1stでのロック×ラテンクロスオーバーがさらに洗練されて、より高い水準で繰り広げられている。当時のカウンターカルチャーとしてのロックの熱っぽさに煽情的なラテンパーカッションが絡み合い、燃え盛る炎のようなアンサンブルが聴ける
音楽面で言えば、ロックとブルースラテンとさらにジャズインタープレイが重なっているのが洗練の要因だが歌に限らず、7のような涼風の吹き込む美メロを二枚看板として立てたのも強みが増した。捨て曲がなく40分弱を一気に聴ける名盤だろう。ラテンロックの魅力が存分に味わえること請け合いだ。
聴いた日:08月03日 アーティスト:Santana
Second EditionSecond Edition
・79年発表2nd。オリジナルはフィルムケースのような円形缶に封入されたLP三枚組の大作。現行版は80年にオリジナル版から増補された「第二版」という形で今なお伝わる、ポストパンクの傑作盤。およそポップミュージックらしい明快さは皆無にも拘らず、それでもポップさを携えている稀有な一枚
クラウトロック、あるいはレゲエ・ダブなどの影響がよく語られるが、それらの無機質な反復やエコーとも何か違った「生々しさ」がある音がこのアルバムの特徴だろう。パンクの激情をNW/ポストパンクの醒めた理性によって、方角を指し示すことでポストパンクのスタイルが確立されたようにも感じる。
徹底的に感情を廃した無機質な音である一方でジョン・ライドンの呻きにも似た調子っ外れのヴォーカルが絡むことで無塗装無装飾の工業製品のような姿のポップミュージックが成立している。これも近代社会に生まれた原初の響きなのかもしれない。ポップにしてポップに非ず。それでも惹きつける魔力がある
聴いた日:08月04日 アーティスト:Public Image Ltd,Pil
ライヴ・アット・ラ・コヴァライヴ・アット・ラ・コヴァ
06年発表ライヴ盤。05年8月26、27日のスペインはメノルカでの公演を厳選して収録した初のライヴアルバム。熱気溢れる夏の夜に行われた演奏もまたエネルギッシュかつホットなものとなっている。ライヴバンドとしての実力を思う存分に発揮した、痛快な内容は一聴の価値のあるものだろう。
いわゆるジャズファンク、あるいはソウルジャズといわれる類の音楽を真っ向から取り組んで、タイトかつグルーヴィーな響きをライヴの熱気に渦巻かせているのが最大の魅力。時たま演奏のテクスチャーがジャズであったり、フュージョンのライトな趣を感じさせるものがあり、その辺りに新味を感じるか。
ファンクジャズの重たさがソウルフュージョンの軽快さで中和された事で、バランスの良い重みと引き締まったビートが腰にグッと来る感じで非常に楽しい一枚だ。おそらく彼らの入門編としても最適な作品だろうと思う。ライヴらしい勢いとフレッシュな感覚が生き生きとしている脂の乗った良盤。
聴いた日:08月10日 アーティスト:ザ・ニュー・マスターサウンズ
ロスト・テープスロスト・テープス
07年発売編集盤。知る人ぞ知るジャズ・ファンクヴィブラフォン奏者の72年、79〜80年のライヴ音源を取りまとめた一枚。ライヴの熱気とともにヴィブラフォンのクールな音色がファンキーな演奏と絡まって、格別な味わい。ヴィブラフォンだと端正な演奏を想像するがこれはどちらかというと粗野だ
ケレン味があるというか、ソウル/ファンク色が濃いので自然と熱気を帯びたものになっているというのが正しいか。ヴィブラフォンの知的な響きよりソウルファンクのワイルドな肉感が勝っているのでより音の快感は強い印象。1のカバーなども相俟って、レアグルーヴ感満載の聴き応えのある作品です。
聴いた日:08月17日 アーティスト:ビリー・ウッテン
Attack of Grey LanternAttack of Grey Lantern
97年発表1st。とにかく音の分厚さの目立つUKバンドの初作。当時らしい轟音ギターが英国らしい耽美で陰影の濃い叙情性のあるサイケな響きをかき鳴らす一方で、コンテンポラリーストリングスやデジタルビートも重なり、非常に密度濃い音がポップに鳴り響く。その練りこみは厚塗りの油絵のよう。
過密といっていい位の高圧縮度のメロディが渦巻く中、独特のカラフルさや、その楽曲の質量が決してクドくなってないのが面白い。今聞くと、生身の演奏とデジタルビートなどの重ね方に試行錯誤感があってのまた興味深いがこの時代にしか出せないカオスな感覚を楽しむのもまた一興な一枚。案外クセになる
聴いた日:08月17日 アーティスト:Mansun
SIX (ENHANCED)SIX (ENHANCED)
98年発表2nd。前作よりサウンドが整理されて、聞きやすくなった一方で一曲の中で曲調がガラリと変わるものが多く、曲ごとの境目が結構あいまいだったりする不思議な一枚。だけど作品の統一感は纏まっていて、相変わらず音の密度はかなり濃い。取り扱ってるジャンルの多さは前作以上ではないかと。
オルタナあり、バラードあり、パンキッシュなものもあり、デジタルビートやストリングス、NWやグラム的な耽美感もあれば、プログレのような複雑さもあるし、シューゲイズやジャジーな趣も拾ってきていて、まさしく万華鏡のようにメロディの洪水が溢れていて、集中して聞かないと突き放されそうなほど
ここまでやると、後のキャリアが辛いだろうという位に、強迫観念的なメロディの詰め込み方をしていて、聴き応えはある。が、音も決して軽くはないしむしろ重厚さが伝わってくるのであまり気軽には聞けないか。アルバムの構成もさることながら、じっくりと音楽を聴きたい時にお腹いっぱいに出来る一枚
聴いた日:08月18日 アーティスト:Mansun
Little KixLittle Kix
00年発表3rd。事実上の最終作。前作のカオスオルタナ/プログレ感から打って変わって、彼らの根っこの部分であるNWの影響が色濃く出た作品。その為、曲構成がとてもコンパクトになり、ポップさを伴って、非常に聞きやすくなった。メロディに圧縮された感じも薄らいで、目まぐるしい変化もない
陰影の濃いモノトーンな表情や、かとなく感じられる神秘的でゴシックな趣といい、彼らの「素」が一番よく出ている作品だと思う。NWの耽美さやサイケな印象が回り巡って、ブルージーな音に接近しているのもまた面白い。繊細さと骨太な音が同居しているのが改めてこのバンドの魅力だったのかもしれない
聴いた日:08月19日 アーティスト:Mansun
Here TisHere Tis
61年録音盤。地味ながらわりと歴史的な一枚。というのも、リーダーのルー・ドナルドソンの定番コンボ構成になるオルガン(プレイヤーは通好みのオルガニスト、ベイビー・フェイス・ウィレット)が初めて登場する盤であるとともに、ジャズジャイアントの一人、グラント・グリーンの初録音であることだ
内容はウィレットとグリーンという若き才能の迸るさまに任せて、リーダーのルーは若手中心のコンボで泰然自若、悠々自適にサックスを吹いている。この盤はそんなルーがソウルジャズ路線に傾倒していく最初の記録であるが、同時に黒人音楽の歴史が継承されていく光景でもある。そこがまた興味深い。
ルーがソウルフルな方向に傾いていく中で、後にここで活躍しているグラントはさらに「ファンキー」な音へと志向していく。そういった一連の流れにこの盤はある。一歩引いた所で存在感を示すルー、グラントはあの溜めの利いたプレイを若さ漲る溌剌とした活気で魅せる。新旧ジャズメンの競演が面白い一枚
聴いた日:08月21日 アーティスト:Lou Donaldson
