1901年〜1946年。 戦前に活躍した小説家。探偵小説、冒険小説など。 かなりの読書家で、作中やたら独学で得た蘊蓄が登場する。代表作『黒死館殺人事件』は、日本ミステリのオールタイム・ベスト級の作品にして、一大奇書。
本日は朝にすこし文庫本を手にしていたのですが、最後までたどりつくことが できずで、朝食の用意にとりかかることになりです。ふだんから朝食はいつも 決まったものを食していることもあって、当方が担当することになりです。 りんごと人参にレモンのスムージーを作り、アマニオイルを混ぜて飲む、その あとは自家製パンをカットして、ピザトーストにすることにです。 函館カールレーモンとベーコンとカルパスをトッピングして、セルロースを 使っていない明治のチーズミックスをのっけてトースターで加熱です。 あとは、近所の自家焙煎のコーヒー屋さんの前をひいて、ドリップしたのを飲む ことになります。なかなかぜいたくな朝食だな…
これまで読みついできた図書館本が、なんとなく一段落ついたような気持と なって、ずっと読むのを中断していた「黒死館殺人事件」を手にすることにです。 ひどくペダンチックでありまして、うまく頭に入ってはこないのですが、とにか くこれは読んでしまうしかないかです。 それにしても以前も記していますが、こういう小説が昭和の初めに書かれてい るのですから、驚きであります。この作品などはすでに著作権が切れていまして、 いまでは青空文庫でも読むことができるのですが、やっぱり印刷された本で読む ほうがよろしであります。これを読み終えたら、そのうちに「ドグラ・マグラ」 も読むようにしなくてはです。 黒死館殺人事件・…
ちょっと気分を変えて、ついでにページを稼ぐことができないかと、すこし よこしまな気持ちで手にした角川文庫版「黒死館殺人事件」でありますが、こ れがけっこう苦戦するのですね。これだけ文字が大きくて、読みやすくみえる のに、どうしてこんなに勢いがつかないのかな。 それにしても、この時代にこのような小説を受け入れた読者さんというのは、 すごくレベルが高いなと驚くことです。 この作品を読むのは、これが最後の機会になるかもなので、なんとか時間をかけ てでも最後までいかなくてはです。近々に列車で移動の機会がありますので、 その時の持参本にしましょうかなです。 黒死館殺人事件・完全犯罪 (角川文庫) 作者:…
最近は本を読むスピードが落ちていましたが、今回の「ジュリアン・バトラーの 真実の生涯」は、久しぶりに順調にペースが進みまして、楽しい読書時間をおくる ことができました。久しぶりだなあ、こんなにページが進んだのは。 この勢いを大事にしたいものであります。この次に何を手にするかでありますが、 読みさしにして手近におかれている本はたくさんありまして、「ジュリアン・バトラー」のなかでは、プルーストの本に言及されることが多かったので、外出先で 読むようにしているプルーストの文庫を読みつごうかなとかと思ったものの、これ では勢いがつかないということで、次のものを手にしてみることにです。 黒死館殺人事件・完…
怖い本祭り最終回って事で、いっきに2冊の本の感想をだべりまくっていこうと思います 1冊目「旧怪談」 まず、京極夏彦…「巷説百物語」「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」は読了済みで、おととい読み終えたのは「旧怪談」という本です 旧(ふるい)怪談―耳袋より (幽ブックス) 作者:京極 夏彦 メディアファクトリー Amazon この作品は、江戸時代の「耳袋」という怪談を京極夏彦氏が現代風の文章にアレンジして読みやすくしたもの 印象的だった話を2つほど… 「ぼろぼろ」 「トイレに行く」と言って20年立ってから戻ってきた男性の話 なんでも20年の記憶がないという、まるでバミューダトライアングルに入った人みたいな事…
