日本の食文化で世界に誇れる発酵食品がありますね。私も味噌としょう油は毎日のように口にしていると思います。そのしょう油について、市場経済を勝ち抜くためには、いろいろな工夫がなされていることを知りました。 安部司『食品の裏側』(東洋経済新報社、2005年)は、現時点で37刷というロングセラーということですが、なかなか考えさせられる記述がいっぱいありました。その中の一つに、私が毎日使っているしょう油の話があり、日本の食品業界についてがっかりさせられた内容がありました。 昔ながらのしょう油の原料は、大豆と小麦、塩、麹です。麹からつくられた酵素が、大豆や小麦のたんぱく質をアミノ酸に、でんぷんを糖分に変え…