ハウ・インセンシティヴハウ・インセンシティヴ
69年録音盤。大所帯のバンド構成にコーラスヴォーカルが絡むセッションアイアート・モレイラフローラ・プリム夫妻をメインにすえたブラジリアンテイスト濃厚なセッションが収録された一枚。クラブなどで再評価された。スマートかつスタイリッシュな演奏が聴く者を惹きつける魅力だろう。
ピアソンもジャズピアニストというよりは、総合的なジャズコンポーザーとして手腕を発揮している印象、もちろんピアノも弾いているが、持ち味の端正さによってジャズの小洒落た印象を付与させたといっても、けして過言ではない内容だ。あっさりとした音だがジャズの味はしっかりと利いている。
特筆すべきは本作でBN初登場(のはず)となったアイアート・モレイラフローラ・プリムの参加したブラジリアンテイストのジャズだろう。ボサ・ノヴァやサンバの細やかなリズムにピアソンの端正な味付けが相まって、小粋な雰囲気を醸し出す。和菓子のように儚く美しいメロディが奏でられる佳作だろう
聴いた日:08月23日 アーティスト:デューク・ピアソン,フローラ・プリム,アンディ・ベイ,ニューヨーク・グループ・シンガーズ・ビッグ・バンド
愛があるから大丈夫愛があるから大丈夫
93年発表4th。ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」ED曲9を収録したアルバム。従来のアジアンテイストにセカンドラインゴスペル、サンバ、スカ、レゲエなどの様式を取り入れており、華々しくも祝祭感の強いサウンド。いわゆる泣き笑いの感覚を取り入れて、さらにエキゾチックさが増している。
とはいえ、93年というとバブルが崩壊した年でもあり、それまでの突き抜けた明るさに一滴の不安が混じったような印象で、雑多なサウンドが少し重々しく感じられた。流石に各国の民俗音楽をごった煮させたのが自家中毒になっていて、アルバムとして聞くとまとまりに欠ける。曲別に聴くと悪くないのだが
聴いた日:08月24日 アーティスト:上々颱風
魔神英雄伝ワタル25周年記念 魔神英雄伝ワタルCD-BOX(Blu-ray Disc付)魔神英雄伝ワタル25周年記念 魔神英雄伝ワタルCD-BOX(Blu-ray Disc付)
14年発売のCD-BOX七枚組。88年の「魔神英雄伝ワタル」から97年の「超魔神英雄伝ワタル」の主題歌・キャラクターソングを網羅したボックスセット。ドラマCD収録の曲も入っているので一まとめに聞きたい場合はこれでいいかも。a・chi-a・chiの98年以来となる新曲も収録。
Disc1。ワタルとワタル2の主題歌曲をメインに、キャストの歌うOP&ED、a・chi-a・chiのカバーなどが収録。当時のリバーヴが利いたHi-Fiなフュージョンっぽいサウンドが目を引く。特に林原めぐみの地声とヒミコの声での歌唱が聞けるあたり、芸の上手さを感じるなど。
Disc2。ドラマCD「虎王伝説」とワタル2のキャラソンがメイン。山寺宏一によるクラマのキャラソンが80年代歌謡曲っぽい。虎王とヒミコのデュエットソングあり、田中公平作曲の子守唄あり、全体にミッドテンポのしっとりとした曲が多い感じ。アーバンでメロウな感じは80年代末を引き摺ってる
Disc3。ワタル2、「虎王伝説」、ドラマCD「ワタル3」の曲を収録。a・chi-a・chiの歌うワタル2のOP&EDを初めとして全10曲中8曲がa・chi-a・chi。当時らしい渋谷系的メロディとハウスのテクノビートが絡まり、カジュアルな趣のポップスが立ち並ぶ。
Disc4。ワタル3、「ぼくの虎王」と「虎王のクリスマス・プレゼント」からの収録曲がメイン。伊倉一寿の歌唱力が目を引く。90年代初頭のバレアリックな雰囲気のハウステクノ調の曲やファンキーなホーンが鳴る曲も。黒っぽいけど清潔な感じのメロディはこの時代ならではの音だろう。
Disc5。ワタル2OVA、ワタル3、ワタル4の楽曲を収録。OVAの楽曲を抜きにすれば、各国の音楽をベースにした曲が目立つ一枚。ブラジル音楽、シャンソン、スパニッシュ、チャイニーズ調などなど歌っている面子も含めバラエティに富んだ作り。西村知道玄田哲章が歌うキャラソンも珍しい。
Disc6。ここから「超魔神英雄伝ワタル」の楽曲。1や2周辺のバブル期のHi-Fiサウンドから比較的に低音重視のエレクトロサウンドに変貌し、華やかさに欠けるも重みのある音に。坂下正俊A.K.A.manzo)らの手がける楽曲も質が高く、1,2とは違った趣が面白く聞ける。
Disc7。引き続き「超魔神英雄伝ワタル」の楽曲とこのCD-BOXの目玉として作られた、a・chi-a・chiの新曲が収録。既存曲では坂下正俊A.K.A.manzo)と伊倉一寿の曲がいい。リズム重視ながらオフビートにクールなメロディが乙なもの。楽曲の出来は1や2を凌駕している。
a・chi-a・chiの新曲については古参のファンであればあるほど、積み重なった年月と想いをフィードバックさせられる一曲。ある意味、本当の「卒業ソング」にも聞こえるし、感謝の一曲でもある。往年の歌声を期待するのは酷だが、今の彼女たちを実感できるものでファンには堪らない物だろう。
聴いた日:08月24日 アーティスト:TVサントラ
上々颱風 3上々颱風 3
92年発表3rd。前作に引き続き、キャバレーマンボルンバロカビリージャングルビートに音頭や昭和歌謡などを取り入れて、アクの強い猥雑さを出しながら、独特のダンスグルーヴを渦巻かせている。その一方で泣き笑いの感覚は薄らいだような印象。さながら農村でのお祭りにも聞こえる
先に4枚目を聞いて感じたことだが、本作の土着感あるいは垢抜けなさがかなり人懐っこい。形容しづらいが心が豊かな感じ、だろうか。音に感情を含め、色んな物がぎゅっと詰まっている。それまでのスピリチュアルな祝祭感はないが、とても人間臭い感じがこの盤の享楽的な音を支える核であり魅力なのだ。
聴いた日:08月26日 アーティスト:上々颱風
ライヴ・イン・アイルランドライヴ・イン・アイルランド
74年発表ライヴ盤。北アイルランド問題で荒れに荒れていた故郷アイルランドへツアーを敢行した際の白熱のライヴを収録した一枚。とにかく演奏のテンションが振り切れていて、熱の篭った内容。ライヴに定評のあるプレイヤーとはいえ、当時の状況も含めて、気合の入り方が相当違っていたのだろうと思う
収録されているのは一部始終とはいえ、唸りを上げるロリーのギターは時に激情に駆られ、時に繊細に咽び泣き、そのプレイ一つ一つに気迫に満ちた、執念にも似た情熱を感じるばかりだ。メンバーのアンサンブルも強靭であり、ロリーの奔放な演奏に下支えしている。絶頂期の切れ味鋭い演奏を堪能できる名盤
聴いた日:08月29日 アーティスト:ロリー・ギャラガー
ギアーズギアーズ
75年録音盤。引き続きマイゼル兄弟率いるスカイ・ハイプロダクションとがっちり手を組んだ一作。ソングライティングで個性を出さずに、プレイヤーとして徹しきっている。この為、マイゼル兄弟の色合いがさらに濃くなった作りになって、煌びやかでメロウな響きが全編に渡って、支配している。
ハモンドは曲ごとにエレピやシンセ、本来のメイン楽器であるオルガンなどを駆使し、スカイ・ハイ・サウンドに溶け込んでいる。リーダーのアーティスト的な個性を求めると魅力に乏しい一枚かと思うが、マイゼル兄弟のプロデュースした作品としては完成度の高いアルバムだろう。聞いて損はない良作。
聴いた日:08月31日 アーティスト:ジョニー・ハモンド,フォンス・マイゼル,ラリー・マイゼル

