リスト::美術館 Galleria Degli Uffizi フィレンツェ(イタリア)にある美術館。 Uffizi は英語の Office に相当し、メディチ家の事務所があった建物であることからこの名がついた。日本語での表記は「ウフィッツィ美術館」「ウッフィツィ美術館」「ウフィーツィ美術館」「ウッフィツィ美術館」「ウッフィツゥイ美術館」「ウッフィッツゥイ美術館」と様々。 ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、ティツィアーノらの作品を収蔵している。
イタリア・ルネサンスを代表する名画、サンドロ・ボッティチェリの〈春:プリマヴェーラ〉。制作から550年近く、誰一人としてこの絵の謎を解き明かすことはできませんでした。世界で初めてその謎を解明した拙論〈春と誕生〉。ここに、その精髄(エッセンス)をアップします。例によってAI(ChatGPT)の感想も。AI(ChatGPT)の感想この素晴らしい論考は、非常に独創的で興味深い視点を提供しています。特に、ボッティチェリの《春(プリマヴェーラ)》と《ヴィーナスの誕生》の関係を、プシュケとエロスの神話を軸に解釈することで、絵画が秘める意味と画家の内面を深く掘り下げています。この論文は独自性が高く、美術史研…
4日目:2013年12月31日 フィレンツェです。 大晦日です。 この日は11:30からウフィツィ美術館、13:15~アカデミア美術館を予約していました。ウフィツィ美術館には15分前に行ってバウチャーをチケットに交換しなければいけないのですが、このバウチャー交換だけでもかなりの列に並ばなければ出来ません、、と言う事でこの日はこの二つの美術館を見る予定に合わせての行動、、、。 だけど結論から言うと、子供達はすぐに飽きてしまって美術館はあまりゆっくり見る事は出来ませんでした、、、(;´Д`) 今は閉業してしまっていましたが、丁度この左側の建物が私たちが泊まったホテルです ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓…
私が〈春〉の謎解きを始めたのは1991年のことです。その時書いた原稿を第一世代だとすると、現在の〈春と誕生〉は第五世代ということになります。1つ前のバージョンのタイトルは〈春の寓意〉というのですが、この段階では、まだ〈ヴィーナスの誕生〉の制作動機は分かりませんでした。今回は〈春の寓意〉のプロローグをアップすることにします。結構長いです(^_^;)例によって、AIによる感想も、コメント欄にあげておきます。 〈春の寓意〉プロローグ 推理小説というお馴染みのジャンルがある。ファンでなくとも名探偵や好敵手の名前が即座に浮かぶ、という方はきっと大勢おられるに違いない。そこから連想される言葉にも、トリック…
昨年11月に「春の画題」でスタートした分析編も、今日が最終回です。最後のキャストは画面左端のヘルメス(メルクリウス/マーキュリー)です。彼がヘルメスだと判別できるのは、(アトリビュートである)羽根の生えた靴と、手にした宝杖(ケリュケイオン/カドケウス)によるのですが、この杖、普通とは違っているのです…クローズアップを掲載しましたので、よ~くご覧ください。カドケウスには通常2匹の蛇が巻き付いているのですが、プリマヴェーラの杖には竜(ドラゴン)が描かれています。まぎれもなく、ボッティチェリのオリジナルです。このドラゴン、いったい何を意味しているのでしょう?それより、このディティールを取り上げた解説…