黒死館殺人事件 作者:小栗 虫太郎 Amazon 遂に日本三大奇書の一つである『黒死館殺人事件』を読破しました。 と言っても、半分も理解出来た気がしません。 偶然ですが、少し前にヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』を読了していたのが活きました。 『グリーン家殺人事件』の内容に触れている場面が何度かあり、ネタバレも含まれていたので。 そもそも、『グリーン家殺人事件』をモチーフにしたような事件となっています。 自分の膨大な知識をひけらかすような書き方をペタントリーというらしいのですが、この本がまさにそれです。 英語・科学に化学、西洋史、宗教学、心理学、犯罪学、医学、物理学・・・等々の難しい知識で…
★ 沢田安史さんが、「虫太郎の新聞小説」を日本推理作家協会の「協会報」2021年4月号に寄稿されました。また、江波戸泰子さんが「おじいちゃん、一二〇歳おめでとう」をお書きになっています。 以下のページでご覧になれます。 www.mystery.or.jp
★ 沢田安史さんが「小栗虫太郎著作目録」を、小栗虫太郎『亜細亜の旗』( 春陽堂書店)に寄稿されました。『新青年』趣味18号に掲載したものの改訂版となっています。 ・小栗虫太郎『亜細亜の旗』、春陽堂書店、2021年3月14日発行、本体4,500円+税 亜細亜の旗 作者:小栗虫太郎 発売日: 2021/04/01 メディア: 単行本 ※春陽堂書店のHPも、ご覧ください。 www.shunyodo.co.jp
一条真也です。『探偵小説と日本近代』吉田司雄編著(青弓社)を紹介します。わたしは幻想文学(ホラー・ファンタジー)、SF、ミステリーが人間の「こころ」に与える影響というものに深い関心を抱いています。本書もその関心から読んだのですが、論考集なので硬めの文章が多かったです。しかし、わたしの知らないことがたくさん書かれており、興味深い箇所も少なくありませんでした。 本書のカバーには宝珠光寿の銅版画が使われており、表紙には「科学的な言説と大衆的な不安とが交差するなかから誕生した探偵小説は、時代をどのように表象してきたのか。近代文学の探偵小説的なるものの系譜を追いながら、魔的で奇怪な物語空間を縦横無尽に論…
一条真也です。2ヵ月ぶりに感染者数が300人以下となった東京に来ました。まさか、このまま東京五輪に向かって突き進むのでしょうか? それが一番怖いことですね。わたしは、「東京五輪はるかなり」と思っています。『幻島はるかなり』紀田順一郎著(松籟社)を紹介します。「推理・幻想文学の七十年」というサブタイトルがついています。著者は評論家、作家。1935年、横浜市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。専攻の書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。詳しい略歴はブログ『幻想と怪奇の時代』で紹介していますが、その『幻想と怪奇の時代』(松籟社)により、2008年度日本推理作家協会賞および神…
雨の日曜日。 篠田真由美・長沖充『ミステリな建築 建築なミステリ』を読んで建築とミステリに思いを馳せたり昔を思い出したりする。高校生の頃に小栗虫太郎『黒死館殺人事件』は読んだのだけれど、探偵が法水麟太郎であること、ペダンティックなごちゃごちゃとしたよくわからん話が延々と続いたあとで急に探偵による謎解きが始まったことしか覚えていない。ただペダンティックな文章は真面目に読むべきものではなくて、ゴテゴテとした装飾のラビリンスの中で煙に巻かれるのを楽しむものなのだろうと思った記憶がある。 www.xknowledge.co.jp www.kawade.co.jp
祖母は同じシリーズの本はある程度、纏めて保管していたのだが、順番に並べておらず(しかし、これまで見て来たように時代小説のシリーズは番号を打っていないことが多く、並べにくいと云うことはある)途中の何巻かが別置されていたりする。私にはそもそも知識がないので、何冊出ているのか、祖母が揃えていたのかどうかも分からない。とにかく纏まって置いてあるのを持ち帰って、そこで初めて、そのシリーズについてネット検索して、どの程度持っていたのかを知る。初刷から買っているシリーズはほぼ揃えていることが多いようだ。しかし何年も経ってから冊数の多いシリーズを集め始めたような場合、揃える前に止めてしまったことが多いらしい。…
