イタリア、ルネサンス期のフィレンツェのメディチ家は東方貿易と銀行業で財をなし、フィレンツェの市政を掌握した名家である。メディチ家礼拝堂は現在ではフィレンツェ観光の名所の一つでもある。 この小説は、1966年11月4日に起こったフィレンツェの大洪水の場面から始まる。メディチ家礼拝堂の管理人マーリオ・スポラーニが礼拝堂地下の墓室への浸水被害を心配して見回りに出かける。地下室に浸水し、スポラーニ自身が危険な目に遭う。その時、偶然長さ30cmくらいの円筒を水の中で見つけた。これが、後の伏線となる。 そして時代は現在に。研究者たちがメディチ家礼拝堂で科学的な調査を行う現場に場面が転換する。墓室の遺体から…