わたしの音楽メーター
音楽メーター

2016-08-31

ざっくばらんにアニメで好きな話数を10本集めてみた。

| 00:32

ぎけんさん(@c_x)のマイベストエピソード企画参加記事です。

マイベストエピソード企画 - 物理的領域の因果的閉包性


◆ マイベストエピソードのルール

・ 劇場版を除くすべてのアニメ作品の中から選出(配信系・OVA18禁など)

・ 選ぶ話数は5〜10個(最低5個、上限10個)

・ 1作品につき1話だけ

・ 順位はつけない

「作品としてはベストに選ばないけど好きな話数」

アニメ作品の好きな話数を選出し紹介する企画

、だそうです。

まず最初に断っておくと、自分のは特に「マイベスト」でもなんでもありません。

ぶっちゃけMy Best TV Animation Top10 - In Jazz という記事も書いてしまっているので、これ以上語りようもなく、同記事に名が挙がっている作品は極力避ける方向で構成しています。ベスト話数を選出、というテーマからはおもくそ道を外れた話数選出だと言えるでしょう。

でもまあ、「好きなんだよなあ、こういうの」ってのでまとめてますので、自分のストライクゾーンから外してないとは思います。思いつくままに、というより自分の中ではかなり縛りを設定した選出なので、気軽に選んだ感じではないけど結構テキトーな感覚で考えた、はず。

とまあ、前置きはさておき。コメントを添えながら、紹介していきたいと思います。

では以下から、スタート。

1.とある科学の超電磁砲('09〜'10)

