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In Jazz

2112-09-03 初めに。

ここは私ことテリー・ライスが主に漫画や音楽やアニメや小説、映画などの感想を好きに語るブログです。

あくまで個人の感想である事にご留意よろしくお願いします。

サイト名のIn Jazzとは音楽ジャンルのジャズではなく、

俗語の意として「熱狂」とか「たわごと」の意です。

好きなことを語れたらいいなあという思いを込めて。

更新はかなりの不定期になってますが気が向いたら、書く方向になると思います。

それとtwitterでもつぶやいてます。なんだかこっちがメインっぽくなってますが。

テリー・ライス(@terry_rice88)さん | Twitter


※2012/8/16追記。

amazonに自分の好きなものを集めたインストアページを作りました。

ちょくちょく追加していきますので気軽にご覧いただければと思います。

In Jazz Serect shop - Books

2050-05-16 アニメ感想置き場。

アニメ感想置き場

| 22:43

※6/23 最下段のカテゴリに劇場版パトレイバー1&2と新海誠作品の感想リンクを追加。

この記事はアニメの感想リンク先まとめページです

随時更新いたしますのでよろしくお願いします。

続きを読むをクリックで。

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2016-06-01

音楽鑑賞履歴(2016年5月)

| 23:50

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

18枚。まあまあ、かな。

もう少しペースをあげたい所だけど、なかなかそうも行かない事情もあったりで。

いろいろ仕上げてから、がっつりと聞きたいなあ。

今年になってから色んなペースが落ち気味なのでどっかでどうにかしたいなあ。

では以下から、感想です。


5月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:18枚
聴いた時間:357分

バビロンの城門バビロンの城門
・78年発表3rd。三頭体制の最終作。前作のヨーロピアン全開な黒魔術サウンドから、アーシーさといわゆる様式美サウンドが顕著になった作品。サウンド的には濃厚だった前作に比べると大分シンプルになった感があるが、勢いはさらに増した印象。4と5、1はバンドの代表曲して名高い。
アメリカ進出を目指して、ラジオ放送を意識したサウンドらしい。確かにヨーロピアンの妖しげな感じはなく、どちらかといえばかなりブルージーで土臭い印象があるのだが、その一方でクラシカルな旋律の様式美を兼ね備えたサウンドもあるので、アメリカの荒野にヨーロピアンなお城が建っているような感じ
タイトルだけを眺めても、そんな感じでなんだか一貫性がなくて、どっちつかずな印象もちょっとあって、その辺りがこの盤のアメリカ市場失敗の要因だったのかも。演奏は素晴らしいの一言なのだが。そんな中、唯一8だけが、バンドイメージと英国的な雰囲気を保ったトラッド的な1曲で面目躍如といった所
そういった面ではあまりにもアメリカを意識しすぎたために自らバンドのカラーリングを強引に変えようとして失敗した一枚、ともいえる。繰り返し言うが内容は素晴らしく名盤だ。が、この急激な方針転換で中心メンバー二人が脱退。バンドはさらにアメリカナイズドなサウンドへと傾倒していく。
聴いた日:05月01日 アーティスト:レインボー
Machine HeadMachine Head
・72年発表6th。第2期の三作目。いわゆるHR/HM金字塔作品として名高い名盤。ギタリストリッチー・ブラックモア主体になってのハードロック路線なのだが、改めて聞くと、ブラックモアよりジョン・ロードの活躍に目を引く。オルガンもそうだがアレンジ面の貢献部分がでかいように思う。
ジョン・ロードジャズクラシックの素養とブラックもあの持ち込んだブルースクラシックギターのスケールなどが混ざり合ってできたサウンド、というのが正しくて、一聴するとスワンプロックのようなグルーヴィーさが加味されている音なのが最大の特徴。アドリヴのジャムり具合もそんな感じ。
だから英国調の湿っぽさが割りと希薄で、質感としてはアメリカンロックっぽいのも面白いところだと思う。とはいえ、そこまで乾いた音でもない。ペイスのドラムも重さより、硬さと速さが重視でロジャー・グローヴァーのベースもかなりポップだ。誰か一人が欠けたとしてもこの盤の音は成立しないと思う。
適度にスピーディーで、適度にハードで、適度にポップ、演奏もクラシカルでブルージーでジャジー。この辺りに未だ近代的な響きが残るからこその名盤なのだろうかと。ツェッペリンが発するマジカルな音と比べるときわめてコンテンポラリーな硬質さがタイトルの如く、顕著に表れた作品だろう。
聴いた日:05月01日 アーティスト:Deep Purple
Calibro 35Calibro 35
・08年発表1st。イタリアジャズファンクバンド。このバンドはサウンドコンセプトが面白い。「6〜70年代のイタリア映画に流れるような擬似映画音楽」という枠組みで演奏されるから、スタイリッシュを通り越して、あのイタリア映画独特の脂ぎった血潮たぎるような質感の楽曲のオンパレード。
これ一発の企画盤と思うなかれ。バンドは2016年現在も活動中で、昨年新作も出したばかり。バンドの特色である「フェイク映画音楽」をそのままに様々なジャンル映画に挑戦してる。本作はジャケから察するにクライムムービーがメインなのかなと。騙されたと思って聞いて欲しい。なかなかの良盤ですよ
処女作は曲目を見る限り、イタリア製作の映画に使われた楽曲のカバー集となっている模様。実際にファズギターやオルガンの旋律や、少しプログレっぽい曲展開、胡散臭さフルスロットルメロディーラインなどイタリアならではの珍妙なサウンドは非常にクセになるし、その雰囲気の再現度はかなりのものかと
聴いた日:05月02日 アーティスト:Calibro 35
The Koln ConcertThe Koln Concert
・75年録音盤。1975年1月24日ドイツケルンオペラハウスでの完全即興演奏の実況盤。キース・ジャレットの数ある代表作のひとつでもある。ガラスを弾くような透明感の強いピアノの音から紡がれる旋律は元より譜面があるように思えてならないほど、美しく鳴り響いていく。
キースのリリカルかつ陶酔感の強い演奏は聴くものをそのピアノのメロディに巻き込んでゆき、一つの空間を共有させていく。時を忘れ、ただ自由闊達に音の鳴り響く空間に埋没していく甘美な体験、というのはちょっと言いすぎか。真摯なピアノとの対話を演奏者ともども聴衆も体感できる稀有な盤かと。
