Straw Dogs
*1:Rated R for strong brutal violence including a sexual attack, menace, some sexual content, and pervasive language.
Straw Dogs
暴力を嫌ってアメリカからイギリスに移住してきた数学者(ダスティン・ホフマン)とその若妻(スーザン・ジョージ)。村人たちの執拗な仕打ちに対し、ひたすら耐え忍ぶ夫だったが、精神薄弱者(デヴィッド・ワーナー)を家に匿ったことから村人たちの襲撃を受け、遂に怒りを爆発させる。
西部劇作家ペキンパー初の現代劇は、後半に淀みなく続く暴力描写が強烈なドラマとなった。演劇調のホフマンの演技もあいまって、きっちりした構成は舞台劇のよう。前半は夫婦の日常が丹念に描写され、中盤の妻がレイプされるシーンで心理的な転調が見られ、後半に至って大転換となる。暴力場面の迫力も、描き込まれた脚本や演出があって効果的となっているのだ。『ゲッタウェイ』のような痛快アクションを期待すると、後味の悪ささえ感じるだろう。だが、暴力と人間という真摯なテーマをすくい上げることが出来れば、この秀作の価値が分かる筈である。