第16話「学園都市

脚本:大野木寛/絵コンテ:二瓶勇一/演出:高島大輔/作画監督:小川エリ、冨永詠二、瀬川真矢沼田誠也

総作画監督:木本茂樹

《コメント》

「電磁砲」シリーズの中じゃ一番好きなエピソード。というより、自分の中では面白く感じられた話数、か。15話の「スキルアウト」と前後編。学園都市の社会規範に外れたいわゆる「無能力者」にまつわる話、だけど7話辺りから続いてた「持たざるもの」と「持っているもの」の対比構造についての、ひとつの解みたいなエピソードでもあるのかな? 美琴たちの先輩、固法美偉(このり・みい)と「ビッグスパイダー」元リーダー、黒妻綿流(くろづま・わたる)との過去と現在がメインのドラマになってて、青春してるなあという感じがいいよなあと。「電磁砲」の登場人物の中でも固法先輩が好きだというのもあるけど、黒妻の男前な性格が話の風通しを良くしてるのが一番強いような気がする。「持つもの」にも苦悩や葛藤があって、それは同様に「持たざるもの」にもあるわけで。おたがいに劣等感を持つのではなく、個性を分かり合って共闘するってのは好きな展開ですね。男女のカップルとして、固法先輩と黒妻のしつこくない人間関係も好きな所ですね。本筋のストーリーではないけど、シリーズ中のサブエピソードとしていい出来だと思います。

2.バスカッシュ!('09)

第1話「アイ・アム・レジェンド

脚本:佐藤竜雄/絵コンテ板垣伸/演出:三浦和也/作画監督渡辺敦子

《コメント》

非常にコメントしづらいというか、全話見てないのに入れていいんだろうかとは思うけど(苦笑)

「夢のある(を感じさせた)初回」としては「輪廻のラグランジェ」級だったと思うんですよ、「バスカッシュ!」って(そういや、どっちも佐藤竜雄さんが絡んだ作品ですね)。というか1話にしては情報量が過密すぎて、整理し切れてないくらいにガチャガチャしてるんですよね。1話完結のOVAというか、最近良くある1時間弱くらいの劇場公開作品みたいな展開を処理してしまっているわけで。そりゃ、正味24分くらいのTVシリーズ1話分に押し込めるとそうなるよなあと。実際、「いい材料(キャラ、舞台設定や声優陣に美術とか)」は揃ってたわけですし、上手くやれば面白くなってたはず、だったんですけどね。現場で何があったかは詳細を知る由もないですが、「ロボットでストリート・アスレチック・バスケ」をやるって設定は面白いと感じた部分。あと吉松孝博さんをはじめとしたキャラクターデザインも凄く好みでした。美術も今見るとロラン・トマさんの持ち込んだと思われるフレンチなストリート感覚溢れるバンド・デシネの雰囲気満載な絵が面白かったりして、なかなか興味深いわけですがそういった「魅力」のどれを一番提示したいのか良くわからない、カオスな状況な中、おそらく一番の肝である「ロボットでストリート・バスケ」が突き抜けていく感覚が面白かったんだと思います。正直、初回ラスト3分で1年が経過する作品なんてのもざらにないと思うわけで、そういった変に突き抜けてるところが嫌いになれないな、と。監督の降板劇があってから、急速に興味を失って見なくなっちゃったんですが、初回は作品の要素がしっちゃかめっちゃかに渦巻いているのが楽しかったのです。

3.デュアル!ぱられルンルン物語('99)

Act.11「REAL」

脚本:小林孝志/絵コンテ木村真一郎/演出:米田光宏/作画監督:小原充、伊藤良明

《コメント》

95年に「新世紀エヴァンゲリオン」が放送されて以後、雨後の竹というほどじゃないけど影響を受けた作品がいくつか世に送り出された訳ですが、これもその一つ。「天地無用!」シリーズの梶島正樹さんがエヴァっぽいのをやるとこうなる、という物語の入りから「いつも」の梶島作品的SF展開になっていくのはご愛嬌。作品の成立とかを調べる限り、元々2クール予定だったのが1クールに圧縮された作品らしく、残念ながら後半の展開は結構性急な感じが作品の完成度としては少し落としてるシリーズなんだけど、それ以上にラブコメ指数は梶島作品でも随一なんですよ、これ…! 選んだ話数は主人公、四加一樹とヒロイン、真田三月が戦いの最中、「元の世界」へ吹き飛ばされて図らずも帰ってくる回。一樹にとってはどちらが自分の「リアル(現実)」なのかという対立が話の主軸なんですが、そんなのはもはやどうでも良くて、ライバルがいなくなった真田三月が一樹との距離感を一気に縮めてくるところが非常に素晴らしいんだ。もうラブコメとしての距離感が絶妙すぎて、大して甘くないのに凄く甘いのがまたいい…!「世界よ、これがツンデレだ」ってなる感じですよ、ええ。物語的にもそういった三月の一樹に対する感情が最終展開に絡んでいくわけなんですが、話と描写の積み重ねがあって初めて成立する関係性を作っているのは巧みだなあと思うわけです。もう1クールあったら、どうなっていたんだろうという想像は尽きない。と、同時にこの作品でデビュー&初メインキャラを演じた田中理恵さんの実力の高さが伺える1話なのも注目したい所。あと新房監督の関わる以前のシャフトの仕事という点でも興味深いかも?(各話グロスで参加してる)


4.機動警察パトレイバー アーリーデイズ('88〜'89)

機動警察パトレイバー アーリーデイズ [Blu-ray]

機動警察パトレイバー アーリーデイズ [Blu-ray]

第2話「ロングショット」

脚本:伊藤和典/絵コンテ押井守/演出中村隆太郎/作画監督:北崎正浩

《コメント》

香貫花・クランシー初登場&爆弾処理回。中村隆太郎さんの密度の濃い画面が好きですねえ。作画もゆうき先生のデザインとずいぶん異なる感じだけど、独特なつり目気味の野明が結構好きですね、この回の出番は少ないけど。香貫花は漫画版だとレギュラーキャラじゃないので、視聴する以前はそこまで気になるキャラでもなかったし、熊耳さんとキャラが被ってないかと思ってたわけなんですが。故・井上遥さんの演技がいいのと帰国子女という設定を最大限生かした、アメリカンな雰囲気が見事好みに合致したというのがでっかいですね。OVAの展開やTVシリーズでさらにキャラの魅力が固められていくわけですが、ファースト・インパクトとしてのこの回を選出。もちろん画面の作りがいいというのもありますが、パトレイバーにおけるこういった軽妙なノリが自分の嗜好するドラマのラインとしてあるなとも。一話で綺麗にまとまってるのもポイント高い。反面、押井監督の色が前面に出たドラマってさほどでもないんですよね。押井監督の作るバカ話は好きなんですけども。

