www.yukitekaheranu.jp 絶えて久しい根岸吉太郎監督16年ぶりの新作。 しかも脚本は当代随一、田中陽造。1980年代の日本映画を牽引した二人の、待望の化学反応を見届けねばなるまい。 映画冒頭、宿屋と思しき二階の部屋、外は雨。横たわる長谷川泰子(広瀬すず)が起き上がり、屋根にはそこに置かれたようにある柿が一つ。 その屋根から見下ろす様なクレーンショット、左右にシンメトリックに並ぶ宿屋や店屋の真ん中の石畳の舗道を赤い番傘が進む。 泰子が階下へと降りて行き、番傘の男、中原中也(木戸大聖)と出会う。 もう鳥肌が立つ程見事に濃密なショットの連続だ。 撮影所に贅沢なまでに微細に作り込まれ…