聴いた日:05月03日 アーティスト:Keith Jarrett
News of the WorldNews of the World
・77年発表6th。前作までの多重録音の極みからサウンドの方向転換を図った作品。セルフプロデュースの2作目でかつ当時勃興しつつあったパンクムーブメントも多分に意識した作りでかなりシンプルなサウンド。その際たるものが数ある代表曲の1と2だ。この2曲の存在感が強烈である。
初期の重層的な音から直線的な音になったのもあり、返ってメンバー全員がソングライターである強みが出ており、楽曲の当たり外れがなくバラエティも多彩になっているのが逆にクイーンの底力を見せ付けた印象が強くある。ただ冒頭2曲のソリッド感が強いためにその粒揃いの楽曲が印象に薄いのが玉に瑕か
様式美的なコンセプトが解体された分、各メンバーの個性が出た作品で初めて米国での売り上げが英国より上回ったのもそのバラエティの豊富さがとっつきやすくなったのもあるかもしれない。次作ではこの多彩さをそのままにアルバムの完成度も高めていくことになり、80年代のポップ路線の雛形にもなった
聴いた日:05月03日 アーティスト:Queen
Tied to a StarTied to a Star
14年発表2nd。基本的に前作と同様、アコギメイン&要所要所にエレキといったサウンドにリズムセクションが入った、マスキス調のルーツミュージックオマージュが楽しい一枚。お馴染みの沈痛な響きを伴った開放感のあるサウンドがアコギの爽やかな響きによって、より鮮明に聞こえる。
エレキのディストーションノイズが乗っからないことで、これほどダイレクトな響きになるのは思ってもみない効果でより剥き出しの個性が味わえるという点ではマスキスのキャリア史上最も先鋭的なのかもしれない。掻き毟るようなギターストロークのカッコよさにエレキもアコギも関係ないと思わせる一枚だ
聴いた日:05月03日 アーティスト:J. Mascis
猟奇的なキスを私にして猟奇的なキスを私にして
14年発表1stSG。初期のポエトリーリーディングなラップっぽさがなくなり、より歌ものとしての比重が高くなった。その分、ポップにはなったが特色が薄らいだ印象も少し感じる。演奏自体については目を見張るものが多々あるのだが、この複雑な曲がどこまでキャッチーなのかという疑問は残る。
もちろん相当複雑な構成にも拘らず、ポップな質感を外してないので高濃度圧縮なサウンドとして聞けるのは間違いないのだが。そのサブカル感と相まって、なんとなしに「よくある感じ」へ落ち着いてしまったかというのはある。高品質だがフックには少し欠ける楽曲集、という感じ。聞いていて悪くはない。
聴いた日:05月04日 アーティスト:ゲスの極み乙女。
Several Shades of WhySeveral Shades of Why
・11年発表1st。ソロ名義では初のスタジオ録音盤。リズムセクションを要さない、弾き語りがメインの内容となっている。ギターの連奏に曲によってはヴァイオリンフルートクラリネットなど重なって、印象としては穏やかで荒涼とした雰囲気で歌い上げている。けど、マスキスの調子はいつも通り。
音が柔らかくなってる分、なにか真に迫る感じもするけど、フォークとかカントリーのような朴訥とした、しかし優しさはあまりない、乾いた日差しのような感覚が広がる。平熱なサウンドというか、厭世観も少しあるような隔絶した趣はマスキスらしさがよく出ていると思う。静かな時にじっくり聞きたい一枚
聴いた日:05月04日 アーティスト:J. Mascis
Day at the RacesDay at the Races
・76年発表5th。初のセルフプロデュース作品。ジャケやタイトル(マルクス兄弟の映画タイトルからの引用)などから最高傑作と誉れ高い前作の兄弟作でもある。名盤直後の一作だからか、本人たちの思わぬ所で弛緩してるアルバム、という印象を感じる。ジャケットの荘厳さとは裏腹に存外ポップな質感
前作からの踏襲でかなり手間をかけた録音という一方で、収録曲に見られる雑多な音楽要素の為か、アルバムのイメージを統一出来ていないという贅沢な悩みが顕在化してるようにも。コンセプチュアルな構成も縛りが弱く感じられる。が、収録曲の出来は高水準。前作が荘厳だとすれば、本作は優雅な趣。
ヒット曲の6や8、日本に捧げられた10、また大胆にワルツを取り入れた4など、ポップで柔らかな印象の楽曲が目立つ。各人のソングライティングの個性が出始めたと言う点では、初期のHR路線から後の総合的なロック・ポップス路線への転換期の一枚という評価が出来そう。正に前作と次作の中間点。
聴いた日:05月07日 アーティスト:Queen
CollectionCollection
12年発売廉価版ベスト。80年代のシンセポップデュオ。08年発売のBOXセットのリマスター音源抜粋+未収録のリミックス音源が2曲付いた内容。彼らの残した2枚のアルバムからの収録曲はほぼ網羅されているのでコストパフォーマンスは高いベスト盤だろうと思う。
曲の方はアナログシンセのチープなサウンドに乗っかるブルー・アイド・ソウルという印象。アリソン・モイエの女性にしては野太い力強い歌声は現在世界を席巻している、同じく英国ソウルのAdeleを想起させられる。歌い上げ方もなんとなく似てるような気がする。
1st収録曲のモノクロームながらシンセによるポップな煌びやかさが目に付くサウンドの一方で2nd収録曲のモイエ作曲のよりブルージーでゴシック感の強いサウンドに歴史的な地続きを感じる。2016年現在の成熟した英国ソウルの萌芽を80sシンセポップに垣間見ることができるのは興味深いと思う
聴いた日:05月08日 アーティスト:Yazoo
InnuendoInnuendo
・91年発表14th。フレディ生前最後の作品。前作のバラエティの豊かさにクイーンらしい格調高さが加味されたアルバム。ただ80年代のカラフルなサウンドが一転して、モノクローム、あるいはセピア色の印象を伴ったサウンドに感じる。全体に生命力と寂寥感が支配する、シリアスな趣。
この盤で聞けるフレディの歌唱はどれも気迫に溢れたものだ。迫り来る死期を感じさせない、力強い歌声はキャリアの最高到達点とすら思わせる程。特に12は絶唱といって過言ではない。彼は最後の最後までフレディ・マーキュリーたろうとしていた。その創作意欲は死の直前まで尽きず、最後の盤へ繋がる。
聴いた日:05月12日 アーティスト:Queen
Stone Roses: 20th Anniversary Remastered EditionStone Roses: 20th Anniversary Remastered Edition