5.ダッシュ!四駆郎('89〜'90)

ダッシュ!四駆郎 3 [VHS]

ダッシュ!四駆郎 3 [VHS]

第3話「恐怖のピラミッド

脚本:高山鬼一/絵コンテ:則座誠/演出:木下ゆうき/作画監督西川貴博

《コメント》

ミニ四駆というと自分は「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」より「ダッシュ!四駆郎世代なんですが、その「四駆郎」のエピソードでも深く印象に残っているのがこれ。というか内容をさっくり言えば、輪子回です。予選第二回戦の対ヘルス・キッズとの第二戦でピラミッドの中をレースすることになるダッシュ軍団。パンクローと出場した輪子が相手に女の子がミニ四駆レースに出るなんておかしい、と罵倒され、弱さも垣間見せるも相手側の主将にして好敵手の大道(だいどう)に「ミニ四駆をやるのに男も女も関係あるか」と言われ、自分を取り戻し、善戦する回。大道は小錦というかアブドラ・ザ・ブッチャーというかそういう感じの巨漢キャラなんだけど、いい奴なんだよねえ。正々堂々と言うか「戦い」には筋を通すキャラで、好感を持てるライバルキャラとして完成度が高い。そこら辺のドラマ立てが非常に上手いのが「四駆郎」の魅力でもあるんだけど、アニメ版はそれ以上に輪子の可愛さが前面に出てて、すごく好きだったんですよねえ。輪子の使うマシーン、ダンシング・ドールを買ってもらったのもそういうのがあったからだと、今書いててハタと思った次第。あと佐久間レイさんの声もいいよなあと。当時の刷り込みとして、折笠愛さん、冬馬由美さん、佐久間レイさん辺りの声をいいなあと思って聞いてた記憶も甦ってきたりで、そういった点でも業の深さを感じざるを得ない。

6.神魂合体ゴーダンナー!!('03〜'04)

第20話「桃花哀歌」

脚本:川崎ヒロユキ/絵コンテ:吉田英俊/演出元永慶太郎/作画監督:平山円、西井正典(メカ)

《コメント》

主人公猿渡ゴオの旧知の仲である、中国はダイナベースのパイロット、モウカクとシュクユウにまつわる愛の物語と悲劇。シリーズ構成に非常に難のあるシリーズで全体的な評価が厳しくなってしまう作品だけど、この1話の完成度はシリーズ中でも図抜けていると思う。個人的にはシリーズベストにあげたい1話でもある。それぐらいに纏まっているのが選出の理由。やってることは結構シンプルなんですよね。愛を成就させたカップルに起こる悲劇という展開のコントラストが非常に上手くて、登場人物の幸せさとその先に待つ非情な展開の切なさを24分の中でドラマチックに描いている。獣みたいな男と容姿端麗な美女の関係、言ってみれば「美女と野獣」のような男女関係を説得力のある描きで繰り出されると、自分としては嫌いになれないなあと思うわけで。この回もそういうのが前面に出てて、好きですね。今となっては、ある特定の役しか演じなくなった声優さんの演技が聞ける作品としても意義深いのではなかろうかと。モウカク役の小杉十郎太に対する、山崎和佳奈さん演ずるシュクユウがまた良くてですね…。ドラマもあいまって、声優さんの演技が映える回としてもいいなと思います。

7.ふしぎの海のナディア('90〜'91)

ふしぎの海のナディア Blu-ray BOX【完全生産限定版】

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第13話「走れ!マリー」

脚本:大川久男/絵コンテ摩砂雪/演出もりたけし/作画監督柳田義明

《コメント》

ナディアの中でも人気の高いと思われる話数。オチの急転下するシリアスさはともかくとして、エピソード全体に流れるテンポのよさと軽妙さが爽やかな一本でしょうね。自分はエヴァよりかはナディアの方が面白く見れたという印象があって、そこの差は何かと考えると冒険活劇な部分が大きいような気がします。エヴァの内面を抉るような描写と切羽詰った閉塞感みたいなものは自分の好みからは大きく外れるもので、物語としては理解できるし興味深くはあるけど好きにはなれなかったというのが強くあります(その辺りは新劇になってもあまり変わりがない)。一方、ナディアは今見るとユルい部分も少なからずあるわけですが、それでもドキドキワクワクする所があって、そこで見れてたのかなあと思います。ただリアルタイムで見てなくて、再放送で見たはず。それも全編通して見たわけじゃなくて、見逃した話数もありつつも最後まで見た作品でもあるので所々抜けがあるのも否めないところ。選んだ話数は一話単体で見ても、絵的に楽しめる話数かと。マリーとサンソンガーゴイルのメカに追い掛け回される所のコミカルな感じとかが、前後の話を知らなくても楽しめる、当時のTVアニメらしい感じではないかと。一人、マリーが島を探検する時の叙情的な感覚も雰囲気出てるし、このくらいライトなノリが今あってもいいよなあとか思う一本ですね。なかなか難しいと思いますが。あと絵コンテ摩砂雪さん、正面のカメラアングルでキャラが逃げ惑いながら、後ろから敵が攻撃しかけてくるのをよけていく構図が好きなんだなあと。この後、紹介する作品にも出てくることからもちょっと面白い。

8.帝都物語('91)

帝都物語 [DVD]

帝都物語 [DVD]

