イギリスの19世紀の女性旅行家。偏見の少ない観察眼で東洋各地の旅行記を残し、貴重な民俗資料ともなっている。なお、多和田葉子の小説『球形時間』(新潮社 ISBN:410436102X)にも、イザベラ・バードが登場している。
1831年10月31日、英国ヨークシャーのバラブリッジに生まれる。父エドワード、母ドーラ。
23歳(1854年)の時に、医師の薦めで、アメリカ、カナダを訪れる。これを契機に、72歳(1904年)まで、通算30年に亙る世界各地への旅行を行う。
女史が旅行した地は、ロッキー山脈、サンドウィッチ島、日本、マレー諸島、カミュールとチベット、ペルシャ、朝鮮 (韓国)、中国等。
明治11年の6月から9月にかけて、47歳(1878年)の時に、東北、北海道を旅行し、この時の記録を1880年10月に「日本奥地紀行」(原題「日本の未踏の土地」)(2巻)として出版する。
世界各地の辺地旅行記の出版などの功績が認められ、62歳(1893年)の時に、英国地理学会(ROYALGEOGRPHICAL SOCIETY)の特別会員に選ばれる。
『ロッキー山脈踏破行』平凡社ライブラリー(1997)
『日本奥地紀行』平凡社ライブラリー(2000)
『朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期』講談社学術文庫(1998)
『中国奥地紀行』東洋文庫 (2002)