・89年発表1st。80年代末UKロックを代表する1枚。60sロックと当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったクラブミュージックのマリアージュ・サウンドが煌かんばかりのマジカルな響き。時代の空気が成し得た、突然変異的グルーヴミュージックは今もなお永遠の響きとして燦然と輝いている。
改めて聞くと、収録曲全体の流麗な流れが目に付く。気付けば次の曲に行ってた、なんてことがこの盤だとザラで同じテクスチャーの上に各曲が並んでいるという以上に、演奏そのものが表層的で盤を支配しているのは実はテクノ由来のリズムなのではないだろうか。そう考えるとこの盤の魅力が見えてくる。
この盤のロック的な部分は実は形骸化していて、いわゆる60sポップスの定型トレースしてるにすぎず、そこへ80年代末の「生々しい音」としてのテクノのハウスビートが組み合わさることで、化学反応を起こしているのがバンド、ひいてはこの盤の最大の特徴のように感じる。
ロックの求心力が出涸らしになりかけた時代だったからこそ、生まれたロックの奇形児なのかもしれない。どちらにせよ様々なタイミングが噛み合って成立しえた作品なので、当の本人たちが再現できなかったのも止むなしというべきか。次作でよりロックの骨太さを指向するのもむしろ自明の理だったのかも。
聴いた日:05月14日 アーティスト:Stone Roses
METAL LUNCHBOXMETAL LUNCHBOX
96年発表2nd。6〜70年代の洋楽へのリスペクトを感じつつも、一方で日本の歌謡曲っぽさからも逃げてなくて、その配合率の具合がかなりマニアックな混ざり方をしてる印象のある作品。とびきりポップで楽しいのに、全体的には非常にニッチな質感を伴っている。王道なのになぜか裏路地を歩く感覚。
渋谷系の地に着かない軽薄さ(そこが良さでもあるのだが)とは異なって、影響先の音楽を彼らなりに消化して、鳴り響かせている。その作風はUKロックバンドのXTCと似てるようにも思う。もちろんやってる事は異なるのだが、音の成り立ち方というか、アディテュードが類似してるように見える
XTCビートルズに影響を受けながら、高密度な王道ポップをやってたのと同様に、洋楽という広範囲の音楽に影響を受けながら、慣れ親しんだ日本の歌謡曲も重ね、「足し算」的に密度の濃い音楽を成立させているのはどことなく方法論が似てるのかもしれない。そういう点では中毒性の高い一枚だ。
聴いた日:05月15日 アーティスト:GREAT3
スクリーマデリカスクリーマデリカ
・91年発表3rd。ストーンローゼズの1stとともにロック×ダンスの融合を図った代表的一枚。元々、ボトムラインが弱点のバンドだったので、そこにアシッドハウスの四つ打ちキックと低音をぶち込んで補ったのはコロンブスの卵的な発想でその博打が見事に嵌った作品、という印象が強い。
アメリカンロック的なアーシーかつファンキーな趣にサイケ(&インド)感覚が絡み、それらをアシッドハウスが纏め上げるという作り。アシッドハウスとサイケロックの酩酊感が混ざり合って、えもいわれぬ恍惚感が漂うのがこの盤の特徴だ。醒めた鎮痛が響く4や7などが良くも悪くも強烈。
アシッドハウス以外にUK的な質感が演奏、曲ともにないのが不思議な所で、次作でその傾向をさらに強めていくのがこのバンドらしくもあり、捻くれてる所でもある。そんな天邪鬼な感覚が一番英国的なのかもしれない。押しも押されぬアーリー90sを代表する名盤の一つだと思います。
聴いた日:05月16日 アーティスト:プライマル・スクリーム
Axis: Bold As LoveAxis: Bold As Love
・67年発表2nd。名盤の誉れ高い1stと3rdの間に挟まれて、いまいち地味な印象が拭えない盤だがとんでもない。前作から半年後のリリースだがゴリゴリのブルージーなサウンドからR&B的なメロウな感覚が付加されて、奥行きが出ており、短期間ながら急激に進化している。割かしポップだ。
鳴り響いている音が既に67年の音ではなく、ジャズR&Bなどを取り入れてより洗練されたフュージョンっぽい音に進み出していて、どれほど先が見えていたのかと思わずにいられない。演奏がジミの思い描くものに追いついていない面も多少あるが、クドさを感じさせないポップな感覚が聞きやすい良作。
聴いた日:05月17日 アーティスト:Jimi Hendrix
WITHOUT ONIONWITHOUT ONION
98年発表4th。プロトゥールスを使ったハードディスクレコーディングによる細密な音の重ね方が顕著な盤。かといって、どことなく精神の深遠に繋がるシリアスな音は鳴ってなくて、どこまで行ってもポップなサウンドが鳴っているのが特徴。音がくっきりはっきり聞こえるので綺麗な細工玩具を見る感じ
音の肌触りは、どことなく映画的。6〜70年代のウェストコーストサウンドというか、カラッと乾いたファンキーさやフリーソウル、ソフトロック的趣きは印象的なワンシーンで使われていそう。しかしそれらの像の折り重なり方に他の類似性があんまりないのが面白い。彼らにしか出せない音がここにある。
聴いた日:05月18日 アーティスト:GREAT3
ほうろうほうろう
・75年発表3rd。ジャパニーズソウルミュージック金字塔的作品。元々、エイプリルフールのメンバーだったこともありはっぴいえんどティン・パン・アレー勢とも交流が深く、この盤でも多数参加している。シティポップスというにはちょっと黒いフィーリングが濃い目な趣だ。
横浜の港町を想起させられるような、洒脱したサウンドが特徴でそこに小坂の豊かで深い歌声がゴスペルチックに響く。中盤の5〜7のファンキーさ加減がなかなかに白眉で、ゆえん歌謡曲的な歌詞内容なのがタイムレスな演奏と歌で一級品の舶来物にすら聞えてしまうのだから凄い。
グルーヴィながらシックなサウンドが日本らしい粋な雰囲気を出しているようにも思うし、当時の日本国内でこれだけスタイリッシュな音楽をやっていたのはやはり凄いというか。その垢抜けたサウンドは傾聴に値するかと。70年代日本の名盤として永く歴史に刻まれるのも、納得の内容かと。
聴いた日:05月22日 アーティスト:小坂忠
May and DecemberMay and December
01年発表5th。トータスジョン・マッケンタイアをミックスに迎えた作品。ハードディスクレコーディングを前作からさらに突き詰めた作品でサウンドのアナログ感は薄まった反面、テクノ方面に傾倒した趣が強い。なにか醒めた感覚でメロウな音を繰り出しているせいで雰囲気はモノトーン。
前作までのカラフルさとは一変して、曇り空の雰囲気がが目立つが、緻密に構築された音がドライなおかげで、思ったよりは湿度は高くない。全体的にもそこまで奥行きはないサウンドだからこそ、フラットに鳴り響くミステリアスさはかとなくある。クールにメロウ&グルーヴィなアルバム。
聴いた日:05月27日 アーティスト:GREAT3