第4部「菩薩篇」(総監督りんたろう

監督:池田成/脚本:遠藤明範、摩砂雪りんたろう/絵コンテ摩砂雪りんたろう/作画監督:アオタカズマ(摩砂雪

《コメント》

ガイナックス作品じゃないけど、スタッフ的に「ポスト・ナディア/プレ・エヴァンゲリオン」なOVA作品の最終話。辰宮(目方)恵子と加藤保憲の決戦がメインで当時のOVAらしく作画は恐ろしくハイクオリティというか、手書き作画の脂ぎった密度の高さを感じさせるアニメーションだなあと。見たのは割りと最近だけど、その内容の濃さに舌を巻いた。当時はバブルの繁栄の陰に魑魅魍魎が蠢くといった内容のオカルト的な作品がマンガ・アニメに限らず、数多く送り出された時期ではあるけど、この「帝都物語」もそんな伝奇ブームの一翼を担った作品ではあると思う。反面、そういった伝奇的な物語を廃して、作品を眺めて見ると加藤保憲が自分の恨みや怨念を和らげるような存在を捜し求めていた、ようにも見える作品でもあり、また辰宮家の歪んだ家族像が一番、人の魍魎めいた欲望を描き出しているようにも見える作品である。そういった人間の像を炙り出しているこのOVAエヴァにも繋がっているようにも感じられるのは、たぶん歴史的な観点で見ているからだろう。加藤保憲実写版と同じく嶋田久作が演じているんだけど、その独特な声色は今なお類を見ない響きに思える。なんかこう、存在感がある声というか。個人的には摩砂雪さんの画が前面に押し出されていて、それだけでも全話楽しい感じ。見所は多々あるけど、恵子と加藤保憲の対峙するクライマックスシーンは必見。

9.Re:キューティーハニー('04)

第3話「人」の巻(総監督庵野秀明

監督:摩砂雪/脚本:中島かずき滝晃一/演出摩砂雪庵野秀明

作画監督:夷倭世(摩砂雪)、平松禎史(特別作画監督

《コメント》

えー。正直に白状しますとガイナックス作品で一番好きなのがこの「Re:キューティーハニー」かなと思ってます。さっきから摩砂雪さんの関わった話数を取り上げてますが、割と意図してというか。この話数も最終話がどシリアスなんだけど、監督(と作監)を務めた摩砂雪さんの画が濃い濃い。DVDブックレットのインタビュー記事には出来に満足が入ってないという愚痴めいた発言が見えるけど、いったいどんな画が見えていて、どこまで高いハードルを設定しているんだろうと思わざるを得ない感じ。発言を眺めていると、拘りの強い人なのかなあとも思わなくはないんですが。そういった強い拘りを持つ人の作品って、自分にとっては好物のようで、「化物語」のファースト・シーズンや「傷物語」を手がけている尾石達也さんが好きなのも、常人には思いつかない拘りというか執念を感じさせて、画面に叩きつけているのが好きなのだろうなあと思うわけです。「Re:キューティーハニー」の最終話もその強い拘りを感じさせる所が端々に画面に伝わってきて、好きだなあと思うのですよね。情念というか。この話数だけ見ていると非常に百合な感じでもあるんですが、2話での東映サイド(監督はプリキュア演出や「オーバーロード」で有名な伊藤尚住さん)のごくごくストレートな描写に比べて、背徳感というか陰りのある雰囲気がまた堪らない訳で、その辺りも魅力的というか。あと今の時点ならここを起点に「シン・ゴジラ」へ繋げてみても面白いかも。庵野監督にとっては最初の「リブート作品」ですし。また後に「天元突破グレンラガン」で脚光を浴びる中島かずきさんがアニメに初めて関わったのもこの作品で、さらには今石洋之さんとタッグを組んだのもこれがきっかけという点からも意義深い作品かと。個人的にこの作品だけで十分ですが。


10.カイバ('08)

カイバ Vol.1 [DVD]

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第3話「クロニコのながぐつ」

脚本:湯浅政明横山彰利/絵コンテ演出横山彰利/作画監督:伊東伸高

《コメント》

最後の一本だけ、ブログ記事であげた作品から。いや、このエピソード、いろいろと凶悪すぎて。見るたびに心を「持ってかれる」一本なので……。こういった話数単位の企画なら選ばない手はないという位に完成度の高い一本だと思うのですよね。シリーズ的にはこれも構成に難があって、手放しには褒められないんだけど、話は面白いですよ? 記憶と(記憶を抜いた)肉体が売り買いできる世界で繰り広げられる寓話的な物語で、物語の肝である「記憶の喪失による弊害と取り戻した時に引き起こされる悲劇」が一番良く表現された一本じゃないかなあと。クロニコという女の子のながくつがそんなキーアイテムでもあり、クロニコ自身の肉体も重要なアイテムとなっている。手塚治虫タッチというか60年代アニメのようなキャラクターデザインで、アイロニカルなドラマをやってしまう豪腕っぷりも凄いんだけど、「人間の記憶」と「肉体性」が乖離した世界という複雑な設定でそれを成立させてしまうのは天才の仕事としか。主人公カイバが逃避行を始めて、最初に降り立った惑星でのある家族の情景がクライマックスでフラッシュバックされる構成でそこに象徴的に描かれるシャボン玉のイメージとか、押し迫ってくるピアノの旋律が一話の中で積み上げられたイメージによって、解放されるカタルシスは非情に物哀しいものになっているんですよね。作品のトーンもそういった「孤独感」を押し出したトーンに支配されていて、視聴の際はHPをかなり消費するので注意が必要。しかしだからこそ「繋がる事の愛おしさ」を描いてもいるので、テーマ的には凄く好きな作品です。あとこのデザインなのに凄くセクシーなイメージを与える伊東伸高さんもとんでもないよ!シリーズの中で一本挙げろとなれば問答無用でこの話数を推します。というか、この話数だけでも見てください。