踊子殺人事件:武田武彦 1946年(昭21)岩谷書店、岩谷文庫10。 武田武彦という探偵小説作家の名前はあまり聞かなかったが、調べてみると終戦直後に創刊された雑誌「宝石」の編集にたずさわった人で、その合間に作品を書いていたようだ。デジタル版で岩谷文庫の一冊を手にしたが、あとから考えれば、その時期に刊行された粗悪な紙の薄っぺらな冊子の短篇だった。編集者らしいこなれた筆致で、戦後風景の中で起きる事件を書いているが、モーリス・ルヴェルの短篇のネタを(どれとは言わないが)応用したように思う。恐らく「宝石」に掲載したものを文庫化したようだ。その時期の推理小説業界の状況も垣間見えて面白かった。☆☆ 国会図…
(2024/3/4) 『何かが空を飛んでいる』 稲生平太郎 国書刊行会 2013/11/25 <ログフォゴあるいは「岩の書」――リチャード・シェイヴァーについてのノート> ・リチャード・シャープ・シェイヴァーは、1907年、合衆国ペンシルヴェールニア州はバーウィックという小さな町で生まれた。 ・大きな転機、あるいは危機が訪れたのが1932年、デトロイトの自動車工場で溶接工として働いていた折のことである。 作業中に、突然、幾つもの「声」が頭の中で聞こえはじめたのだ。 もちろん、シェイヴァーはすぐに医者にかからねばと判断するような粗忽な人物ではなかったので、同僚たちの思考がテレパシーで伝わっている…
2月の読書メーター読んだ本の数:19読んだページ数:3941ナイス数:65内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)の感想アメリカ人が書いた、よくある冗長な本。外向的な人間がもてはやされがちな世の中だが、世界中の偉大な業績は実は内向的な人間が挙げているのではないか。みたいなことをずっと言ってるだけ。読了日:02月29日 著者:スーザン・ケイン山椒大夫の感想再読読了日:02月28日 著者:森 鴎外【増補改訂版】幽体離脱入門 霊トレで離脱は誰でもできるの感想幽体離脱がこんなにめんどくさいものだとは思いませんでした。絶対やりません。読了日:02月27日 著者:大澤 義孝臨死体験…
俺は高橋和巳の小説は日本の教養主義者を描いたものだと思う。日本の教養主義は以下のアイデアに基づく。なので、小説やエッセイの主題になっている社会主義と共産主義運動、組織論、政治と文学はかっこにいれたほうがよい。なにしろ21世紀にはそれらの運動はないし、当時のような党はないし、問題設定もないし。1950~60年代の問題設定に引きずられると、この人の小説は回顧趣味にしかならない。 odd-hatch.hatenablog.jp odd-hatch.hatenablog.jp そうすると高橋は戦争に「遅れてきた青年」であり、敗戦と焦土が深刻な開始地点である。たいていの主人公は戦時中の体験がトラウマにな…
2024/02/20 河出文芸読本「高橋和巳」(河出書房)-1 若い人にはウケたが、年上の人は批判的だった「苦悩教」の作家。 1980年の続き 没後に編集された高橋和巳評。 座談会 高橋和巳の文学と思想(大江健三郎/小田実/中村真一郎/野間宏/埴谷雄高) ・・・ 作家を知っている人たちの作品評。埴谷がとても雄弁で、中村と野間は静か。大江は50代の大学教授を語り手にした「悲の器」を青春文学としているが、それは人生の可能性を展望しながら現在の自分を考えるからだそう。後、高橋の小説は「私」を書くが「私小説」ではない。若い人にはウケたが、年上の人は批判的だったとのこと。 高橋和巳と中国文学(井波律子)…
自宅の整理をしていたら、以前購入した昔の小説が出てきました。 小説の分野は、幻想小説の領域にあるもので、終戦後に発行された小栗虫太郎の有尾人。 日正書房という現在は存続していないと思われる会社から昭和22年に出版された短編集で、本題以外に大暗黒、水棲人の3つの短篇が収録されているものです。 探検小説の副題がこの単行本に出ているとおり、有尾人の作品では、赤道中央アフリカのコンゴ北東部にある「悪魔の尿溜」という秘境が紹介されています。 これは、小説上の設定で架空の秘境らしいですが、ありえないくらいのネーミングでインパクトがあります。