わたしの音楽メーター
音楽メーター

2016-05-21

2016年に選ぶ、少女革命ウテナ話数10選。

| 22:34

来年、放映20周年なんでそっちのタイミングでやりたかったなあ(愚痴

とまあ、そんなことはさておき。


唐突に「少女革命ウテナ」の話数10選です。

なんでいきなりやるかって?

最近、ネットで話題のAbemaTVで再放送が始まったからです。

AbemaTV(アベマTV) | インターネットテレビ局


要はタイミングが良かったのと便乗してみようと思ったから、です。

頭でも言ったように来年20周年なんだからキリ悪いじゃんとも思わなくもないですが。

でも、もう20年近く経つのかあと言う感慨にも耽ってしまうわけで。

AbemaTVカテゴライズでもなつかしアニメに分類されてる)

90年代を生きた人間にとっては70年代の作品を見る感覚で20代以下の人はウテナを見るわけですよ。

これってちょっとやっぱり自分らがあの年代から遠くに来たんだなあと。

そんな風にいやがおうにも思わざるを得なくて、改めて語るのも悪くないなあとも。


でまあ、選ぶにあたって見返すわけですよ。

自分も後追いで見た口なので初めて見てから10年近くは経ってますが。

やっぱりウテナも「古く」なったんだなあと思う箇所もあり、そうでない箇所もあったりで、

また違う印象を持って再視聴の醍醐味を感じられた、というのもあります。

それはおそらく10年前と違う感想だと思います。


だからタイトルに「2016年に選ぶ」と付けました。

今現在、この時点で選ぶとなるとこんな選定になりましたという意味合いを含めて。

また時間が経って見返せば、何か違う感じ方をするんだろうし。

とりあえず20周年を前に選んで見るのもありなのかなと。


前置きが少し長くなりましたが、そんな感じで選んでみた話数10選です。

以下、選んだ話数に二、三、短めのコメントを付けて語りたいと思います。

なお放映順というよりは順不同、ざっくばらんに語ってますのであしからず。

画像も後で付け足すかも。

ではどうぞ。なおスタッフリストは敬称略です。


第7話:見果てぬ樹璃(1997年5月14日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ橋本カツヨ演出:岡崎幸男、作画監督林明美

《コメント》

作中随一の拗らせ系女子(?)有栖川樹璃の最初のメイン回。橋本カツヨ(a.k.a細田守)の手がけた決闘シーンが白眉の出来。頭では奇跡などないと分かっているのにも拘らず、本心のどこかでは奇跡を願っている。そんな樹璃の心境がそのまま、決闘の幕切れにつながっているわけだけど、やっぱりその想いの拗らせ方が自分には男性のそれに見えてしまうなあ。画面のキレはとにかく素晴らしく、今なお鮮烈なのは確か。以降、橋本カツヨ演出回はなにか鬱屈した情念に囚われる人物の表情の魅せ方が冴え渡るのだけど、その挨拶代わりの一発目としてはこの上ない一本かと思う。


第15話:その梢が指す風景(1997年7月9日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ演出:星川孝文、作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

ウテナの登場人物の中で誰が一番好きか、と問われると自分は薫梢と答える。シリーズ第二部に当たる「黒薔薇編」2話目はそんな彼女のメイン回。梢のコケティッシュというかインモラル感の裏側には双子の兄、幹への感情が渦巻いていた。そういう女の子の裏側が良く出てるのが、わりに自分の好みなんだろうなあ。「黒薔薇編」自体もメインのキャラクターに「気づかれない者」の感情を取り扱ってるのもあると思うけど。梢の心の内も幹は知らないし、梢自身も終始心に秘めたまま進む感じもまた。すれ違ってるけど、交わってる感じが良いんだよねえ。


第20話:若葉繁れる(1997年8月13日放送)

脚本:月村了衛絵コンテ橋本カツヨ演出桜美かつし作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

ウテナシリーズ構成榎戸洋司の他に脚本家が何人か参加していて(演出の人が脚本を手がける回もある)、これもその一本。いまや小説家として名を馳せている月村了衛のシナリオ。黒薔薇編の真骨頂ともいうべき「主人公になれない人々」の不安や恐怖がよく出てる回かと。内容的にはウテナの親友、若葉と西園寺の「同棲時代」なんだけどねえ。若葉がそれを幸せに感じている一方で、いつかそれが終わりを告げることが分かっていて。一押ししてしまえば崩れ去る脆い「幸せ」に気付いているけど気付きたくない。橋本カツヨがここでもそういった情念を爆発させている手腕がもう。自分の「幸せ」が崩れ去った瞬間に垣間見せる表情の鮮烈さが目に焼きつく。


第21話:悪い虫(1997年8月20日放送)

脚本:月村了衛絵コンテ演出桜井弘明作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

シリーズ中、もっともメインストーリーから迂遠な一本。個人的にはこの二本がウテナにおける月村さんのベストワークと思ってる。「物語の主役になれない」人間の悲痛な叫びをほとんどモブに近いキャラクターに叫ばせるのが秀逸。物語から認知されない、あるいは大筋の物語から外れた人にも心や感情や人生があるわけで。そういった物語の外部からの声なき声を物語の中心にいる人物たちは理解することが出来ない。というより認知できないという方が正しいのか。映し出される物語の枠の外にも別の物語が幾重にもあってそれは交差し得ない、みたいな。

創作的物語構造の歪みというか、枠外の叫びというか。うまく説明はできないけど。黒薔薇編はそういった外環の人々を描けたという点では予定外の副産物だったと思うけど、これがあるのとないとではウテナはまた違った趣になっていただろうなと。あとテーマ的には一番、現代的な意味合いを強めてるようにも思う。当時はさほどでもなかったけど時代を経て、色合いと印象が濃くなった回でもあるなあと。



第11話:優雅に冷酷・その花を摘む者(1997年6月11日放送)

脚本:上村一宏、絵コンテ錦織博・金子伸吾、演出:金子伸吾、作画監督相澤昌弘

第12話:たぶん友情のために(1997年6月18日放送)

脚本:上村一宏、絵コンテ:垂永志、演出高橋亨作画監督長濱博史長谷川眞也

《コメント》

これだけは2話合わせて。1クール(第1部)完結の前後編エピソードウテナvs桐生冬芽の決闘、敗北、再起。今見ると、だいぶ印象の変わるエピソードでもあるかなと、再見して思った。というのもウテナの「普通」が2010年代の現代において、そこまで歪んだ物にも思えないのが最大の要因だろうなと。このエピソードやシリーズ終盤において問題になる「ウテナは王子さまなのか?お姫さまなのか?」という点において。昨今はトランスジェンダーやらLGBTなど、ジェンダー論の構築が放映当時と比べるとかなり形成されているからこそ、ウテナの風貌も「性的多様性」の一環として、受け入れられてしまうわけで。あんまり突破口にはなっていないというか、そのファッションを身にまとうことで自分を保つというのはありがちではあると思う。一方で、このエピソードで描かれる女子の制服を着たウテナにも生々しいリアルさを感じる。抑圧される自己と解放される自己の二面性というか。冬芽はウテナを「王子様に固執する女の子」から「普通の女の子」へと解放させようするわけだが、ウテナは「王子様になりたい自己」を開放してる事こそ、自らの「普通」だと宣言する。どちらが良い悪いのではなく、物語の手綱引きとして元の鞘に戻るわけだけど、傷跡だけは残って次の段階へ。ただ今の視点から見るとウテナ的な「普通」が当たり前と化していて、それが当時の「歪み」である事に気づきにくいというか。その一方で「抑圧されている自己」であろう、女子制服のウテナも違和感というよりはある種の現実味を帯びるようになった。というのが、このエピソードを語る難しさなんだろうと思う。この問題点の未分化なカオスっぷりは90年代的なものだと、振り返って見ると感じるなあ。そしてこの作品が「邪道にして王道」な物語であるという点にも注目しておきたい。作品の特徴がよく表れてるエピソードだと改めて実感できたのが収穫だったのかも。