《終わりに》

といった感じで以上、10本の選出でした。

自分で言うのもなんですが、趣味嗜好が分かるチョイスになってるんじゃないんでしょうか。琴線に触れるドラマの傾向だったりとか、作画における好みだとかがなんとなく出てる気がします。当初のコンセプトとしては「超メジャー作品から選ぶ好きな話数10本」という感じで考えてはいたのですがあいにく纏まらず、結果このような形と相成りました。OVAからの話数選出が多くなってしまいましたが、語る場もあまりなかったので良かったのかなと思います。冒頭でも話しましたが決して「オールタイムマイベストエピソード」ではないのだけはご了承を。コンセプトが強制ではないということだったので割りと自由にチョイスさせていただいた次第です(その分選ぶのが大変だったわけですが)。また何か機会があれば、「オールタイムベスト」は考えて見ようかと思います。最後に、企画元のぎけんさんに感謝の意と更新が遅れてしまったお詫びをこめて。ありがとうございました。それではまた。

2016-08-03

【BOOTLEGS】Prank! Vol.3 Other Side-A 響かせるは、心〜「学園戦記ムリョウ」8話などに見る〜

| 22:30

さて困った。

唐突に水島精二作品を語りたいのだが、実はほとんど作品を見ていないのだ。全編見たので思いつくのが「大江戸ロケット」。それもストーリーに心惹かれたのではなくどちらかといえばキャラクターの魅力に惹かれたので別段、水島精二監督作だとか會川昇氏が脚本だというスタッフ周りには正直な所、あまり注目していなかった。他には「楽園追放」や「うーさーのその日暮し 夢幻編」を見ているが、どちらもそこまで印象に強い作品のようには感じられなかった。

自分にとっての水島精二という監督のイメージは「コンスタントに作品を量産できる職業監督」に他ならない。特色がないとはいわないが、際立った作風だったり、多用する演出技法だったりが非常に「目立ちにくい」監督のように思える。そうは言っても、「シャーマンキング」「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム00」など世間評価される代表作を持っており、その評価が高いのもまた事実だ。

が、残念ながら筆者はそういった水島精二監督の代表作は悉く見ておらず、見た作品も片手で済んでしまう位にしか本数を見ていないので、語ろうにも片手落ちになってしまうだろうし、監督のフィルモグラフィー全体に言えるのかどうかという点でも怪しい所ではある。そもそも先にも言ったとおり、個性や作風が「目立ちにくい」監督であるから何を語ったらいいのか、という所から考えなければならず、自分に語れる余地が果たしてあるのだろうか。

と、そこまで言い切ってしまうと身も蓋もないので、なにか語れそうな話題を探すことにしたい。水島精二監督が自分の所持している作品に参加していないかと探すと「学園戦記ムリョウ」が出てきた。この際だから、引っ張り出して見てみることにした。すると「ムリョウ」では8話の絵コンテを担当している。シリーズ構成から見ていくと、物語に大きな動きや目立った箇所がないエピソード。もちろん複線やそれまでの展開を汲んだ心理描写は見え隠れするがいわゆるひとつの「繋ぎ」の回だ。かといって決して「手抜き」をしてるわけではなく、今後の展開と「ムリョウ」という作品らしい学校生活やその生活感を丁寧に描いている。

「丁寧」という言葉が出てきたように、水島精二監督には「そつのなさ」を少なからず感じるのだ。「ムリョウ」8話のように作品内で自分の個性を炸裂させるのではなく、作品の「持ち味」に沿って上手く味を取り出すのに長けているのだろう。こういった派手さのない、かつ丹念な仕事振りは非常に「職人」らしいし、重宝される人材のように思える。さながら、和食の料理人のように細部まで行き届いた仕事だ。

しかしこの記事を書くために見ていると実はこの「ムリョウ」8話、ある点においてはシリーズ中でもかなり異色だというに気付かされる。しかも、かなりきっちりと「個性」を主張しているようにも見えるのだ。一方でそれは作画や演出といった、一見して分かるようなものでもない、というのが水島精二監督「らしい」と思わせる部分でもある。なにせ「目」に訴えるのではなく「耳」へ訴えかけているのだから。

つまり「音」である。音について言えば、「ムリョウ」8話、特にAパート、はかなり際立っている。簡単に説明してしまえば、「音による比喩表現」だ。比喩表現というとたとえば「〜のような」という風にある事や物に対して、別の事柄に当て嵌めて形容する事、と言えるだろう。水島精二監督はその表現を音、音響効果で実行しているのだ。「音の比喩」によって感情を表す。音と動作が伴う「映像」だからこその表現だろう。

また「ムリョウ」8話ではヒロイン、守山那由多の感情の起伏に現実では有り得ない音が重なる。怒りが頂点に達したときには花火が上がって炸裂するまでの音、脇目を振らずに、問い質そうと猪突猛進してくる様にほら貝が鳴り響く合戦場で馬が駆け巡ってくる音が「比喩」として、その時の感情を表現している。こういった「音の表現」はシリーズ全編を通してみても、あまり類を見ない表現なのだ。

もちろん効果音やコミカルな表現の装飾として音付けされるというのはあるが、ここまで密接に感情とリンクする「音」を使ってみせた、というのは絵コンテを担当した水島精二監督の手腕によるものなのだろう(演出は別の人間なので検証は必要だろうが)。心(感情)を「音」にして響かせる。これが「見えにくい」特徴のひとつなのだろう。漫画における「擬音(オノマトペ)」を「映像」に組み立て直すと、ここで説明している表現になりそうだ。

さらに「ムリョウ」8話Aパートでは那由多ともう一人のヒロイン、峯尾晴美が生徒会室で二人きりの会話をする際のピアノの旋律がその場のアンニュイな雰囲気を感情を盛り立てているのにも気付く。意識しているだろう相手の事や彼女たちを取り巻く周囲の問題に対する先行きの不安や恐れ、わだかまりを引き出すのに一役買っている。このような「感情の増幅装置」としての「音」を意識しているようにも見て取れる。