ミステリーを中心にメモ、整理、更新 あくまで”読みたい”ということで、新刊などで気になったものあれば適宜手に取ってみようと思います。 実際読んでいくのは、ミステリー6:ビジネス系4くらい割合になると思います。 著者 タイトル 大阪圭吉 とむらい機関車 米澤穂信 満願 中井英夫 虚無への供物 笠井潔 ミネルヴァの泉は黄昏に飛びたつか? 恩田陸 中庭の出来事 泡坂妻夫 湖底のまつり 竹本健治 匣の中の失楽 夢野久作 ドグラ・マグラ 小栗虫太郎 黒死館殺人事件 早坂吝 〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件 高原伸安 予告された殺人の記録 有栖川有栖 マジックミラー 有栖川有栖 双頭の悪魔 法月綸太郎 法月綸太郎…
「最後の事件@回想」1891年から「空家の冒険@帰還」1894年の間、ホームズは失踪していた。のちにインド、ネパール、チベットなどを放浪していたことがわかる。その間に手掛けた事件をジョン・ワトソンは残さなかった。しかし、「テッド・リカー」が1960年代に下宿していた学生宿の奥さんは、彼を気に入り、1980年代に死亡した時、膨大な書付を渡した。それはなんとワトソンが住んでいた家の家主が残していたものだった。どうやら1905年ころからワトソンが閑の合間に書き残したものらしい。ホームズ死後半世紀が経過したとなると、発表を躊躇する理由はもうない。 というわけで、ホームズが東洋にいた間の事件9つが紹介さ…
~3歳児の友人はグリモー教授!?~法月綸太郎『雪密室』講談社 雪密室 新装版 posted with ヨメレバ 法月 綸太郎 講談社 2023年02月15日 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す ebookjapanで探す あらすじ 主要登場人物 特徴 この小説に向いている人 この小説に向いていない人 まとめ 追記①この小説が好きな方にオススメ 誰彼 白い僧院の殺人 吸血の家 星降り山荘の殺人 スウェーデン館の謎 名探偵はもういない あらすじ 二重の密室状態から、犯人が消えた。父は警視、息子は作家。法月親子は密室殺人のトリックを解き明かせるか?雪の山荘へ招かれた法月警視。客…
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本もぼちぼち読んでいるので感想などメモ。 「メルカトル悪人狩り」麻耶雄嵩(講談社文庫) 初読。ガチガチの本格ミステリでありながら、本格の枠組みをバキバキに破壊してくるミステリ界のアヴァンギャルドこと麻耶雄嵩。「銘」探偵ことメルカトル鮎がまた突拍子もない論理で読者の常識をタテヨコナナメに揺さぶってくる前衛ミステリ短編集。前作「メルカトルかく語りき」が、本格でありながらミステリの最後の砦まで爆破してくる大問題作だったため、今回は一体どのようなやらかしを見せてくれるのか…とワクテカで読みました。流石に前作ほどの破壊はないものの、推理前提がどんなに不条理で非現実的でも、それを前提として組み上げられた論…
土曜日。雲間からの日差し。日中、意外と晴れる。11月だというのに、まさかの起床時暖房予約。普段は12月まで粘るのに、この気温の急転直下ぶりよ。巷で云われているように、いよいよ日本は二季化していくのか。などと、朝は考えている余裕もなく。健康診断の予約の都合上、昼まで絶食状態。朝から食う人間にはキツイ。オプション検査の関係上、血を例年より一本多く抜かれる。採血担当の女性が近年稀にみる手練れ。目視しているのに針を刺している感覚がチクリとも無い。抜いた感覚も無い。すげえ。どこの師範だ。胃カメラもあったゆえに、検査後一時間さらにお預け。とっとと帰れば良いものを本屋に寄る。空腹を超えに超えたテンション。 …