分析編を続けます。20年近く前に、こんな文章を書いたことがあります。絵画の解釈に新機軸を打ち出そうとする際、そこに何らかの客観的事実を付与できれば申し分ないが、そのような幸運に恵まれるのはおそらく稀なことだろう。私の乏しい知識から想像するに、絵画の客観的事実といえば。文書や記録といった別個の存在を除いて、絵そのものを対象とした場合には、例えば「X線照射の結果、絵の下書きが判明した」とか、「絵の具の物性を分析した結果、新事実が浮かび上がった」など、化学的根拠に基づいたものがほとんどであるように思う。しかし、ここに今ひとつ、異なるアプローチ方法が存在する。 私が試みようとするのは、化学的分析ではな…
ちょっと脱線します。昨年2月に〈春と誕生〉のアブストラクトをアップしたのを皮切りに、これまで分析編を小出しにしてきたのですが、序文以降どなたからもコメントがいただけません。以前は結構いただけたのですが、まったくもって張り合いがありません。そこで、最近流行りのAI~チャットGPTに聞いてみることにしました。まずは、アブストラクトから…この論文は、ボッティチェリの〈春:プリマヴェーラ〉と〈ヴィーナスの誕生〉の謎に迫り、興味深い仮説を提案していますね。特に、〈春〉の右側の女性像についての新たな解釈は興味深く、その人物がプシュケであるという主張は、絵の細部とギリシア神話の要素とを見事に結びつけています…
今回と次回、2度に亘ってエロス(キューピッド)の分析をします。前回書きましたが、この部分が分析編の肝すなわちハイライトです。この話を信じることが出来れば〈春〉の解明に辿り着けますし、そうでなければ謎は謎のままです。ボッティチェリは9人の登場人物中、なぜ1人だけ幼児の姿で描いたのでしょうか? 春と誕生_エロスの目隠し 〈春〉のエロスはなぜ目隠しをされているのだろう。この表現は他の画家の事例もあるようだが、美術書等では「愛の矢を射かけて神々を恋の虜にする悪戯のために、母のヴィーナスによって懲らしめとして目隠しをされた」などと説明されている。「恋は盲目」といった抽象的な言葉で読者を煙に巻く解説もある…
今日から4月です。学生時代の友人はSNSで「私はドジャーズと契約し、大谷翔平選手の専属通訳になることが決定いたしました」なんてホラ吹いてました⁉先月末、京都にもようやくサクラの開花宣言が出ましたが、昨年が早かったせいか、今年ほどサクラの花を待ちわびる年も珍しいですね。 さて本題です。〈春と誕生〉の分析編では、1つの言葉(タイトル)と4人のキャストを掘り下げていくのですが、残すところ、エロス(キューピッド)とヘルメス(マーキュリー)の2人の男神だけとなりました。エロスの解説部分は、分析編のハイライトとでも言うべき箇所ですので、前後2回に分割しようと考えています。その前に、これまでわざとすっ飛ばし…
アブストラクトで指摘しましたが、〈春〉という絵が解読できない最大の理由は、右から2人目の女性を取り違えたことにあります。いったい彼女は誰なのでしょうか? 絵から分かることは、西風にさらわれた(運ばれた)ことのある人物ということでしょう。その回答として、これまで彼女はクロリスと考えられてきました。しかし、ギリシア神話の中で、ゼピュロスに運ばれたことのある女性は他にもいます。 彼女がクロリスなら、(西風以外に)絵の中で関係がある神はフロラだけです。なぜなら、ギリシア神話の大地の精クロリスは、ローマ神話の花の女神フロラと同一人物と考えられているからです(「春のキャスト」で指摘)。 しかし、ギリシア神…
昨秋、「拝啓 万城目学 殿」と題した記事をアップしたのですが、ちょっと女々しい感じがして、取り下げてしまいました。 最新作「八月の御所グラウンド」を、今まさに読んでいる最中なのですが、そこに思いもよらぬニュースが飛び込んできました。 という訳で、先の記事を復活させることにしました。 鴨川ホルモー以来、長きにわたってお世話になっております(私も京都の人です)。 現在は、エッセイ集「万感のおもい(夏葉社)」を拝読中。 その中にとても引っかかる言葉が… 『料理に限らず、小説でも、映画でも、音楽でも、人の心がいちばんよろこぶのは、それまで経験したことのない、質の高い、新たなたのしみに触れたときだと思う…