こちらはかなり映像手法としてオーソドックスなものだろう。場面や感情を引き立てる時に使われる、いわゆる「劇伴音楽」だ。「ムリョウ」8話だけを見ていると、水島精二という演出家は場面、というよりは登場人物の感情や心を音によってより大きく響かせている。画面のドラマ性よりも物語の中に在る人物たちの情緒をつまびらかにする事に注力しているのだ。

そういった観点で今度は「大江戸ロケット」を見ていくと、興味深い。先に説明した「音の比喩」はそう多くないにせよ、「感情の増幅装置」としての「劇伴」を意図的に使っているように見えた。というのも「主題曲(テーマ)」がいくつも用意されているからだ。たとえば主人公の玉屋清吉を始めとした風来長屋の面々が協力し合うところにはビッグバンドジャズアウトロー気質の影の主役、銀次郎の身に纏うテーマは哀愁のラテンだったりと、「劇伴の役割」がかなり明確に決まっている。

この辺りの「劇伴」の「音響素材」感は「大江戸ロケットアニメ版自体に6〜70年代のTV時代劇や特撮アニメなどの影響が大きいように思える。オリジナルの舞台版を見ていないので詳しい言及は避けたいと思うが、アニメ版においては山下毅雄大野雄二の音楽などに代表されるような、「主題曲」とそのヴァリエーションを繰り返し使い回すことで場面の意味づけや感情表現の条件反射化を意識して行っている。それはTVドラマや映画などや、もちろんアニメでも使われる常套手段でもある。

そんな中で水島精二監督はより人物の感情や心を「音に響かせる」のだ。映像をドラマチックにするのではなく、キャストの「演技」と合わせ、まるでそれらをアンサンブルとソリストに見立てて、「登場人物」を際立たせる。そこが面白いところではないのだろうか。であるから、この水島精二監督の手腕はより作品が「骨太な物語」であればあるこそ、その味わいは生きてくる。

実際、「ムリョウ」8話も「登場人物」を際立たせるという視点では、那由多と晴美、那由多と始、晴美と京一、などの関係性をよりストーリーの中において浮き上がらせている事が主眼だったように感じられるので適材適所だったのだと思う。なるほど水島精二監督の代表作も音で「人物を際立たせる事」によって、物語の奥行きを深めているように思うが、見ていない筆者がそこまで言ってしまうのは流石に憚られるだろう。ここでは検証の価値があるのではないだろうか?という所で留めておきたい。

この水島精二監督の「音の表現」の影には監督作ではほぼ必ずといっていいほど参加している、音響監督三間雅文さんの貢献もかなり大きいだろう。「ムリョウ」も音響監督は三間さんだ。音を操る(?)水島精二監督にとっては切っても切れない人材であることは間違いない。もっとも「ムリョウ」と「大江戸ロケット」はスタッフの被りが多数あり、製作会社も同じという辺りも確認しておこう。

余談ではあるが「学園戦記ムリョウ」と「大江戸ロケット」は物語や音楽周りに意外と共通項がある。メインのキャラクターデザインがどちらも吉松孝博さんであることもそうだが、物語の骨子が「井の中の蛙」の物語であるという点(「ムリョウ」は21世紀後半の地球が銀河連邦へ仲間入り出来るかどうかの物語、「大江戸ロケット」はアヘン戦争などに揺れ、鎖国体制に無理が生じだした天保年間の江戸が舞台)、音楽についていえば「大江戸ロケット」の方が「学園戦記ムリョウ」に参加した大野雄二を意識したようなジャズメインの作品だということも言える。その辺りを製作する際に水島精二監督が意識したかどうかは定かではないが、「大江戸ロケット」のモブキャラにはムリョウの監督、佐藤竜雄さんや水島監督や吉松さんをモデルにしたキャラも出てくるので、そういったことは織り込んでいるのかもしれない。

またキャラクター面、あるいはストーリー面においては記憶にも新しい「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」との共通性も見出せるだろう。「大江戸ロケット」と同じ水島精二×會川昇のコンビ作品、キャラクターデザインに複数の漫画家イラストレーターを使用しているという点からもさまざまな類似を探し出せることが出来る、と思う。舞台の戯作を翻案した作品と會川昇原案となったオリジナル作品という点からも比較、さらに飛躍して會川昇原作で「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」と同じくボンズ製作の「天保異聞 妖奇士」とも絡めて語ることは出来るはずだ。筆者としてはそれらを語るには時間と労力が惜しくもあるので、論を構築する材料を提示するに留めておきたい。何かきっかけがあって、語ることもあるかもしれないが今のところその予定は考えていないと言うことは断っておく。

ここまで水島精二監督の手がけた仕事に見る「音の表現」に作風を見出した事を手短に語ってきたが、先ほども言ったようにこれが監督のフィルモグラフィー全体にいえることなのかは、そこまで熱心に見ていない筆者には見当がつかない。あとはもっと作品を読み込んでいるファンの方々に託したいと思う。今回の記事はそういった「種まき」みたいなものとして記しておこうと思ったのがきっかけでもある。水島精二作品を語る際のきっかけになれたらと思いつつ、筆を置きたい。


大江戸ロケット vol.1 [DVD]

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はい。というわけで、今回はこちらの告知記事でした↓


自分は「Side-B 水島努評論集」へ寄稿しております。「Side-A 水島精二評論集」ではないのでご注意を。寄稿していない方でエッセイを書いてみたかったので、こういった変化球な告知を考えてみたのですがいかがだったしょうか?

肝心の寄稿の方は38000字超という長い文章を書いてしまいました。相当なボリューム数だったようで(当たり前だ)、自分の文章だけ文字のフォントサイズが小さめとなっておりますので、あらかじめご了承ください。内容についてはリンク先をご確認を。文面は今回の記事みたいな感じで書いております。片手間には読めないと思いますが、お手に取った際、あるいは購入された際に目を通していただければ、これ幸いです。