第30話:裸足の少女(1997年10月22日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ:風山十五、演出桜美かつし作画監督香川

《コメント》

んで、上のコメントから続くわけだけど。黒薔薇編を通過し第3クールに入って、何が行われたかというと、「ウテナという少女」を掘り下げる事で、「王子様の座」から引きずり下ろす事だったように思う。冬芽が出来なかった事を平然とやってのける鳳暁生にシビれる、憧れるぅ!……わけじゃないが。実際、恋とそれに似た憧れを抱かせる事で「女の子」な部分を喚起させ、抗いがたい性の衝動というか情動をリリカル演出しているエピソードだと思う。その辺りは絵コンテの風山十五(a.k.a五十嵐卓哉)の清新さと演出桜美かつしの空間的情緒が生み出しているものだと思う。しかし、そういった初恋の甘酸っぱい感覚はインモラルに塗りたくられてる。

そこがこの作品の捻くれているところでもあり、良いところでもある。背徳感というのが作品のキーにもなっていて、印象を大きく決定付けているわけだけど。ウテナがそこに巻き込まれる事で初めて「女の子」っぽさが出るというのも興味深いところではあるなと。


第33話:夜を走る王子(1997年11月12日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ橋本カツヨ演出高橋亨作画監督長濱博史長谷川眞也

《コメント》

シリーズ中、もっともインモラルで、裏切りに充ちたエピソードだと思う。というか、今考えるとこんなんよく夕方に放送できたもんだなあと改めて感じざるを得ない。BPOとかに抗議行かなかったのかな。ここまでのシリーズの振り返りと思いきや、実はその裏側でウテナが「食われる」話。もう演出の勝利というか、すっごい婉曲的な表現だったからこそ冒険できたってのが強いんだろうけど。さっきの30話でのコメントで説明した事を実際に「実行」してしまったエピソードでもあって。花を散らしたウテナが「王子さま」なのかどうか、という残酷な突き詰めでもあると思う。もはや後戻りできる状況でもなくなってしまっていて、暁生の思惑通りに事が進んでしまっているという点でも残酷。この時点でウテナも「世界の果て」を知ってしまったために「永遠」という絶対性を失ったとも言えなかない。ウテナが「王子さま」から堕落することで最終章の礎を築くという、確信犯的な一本だと思う。


第37話:世界を革命する者(1997年12月10日放送)

脚本:榎戸洋司絵コンテ:風山十五、演出桜美かつし作画監督:たけうちのぶゆき

《コメント》

この回のお互いに毒物を食わせながら「十年後も同じようにお茶会しようね」って言ってるアンシーとウテナの関係がすごく好きですね。個人的にはこれ以降、アンシーが主体になってしまうのでちょっと辛いんですけど。33話を通過して、いろんな意味で「対等な関係」になった二人だからこそ成立する会話なのが凄く好きで。美しい所も醜い所も一緒くたに受け入れて、待ち受ける結末が分かりきってても最後の地に向かう雰囲気も結構好きです。嵐の前の静けさだからこそ、美しい情景が広がっているというか。とはいえ、アンシーの持つ歪みは最終回で解消されるけど、ウテナの歪みが解消されずに劇場版まで持ち越されてしまうので、難しいところではある。この回は、ここまでの話数をかけて描かれる一瞬の情景が自分にとっては好きなんだろうなあと。


第6話:七実様御用心!(1997年5月7日放送)

脚本:比賀昇、絵コンテ松本淳演出:岡崎幸男、作画監督林明美

《コメント》

最後はギャグ回(にして石蕗美蔓初登場&七実メイン回)。いや、ウテナはギャグがないと成立しない作品なので。選んだのはインパクト絶大の一発目。いやね、暴れ馬→暴れ牛→暴れカンガルーは汚いよ!なに考えてんの!

裏話によれば、当初の予定だと6話と同じくギャグ回の8話は順序が逆だったようで、8話(本来6話)の製作遅れから6話(本来8話)に入れ替わったそうだけど、怪我の功名だったと思う。どっちもウテナに冬芽を意識させる回だったみたいだけど、いやねえ(笑)最後、カンガルーとボクシングして一発KO勝ちって言う展開はさすがにわけがわからんwギャグに意味を求めるのもどうかと思うけど、本来の話とのギャップが異様なので初見時は腹筋崩壊してた。脚本書いた比賀昇(a.k.a山口亮太)は後に手掛ける作品でもこういうプリミティブに突拍子のないギャグを繰り出しているし、元々こういうオファー(いつものカラーリングとは異なるもの)だったそうなので納得した。

けど、やっぱ卑怯だよw


《終わりに》

以上が、ウテナ10選になります。各クール×3話&ギャグから1話という選び方をしました。改めて見返すと、ウテナに引っ掛かりを覚えて見てたんだなと思う一方、どこかしらで男性の存在がいないと見れない作品でもあったのかなあとも感じました。背徳感やインモラルに満ちてはいるけど、男女関係、あるいは友情など王道的なものが描かれてるからこそ、見れてたのかなと、そう思うわけです。

実際そういう、話数選びになってるようにも思えますしね。いや、もっとファン的に人気の回あるでしょうにという声もありそうですけど。なにせ20年前の作品なので、画面演出に冴えがあっても話の質感が古臭いというものがいくつかあったのも事実で、そういうのはぐっと来なかったんですよね。あと、目星の話数を絞って見たので、全話通しで見たわけじゃないのも正直に申し上げておきます。今度やる時は最初から全部見て、考えたいなあと。

個人的にはTVシリーズは劇場版見るための下ごしらえみたいなところもあって。今回は劇場版で省かれた部分、いわゆるTVシリーズの雑味部分も紹介しておきたいなあと思って選んでみたつもり。そこも興味深いから、面白いと感じるわけで。パブリックイメージから零れ落ちているのもきちんとウテナだよって言いたかったのかも。

今度やる時はどんな風に変わるかも、自分にとっては楽しみ。そういったメモ的な意味も含めて、またやればなと思います。かなり突貫な記事になりましたが、ご勘弁を。

ではまた。

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2016-05-01

音楽鑑賞履歴(2016年4月)

| 20:17

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

音楽メーターの感想を記事にしてまとめてます。

22枚。

新居での生活が少し落ち着いて、聞けた感じですかね。

しかし1月のデヴィッド・ボウイに続き、まさかプリンスまで亡くなるとはなあ。

どちらも死に際までアーティストらしくあったのがなんとも。

命尽きるタイミングは直前までわからないだろうけど。

将来的には訃報をたくさん聞くことになるのだろうけど、

それぞれの魂が彼岸の向こうで健やかであらん事を祈りたいですね

では以下から、感想です。



4月の音楽メーター
聴いた音楽の枚数:22枚
聴いた時間:550分

S.O.S.S.O.S.
80年発表1st。87年版CDで。アトランタ出身のディスコ/ファンクグループ。ディスコっぽい、洗練された洒脱感溢れるシティサウンドに、メイシオ・パーカーをはじめとしたファンク系のホーンが重なり、独特の妙味を醸し出す。ライトメロウなサウンドが重みのあるファンクに傾いていくのが面白い
基調はライトメロウなディスコサウンドで、バラード系などはしっとりとした味わい深いナンバー。その一方でダンサブルな曲になるとメンバーのファンク魂に火がつくのか、ライトメロウなサウンドのまま煮えたぎるファンクをやろうとして甘いながらも度数の高いカクテルのような味わい。
その二面性が魅力なバンドなのだろうと思う。スペーシーなシンセに絡む、小気味いいギターカッティングなど聞いていて楽しい部分が満載。後半に収録されている曲がどれもいいですね。スタイリッシュでファンキーな良盤。
聴いた日:04月01日 アーティスト:S.O.S. Band
S.O.S. Band TooS.O.S. Band Too
81年発表2nd。前作で見せた二面性の強いサウンドを統合してより、ファンク色を強めた作品。そういう点ではブラック・コンテポラリーに接近したとも言えるが、非常にソリッドなファンク/ダンスチューンの強度が高い一枚。スタイリッシュかつ煌びやかに輝く様がカッコいい。
前作の未整理だった部分の妙味ががっちりとはまって、全体のグルーヴ感が高まって、メロウながらもきっちりとファンクマナーを守った骨太な演奏に男女混声のソウルフルなVoが印象的。ダンスチューン、バラードのコントラストも良く、より統一感が増した内容。完成度高い盤なので一聴に値するかと。
聴いた日:04月01日 アーティスト:S.O.S. Band
Chicago Transit AuthorityChicago Transit Authority
・69年発表1st。ブラスロックバンド代表格の処女作。オリジネイターのBST(ブラッド・スウェットティアーズ)のシャープな交響楽的サウンドとは異なり、ホーンセクションを従えた粗野なブルースロックという趣が強い。その煮えたぎるアツさが非常にエネルギッシュなサウンド
ホーンが響かせるブルースR&Bジャズ(のアドリヴ)といった黒人音楽の熱狂をそのままにロックサウンドに絡ませたことによって、ダイナミックにスリリングな演奏がバンドの魅力となったのは言うまでもなく。当時の時代背景から成る政治的な歌詞とともにその荒削りな熱量が凄まじい。
メンバーの演奏力の巧拙にかなり隔たりがあるのは事実だがそこを踏まえた上でバンドの一体感は他に代えがたく、そのイビツさすらカッコいい。荒削りだが、存在感は抜群、テリー・キャスのジャズギターの奏法をむりやりロックにして弾き倒す演奏も同時代のギタリストに引けを取らない。存外ポップな良盤
聴いた日:04月03日 アーティスト:Chicago
Super ColossalSuper Colossal
06年発表11th。デビュー20周年盤だが本人がすっかり失念しており、特にメモリアルな内容にはなってない一枚。とはいえ、ドラム以外の演奏はすべてサトリアーニの手によるもので、そういう点では自らの引き出しをチューンナップしている印象がある。一音一音確かめながら自身の演奏を磨き上げる
その為か、わりとサウンドの作りこみも結構素っ気無いものに感じられる一方で、ギターの音は力いっぱい大きく、そのざっくり感が返って気持ちいい音になっていたりと弾いていた本人的には得たものが大きいのではないかと思わせる。ラフでシンプルな音だからこそ引き立つ確かな上手さを感じる作品。
聴いた日:04月06日 アーティスト:Joe Satriani
ワールド フェイマスワールド フェイマス
91年発表2nd。前作のごった煮路線がさらに深化した結果、スカだけに拘らないファッショナブルな曼荼羅サウンドが派手なCDジャケットと共に印象的な一枚。もちろんスカのルードな雰囲気を保ちながら、昭和歌謡ブギウギ、ホッドロッド、R&Bマーチ、ロシアンなんでもござれな幕の内感が◎
そんな雰囲気の中で差し込まれる怪しげなパーカッション、アヴァンな効果音が入り混じって、単にお洒落な音楽に終わらせない気概すら感じて、東京という地域性を体現しているようにも。各国音楽要素をごった煮にさせる感覚は渋谷系に接近してる節もあり、同時代的な香りも感じさせる傑作でしょう。
聴いた日:04月07日 アーティスト:東京スカパラダイスオーケストラ
PIONEERSPIONEERS
93年発表3rd。前作・前々作のごった煮サウンドのド派手さから一転して、スカのみに注力した作品。社会状況も少なからず影響はしてると思うが全体を漂うのはシリアスでダークな空気。東京の影と汚れが軽快なスカの裏拍に乗って、鳴り響く。いつになくホーンの音が強く聞こえるのは気のせいか。
しかしそれこそがスカ本来の魅力なのかもしれない。うらびれる都市の一角。そこに流れるダーティーでルードな怪しく危ういサウンド、雲を切り裂くホーンの響き。バンドのアイデンティティであるスカで真剣勝負を仕掛けた結果、バンマスのASA-CHANGが脱退し、新局面に向かうはずだったのだが。
聴いた日:04月08日 アーティスト:東京スカパラダイスオーケストラ
GO TO THE FUTUREGO TO THE FUTURE
・07年発表1st。バンドの初作はまだクラブ/エレクトロ志向は強くなく、ダンスグルーヴをまとったロックバンドというぐらいの位置づけのサウンドに聞こえる。どちらかといえば、アジカン的な雰囲気を身に纏っているが、全体に響く叙情的な趣やなんともいえない日本的感覚の音作りが目を引く。
わびさびというか、サウンドの余白に込められた趣がどことなく和のテイストでまとめられているといえばいいだろうか。エモーショナルに傾かず、クールなまなざしが雅というか儚いというか、日本人好みな淡い色合いの音に作り上げているのが面白い。未完成な部分は多いが独自性も垣間見える佳作。
聴いた日:04月10日 アーティスト:サカナクション
Stepping Into TomorrowStepping Into Tomorrow
74年録音盤。マイゼル兄弟との3枚目。クラブというかディスコシズル感が溢れ出ている一枚。シンセ&エレピのスペーシーな響きにボトムラインコズミックなグルーヴがファンキーかつスウィートに絡まりあう。そこへバードのペットとゲイリー・バーツサックスがブロウする完成された世界がここに
ジャズとは素直に言いがたいが、クラブ/ディスコサウンドの先駆としてのクロスオーバーサウンドは今なお視聴に耐えうる乙な盤だろう。クリスタルな輝きに魅了されつつ、流れ行く甘美なメロディとファンクなノリに身を任せて、楽しみたい。ダンサブルだが酒を肴にしてムーディーな雰囲気に耽るのもいい
聴いた日:04月10日 アーティスト:Donald Byrd
CaricaturesCaricatures
76年録音盤。バードのBN最終作。マイゼル兄弟とは通算5枚目。サウンドのコズミック感がやや薄れて、ストリート感のあるファンクの色合いが今までより強めに出ている一枚。もちろん4のようなスペースブギー全開のディスコチューンも存在しているのでクラブミュージック的なレアグルーヴも健在。
とはいえ注目は1か。モータウンファンクブラザースの一員として有名なジェームズ・ジェマーソンのベースが聞けるというだけでもプレミアム感があり、なおかつダンサブルなベースラインが聞けるのも貴重だ。BNを羽ばたくバードに花を添えている。最後だけあってバードのペットも印象的な演奏だ。
聴いた日:04月11日 アーティスト:Donald Byrd
Drums & WiresDrums & Wires
・79年発表3rd。メンバーの脱退&加入し、新体制での作品。NW特有の性急さが薄れ、より英国ポップの王道へと風向きを変え出す過程が見て取れる。音もスタイリッシュな感覚から離れ、より垢抜けないかつ皮肉たっぷりのメロディを奏でている。ともすれば野暮ったい、田舎くさい音にも聞こえるが。
パンキッシュなスピードを殺いだ結果、朴訥ながらも重みのあるサウンドに仕上がっている。童謡というか、マザーグースというか、そういった柔らかなポップ感覚の一方、エスニカルな楽曲もあったりで一筋縄にいかないのがこのバンドらしい。過渡期の一枚だが、内容はぎっしりと詰まった良盤だろう。
聴いた日:04月12日 アーティスト:XTC
Time MachineTime Machine
93年発表5th。84〜93年までのアルバム未収録&未発表音源と88〜92年のライヴ音源を取りまとめた2枚組。なので完全新規曲はあまりない。が、DISC1はそういった寄せ集めな側面が出ているので従来のアルバムの縛りがない分、自由にやっている曲が多いように感じた。
メタルでここまで縦横無尽に高速フレーズを弾くなんて、ストレートなプレイもしてるし、独特のクールな質感の物哀しい響きや最後のジャムセッション曲なんか、好き勝手にやってて、楽しそうだなあと感じる(曲が面白いかはまた別問題だが)。持っている引き出しで遊び倒してるさまが窺える。
DISC2はライヴ音源なので、基本的にライヴベスト。ライヴならではのノリを楽しむものだと思う。けど、今となっては古い音源も聞けるので、そういった意味では貴重か。1st収録曲の音源も収録されている。が、そこまで目を引くものはない。そういった点ではお蔵出しの色合いの強いアルバム。
聴いた日:04月13日 アーティスト:Joe Satriani
JOE SATRIANIJOE SATRIANI
95年発表6th。おそらくキャリア史上もっとも穏やかな雰囲気を纏った一枚。と、同時にかなり攻めの姿勢で作られた作品なのではないかと。ブルース、カントリー、ジャズを基調にノスタルジックな味わいを演出しながら、ミドル〜スローテンポの曲が大半を占めているのが興味深い所。
自身のテクニカルな部分をあえて強調せず、極めて抑制の利いた演奏を自覚的にプレイしているのはキャリアの新たなステップを踏もうとしているようにも感じられる。音楽の幅を広げる作業というか。そんな点においてはツェッペリンの?にも似た趣を感じる。地味でスルメ盤だけど意欲的な作品。
聴いた日:04月18日 アーティスト:ジョー・サトリアーニ
チュ・チュ・トゥ・タンゴチュ・チュ・トゥ・タンゴ
・07年1st。Tahiti80のフロントマン、グザヴィエ・ボワイエのソロ初作。あんまりバンドとの分け隔てはあまりなく、メロウなポップサウンドが聞ける一枚。当時、バンドのほうがエレクトロ化してたので、そういった面では従来の路線をソロで補完してたという趣は少なからずあると思う。
淡く瑞々しさの残るサウンドはバンド時より強調されてるようにも思えるが、やりたいことをやったらバンドとあまり変わらなくなってしまったってのが真相のような気もする。ただソロな分、フォーキーな香りも。もちろんロックな曲もあるが全体にアンニュイな清新さが印象に残るアルバム。
聴いた日:04月19日 アーティスト:アックス・リヴァーボーイ
Margerine EclipseMargerine Eclipse
04年発表9th。中核メンバーの一人、メアリー・ハンセンが亡くなって初のアルバム。サウンドが物凄く明朗になったような気がする。メンバーの訃報などどこ吹く風か、抜けのいい開放感のある楽曲が立ち並んでいる。60sポップスオマージュなのか印象としてはサイケな趣は漂っているか。
音のテクスチャーがエレクトロに接近していて、そこら辺のわかり易さがポップ色を強めているように思うが、いつもどおりのモンドな肌触りのメロディとリズムが展開されているので、大きな変化はないが特有の切迫感は薄いが、初心者にもお勧めしやすい一枚だと思う。無論ヘンテコな音を受け入れた上で。
聴いた日:04月21日 アーティスト:Stereolab
Rainbow ChildrenRainbow Children
・01年発表(本人名義では)20th。追悼をかねて聞く。あの読めない記号からプリンスへと返り咲いた一枚。キリスト教的な宗教観で啓蒙されるコンセプチュアルな歌詞内容に生演奏主体ファンクサウンドが非常に濃厚。4と14でラリー・グラハムがベースで参加している。
あの過激でセクシュアルなイメージから一変してることに評価が賛否あるいうだが、ここで見られる姿は神への敬愛を隠さない真摯な姿である。基本的に「愛」について歌っているが演奏は先に言ったとおり、ディープなファンクサウンドであり彼の歌声とも絡み合うさまはやはりセクシュアルだ。
神父の講話的ではあるが、このアルバムのハイライトはラストの14に尽きる。「人生最後の12月がやってきたら君はどうする?」から始まる壮大なゴスペルバラードはその余りにも早い死と重なって、落涙せずにはいられない。じわじわと盛り上がっていく旋律は歌詞と相まって感動的でもある。
14のラスト、聖歌隊のコーラスが消えて、人々の雑踏が聞こえてくるアウトロ。これを聞いていると作った本人もそんなつもりじゃなかったろうが、あらかじめ用意されていたようにも感じてしまう。それを抜きにしても、内容的には復活といっていい出来だった。今はただ突然の訃報に哀悼の意を込めて。
聴いた日:04月22日 アーティスト:Prince
DESTINYDESTINY
00年発表3rd。ここに至るとディスコ〜80sポップスオマージュを我が物として、自らの血肉として送り出しているのが清々しいくらいに快感な一枚。リスペクトの先に見えるオリジナリティを確立しており、すこぶるダンシングなチューンの目白押しで聞いていて非常に楽しくなる。
ディスコソウルAORファンク、80sポップスなどなど、POPでハイセンスなサウンドを日本語に乗せて、見事にJ-pop化している。その職人技にただただ唸るばかり。この抜けのいいサウンドはおそらく彼らにとってもターニングポイントだったのではないかと思わせるほど。会心の名盤。
聴いた日:04月23日 アーティスト:ノーナ・リーヴス,西寺郷太,山本拓夫,NONA REEVES
サーヴィスサーヴィス
・83年発表7th。前作で散開予定だったが高橋幸宏三宅裕司率いる劇団、S.E.T.とのコラボを持ちかけ、散開記念アルバムとしてリリースされた一枚。なもので、曲の合間合間にコントが挟まる構成となっており、『増殖』も因んだものとなっている。が、あそこまでの相乗効果がないか。
しかし、楽曲はどれもクオリティが高いどころか、メロディの肌触りはプロフェット5のクリアなトーンとシックでスマートのイメージから80年代後半と言われても不思議じゃないくらい、ハイセンスなものに仕上がっている。確実に5年先を行っていたが、スタジオアルバムはここで一旦幕を下ろした。
聴いた日:04月24日 アーティスト:YMO
パブリック・プレッシャーパブリック・プレッシャー
・80年発表ライブ盤。第1回目のワールドツアー凱旋盤、なのだけどレーベル契約の関係上、ツアーに参加した渡辺香津美のギターが収録できず、坂本龍一シンセソロがオーバーダブされている。が、これが怪我の功名でライヴの熱気とサウンドの人工感が絶妙に絡み合い、バンドの魅力を浮き彫りにさせた
内容は初期YMOのベスト・オブ・ベストで、そのエキゾチックな雰囲気をこの一枚で存分味わえる。ハイライトは個人的に4。YMOの曲ではなく坂本龍一の曲だけど、キレのいい演奏とエキゾチックさ、テクノポップ感がこの盤でのYMOらしさを体現してる一曲かと。災い転じて福となした稀有な名盤。
聴いた日:04月25日 アーティスト:YMO
Purple Rain (1984 Film)Purple Rain (1984 Film)
・84年発表6th。大ブレイク作品。改めて聞くと幕の内弁当という印象。後年の作品の濃密さや過去作の猥雑なアクの強さがあまり感じられなくて、プリンスの類稀なる多種多様な音楽性が「ポップミュージック」という枠に収められている。薄味でもなく濃い味でもない、ちょうどいい塩梅の音楽が聞ける
この「ちょうど良さ」というのが非常に重要で、あっさりとしていながらもきっちり個性も主張している辺りにプリンスの狙い済ました計算高さが窺えるように思う。胡散臭さや危うげなイメージもスパイスとして混ぜ込んでいるのもこのアルバムの魅力を高めているのではないだろうか。
予想外の大ヒットというよりは今までの積み上げとりサーチの結果、繰り出した「音」で本人にとっては必然だったのかもしれない。今聞くと、ダンサブルなシンセの色合いより、その裏で鳴り響くギターの自己主張の強さが印象に残るのが興味深い。かなりストイックな作りの中で自由に弾いていたのかも。
聴いた日:04月27日 アーティスト:
Countdown To EcstasyCountdown To Ecstasy
・73年発表2nd。まだまだ後年の姿かたちは顕在化していないが、スタイリッシュな音に勢いとワイルドな雑味が残る一枚。本作ではジェフ・バクスターの演奏面の貢献が大きいように思う。R&B、R&R、ブルースジャズ、泥臭い黒人音楽がセンスよく鳴り響くのは作曲面もあるが、それだけではない
それら全てを咀嚼し、サウンドとして取り纏めているのが後にドゥービー・ブラザースに加入する事となるジェフ・バクスターだと考えると納得できるものがある。あの粘りの強い南部音楽たちを適度な軽さに仕上げるセンスの良さはメインの二人に引けをとらないのではないか、と。
実際、この盤はコンサートの合間を縫ってセッション製作されたようなので、より構築的でスタイリッシュかつジャジーに向かうフェイゲンたちと、泥臭い音楽を洗練させたいバクター方向性の違いが現れてるとも感じる。可能性の取捨選択がされる以前の作品というべきか。それゆえの荒削りな魅力がある。
結果、この作品を最後にバクスターは脱退。ドゥービー・ブラザーズに加入。フェイゲンたちは次の方向に舵を切るわけだが、後の彼らには見られない勢い重視の演奏が面白く感じられる盤でもあるし、音楽を楽しむという点ではこれが一番抜けのいい音を出してると思う。地味だが良作。1や8がお気に入り。
聴いた日:04月27日 アーティスト:Steely Dan
I Don’t Wanna Be With YouI Don’t Wanna Be With You
・07年発表3rdEP。前作アルバムでの強靭なビートと筋肉質で硬質なポストパンクサウンドを破棄して、NW的なシンセサウンドを指標した作品。これがそのまま次作のアルバムへと繋がる。ミニマルフレージングを繰り返すさまを見る限り、エレクトロファンクな趣も垣間見える作り。
エレクトロファンクというより、エレクトリックマイルスカオスクロスオーバーサウンドの影響も見え、3なんかはタイトルからも推察できるように、フュージョンのようなライトな旋律も顔を覗かせている。2のみ前作の趣がある曲。1はアルバムだと別アレンジで収録、4は無機質なエレクトロで長尺曲
全体にアーバンな寂しさを人工的なファンクネスとグルーヴで補うEPだと思う。一人で聞くような密室感と音の開放的な広がりが同居して表裏一体というか。派手さはないけど研ぎ澄まされた感性の鋭い一枚。時折、ジャズロックな色合いも個人的には見落とせない。
聴いた日:04月27日 アーティスト:ZAZEN BOYS
Fab Four SutureFab Four Suture
06年発表10th。いちおうオリジナルアルバムとしてカウントされているがメジャー契約の切れた05〜06年に連続リリースされたシングルEPの楽曲群を取り纏めた一枚。彼らのストレンジなポップ感覚が顕著に表れている作品だとも感じた。アルバムのコンセプトがない分、自由度はかなり高め。
ビーチボーイズ辺りの60sポップス的な白昼夢サイケのイメージを醸し出しながら、彼ら独特のテクスチャーでどこかで聞いたことがあるような、けど聞いたことのないデジャ・ヴなサウンドが興味深く、面白い。彼らの中でもかなりキャッチーだが同時にタガも結構外れてて、トリップ感のある一枚だ。
聴いた日:04月29日 アーティスト:Stereolab

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